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二人?の異邦人IN麻帆良(ネギま×GS美神) 「番外編 世界迷作劇場1」 投稿者:九重九十九 投稿日:07/18-08:16 No.940
どことも知れない空間の中、ぽつんと劇場のようなものが空間に浮かび上がる。
やがて、その劇場が観客で埋まりだした。
観客席が満員になるころ、舞台の脇で光と影が浮かび上がり、観客に口上を述べだした。
<それでは皆様、長らくお待たせしました、まもなく開演でございます>
<今回の物語は本編といっさい関係ない番外編やからな>
<ただいまより演じます演目は西遊記、語りは私キーやんと>
<ワイ、サっちゃんでいくでー>
<それでは皆様、開演でございます>
口上が終わると、開演のブザーがあたりに響き、客席のライトは消え。逆に舞台にライトが集まっていった。
二人?の異邦人IN麻帆良 番外編 「世界迷作劇場1」
<時ははるか昔、中国での出来事や>
<果花山という山に、孫悟空という石から生まれた猿の化生がいましたが>
<この猿がまたえらく乱暴でなー>
<そうでしたねー、なんせ閻魔帳を書き換えるわ、竜王を脅して如意棒を掠め取るわ、あまつさえ自分のことを斉天大聖と名乗るわ・・・とにかく好き放題やってましたねー>
<あまりにもその猿が乱暴狼藉を働くので天界は軍を派遣するのですが>
<一瞬で殲滅されたんやったな・・たしか>
<情けない・・・管轄は違うといえども情けない・・・>
<あんときスカウトしとくべきやったなー>
<ゴホン・・・ともかく天界の軍が全滅したため、天界はブっちゃんに救援を願ったんです>
「おーっほっほっほ。雪広財閥令嬢であるこの私の役がお釈迦様とは、まさに私にふさわしい役ですわ」
<どうでもいいから、話進めてんか>
「あ、申し訳ありませんでした。ゴホン・・・・そこのお猿さん!アナタの乱暴狼藉は目に余ります。おとなしく私の軍門に下りなさい」
「さっきから私のことを猿猿ってなによー!!!」
「まごうことなきお猿さんじゃありませんか」
<猿やな>
<猿ですね>
「ウッキー!!!!!だいたい委員長がなんでお釈迦様役なのよ、アンタなんか村人Aで十分よ!」
「なんですって、アスナさんだって猿とはいえ、主役の孫悟空なんて生意気ですわ!!」
悟空とお釈迦様は・・いやアスナと委員長は劇をそっちのけで取っ組み合いを始めてしまった。
<人選まちごーたかなー>
<本来なら「釈迦の手のひら」の故事にまつわる話がここで出るんですけど・・・先にいきますか」
<せやな、次のシーンいこ>
サっちゃんが指をパチンと鳴らすと五行山と書いてある巨大な山が悟空の上に落ちてきた。
釈迦役の委員長ごと・・・・
「ちょっと、なんで私までアスナさんといっしょに」
<アナタもいっしょにそこで頭を冷やしてください>
「「なんでよー!!!!」」
アスナ達の悲鳴をよそに、場面は移り変わる。
場面転換
<悟空が五行山に封印されてより数百年。そのころ中国には糖という国ができていました>
<えらく甘そうな国やな>
<失礼、唐ですね。漢字苦手なんでよ私は>
<唐の時の皇帝は玄奘っちゅー坊さんに天竺までありがたいお経をとってこいと命じたんや>
<玄奘というのは三蔵法師という名前の方が有名ですね。史実では何度も中国、インド間を往復した偉い人です>
<やってることはただのパシリやけどな・・・>
<ともかく、三蔵はお供を引きつれ天竺へ向かったのですが>
「ふう、お供の人もみんないなくなったし・・・どうしよう。・・・もうだめかな」
<挫折はや!!ネギ坊主じゃやっぱ無理やったかな>
<まあ、無理もないでしょう。この時代の一人旅は物騒ですから。まして彼のお供は一人は脱走し。二人は発狂して。三人は神の教えに染まってしまったぐらいですからねー>
<神の教えのどこが物騒なんや?>
<ネギ君と旅をしてたんですよ・・・・想像つきませんか?>
<あっちの神か、でも暗黒のほうならそこまで物騒っちゅーわけでも<カの字とミの字のほうですが>・・・埋めとけ・・そのお供・・>
<ともかく、三蔵はその後も一人で旅を続け、五行山の前にたどり着きました>
<そこで三蔵はは悟空の声を聞いたっちゅーわけや>
「ちょっとネギー!!はやく助けなさいよー!!」
「ああ、ネギ先生。こんなところでお会いできるなんて、なんという偶然なんでしょう」
「なんでアスナさんと委員長さんがこんなとこに?」
「そこのナレーションやってるヤツにやられたのよ」
<神と魔王をヤツ呼ばわりですか・・・クククいい度胸です>
<キーやん。子供のたわごとやからながせや・・・>
「うーん、完全に埋まってますね。そうだ!ふもとの街で道具もらってきます」
三蔵は悟空にそう言うと街へ向かって走っていった。
<あれ?山頂のお札をはがせば助けられるのに>
<キーやん、それ説明したか?>
<いえ、その説明はブっちゃん役の人がやるはずですよ>
<雪広の嬢ちゃんは山の中にうまっとるで・・・>
<・・・・・・・・・>
ナレーションが沈黙していると、ネギが早くもふもとの街から帰ってきた。
ネギは何か駒のようなものを山の周りに配置していく。
「アスナさん、これで助けられますよ」
「ネギ・・これはなんなの?数字がどんどんカウントダウンされていってるけど」
「あ、これはさっきの街で蛇っぽいお姉さんにもらったヤツで火角結界って言うそうです。これなら山も一発だって」
<<なんですと!!!!!>>
「ちょ・・山が一発なら私達もいっしょに・・・」
「さあ、いきますよー」
「話を聞けー!!」
<<総員退避ー!!!!>>
ちゅどぉぉぉぉぉぉん!!!
すさまじい光と爆風があたりを包みこんだ。
しばらくたち、視界が広がるとそこには巨大なクレータができていた。
「・・・・・・あれ?」
<あれ?じゃありません!!なんということしやがりますか、このお子様は!!>
<あかん・・委員長助けるので精一杯やった・・アスナの嬢ちゃんは助けられんかった>
サっちゃんがアスナを助けられずに悔やんでいると。突然地面の下から手が生え、ネギの足をつかんだ。
「ネ~ギ~・・・・あんたいったいなんてことをしてくれるのよー!!!」
「あうーごめんなさーい」
まことに信じがたいことではあるが・・・アスナは無傷のようだ。現在ネギを公開処刑中である。
<あの嬢ちゃん、なにげに横っち並の生命力あるんやな・・・>
<まあ、この空間がギャグ空間というのも有るんでしょうけど・・・すさまじいですね>
<どうする?あの様子だと収拾つかへんで>
<次にいきましょ・・・・>
<せやな・・・ネギ。強く生きるんやで>
「神さま助けてー!!!!」
場面転換
<三蔵は無事、悟空をお供に加えて旅を続けました。その後、さらに二人のお供を加えることになります。具体的には豚と河童>
<猪八戒と沙悟浄やな>
「貴様ー誰が豚だー!!!!」
「河童・・・私が河童・・・・あははははは」
<おや、猪八戒役は不満ですか?エヴァさん>
「なにが悲しくて吸血鬼の真祖である私が豚の役なんぞにならんといかんのだー!!」
<じゃあ、牛魔王なんかどうです?松坂産ですから高級ですよ>
「高級の意味が違うー!!!それに、そんなやられ役なぞゴメンだ」
<じゃあ、文句はありませんね。それでは次のシーンヘ・・>
「私は同意してませーん!!!なんで私がよりによって河童なんですか!!!」
<それはデコ・・・・・ゲフゲフ・・いや刹那の嬢ちゃんなら主役を喰う事もなく的確にサポートできるからやな>
<それに刹那さん、この前作者に泣きついたでしょ・・夕凪を振り回しながら・・だから作者がわざわざ主役クラスにアナタを持ってきたんですよ>
<本来なら沙悟浄は高畑のおっさんやったからな。なんやったらこのことアスナの嬢ちゃんに教えてもええんやで・・・その後の光景が簡単に目に浮かぶけどな>
「う・・・」
<では、話を続けますよ。三蔵たち一行は旅を続け。とある山にさしかかりました>
<だが、そこで崖の上から三蔵たちを見る二つの影があったんや>
「ふわー・・三蔵法師の格好したネギ先生ってかわいー!お持ち帰りしたいよー」
「あ姉ちゃ・・じゃなくて金角、ちゃんと役をやらないと・・・・」
「あ、そうだったね史伽・・じゃなくて銀角」
<この兄弟は金角、銀角といって。金角は正式な名を鹿苑寺といい、室町時代に足利義満によって建立されました。一方銀角は正式には慈照寺といってやはり同じく室町時代に足利義政により建立されてます。それぞれ室町時代の北山文化、東山文化を代表する・・・・>
「ふーん・・西遊記には日本のお寺も妖怪になって出てたんだ」
「それは金閣と銀閣ですー!!!お姉ちゃんもまじめに受け取らないでください!!」
<ともかく・・金角、銀角はここいらのボス妖怪で。金角が持っとる瓢箪で敵をみんな吸い込んでしまうおっそろしい妖怪やったんや>
<まあ、名前呼ばれても返事しなければ大丈夫なんですけどね>
「お姉ちゃん、ぐずぐずしてるとネギ先生たちいっちゃうよ・・」
「あ、そうだった。いくよ史伽・・・じゃなくて銀角」
「うん、お姉ちゃん」
<<あ!!!!!>>
「史伽ー!!!!!」
<あはははははは・・・やってくれましたねこの双子>
<銀角を瓢箪に吸い込んじまいおった・・・・>
「あうー・・これからどうしようー」
<・・・・次いこか>
<いきましょう・・・・ハァ・・>
場面転換
<三蔵たち一行は、妖怪の襲撃にあいながらもこれを退け、火焔山のふもとにたどりつきました>
<ほとんどが自爆やったけどな・・・・>
<細かいことはどうでもいいです。火焔山とは、一年中炎に包まれた山で。芭蕉扇でないと火が消えないのです>
<かめはめ波なら消せるけどな>
<悟空違いです・・・ともかく、三蔵たちは・・・>
「ふう、いい感じの暑さねー、ネギーそのサンオイルとってー」
「肌を焼くにはちょうどいい感じですね」
「ネギ先生、そこのジュースをもってこい」
火焔山を前に日光浴にいそしむ一行だった・・・・・・
<やる気あるんかいな、こいつら>
<焼き豚に河童の甲羅干しですか・・・・シュールな光景ですね>
「誰が焼き豚だー!!!」
「河童の甲羅干しってなんですかー!!!」
<<あなたたちのことですが(あんたらのこやけど)>>
「「作者のバカー!!!」」
<さて、悟空は芭蕉扇を持つという羅刹女の所に向かったんですが>
<羅刹女相手に完全に気迫負けしとるなー、まータマモの嬢ちゃん相手じゃ無理もないけどな>
「そう、芭蕉扇を貸してほしいのね・・」
「う・・うん。できれば貸してほしいなーって・・・・」
「いいわよ」
「あ無理なら、いいのよ・・・って本当!!」
「ただし、三蔵を置いていってもらえるかしら」
「な!!!そんなことできるわけないじゃない!!」
「今なら私の部下役の高畑先生もつけるわよ」
「売った!!!!」
「じゃ、商談成立ね。はい、これ芭蕉扇と高畑先生」
悟空は羅刹女から芭蕉扇を受け取ると仲間のもとへと帰っていった。
<・・・・・・台本とえらいちがう状況やな・・・>
<ま、まあ大筋では間違ってませんけど・・・次にいきましょうか・・・>
場面転換
<悟空の密約により・・・ゲフンゲフン・・もとい悟空のいない隙に牛魔王の手下によって三蔵は拉致られてしまいました>
「ふははははは!お前達よくやってくれた。これで三蔵の生き胆を食えば俺は不老不死となる!!」
<ノリノリやなー>
<ノリノリですねー・・・まあ、彼に流れる芸人の血がそうさせるんでしょうけど>
「ヨコシマー・・・孫悟空とかいう猿に芭蕉扇を奪われてしまったわ。私も乱暴されて・・・」
「なに!!本当か羅刹女。おのれ孫悟空、よくも我が妻を!!!」
「そうなの・・だからヨコシマ・・・私を慰めて」
「もちろんだ、俺の胸で存分に泣くがいい・・・ってタマモさん・・さっきからどこへひっぱって行こうとしてるんですか?」
「どこって・・・寝室?」
「まてい!!そんなの台本にないぞ!!」
「私の台本にはちゃんと書いてあるわよ、ほら」
「手書きでかいとるやないかー!!しかもお前の字で!!!」
「いいじゃない、夫婦なんだから」
「それは劇の配役だー!!ってこらひっぱるな。イヤー誰か助けてー!!!」
<<無理!!>>
「牛魔王様!!!孫悟空とゆかいな仲間たちが三蔵法師を取り返しにやってきています。すでに3-A戦闘部隊の半数がやられ。現在この部屋に向かっております」
「く・・・高畑先生の幻覚をもう見破ったの?もっと強くかけとくんだったわ」
<<チッ>>
「貴様らは敵だー!!!」
<悟空たちは牛魔王の宮殿にいる数多の妖怪を退け、三蔵がとらわれた牛魔王の部屋へとたどり着きました>
「タマモちゃん、よくも騙してくれたわね。ネギを返しなさい!!」
「くくくくく、いいところで会ったな横島忠夫。この前コケにしてくれたお礼と、今日の鬱憤晴らしも含めて・・遊んでやる!!」
「横島さん、やはり貴方と最初に戦わなかったのがすべての間違いでした。私のレギュラー昇格のためにもここで戦ってもらいます!!」
「よくぞここまで来てくれた。本当に助かった、ありがとう。・・・もとい。よくぞここまで来た孫悟空、ついでに豚と河童」
「「殺す!!!!」」
「お、落ち着いて。台本のセリフやないか・・・ね。だから・・怒っちゃダメだって美人が台無しだよ・・・お願い」
「それが最後の言葉だな、それでは冥府へと落ちるがいい!」
「河童・・・くくくくく・・・・横島さん、契約しましょう。あなたは溶かすようにじっくりと切り刻んであげます」
「「URyyyyyyyyyyyyy!!!!」」
「ぎゃぁああああああああああああ!!!!」
<くくくく、くはっ、く、苦しい。ここまで思い通りに話が進むとは・・・笑いすぎてお腹が・・・>
<キーやん、横っちの台本書き変えたの自分やな・・・>
<もちろんです。このためにずっと豚と河童を強調してたんですから>
<キーやん・・・魔族になる気あらへんか?キーやんならワイすら超えるええ悪魔になるで。今なら「神を騙りし者」っちゅー二つ名もつけるさかい>
<つつしんで遠慮します>
「貴様らー!!特にそこの神っぽい悪魔!!人をなんだと思ってるんだー!!」
<<おもちゃ>>
「言い切った!!!」
そのころの三蔵と悟空はというと
「あのー・・・ぼく達ってもう行ってもいいんですかね?」
「いいんじゃない?・・・ほっとこ・・・」
<こうして無事に牛魔王を滅ぼし、火焔山を抜けた三蔵たちは。再び天竺へむけて長い長い旅を続けていきました>
<さて、この後は無事天竺についた三蔵たちの話もあるんやが、話はここでおしまいや>
<それでは皆さん、これにて『二人?の異邦人IN麻帆良 番外編 「世界迷作劇場1」』は幕でございます>
舞台に幕が下り、観客席に明かりがつくと、観客達は静かに出口へと向かっていった。後に残されたものは、血染めの横島っぽいものだけだった・・・・・
おわっとけ
唐の宮殿にて
「ネギ先生速く帰ってこないかなー」
「パルー、いったい何をネギ先生に頼んだの?」
「アスラン×シン本以下30冊だよ、種と運命系を中心にね」
<早乙女さん!聖なる経典をいったいなんだと思ってるんですか!!!>
「え、だって聖地にいくんなら当然おさえなきゃ」
<なんの聖地ですかー!!!!>
舞台の裏で神の悲鳴がこだましていた。
(あとがき)
これは本編と一切関係のない番外編です。
修学旅行本編の前の息抜きとして作ってみました。
今回は情景の描写を語り手と会話のみでやってみたんですけど、読みづらかったでしょうか?
さて、次回こそ修学旅行本編になります。と・・いいつつ既に完成していたり・・・
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