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魔王のお仕事・神官のお仕事・将軍のお仕事 投稿者:麒山悠青 投稿日:07/06-22:08 No.890
「異世界の魔王……………ですか。」
聞き終えたルークたちの話に、さすがのクウネル・サンダースも冷や汗を流す。
「それで貴方方はこれからどうするのですか?」
内心戦々恐々していることをおくびにも出さずに質問する。
「異界なんて普通なら来る機会なんてありませんからね。観光でもしましょうか?」
とにこやかに笑うゼロス。
((それにしても、この人とは(根本的なところでは)気が合いそうですね))
互いを見ながら似たようなことを考える二人。
「そう、だな。」
何かを懐かしむような、それでいて悔やむようにため息をつくルーク。
「前は約束守れなかったが………今からでも遅くはねえのかな?」
独りごちるルークをシェーラは何故かその気持ちがわかるような気持ちに戸惑いつつ眺めていた。
「観光もいいかもな。
クウネル・サンダース、俺はお前が危惧しているようなことはしねぇよ。」
という言葉にゼロスは外面上は何ともないような表情をしていたが、内心では「仮にも魔王であるお人がこのようなことを言うとは。」と驚いていた。逆にシェーラは彼がそう言うのではとうすうす感じていたため、あまり驚かない。
「まぁ、ここの世界にもあまりにふざけた連中がたくさんいるようなら考え直すがな。」
それを見極めるまでは何もしねぇよ、と言葉を切る。
「もし貴方がいうような人が大勢いた場合どうしますか?」
「少なくともそいつらは皆殺しだな。他は…………………そのときにでも決めるさ。」
「………………わかりました。とりあえず貴方方をここの最高責任者の下に連れて行きましょう。」
「ああ頼む。」
学長室。
学長室(別名ぬらりひょん)はルーク達の話に、興味と同時に畏怖を覚えた。
(異世界の魔王にその手下である高位魔族。感じる力だけでも世界中の名のある魔法使い達を集めてやっとこさといったところかの。)
少なくとも自分たちからはその力を振るわない(ルークが2人にも厳重に注意していた)というのがせめてもの救い、というのが学園長の心情だがどうするか。
(なんにして、もこれだけの力を持つものを野放しになど出来るわけがないの。
裏のどこぞの組織にでも入られた日には目も当てられんしの。)
「考えはまとまりましたか?」
(まるで心を読まれておるようじゃわい。)
あいも変わらず中の見えぬ笑みのゼロスに学園長は内心大きなため息をつく。
「そうじゃな。お前さんがたどうせ行く当ても無いんじゃろ、ならここで働かんか?」
「つまり私たちを野放しになど出来るわけがないから監視をさせろ、住まわしてやるんだからいろいろと手伝えということですか?」
「………………どうとてくれてもかまわんよ。」
言い方は悪いがまったくもってずばりと言ってのけてくれるゼロスに、やっぱり心読まれてるんじゃないの?と思う学園長。
「それは秘密です。」
伝家の宝刀、人差し指を口元に当てての一言。
(やっぱり読まれとるんかのぉ)
今度は畏怖やら何やら出なく脱力しながら学園長はそう思った。
「ふざけるな、私たちは「あぁ、その話を受けよう。」ルーク様!?なぜです。」
「何をするにも金は必要だからな、稼ぎ場所は早めに確保したほうがいい。」
「金って、私たちは…………。」
「俺たち魔族は『倒された』のならいずれ復活することが出来る。だが『滅ぼされた』ものはどれだけ時間をかけようが復活することは出来ない。これはどんな力をもってしても変えられない事実だ。だが俺とお前は復活した。何故かわかるか。」
シェーラは答えない。答えられるはずが無い。
「つまりルークさんも貴方も純粋に復活したわけではないということですよ。」
「俺とお前がここにいるのは能力や意思、記憶、魂やらを他の何かに移す、受け継がせることが出来るということを利用した『復活』ではなく『生まれ変わり』なんだよ。
俺とお前は何の自我を持たない肉人形、つまりホムンクルスの中にその断片を入れることによってここに存在している。つまり俺たちは純粋な魔族ではなくなっている。まぁ、魔族的な力、物質的な力ではほとんどダメージを受けることは無いが以前のようにまったくの無傷というわけには行かないし、以前は存在を維持するために他人の負の感情を糧にすることでその力を得ていた、むろん今でもそれは出来る。しかしこの『肉体』を維持するためにはどうしても『物』を摂取するための食事が必要意になる。そのためにも金が必要だ、食い物のほうから勝手にやってくるわけじゃないんだぞ、シェーラ。」
説明が終り、シェーラは呆然としていた。まぁ、自分の今の状態を知ったんだ、こうもなるか?
「それで話を進めてもいいかの?」
「ええ、かまいませんよ。」
「実はちょうどこの学園に魔法使い見習いの子が修業のために教師をやりに来ているんじゃがそのサポートをお願いできんかの?」
「教師のサポート?さすがにそれは俺向きじゃねぇな、ゼロスお前に任した。」
「えぇ、ルークさんいきなりなんですかそれは。僕だって教師向きじゃありませんよ!」
「そんなこといったらここにいる全員教師向きじゃねぇよ。俺が言ってるのは人相だ、腹に何か抱えてようがなんだろうがいつもにこにこしてるお前なら別に問題ねえだろ。
逆に俺なんざお世辞にも人相がいいとは言えねえし、シェーラなんざ餓鬼だろ。」
「………餓鬼って…………。」
「つうわけでその仕事はゼロスがやるから、俺とシェーラは他の仕事にしてくれ。」
魔王の言葉でゼロスは教師になった【RPG風転職】
「そうじゃな、警備員なんてどうじゃ?」
「それなら人間だった時も何度かこなしてるから大丈夫だ。」
「ふむ、それでシェーラ君何じゃが…………ここの学校の生徒にならんか?」
……………………沈黙。
「…………。い、一体全体どっからそんな話が出てくる!?」
と、学園長の言葉に怒鳴り散らすシェーラ。
「いやな、シェーラ君の容姿じゃとな、昼間に外で歩いておると補導されかねんのじゃよ。そうなるとさすがに仕事どころじゃなくなってしまうしの。それじゃからシェーラ君には学生生活をしてもらいつつ、こちらの依頼で侵入者などをなんとかしてもらう仕事を頼みたいんじゃ。」
「だからって…………。」
顔を真っ赤にしながら怒るシェーラにルークとゼロスは笑いを堪えながらそれを諌める。
「まぁまぁシェーラさん。」
「この爺さんがいてることにも一理あるんだしそれでいいじゃねぁか。
つうわけで俺たちはそれでかまわねえ。」
「おおそうか、なら書類関係はこっちで用意しておくのでな。
それで住むところはこれから手配させるが、皆一緒でかまわんかな?あぁ、シェーラ君は後で女子寮の方に移ってもらうことになるが。」
「かまわねぇ。そういうのはそっちに任す。」
魔王がOKを出したことでシェーラも諦めたようで、ぶつぶつと独り言を言っているがそんなことにはかまわず話は進んでいった。
翌日・学長室
こんこんとドアをノックする音が響く。
「空いておるよ。」
「ネギ・スプリングフィールドです。失礼します。」
開けられた扉から現れたのは、杖を背負った歳にして10歳前後の少年。そう我らが魔法先生ネギ君だった。
「うわ、まじで子供だ。」
いきなり放たれた言葉にビックリして見回すと、室内には自分と学園長以外に3人の人影があった。
一人は自分の生徒達と同じ制服を着て、紫色の髪を三つ編みにした碧眼の少女
二人目は爽やかな笑みを浮かべ、黒いスーツに身を包んだ糸目の青年。
最後の一人はセピア色の髪を短くまとめ、額に赤いバンダナ、片端に赤ん坊の頭と同じぐらいの大きさの宝玉のついた杖を持ち、警備服に身を包んだ長身の青年。
どうやら今の言葉はこの青年が発したようだ。
「え、あの子の人たちは?」
当然の疑問だろう、学園長はバルタン笑いをした後に説明を始める。
「彼らはちと分けありでの、こちら側も知っておる人?達じゃ。内二人はそれぞれネギ君のクラスへの転校生と君の補佐を頼んだ……つまり副担任じゃよ。」
「シェーラ。シェーラ・ダイナストよ。」
「僕はゼロス・メタリオムと言います。まぁよろしくお願いします。」
とことん簡潔な自己紹介をするシェーラとは対照的に、にこやかに挨拶をし片手を差し出すゼロス。自分も自己紹介し、その手を取り握手を交わしこちらこそと返すネギ。
「俺は新しく警備員として働くことになったルーク・シャブラニグドゥだ。よろしくな。」
ルークもまた片手を差し出し握手を交わすネギ。
「あなた方も魔法使いなんですか?」
ネギの中では『知っている=魔法使い』という図式でもあるのかそう聞いてくる。
「いえ、違いますよ。一応それらしきものは使えますけどね。それは貴方の言う魔法とは違うものです。」
「フォッフォッフォッ、ネギ君時間ももう無いしの質問は後にして教室に向かったほうがいいのじゃないかな?」
「え、あ、ホントだ!急がなきゃ!ゼロスさん、シェーラさん行きましょう。
それでは失礼します。」
「はい、行きましょうか。」
挨拶もそこそこに出て行くネギを追って、ゼロスとシェーラもまた退室し後にはルークと学園長だけが残った。
「大丈夫かのぉ。」
「魔法云々の話なら大丈夫だろ。魔族は体育会系並の縦社会だからな。TOPの俺が言うことなら大抵守る。」
「ならいいんじゃが…………。」
こうして異界の魔族と魔法使いの少年は会合をはたした。はてさてどうなることやら。
あとがき
以外に早く書けた。次回は2-Aとの会合です(おそらくルーク以外)次はこれの前にGSの方の更新になると思いますので、そちらも読んでくださっている方はそちらで、こっちのみの方は次の魔神将でお会いしましょう。ではさいなら~
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