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-第3章-更にあれから5年後の話 投稿者:kaname 投稿日:08/15-09:54 No.1107
SIDE:悠二
「暇だ。」
僕のお気に入りの憩いの場所である木の下で木に背をもたれかからせながら、呟く。
今も仕事中の勤労者達や通学中の学生達が聞いたら確実に怒りそうな台詞だな、と自分でも思うが、僕にとっての仕事とはこの村に住む人達を守る事だ。
今は、暇だと言っても全く過言ではない。
「そういえば今日はネギ君とアーニャちゃんの通う魔法学校の卒業式だったな・・・」
ふと、思い出したので、言葉にする。
ネギ君は頑張りに頑張り続けた結果として、僅か10歳にして此処の魔法学校を首席合格が決定しているらしい。
(帰って来たら褒めてあげよう・・・)
そう思いながらも、もう一眠りする事に心の中で決定、
「悠二さんっ!!」
と、思っていたら、突如聞こえて来た女の子の声で眠気が吹き飛ぶ。
ふと、声の聞こえて来た方向に顔を向けると、此方に走って来る女の子がいる。
速度からして恐らく全力疾走だろう。
女の子は自分のもうすぐ近くまで来ていた。
「ゆ、悠二さん・・・、大変・・なんです・・・」
息も切れ切れに言葉を放つこの女の子の名前は、ネカネ・スプリングフィールド。
ネギ君のお姉さんだ。
ひとまず落ち着かせる為に、違う話題を持ち出す事を思いつく。
「今日は、ネカネちゃん。今日も良い天気だね。」
出来る限り自然に微笑みかけ、今日の天気についてを話す。
「ひゃ、ひゃいっ!?」
何故かは分からないが、途端に真っ赤になるネカネちゃん。
はっ!?もしかして熱中症か?
(((((ズッシャアアアア――――――――――!!!)))))
ん?何だ?どっかで誰かがこけた音がした様な気がする。
しかも1人じゃ無かったな。具体的に言えば、そう、5人。
(((バカ坂井ーーーーー!!鈍すぎなんだよお前ーーーーー!!)))
いかん、幻聴が聞こえる。
しかも何か微妙に腹が立つし、今度は5人ではなく3人だったな。
まあいいや。些細な問題だし、今はネカネちゃんの言う大変っていうのがどんな事かを知るのが先だ。
「変な事言って御免ね、それで大変って何がどう大変なの?」
話を元に戻す。
さっきまで何処か違う世界に飛んで行ってしまっていたっぽいネカネちゃんもそれを聞いて戻ってきた様だ。
「は、はい。実はネギの今後の修行内容の事なんですが・・・」
一度そこまで言ってから言葉を切る。
「それがどうかしたの?」
別段驚きはしない。
ネギ君は首席合格したのだから、他者よりもやや難しい課題が出ても可笑しくは無い筈だ。
「日本で先生をする事なんです。」
「はい?」
先生?教師?teacher?生徒に勉強を教えるあの?シャナに完膚無きまでに誇りを叩き潰されたあの人達と同種の仕事をネギ君が?
いかん、混乱している。
当然だ、ネギ君の今の歳って確か・・・
「ちょっ、一寸待ったっあああああああああああああああああああ!!!!」
とりあえず大声を上げて混乱を吐き出す。
ネカネちゃんはいきなり大声を出した僕に少し驚いた様だ。
「ネギ君が先生って、日本の法律には労働基準法って言う物があるんだよ?
ネギ君の年齢は数え年で10歳だから、どう考えても雇用してもいい最低年齢に届いてないのに・・・何かの間違いじゃないの?」
一通り思った事を要約して口に出す。
「私もアーニャちゃんもそう思って修行内容が浮き出た羊皮紙を何度も調べてみたり、学園長に抗議したりしてみたんですけど、羊皮紙はどんな事をしてみても『A teacher in Japan』以外の文字を浮かべようとしませんでしたし、学園長も羊皮紙がそう出している以上修行内容は先生以外にはありえないって・・・
悠二さん、如何しましょう!
ネギが先生なんて、私心配で心配で!」
ネカネちゃんは本当にネギ君の事を心配しているのだろう、声が少し震えている。
「大丈夫だよ。」
「えっ?」
僕の放った言葉に驚くネカネちゃん。
それに更に言葉を繋ぐ。
「羊皮紙がそう出して変わらないのなら、絶対に日本の何処かに先生として雇用してくれる学校がある筈さ。
ネギ君は10歳とは思えない程にしっかりした子だし、もう大学卒業程度の学力があるから人に教える事も問題ないよ。
それに、僕が付いて行くしね。」
それを聞いてネカネちゃんの顔がぱっと明るくなる。
「そうですね!悠二さんが付いて行って下さるのなら全く問題は無くなったも当然です!」
その言葉を聞いて嬉しくなる。
随分と信用してくれている、それだけでとても嬉しい。
「悠二さん!
ネギの出発は、明後日の午前11時頃の予定ですからね!
忘れないでくださいよ!?」
そう言い残し、ネカネちゃんは走り去っていった。きっと、ネギ君に僕が付いて行く事を伝えに行ったんだろう。
「さてと。」
ネギ君が先生か、これは大変な事になりそうだ。
何故かは分からないがこういう時の僕の勘はおそろしくよく当たる。
「ありったけの宝具を用意するべきだな。
自在法の型も新しいのを2,3個組んでおくか。」
独り言を不安を塗り潰す為に呟く。
「本当に、この嫌な予感が外れてくれます様に。」
この予感は良い意味でも悪い意味でも外れる事になるのだが、これはまた後のお話。
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