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-第4章-麻帆良学園到着!!と思ったら女難全開!? 投稿者:kaname 投稿日:08/17-14:30 No.1120

   SIDE:悠二

僕等は今現在ネギ君の雇用先の学校である麻帆良学園中等部へと電車に乗って向かっているのだが、今の状況はと言うと・・・


「うわあ~、女性が一杯だ。

これが日本の学校の登校風景か。」


うむ、ネギ君状況説明有難う。

そう、僕等の周りはざっと見ても僕等以外の男性は1人としていない。

気のせいかなあ?ネギ君。

僕等は此処にいてはいけないトーチ並みに矛盾した存在な気がするよ。

それとネギ君、日本の何処に行ってもこんな特殊な登校風景は此処、麻帆良でしか見られないと思うよ?

そんな僕の思いを余所に、電車は順調に進んで行く。

神様、僕何か悪い事しましたか?



―――――――――――――――――――――――――――――――――――



   SIDE:ネギ


「うわあ~、女性が一杯だ。

これが日本の学校の登校風景か。」


周りをぐるりと見渡しながら呟く。

悠二さんはなんだか『人生に疲れました』とでも言わんばかりの暗い表情をしながら、本日何度目かも分からない深い深い溜息をついていた。

ちなみに悠二さんは吊り革に摑まっているけれど、僕は背が足りなくて摑まれないので、歩行補助用の杖の足の方を持って、上の湾曲している部分を吊り革に引っ掛けている。


『ねえねえ、あの人結構良くない?』


『うんうん、良いかも。』


『そう?私は隣の子供の方がタイプだけど。』


『どっちにしても、結構良い事に変わりないじゃん。』


何だかそんな感じのひそひそ話が聞こえた所為なのか、悠二さんがまた一段と深い溜息を吐いた。

悠二さんも大変だなあ。


(いい?ネギ、女の子には優しくしなさい)


ネカネお姉ちゃんが出発前に言った言葉を思い出す。


(分かってます、お姉ちゃん)


そう心の中で呟くと、再び悠二さんの方を見る。

悠二さんは相も変わらず疲れた表情だ。

(もしかしたら寝不足なのかも)

と思ったので、魔法で快復して上げようと思い、昔使っていた練習用の杖を持って小声で詠唱を始める。


『ラス・テル・マ・スキ・・・ッ、ハクション!!」


詠唱の途中でいきなり鼻がムズッとしてクシャミをしてしまい、


「「「キャアアアアアアアア!!」」」


「うわあああああああああああああああああああああああああ!!???」


直後、女の人達のスカートが捲れ上がり、悠二さんの絶叫が響いた。

あわわどうしよう、大変な事になっちゃった・・・



―――――――――――――――――――――――――――――――――――



   SIDE:悠二


「うわあああああああああああああああああああああああああ!!??」


いきなり起こった少し魔力を帯びた旋風の様な風の発現、その風を起こしたのは迷う事も無い、ネギ君だ。

ネギ君は所有魔力が他者よりも遥かに高い。

その為、意識せずとも普段の生活に魔力が伴う。

例えて言えば、普通の十歳児にはありえない体力や足の速さ、それから今起こった様なクシャミが普通とは違う〔風花・武装解除〕と言う魔法に近い現象を引き起こす等だ。

(只でさえネギ君は風の魔法が得意だからなあ)

これらの考えを僅か2秒足らずでまとめてネギ君を見ると、杖を片手に持ちおろおろしている。

(さしずめ、僕がずっと疲れた顔をしていたから魔法で快復させようとしてくれていたんだろうな)

と、勝手に思い込んで、取り敢えずこの場は不問に処す事にした。

僕の為を思ってやろうとしてくれた事を非難したくは無い。


「な、何、今の?」


「つむじ風?」


等と女子学生達が言っている間に、


《次は―――【麻帆良学園中央駅】―――――》


どうやら目的の場所に着いたようだ。

さっきまで色々喋っていた女子学生達もすぐに構える。

心をでは無い、本当に体勢を構えるのだ。

クラウチングスタートの体勢をとる者もいれば、バッグの中からインラインスケートを取り出して履いている者もいる。

前者ははっきり言って丸見えである。

えっ?何がって?言わなくても分かるでしょ、って言うか察して下さい。

(この光景だけはいつ見ても慣れるものじゃないな)

と、苦笑する。

実は僕、この麻帆良学園中等部に来た事がある。

15年前、ナギがエヴァンジェリンに〔登校地獄〕という呪いをかけた際に登校する事になったのがこの麻帆良なのだから・・・

プシューという音とともに電車のドアが開くと、ほぼ同時に女生徒達が走り始める。

あっという間に車内には僕とネギ君しかいなくなる。


「日本の生徒達ってパワフルですね。」


「いや、此処が特別凄いだけだよ。」


ネギ君の呟きに呟きで返す。


「それよりもネギ君、僕等も遅刻しそうだって事忘れないでね?」


「あっ」と思い出したようにネギ君が声を上げる。


「そ、そうでした。

速く学園長の所へ行って事情説明しなきゃ。」


「ネギ君は先に行ってて。

僕が来る事はこちら側にはまだ伝えてないんで、口が利きやすい様に親友に取り計らってもらいたいんだ。」


「はい!」


そう気持ちが良くなる様な返事をして、ネギ君が走り出そうとしてピタリと止まる。


「悠二さん、親友って言ってましたけど一体誰ですか?」


「紅世の関係者。

フレイムヘイズで、現在この学校で教師をしている人だよ。

ネギ君も会った事ある筈だけど。」


ネギ君は思い出せない様で、口に指を当てながらしきりに首をひねっていた。

うん、世のお姉さん方が見たらショック死しそうな光景だろう。

どうやってショック死できるのかは全然分かんないけど。


「まあ、後で紹介するから。

ネギ君も早く行く事だね、時間はもう余り無いよ。」


ネギ君はそれを聞いて懐中時計を取り出して時間を確認する。


「あ、ほんとだ。確かに僕もこのままじゃ遅刻する時間だ。」


随分と楽観的に言うネギ君。

まあ、ネギ君の走力だったら遅刻まで後15分しか無い現時刻でも余裕で間に合うだろう。


「それじゃあ、また後で!」


そう言ってネギ君は駆けていく、〔加速〕の魔法を使った様だ。


「さて、僕も行きますか。」


1人言を言いながら走り始める。




――――――2分程経過――――――




今いるのは麻帆良に数多くある広場の内の1つ。

其処に広がる光景に絶句。

金髪に褐色の肌を持つ少女、体躯と制服からして中学生と断定できる。

しかし、それ以上に驚いたのは、その周囲には大の男が十数人も倒れている事。

周りの雰囲気からして、恐らく彼女が倒したのだろう。


「弱いアルナ。

もっと強い奴はいないアルカ!!?」


彼女が発した声を聞いて更に絶句、なんとも、まさかとは思っていていたが中国人でしたか。

どこぞの漫画でしか見た事ない様な喋り方をしている。

とか思っていたら後ろからいきなり背中を押された。

大方新しく加わったギャラリーだろう。

しかも、押し出された場所が悪かった。

事もあろうにそこは件の中国少女の真前。


「おお、あいつ古(クー)部長に挑戦する気だぞ!」


ちょっと待って下さい?

僕は挑戦する気なんて欠片もありませんよ?


「ムムッ、お前が次の挑戦者カ。

悪いが手加減は出来ないアルヨ?」


やる気だ・・・この子やる気満々だよ・・・

(何で僕はこうも厄介事に巻き込まれる性質があるんだろう・・・)

心の中で血涙を流しながらしみじみと思う。

今日という日になってから何十回目とも分からない深い溜息をついて、目の前で身構える中華娘を睨む。

(何だよ!闘るのならとことん闘ってやるさ!すぐに終わらせるけどね!)


   SIDE OUT―――――――


「何やってんだろ?あの人。」


見た目二十代半ばに漆黒の髪と瞳を持ち、左耳に綺麗で目立つイヤリングをつけた男性が坂井悠二の姿を見、呟く。


「くはははは!知らん!分からん!だが、しかし!あの小娘に勝ち目は無い!軽くあしらわれて終わ「煩い!耳元で怒鳴るな!」グハアッ!」


何処からともなく聞こえて来た声に対して男性が取った行動とは左耳にぶら下がっているイヤリングを親指で弾く事だったが、それで声は沈黙した。


「全く、煩いんだから。

それは兎も角、坂井さんのお手並み拝見といきましょうか。

鈍ってなきゃいいんだけど。」


「かはははは!あの者が鈍るだと!それこそ有り得ん!この世の人間全てがトーチになるよりも有り「だから、煩いって。」ゲフアッ!」


男性が再び先程と同じ行為を行い、声も再び沈黙した。




この者こそが坂井悠二が言っていた親友である者なのだがそれはまた後の話で。

王超えし残り滓と魔法先生の物語 -第5章-前菜は再開山盛りのくまパン添え?(笑)

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