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GS横島純愛(?)大作戦in麻帆良!!「プロローグ」 投稿者:麒山悠青 投稿日:06/28-00:01 No.814
プロローグ
この世はなぜこんなにも残酷なのだろうか?
私は今ここにいる、愛しい彼に最も近い場所に。けれど同時に、ここは彼から最も遠い場所。
近くとも話すことはかなわず共にある。私は今彼の中に、彼の魂と共にある。ゆえに彼に近く……、話せず会えぬゆえに遠い
彼は私の命と世界を天秤に懸け………、世界を取った。それは彼が彼であり続けるということ、私はそんな彼が誇らしかった。しかし彼は苦悩している。その判断が私のことを捨てたのと同義なのではないのかと。そんなことはないと言いたかった。言ってその苦悩を止めてあげたかった。けれどそれはかなわない。こんなに近くにいるのに彼を慰めることも出来ない自分が恨めしい、とても悔しい。
私は彼と共にある。けれど私は、彼と共にあるよりも彼の横にありたい。彼と共にあり最も近い場所にあるよりも、離れていてもいい、彼を支えていられる彼の横に、私はいたい。けれどそれはかなわない、そうそれは決してかなわぬ私の願い。
振るった右手より伸びる5本の緑色の糸。それは狙い違わず対峙していた剛練武(ゴーレム)に絡みつき…………………、17もの破片に切り裂いた。別に物の死を見ることの出来る目を持っている訳ではない。
「完成…だな。『栄光の手(ハンズ・オブ・グローリー)』の発展技、『勝者の糸(ストリング・オブ・ウィナー)』」
そう呟いたのは額に赤いバンダナを巻き導師服を着た20前後の青年だった。
「すごいですね『無限の槍(ランス・オブ・アンリミテッド)』に続いて2つ目の技。たったの半月でここまで成長する人は滅多にいませんよ。」
拍手と共に現れたのは中華系の服を着た若い女性。その頭部にある1対の角が彼女が人間ではないことを示している。
「小竜姫様。
…………彼女のおかげですよ。霊力と魔力、決して相容れない2つの力の相乗効果か、最近霊力の伸びがすごいんッスよ。」
女性―――――小竜姫は武術を嗜むもの特有の静かでスキのない歩みで、青年こと横島 忠夫のそばまで近づいた。
「しかしその力を繰り形にしたのは横島さんの実力ですよ。
それでは今日はここまでです。」
終了を告げる小竜姫に、横島は一礼しその場を後にする。
時刻はすでに夕刻、妙神山の修行場は夕陽の光に鮮やかな橙色に染まっている。
横島の心にあるのは一つの約束、彼女と交わした一つの約束、また一緒に夕陽を見るというささやかな、しかし彼らにとっては大きな約束。
「…………ルシオラ。
良かったんだよな、これで。この夕陽を守った、お前と一緒に見るために………それでいいんだよな?」
なぜこうなったのか?
自分の中から何かが抜
け出す感覚。自分の中にあった愛しい存在が抜けていく感覚。
……………ルシオラ。
「貴様が横島か?」
美神令子の下からの帰り道、ひときわ人影の少ない通りで声をかけられる。
十中八九魔族だ。魔力を隠すつもりが無いのか、または隠すことが苦手なのか声をかけられるだいぶ前からその存在は感知することが出来た。
「そういう魔族のアンタが何のようだ?まぁだいたい予想はつくけどな」
振り返りつつ右手に『栄光の手』を具現する彼の前に白い髪を膝裏まで伸ばした色黒の男が立っていた
途端にあたりの空気が一変する。
「我々の行動が周りに知られると困るのでな、結界を張らしてもらった。」
「デタント反対派でいいんだよな。」
デタント反対派。神話や伝説において敵対している神族と魔族がその総力戦をもって起こる聖書級崩壊(ハルマゲドン)を回避するために和平を結ぶことをよしとしないタカ派集団のことである。
「話が早くて助かるな。魔族と神族の橋渡しとなるやもしれぬ貴様は邪魔なのだ。しかも貴様は魔王すらも殺す力を持つ文殊使い。そういった意味でも危険な存在、ゆえに此度は神族のデタント反対派と協力して貴様を始末する運びとなった。」
「へ~神族と協力………って、デタント反対しとるくせに何協力しあってんやー!そんなん本末転倒やないかーー!」
まったくもってそのとーり。
「フン、貴様を殺した後に元に戻ればいいだけの話しよ。どうせ貴様を殺すまでと結んだものだからな。」
話は終りとばかりに剣を振るう魔族。同時に振るわれた剣から魔力の塊が放たれる。
「サイキックソーサー」
言葉と共にかざした左手の先に現われる六角形の霊気の盾。
サイキックソーサーで魔力の弾丸ともいえるそれを防ぎそのまま投擲。魔族はそれを左に動くことで回避し剣を振りかぶり突撃してくる。
唐竹割りに振り下ろされる一撃を栄光の手を霊波刀に変えて防ぎ、空いた左手にも栄光の手を権限し薙ぎ払う。
その後幾合か刃を交え、魔族が横島から距離をとる。そのとき振るわれた一撃は空振りに終わったかのように見えた。
「捕らえたぞ。」
と言う横島の言葉に魔族は驚愕する。否驚いたのは自らに絡みついた5本の緑光の糸。
「『勝者の糸』出来立てほやほやの新技だ。」
魔族を捕らえたのとは反対の手の栄光の手を解除しそのまま2つの双文殊を取り出し片方に『転/移』の文字を込める。
「さぁてこのまま小竜姫様のところに連行するかな。」
残る双文殊に『束/縛』と込めようとしたとき、おかしなことに気づいた。魔族の男が笑っている。
「………何がおかしいんだ?」
「クククク…………、いや、なに。見事に捕まったものだと思ってな。お互いな。」
その言葉の意味を理解しようとしたとき、その意味は足元に現れた。
光り輝く外円、その中にところ狭しと並ぶ幾何学模様。魔方陣。
「言っただろ?俺は神族の連中と仕方なくだが手を組んだと。
俺は貴様の魂もろとも貴様を消滅させるための術を発動するまでの囮だっのさ。」
魔方陣の外へ逃げようと大地を蹴るが、陣の外円は結界の役割もしているのか魔方陣の外に出ることが出来ない。
「神族や魔族になられても困るのでな。悪く思うな?」
視界が光に包まれる。
―――――ルシオラ!!
無意識のうちに自分のために命を落とした最愛の魔族の少女のことを思い浮かべる、ゆえに気づかなかった。手にしていた文殊が発動したことに。何の文字もこ込めていなかった双文殊にある文字が浮かび上がったことに。
その夜、横島忠夫の存在はこの世界から消え去った。
<追記>
横島を消し去った魔族と神族。共通目的だった横島がいなくなったことであっさりと協力関係は霧散し、もう協力者じゃないからと戦闘を開始。結果魔族1人対神族多数となりその魔族は滅ばされたとか○
あとがき
はじめまして麒山悠青です。初作品ですが、読んでくれてなおかつ面白いと思ってくれる方が居られればとてもうれしいです。未熟者ですががんばって書いていこうと思います。
ちなみに俺は横×ルシ推奨派です。エヘン
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