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英雄のタクティクス その十二 球戦の法制(×FFT) 投稿者:かい 投稿日:04/16-02:36 No.321

「ぜ、全滅……!?」

ラムザが教師になって五日が経った日の事だった。

学園長が数日前に派遣してくれた調査員から連絡が入ったらしい。
調査結果を聞くためにラムザは、昼休みに学園長室に訪れていた。

「うむ……なんとか見つけた事は見つけたらしいんじゃが……」

学園長が言うには、先日の夜、調査員から助けを求める念話が来た。
そしてすぐさまに救出隊を送った所、なんと全員石化していたらしい。

その調査員達は現在、病院で石化させた魔法の解術をしようとしてるとか。
肝心の情報は、全員共石化していたので聞き出せないらしい。

「しかもかなり複雑かつ異質な魔法らしくての、解術にはしばらくかかるらしいのじゃ」

「異質?」

病院長から聞いた話だと、三人にかけられた魔法は、今まで見たことも無い物らしい。
まるで『この世の魔法とは思えない』と……。

この世の物では無い魔法……。
石化……。
そして聖石……。

ラムザの中に一つの考えが浮かんだ。
でもそんな事があるはずが無い。あってはならない。
なぜなら……。


キーンコーンカーンコーン。


色々と思案を巡らせていたラムザだが、チャイムの音で現実へと戻された。

「では授業がありますので失礼します」


午後の授業は……たしか屋上でバレーボールだった。
運動着に着替えてから行かなければならない。

着替えていたら午後の授業には完璧に間に合わない。

「こんな事ならもうちょっと早く出てくればよかったかな……」

後でネギ君達に謝らないと。
そう考えながらラムザは教員用更衣室へと向かっていった。









「高等部一名アウト、内野残り十人です!」

着替えが終わり、屋上へとやってきたラムザが最初に見た光景は、バレーボールでは無くドッチボールをやっている生徒達であった。

「……」

「あ、先生~。遅かったですね」

最初にラムザに気づいたのは、チアリーディング姿で応援をしていた柿崎美砂であった。
しかし今のラムザにはそんな事は気になっていない。
とりあえずこの状況を説明して欲しい。

「えっと、確か今日はバレーをやるんじゃ……」

「あー、それがですね。何時の間にか高学部の連中とドッチボールで試合をする事になりまして」

「で、私達はその応援でーす」

円の答えに桜子が続く。
さらに話を聞いていると、こちらが負けるとネギを取られてしまうのだとか。
そしてぜひラムザに助っ人を頼みたいらしい。

女しか参加していない(ネギを除く)この勝負において、男の力は絶大な戦力になるのだとか。

しかし……。

「え、でも僕は」

「いいからいいから。審判、選手交代ねー!」


そんなこんなで半ば強引に試合に出場させられてしまった。
しかしラムザの顔は、なぜか曇っていた。

「良かった。実力がある人が少なくて困ってたのよ」

「ラムザ先生頑張ってねー」

「ラムザさん。頑張りましょう」

頼りにされても困ってしまう。
なぜなら、この勝負で活躍する自身がないからである。

なぜ活躍できないと思うのか。
それは……。


「ねぇ、ネギ君」

ラムザは身を屈め、周りに聞こえないようにネギに耳打ちした。

「なんですか?」

「僕、ドッチボールのルール知らないんだけど……」

「え!」

そう、ラムザの世界にドッチボールというスポーツは存在しなかった。
バレーボールも同様なのだが、授業でやるとわかっていたので前日のうちに頭に入れておいたのである。
しかし、ドッチボールと来ると話は違う。元々授業でやる予定は無かったので、ルールを知る暇などなかったのである。

だが今更そんな事は言っていられない。
すでに勝負は再開しようとしているから。


「試合再開!」

審判が持っていた笛を鳴らす。
もう後戻りはできない。

「や、やるしかないか……!」



勝利条件 すべての敵を倒せ!

READY!







続く……。

英雄のタクティクス 英雄のタクティクス その十三 仲間を求めて

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