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-第5章-前菜は再開山盛りのくまパン添え?(笑) 投稿者:kaname 投稿日:08/26-18:22 No.1161

   ―――NON SIDE

広大なる麻帆良学園には数多くの広場が存在する。

この広場は、それらの広場の中では小さい部類に入るものの、大の大人が100人以上滞在していてもそれ程狭いとは感じない程の広さがある。

しかし、その広場が今では凄まじい人口密度を誇っている。

登校時刻は刻一刻と迫っており、既にこのままでは全員遅刻間違い無し! という時間であるにも関わらず、誰一人として動こうとはしない。

否、動けないのだ。

その原因は、我等が坂井悠二と麻帆良学園中等部2年A組出席番号12番古菲(クーフェイ)が身構えつつ対峙しているものの、二人とも一歩も動こうとしない上、その対峙によるプレッシャーが周囲の人間達をも支配している為に、まるでその広場の中だけ時間が止まったかの様になっている。

その様な空気の中、古菲はこれ以上無いほどの喜びを感じていた。

まさか、自分が相手から受ける重圧感だけで硬直させられてしまうなど今まで一度としてなかった。

寧ろ、自分が発した闘気で相手を怯ませた事は何十回とある。

(思わぬ強敵、燃えるアルね・・・・・)

冷や汗が一筋、古菲の頬を伝って落ちていく最中、古菲はそう思いながら闘志を燃やしていた。


一方、坂井悠二は焦っていた。

ネギを学園長の所へ送り出したまでは良かった。だが、しかし、思わぬアクシデントによって古菲と闘る事になってしまった。

(あああああ・・・・時間がどんどん過ぎて行く・・・・このままじゃ霧島君に会う前に学校が始まってしまう・・・・)

そんな事を思いながら古菲とは違う意味を含んだ冷や汗が頬を伝って落ちていった。



――――対峙してから3分が経過、勝負は思わぬ事で動いた。


<学園生徒のみなさん
こちらは生活指導委員会です
今週は遅刻者ゼロ週間
始業ベルまで残り10分を切りました
急ぎましょう―――――――
今週遅刻した人には
当委員会よりイエローカードが進呈されます
くれぐれも余裕を持った登校を・・・>


その放送に固唾を呑んで見守っていたギャラリー達が顔を真っ青にして慌て始める。

その放送に悠二も気を取られ、目の前にいる古菲から目を離してしまった。

瞬間、古菲が動いた。

悠二の方へ一足飛びで間合いを詰め、右拳で中国拳法基本の中段突き“崩拳”を放つ。

しかし、高が1,2秒間目を逸らしていただけの悠二の不意を付くには至らなかった。

体内に擁する『零時迷子』により手に入れた強力な解析と観察力を誇る自身の目を凝らし、更に約40年程昔に開発した自在法『賢人達の思考会』を起動する。

(1番:対戦相手がこちらの間合いに入り、右拳を突き出している。

2番:自在法『達意の言』にアクセス、該当1件。突きは中国拳法基本の中段突き“崩拳”と断定。

3番:突き出された拳から零れ出る存在の力の向きより、狙いは鳩尾と断定。

4番:速度は『神名の剛腕』よりも遥かに劣る事を考慮にいれ、回避の成功確率を計算・・・計算完了、約99.7%。

5番:迎撃の成功確率を計算・・・計算完了、約87.2%。

6番:以上より、行うべき行動は・・・回避しつつ迎撃!)

これらの考えを僅か0.7秒で完結させ、再び身構える。

まず、古菲が突き出した右拳をかわし、自分の左脇腹の近くまで引き着け、その手首を左手で掴む。

更に、掴んだ状態でそのまま自分の方へ引っ張りながら、自分の右手の親指を立てて、古菲の顎目掛けて高速で振り抜く。

これだけで、全てが終わった。

古菲の手首から悠二が手を離すと、古菲はへたりこんだ。

悠二が古菲の顎を自らの親指で掠めたのは、そこから脳にダメージを与え、歩行機能を一時的に麻痺させる為だったのである。更に、古菲の攻撃の勢いをも利用した為、古菲は何とか意識を繋ぎ止めている状態となってしまっていた。

古菲がこの様になったのを見て、驚いたのはギャラリー達である。

当然と言えよう、麻帆良中に格闘家として名を轟かせる言わずと知れた中国武術研究会部長である古菲が、名も知らぬ見た憶えも無い男に瞬殺されたのだ。

ざわつくギャラリーが悠二に詰め寄ろうとした時、思わぬ所から救いの手は差し伸べられた。


「君達、始業ベルまで後10分を切ってるんだから早く行った行った。」


突如現れた黒髪に黒の瞳を持ち、真っ黒なスーツに身を包み、左耳に綺麗なイヤリングを着けた20代半ば程の男がギャラリー達を散らしながら悠二の方へと歩いて来た。


「霧島君。」


「ようこそ、坂井さん。

我等が麻帆良学園に。」


悠二が男の名前を呼ぶと、霧島と呼ばれた男はニコリと笑い、深々と頭を下げた。


「取り敢えず学園長の所へ行きましょう。彼女は放って置いて大丈夫でしょうね。自業自得ですよ。」


「一寸納得いかないけどこれだけ人がいれば大丈夫そうだからいいかもね。」


そんな言葉を交わしながら、二人は歩いて行く。

後には殆ど動けなくなった古菲と唖然とするギャラリーだけが残された。


「酷いアル・・・・・・・・・・」


古菲が最後に発した声は誰にも聞こえなかったそうな。


合掌――――――――――――――――


「それにしても、何故麻帆良に?」


そんな古菲の事は露知らず、霧島は悠二に訊ねる。


「ん、ネギ君が此処で教師をする事になったんでその付き添い。」


「そうですか。」


「何!? あの小僧が此処に来ただと!!? ふはははは!!! それは面し「煩いぞヴリトラ」ギャフンッ?!」


「相変わらずだね、二人とも。マージョリーさんを思い出すよ。」


「よして下さい。私はあの御仁の様には生きられま「なんだとこんガキャーーーー!!!!!!」・・嫌な予感がしますね。」


話の途中で行き成り聞こえて来た怒声に霧島が顔を顰める。


「中等部校舎の方からですね。となると、大方2年A組の誰か「もしかして・・・」・・坂井さんどうかしましたか?」


「ネギ君かもしれない、あの声の言ってるガキって・・・」


青色を通り越して群青色になった顔で悠二が呟く。


「行きましょうっ!!!!!」


悠二の意思を汲取り、霧島が駆け出す。

悠二もほんの少しだけ遅れながらも全速力で走り出す。

5分もせずに2人は現場に辿り着く。

そこには、4人の人間がいた。

1人は悠二が付き添いに来た子供、ネギ・スプリングフィールド。

1人は眼鏡をかけ、煙草を持った無精髭が目立つ男性

1人はかなり長い黒髪の美少女。

そして最後の1人でネギを両腕で持ち上げガクガクと揺さ振っているオレンジの長髪をツインテールにした少女。

悠二はその3人も知っている。

煙草を持った男性はナギのチームの一員だったガトウに師事を受けていた魔法使い、名前はタカミチ・T・高畑。

黒髪の女の子はナギのチームの一員だった近衛 詠春の娘で、名前は近衛 木乃香。

12年程前に初めて出会い、随分と悠二に懐いていた少女だ。

もう一人のツインテールの子は忘れもしない、いや、悠二には忘れられない。

昔一緒に旅をした仲間だったからだ、ナギやガトウによく懐いていたのを悠二は憶えている。


「明日菜ちゃん・・・・・・?」


思わず悠二の口をついて出たのは昔とは随分と雰囲気が変わってしまった目の前にいる少女の名前。

その言葉に反応したツインテールの少女がネギを取り落とし、悠二達の方を向く。

その目はあからさまに「私、今不機嫌です」とでも言わんばかりの光を放っていた。

だがしかし、その様な目をしているのは彼女1人だった。

タカミチは驚愕と歓喜の入り交じったかの様な表情を浮かべ、
木乃香は目に見える程の狂喜のオーラを惜しみなく振り撒きながら小躍りしていた。


「あ~、高畑先生?

坂井さんが今日此処に来たのはネギ先生の付き添いだそうです。

その事について学園長にもまだ告げていないので、私達に口利きして欲しいそうです。」


霧島が言うと、タカミチは納得した様だった。


「ああ、成程ね。」


「それでは早いとこ学園長の所に・・・・」


タカミチと霧島が話し込んでいる間に、悠二はネギの所へと向かった。


「ネギ君、大丈夫?」


「は、はひ。だひひょーふれす。」


「・・・・大丈夫じゃなさそうだね。」


「一寸、アンタ何で私の名前知ってるのよ!?」


「う、うわっ!?」


悠二は行き成り明日菜に掴み揚げられ(片腕で)、宙ぶらりん状態になってしまっていた。

(ど、どんな腕力してるんだよ!?)


「答えなさいよ~~~~~」


物凄い剣幕で悠二を苦しさで一言も喋れなくなるほどに締め上げている。

普通の人が見たら、ほぼ間違いなく柄の悪い女生徒が善良なる一般人をカツアゲしている様に見える事だろう。


「ゆ、悠二さんを離して下さい!」


何時の間にやら正気覚醒していたネギが自分の尊敬する人物を救おうと杖を構えている。

と思えば、呪文の詠唱を行う為に息を吸い込んでいる。

後1秒もしない内に呪文の詠唱を始める気なのだろう。


「駄目だ! ネギ君!」


悠二が咄嗟に叫んだ瞬間、非常にタイミング良く花粉を運ぶ春風が吹き、


「は、はくちんっ」


ネギが春風に鼻を擽られ、クシャミを起こした!

途端、春風を帳消しにして余りある突風が吹き、

―――明日菜の着ていたブラウスとスカートを吹き飛ばした!

賢明な読者の皆様ならお気付きだろうが、スカートが無くなればパンツが見えてしまうのは自明の理である。


「あ、毛糸のくまパンやー。」


OH,MY,GOD.木乃香が明日菜のパンツの柄を言ってしまった。

何時の間にやら霧島とタカミチもそちらの方を向いている。

霧島は顔を俯かせて(顔はきっと赤いことだろう)頭を左右に何度も振り、タカミチは「あ~」などと呟きながら顔を赤くし明後日の方向を向きながら顎をポリポリと掻いている。

一方悠二はその光景を尻餅をついた状態で凝視し、ネギはプンプンと擬音をつけても可笑しくない感じで怒っている。

明日菜はその光景を見て涙目になり、


「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!

何よコレーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!?」


学園中に響くような大声で絶叫した。




〔オマケ〕

「本作登場人物による補足のコーナーであります。」

「祝開設」

「作者に少し余裕と遊び心が出来たので、面白いかもという適当な理由で開設されたコーナーであります。迷惑極まりないでありますな。」

「閑話休題」

「まあ、それは置いて置くとして、記念すべき第1回の司会は『夢幻の冠帯』ティアマトーとそのフレイムヘイズである私、『万丈の仕手』ヴィルヘルミナ・カルメルが行うのであります。」

「感度良好」

【霧島について】


「この男の本名は霧島 空。賢明なる読者の方々は既にお気付きでありましょうが、私達と同じフレイムヘイズの1人なのであります。

真名は『破邪の導き手』といい、契約者は『遮障の漆黒龍』ヴリトラ、契約したのは現代よりも約25年前。

つまり、大戦の直前に生まれた比較的若いフレイムヘイズなのであります。」

「獰猛狂闘者」

「ティアマトーが言った様に、この2人は『弔詞の詠み手』の様なある種の戦闘狂なのであります。

味方には甘すぎると言っても過言で無い程優しいのでありますが、敵には1~100まで慈悲や情け容赦が入る隙が全く無いのであります。」

「詳細情報掲示」


「霧島 空」(53年経過、契約時27歳)(独身男性)

<身長=177,3cm

<体重=74kg

<所持宝具=現在不明

<神器=『カルヴラーレ』(形状イヤリング)


「以上」

「今回はここまでであります。

不明となっている宝具は「後の更新等で紹介する予定ですから勘弁して下さい!」との作者よりの言葉を受けているのであります。見苦しい言い訳でありますな。」

「閑話休題」

「次回の司会は『不抜の尖嶺』ベヘモットとそのフレイムヘイズたる『儀装の駆り手』カムシン・ネブハーウの予定だそうであります。それでは。」

「頓首再拝」

王超えし残り滓と魔法先生の物語 -第6章-2-Aの副担任兼女子寮管理人兼女子寮近辺専属警備員(長っ!?)にジョブチェンジ完了!!

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