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生きてた魔王・やってきた神官・生き返った将軍 投稿者:麒山悠青 投稿日:07/05-15:29 No.879

「死んだはずじゃ、いや殺してもらったはずじゃなかったのか?俺は。」

目が覚めたとき、ルークはたくさんの本に囲まれていた。右を向けば本、左を向けば本、何故かある湖の中にも本、砂に埋もれた本。見回してみても視界の中から本が消え去ることは無い、一面本の世界といっても過言ではない。

ふとそこで違和感に気づく。今いるところもそうだが頭の中に自分の知らない知識がある。その知識を捜査していくうちにひ表情が青くなるのを感じた。その知識は自分達の母とも呼べる存在。金色の魔王の知識。しかしそのおかげで納得した。それは今の自分の状態にである。
自分は本来の自分の断片なのだ、まぁそれでも5人の腹心の2,3倍の力を所持しているが。そしてさらに自分の周りにある本のほとんどが魔力を帯びていることに気づき、それが自分をここに導きさらにはこの姿になる手助けをしたのだろうと推測する。

ここは異世界。魔王の存在しない、自分がいたのとは全く違う世界

これからどうしたものかと考えているところを後ろから声をかけられた。

「いやー、こんなところに居られたんですか。探しましたよシャブラニグドゥ様。」

振り返った先にいたのは、黒い神官服に身を包んだおかっぱ頭の糸目をした美男子、いつでもにこやかに笑う彼を、某魔術師はどこの台所にも一人や二人住んでいそうな正体不明の神官とか、後姿ゴキブリ似とかパシリ魔族とか呼んでいることを彼は知らない。

「何のようだ、てかどうやってここに来た?」

問うルークに神官服の男は細い目をしかめさせて答える

「いえね、『来た』って言うのはちょっと正しくないですよ、どちらかというと『送られ』て来た身でしてね。
 ちなみに私を送ってきたのはあとがきのL様なんですよ。」

“あとがきのL様”がいかなる人物か?しかし当のルークは、あぁとすぐに納得してしまう。

「あのお方ならやりかねないな。てことは用事も何も無くここに送られてきたってことか?」

「えぇ、貴方様が多分生きてるから見てこいとここに放り込まれましたよ。おかげで戻ることも出来ません。」

「そうか、それは災難だったな。言っとくけど俺にはお前を元の世界に戻してやるほどの力も知識も無いからな。」

「百も二百も承知ですよ。あんなことが出来るのはあの方のほかには片手で足りるぐらいしかいないでしょう。宝石のおじいさんとか、太った青狸とか……。」

「最後のは出来るかどうか微妙だな。」

頭を掻きつつ嘆息するルーク。

「ところでシャブラニグドゥ様。」

「ストップ。シャブラニグドゥって呼び方は止めてくれ、俺は今までルーク(人間)だったんだ、実は魔王でしたなんてなってもやっぱルークって名前には愛着あるからよ。」

「わかりました、ではルーク様。」

「様付けも止めてくれ。」

「はぁ、わかりましたルークさん。これでいいですね?」

「あぁ、それでなんだ?」

「はい、先ほどから貴方から貴方以外の魔力を感じるんですよ、それも遠い昔に感じたことのあるようなものが。」

その言葉に自分の体を調べたルークは、すぐに彼の言っているものを見つけた。

「こいつは、覇王将軍(ジェネラル)の……、そうかあいつを倒したときすぐ傍にいたから、魔力片が俺の魔力に引き寄せられて引っかかってたのか………。」

「あぁ、そいえば彼女は貴方方に倒されたんでしたね。
どうします?その魔力片。」

「ん、まぁこいつには色々やられたしなぁ。けど流石にグラウシェラーの言葉はこいつに対して同情しちまったしな。可哀想だし復活させてやるか。」

そうしてルークは両の手でその魔力片を包み呪を紡ぐ。呪の途中から包まれた手の隙間から光が漏れ出し、彼が『力ある言葉』を発すると瞬間的に目を焼かんばかりの光が辺りを包む。それが収まった後には、ルークに抱きかかえられた少女の姿があった。

「ものすごいですね、たったあれだけの魔力片からここまで完璧に彼女を修復するとは。」

「腐っても魔王だからな、これくらいのことは出来るさ。」

ルークに抱きかかえられたまま力なく目を閉じた少女――――覇王将軍(ジェネラル)シェーラ、ルークは目を覚ます気配の無い彼女をすぐ傍の湖まで運んだ。

「どうするんです?」

「起こそうと思ってな。」

言い終えるのと同時に、ルークはシェーラを湖の中へ放り込んだ。

ドボン

沈んでいくシェーラの体。

………………。

「ぶはっ。」

ゲホゲホと咳き込みながら水の中から体を出すのは、勿論たった今湖に放り込まれたジェネラルの少女だった。

「ゲホッケホッ、一体、ケホッ、なにが?」

いまいち状況の把握が出来ない少女は、咳き込みながら辺りを見回しすぐ傍にいるルーク達に気づく。

「貴様、いや貴方様は、シャブラニグドゥ様!?」

「あぁ、今こいつにも言ったんだけどよその呼び方は止めてくれ、俺のことはルークって呼べ。」

「……………はい。」

困惑した表情を見せるシェーラに、ルークはさらに続ける。

「様付けもだ。こそばゆい。」

「しかし………………。
 分かりました。ところでなぜ私は生きているのですか?私はあの時たしかにこの身を滅ぼされたはずです。」

「あぁそれな、あの時すぐ傍にいた俺にお前の魔力片が引っかかっててな。それ使ってを今ここで復元したんだよ。」

こともなげに言うルークにシェーラは絶句する。

「まぁ、話はその辺にして、そこにいる方出てきたらどうですか?」

神官服の男の言葉に、最初から気づいていたルークはただ無言で、言われるまで気づかなかったシェーラはそのことに愕然とした表情で離れたところにある本棚の影を凝視した。

「……………いつからお気づきに?」

現れたのはのフード付の外套を着て、そのフードを深くかぶった男だった。

「最初からだ。お前がこっちに向かって来てるときから気づいてる。
 ちなみにそこに着いたのは、俺がシェーラの体を復元する直前からださらに言えば今ここにいるお前は純粋にお前というわけではなく魔力で構成された分身体だ。違うか?」

「いやー、おすごいおすごい。そこまで分かっていらっしゃいますか。」
ぱちぱちと拍手する男に、シェーラは魔剣ドゥールゴーファを抜き放ちルークの、前へまるで騎士のように進み出て切っ先を男に向ける。

「貴様何者だ!?」

シェーラの行動に、男は飄々とした態度で両手を挙げてみせる。

「私はこの図書館島の司書をやってる、アルビ……………、いえクウネル・サンダースと申します。答えた後に言うのもなんですがこういうのは聞く側から名前を告げるのが礼儀では?」

「明らかに偽名を……「そいつぁそうだな」ルーク様!?」

憤るシェーラの言葉を遮ってルークがその言葉に肯定する。

「だから様付けは止めろ。
 それでこっちの名前だったな、俺はルークだ。ルーク・シャブラニグドゥ………そう名乗っとくかな?でこっちのがシェーラ。で後ろにいるのが…………………………、そういやお前誰だっけ?」

その場にいたルーク以外の全員がずっこけた。

「ちょっとぉルークさん、分かってたんじゃなかったんですか?」

なかなかに情けない声を上げる神官服の男のに、ルークは頭を掻きつつ苦笑して答える。

「いや、お前が獣王のとこの神官だってのは見てすぐわかったんだが、ほら俺たち初対面だろ、獣王からも名前を聞いたこと無かったしよ。」

「ふう、私の名前はゼロスです。獣神官(プリースト)ゼロスです。以後忘れないでくださいよルークさん。」

「おいゼロス、貴様ルーク様になんて口の聞き方を!」

再び怒りをあらわにするシェーラを無視して二人はクウネル・サンダースに向き直る。

「で、聞きてぇんだがいいか?」

「私に答えられることなら。」

「ここはどこだ?俺たちのいた世界じゃないことはわかってるが、ここがどういう世界のどういう場所なのかがわからねぇんでな。」

ルークの『俺たちがいた世界じゃない』という言葉に、クウネル・サンダースは眉をひそめる。

「貴方方はこの世界の人間じゃないということですか?」

「そうだ。」

ルークはあっさり肯定しこれまでのいきさつを話し始めた。



あとがき

やっちゃいました。2作品以上の投稿。先日部屋を片付けた際に出てきたこの作品のプロトタイプ。面白そうなので書き上げて見ちゃいました。この作品とGS横島純愛(?)大作戦!!in麻帆良ともどもよろしくお願いします

魔王と獣神官と覇王将軍 魔王のお仕事・神官のお仕事・将軍のお仕事

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