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二人?の異邦人IN麻帆良(ネギま×GS美神) 「第3話 出会いと別れ」 投稿者:九重九十九 投稿日:06/30-17:47 No.837
「なあタマモ、ふと思ったんだが霊能関係の学校って六道女学院だけだったよな。」
「少なくとも私はそこ以外聞いた事ないわ。」
「GS免許を持つことができない中学生と、GSでなく教師の高畑というおっさん・・・・そして霊能関係では聞いた事もない麻帆良学園。どういうことだこれは?」
「情報が少なすぎてなんとも言えないわね。美神ならそのへんのことも知ってるんだろうけど・・・あんたと私の知識じゃイマイチ断言できないしねー。」
「だよなー・・・まあ、携帯で美神さんに連絡をとればわかるか・・・こんな時間に電話したら後で殺されるかもしれんがな(泣」
「後で連絡してもどうせ殺されるわよ・・・私とアンタとで朝帰りじゃ言い訳する暇あると思う?」
「タマモ・・・ヒーリングはまかせた」
「きつねうどん三杯で手をうつわ」
「君たちの雇い主って・・・・・・・・・まあいい、もうすぐ森を抜けるよ」
横島とタマモの会話が聞こえてきた高畑は、彼らと出会って何度目かの頭痛に耐えながら歩を進める。
刹那は横島たちの後ろから二人を敵か味方か見極めようとしていたが、自分がなにか酷く無駄な事をしているんじゃないかと葛藤していた・・・・森の向こうに見える朝日を見ながら。
第3話 「出会いと別れ」
「さ、ここまでくれば携帯もつながるだろう、これで連絡をとるといい。」
高畑が懐から携帯電話を取り出し横島に渡す。
横島はすぐに電話を掛け始めた・・・
「刹那君、彼らのことどう思うかい?」
「わかりません、ですが言葉の端々でこちら側の住人と伺えるんですが・・・」
「意味のわからない、もしくは聞いた事もない単語が出てくる・・だね」
「はい。六道女学院、GS、GS免許、美神除霊事務所・・・どういうことでしょうか?しかも向こうはそれを隠すつもりがないみたいです」
「ふむ・・・暫く様子を見るしかないかな、ともかく学園長にこのことを連絡してくれないか。」
刹那はすぐに学園長へ連絡をとった。一方横島たちは・・・
「あれ?・・・おかしいなー」
「どうしたの?」
「いや、つながらないんだ・・・なあタマモ、事務所の番号は***-****-****で合ってるよな?」
「そうよ、間違いないけどどうしたの?」
「おかしいなー・・合ってるはずなのにこの番号は使われておりませんって、携帯も同じだ・・・・」
「変ねー、神父のところやエミさんとこは?」
「ん、ちょっとまてよ・・・・・・あ、つながった!」
【ハイこちら女神お助け事務所で】プツッ ツー・ツー・ツー
「・・・・・・・・・」
無言で電話を切る横島
「えと・・どうだった?」
「いや、気のせいだ、なんか別の時空につながったような気がするけど気のせいだ!!」
「ちょ、どういうことよ・・私にも貸して」
【はい、山田です】
【もしもし、浅野ですが・・・】
【はい、こちら特車2・・】
【シロウご飯はまだですか】
・
・
・
・
その後手当たり次第に知り合いに電話する横島とタマモ、しかし無情にもどこにもつながる事はなかった。一部つながったところにしても全て違う所への電話だった。一部時空を越えた電話もあったような気もしたが・・・
「ヨコシマ・・・これどういうこと?」
「わからん、みんなが一斉に電話番号を変えたなんて有り得るはずがないし」
その時、途方にくれる横島達に高畑が声をかけた。
「連絡はついたのかい?」
「いえ、まったくつながりませんでした」
「ふむ・・・とりあえず私達と来てもらえないかい?学園長に君たちの事を話したらちょっと話がしたいということでね」
「それはかまわないっすけど・・・いいか、タマモ?」
「かまわないわ、今はとにかく情報がほしいわ」
「じゃあ、ついて来てくれ」
高畑と刹那は麻帆良学園に二人を案内するために歩き出した。
学園長室前
横島とタマモは麻帆良学園都市のあまりの規模に度肝を抜かれていた。
まあ、それは無理もないことだろう。明らかに六道女学院を超えているのだから。
「なあ、タマモ・・・こんなでっかい学園の話聞いた事あるか?」
「あるわけないじゃない・・・明らかにおかしいわよ!それに妙な魔力が集中するあの木も怪しすぎる」
タマモは学園の中心部にある大木に魔力が集積されているのにも気付いたようだ。
「だよなー、あんなのがあればいくら俺でも耳に入るはずだしなー」
「ねえ、私今ものすごくイヤな予感がするんだけど・・・」
「奇遇だな、俺もだ・・・・」
高畑と刹那は苦悩する横島達を尻目に学園長室の扉をノックした。
「学園長、よろしいでしょうか?」
「うむ、かまわんよ」
「さ、タマモさん、横島さん入ってください」
刹那に促され部屋に入った横島たちは、奥の机に座る人物を見て固まった。
「タマモ・・・なんでこんなとこに遠野妖怪の長がいるんだ・・・」
「じゃあ、ここはマヨヒガ?それなら電話がつながらなかった説明も・・・でも別の場所にはつながったし・・・」
横島とタマモは学園長のあまりにも人間離れした頭部に視線を集中させる・・・まあ、いきなり妖怪扱いした理由は以前の除霊で彼にそっくりの妖怪の世話になったことがあったりするからであるが・・・・
「あー・・・・何気に初対面から人を妖怪扱いかのー」
「まあ、無理もないでしょう学園長・・・」
「高畑君、君も何気に酷い事いっとりゃせんか?」
「気のせいです・・・」
高畑もどうやら横島たちに影響されたようだ。
「あの、学園長・・話も進みませんし・・・」
「おお、そうじゃったの・・ゴホン」
刹那がいじける学園長を促して話を進める。
「ワシはこの麻帆良学園の学園長をしておる近衛近右衛門というものじゃ」
「あ、俺はいえ、私は横島忠夫、こっちはタマモといいます。」
「ふむ、そんなに堅苦しくなくてもかまわんよ、話は刹那君からあらかた聞いておるが。いくつか質問したいことがあるがいいかの?」
「かまいませんが・・・」
「まず、こちらに来た経緯を教えてくれんかの?」
「ええ、それは・・・・・・・・」
横島は自分達が異世界に来ていることに気付いていない、いや気付こうとしていないのか、普通に自分達のことを話していった。
しかし、近右衛門達にとっては聞いた事もない単語、事象の大量放出だった。
「あー・・つまり君達は散歩中に突然現れた魔法陣で転移してあの場所に現れたということかの?」
「ええ、ずっと道に迷ってましたし、その後桜咲さんたちに会わなかったらマジでやばかったですねー」
「ふむ・・・・会話の中で気になったんじゃが、美神除霊事務所とかGSとか言ってたが、それはなにかの?」
「へ・・・知らないんすか?おっかしーな美神さん有名なはずなのに。それにこんなでっかい霊能科のある学校があるのにGSを知らないなんて冗談ですよね」
「霊能科?そんなもんありゃせんぞい。それに美神なんて聞いた事ないがの・・」
横島は互いの話が通じてない事に気付いた・・・どんどん胸の中で広がるイヤな予感に冷や汗を流しながら。ある一つの結論に思い至るが、すぐにそれを否定する。
「ねえ、あなたたち美神令子、GS協会、アシュタロスの反乱、妙神山この単語のどれか一つでも聞いた事ある?」
と、突然タマモが近右衛門たちに質問をなげかける。その質問は横島が思至った答えを導く質問でもあった。
「いや・・・まったく聞いた事もないが」
その答えを聞いた横島たちはお互いに顔をこわばらせた。
タマモの質問の答え、つながらない電話、聞いた事もない学校、発動しなかった文珠・・・・いくつもの情報がたった一つの答えにつながっていく。
そう、自分達が全く知らない異世界に来てしまったことに。
「まいった・・・なにかの冗談だろ・・・」
「むこうが冗談を言ってない限りこれは現実よ・・・帰る方法はないの?」
「気が付いてすぐ文珠に"帰""還"といれたが発動しなかったしな・・・少なくとも俺にはお手上げだ」
部屋の隅でボソボソと話す横島とタマモと別に近右衛門たちも横島たちと同じ結論に至っていた。
「話を総合すると彼らは異世界から渡ってきたということかの・・・」
「彼らが嘘をついていなければの話ではありますが、おそらく森の奥で感知された魔力は彼らが転移した時に発生したものでしょう」
「ふむ、刹那君はどうみる?」
「あの・・少なくとも嘘をついているようには見えませんでした。横島さんもタマモさんもまるで情報を隠そうとしなかったですし。」
「なんとのー・・・確かに見る限り悪人には見えんしワシ等を騙そうとする意図も見えん・・・」
「同感ですが・・・学園長、彼らのあつかいはどうしますか?」
「嘘にせよ本当にせよ裏を取らねばならん。その間ワシが預るとしよう」
横島たちの処遇が決まり、それを横島たちに伝えようと彼らを見ようとしたが、そこで繰り広げられてる光景に彼らは言葉をなくす。
そこでは・・・・・・・
うつぶせになった横島の上にタマモが乗り、横島はビー玉を持ちながら「転移ー!!」と叫んでいた・・・
「「・・・・・・・・・・・・・」」
あまりにもシュールな光景に言葉をなくす高畑と近右衛門、なにか今まで真面目に考えてた事すべてが無駄になったような気分である。
そして暫く自失した後二人は刹那を見る。
その視線はこう語っていた・・・「おまえ行け」と・・・
なにかいろいろなものをあきらめたような感じで刹那はため息をつくと横島たちに声をかけた。
「あの・・・横島さん、タマモさん・・・いったい何をやってるんですか?」
「いや、この体制でこっちへ飛んだみたいだから同じ体制でやったら転移できるかなっと・・・」
やはり恥ずかしかったのか顔を赤くしてタマモは刹那に答えた。
「あー横島君たちいいかの?」
「あ、どうぞ」
「君達の話を総合すると、どうも君達はこことは違う世界、つまり異世界から渡ってきたということになるようじゃな・・・」
「たぶん・・・」
「で、君達はこれからどうするつもりかね?」
「あー・・どうしましょう・・」
「ふむ・・行くあてがないのならしばらくはワシの家で預ろうと思うのじゃがどうかの?」
「え、いいんですか?」
「うむ、いろいろ君達について調査もせねばならんしの。しばらく外出も控えてもらわねばならんが・・かまわんか?」
「いろいろと助かります」
横島たちの処遇がとりあえず決まり、家に案内する近右衛門についていく横島たち。
その表情は暗く沈んでいた。
一週間後
再び学園長室に呼び出された横島たち。
横島たちはこの一週間近衛家の本宅で近衛門とお互いの世界の情報交換をしていた。
特に霊能と魔法関係について重点的に・・・ただタマモの素性については九尾の狐であるとはあかしていない。
「さて、横島君たちもこちらの生活には慣れたかな?」
「慣れたもなにもほぼ軟禁状態で何を楽しめっていうのよ」
「まあ、すまんかったの。こっちとしても君達の身元がはっきりせん以上、仕方がなかったんでな」
「それはいいっすけど今日はいったい・・話なら家ですればよかったんじゃ」
「ああ、君達に合わせたい人物もいるでな、それでじゃよ」
「合わせたい人ですか?」
「そうじゃ、だがその前に君達の調査結果がまとまったんでそれについても話があるんじゃよ」
どうやら横島たちの処遇についての最終結果のようだ。
「まず、横島君たちの身元じゃが君達のいう住所には美神除霊事務所という存在は過去も含めて確認できなかった。また同名の事務所の存在も確認できず。
横島忠夫、タマモの戸籍も魔法界も含めて調査した結果一切その足跡はたどれなかった」
近右衛門の口上に緊張する横島とタマモ。はっきり言って似合わない事この上ない気がするのは気のせいだろうか。
口上は続く・・
「・・・等の調査の結果、諸君達は前述の話のとおり異世界からの転移者である可能性が極めて高いと判断される。また両名を元の世界に送り返す魔法の存在はその世界が特定されない限り不可能である・・・以上じゃ」
「じゃあ、俺達は帰れないということですか」
「うむ、気の毒だが君達を送り返す術はワシらにもない。そこであらためて聞くが・・・横島君達は今後どうするつもりかね」
「どうするもこうするも、いく当てもないし・・・」
「横島君たちがよければ、住む所と働き口を提供できるがどうじゃな?」
「本当ですか!」
「うむ、話によると二人とも魔物と十分戦えそうでもあるし、どうじゃなワシが依頼する仕事を請け負ってもらえば1回の依頼で50万、もちろん危険手当、戦闘手当て傷病保険もつけるぞい。さらに家賃もこちらで持とう」
「そんなに!やります!!!!」
「ちょっとヨコシマ大丈夫なの?」
「大金を手にするチャンスをみすみす逃せるか!それにそれだけあればきつねうどんだって食い放題だぞ!!」
「横島・・私やるわ!!」
本来GS世界で魔物との戦闘依頼があれば100万でも安すぎるのだが、横島は美神に上限完全固定給、下限歩合制という本来ありえない契約で正社員となったため、月の手取りが馬車馬のように働いて20万、悪い時は10万を切っていたりする。
近右衛門の提示したちょっと安め金額でも横島達にとっては破格の条件だった。
近衛門は横島たちの反応に(もう少し安くしても良かったかのー)と考えていたりする。
「まあ普段は横島君には学園の警備でもやってもらうとして、もちろんこれも別に給料を払おう」
横島は自分にとってあまりの好条件に涙した・・
「さて、タマモ君のほうじゃが・・・タマモ君は見た目がどう見ても中学生という事もあるし、学園都市で昼間から出歩いていたら間違いなく補導されるんでな・・タマモ君がよければ中等部に編入という形でどうじゃな?」
タマモは近右衛門の提案に戸惑い、横島を不安げに見る。
「いんじゃねーの、タマモ。お前もこれを機会に学校へ行って見ろよ。学費ぐらい何とかなりそうだし」
「いいの?」
「ああ、出来れば美人のお姉さんがいる友達を紹介してくれれば言う事なし!」
横島は照れ隠しなのだろうか、頬をかきながらタマモに答えた。
「ヨコシマ・・・・」
「うん、なんだ?」
タマモは横島の背後に回り、横島の腰の辺りに抱きついた。
そして・・・・・・・
「それが目的かー!!!!!」
全身の力をへそにのせ、虹のような綺麗な弧を描いて横島を床にたたきつけた。
それは若き日のアントニオ猪木を髣髴とさせるバックドロップであった・・・
「あー・・・話の続きをしてかまわんかのー」
血の海に沈んだ横島の姿に冷や汗を流しながら近右衛門は話をうながす。
「ええ、うるさいのは黙らせたわ、行ってもいいわよ。私も学校に興味があったし」
「ほほ、よかったわい。実は戸籍も含めて転入手続きは終わらせておるからの。幸い今は春休みじゃし」
「ずいぶんと手回しがいいわねー」
「まあ、気にせんでくれ、とりあえずタマモ君は横島君の妹、横島タマモとして麻帆良学園女史中等部3-Aに1学期から編入というこじゃ」
「へ・・・・・・妹?」
「そうじゃが、なにか不都合があったかの?」
「なんで?」
「いや、タマモ君の苗字聞いとらんかったし。戸籍を作る段階で苗字は必要じゃからな。それならと兄妹として登録したんじゃが・・・まずかったか?」
「タマモと兄妹だとー!!!!」
その時明らかに致死量を超える出血で沈黙していた横島が突如復活して叫んだ。
その時、タマモは何かの視線を感じ振り返った。
そこには死神らしきものが、恨めしげにタマモのほうを見ながら姿を消していくところであった。
その死神の目はタマモにはこう語っているように感じられた・・「ちゃんとトドメをさしてくれ」・・・と。
タマモは今見たものを気のせいであると記憶の奥に封印し、相変わらず叫び続ける横島を見る。
「タマモ、兄妹となるからには当然ある儀式が必要だ!」
「儀式?」
「そう、儀式だ、タマモは俺のことをなんと呼んでいる?」
「へ・・ヨコシマだけど・・」
「そう、俺のことをタマモはヨコシマと呼んでいる。しかし兄妹である以上この呼び方はいただけない!これからは俺の妹である以上、兄に敬意を表しそれ相応の呼び方をせねばならない!!!」
「どういうこと?」
「うむ、具体的にはおにいちゃん、兄様、兄君、お兄様、兄貴その他もろもろの呼び方があるが、ここはやはり基本に立ち返っておにいちゃんと読んでくれる事がベストである!」
「ちょ・・あの・ヨコシマ正気?」
「まったくもって正気だ、さあ!呼びたまえ、おにいちゃんと!ハリー!ハリー!!ハリー!!!(早く!早く!!早く!!!)」
「え・・・あの・・・」
「さあ、勇気をもって・・s~a~y(セーイ)」
あまりの横島の剣幕に押され気味のタマモ、つかヨコシマお前妹属性があったのか・・・
タマモは戸惑い顔を赤くしながら横島の言うとおりに、
「お・・・お・・・おにい・・・言えるかー!!!」
ゴオォォォ!!!
「うぎゃー!!!!」
タマモは恥ずかしさの極地に至ったのだろう、真っ赤になりながら狐火を放射する。
横島は消し炭状態となり再び沈黙した。
「・・・・・・・・・・」
近右衛門は目の前で繰り広げられる事態に脳の処理能力が追いつかず、また呪文も無しで強力な火炎を放ったタマモに瞠目した。
「あのー・・・話の続きはまだあるんじゃが・・というか人を待たせとるんでソロソロ先に進みたいんじゃがのー」
「あ、ごめんなさい。」
「うむ・・・」
近右衛門は横島を可能な限り視界に入れないよう話を続ける。その後頭部にはでっかい汗が流れていたが・・・
「では続きじゃが、先ほど言った会わせたい人物の事でな。タマモ君の担任に引き合わせようと思ったのじゃよ」
「あ、そうなの?じゃあ早く合わせてよ」
「うむ、今呼んだところじゃ」
その時扉をノックする音が響き渡る。
「ネギです。学園長よろしいですか?」
「うむ、はいってくれネギ先生」
タマモは扉が開き、入ってきた人物を見て声もなく驚く。
その人物はどうみてもタマモよりも年下で10歳くらいの男の子にしか見えなかった。
「学園長、彼女が新年度から僕のクラスに編入する人ですか?」
「そうよ、よろしくね」
「うむ、彼女は横島タマモ君といっての」
「あ、僕は3-Aの担任をしているネギ・スプリングフィールドっていいます。宜しくお願いします。」
「で、そこにいるのはタマモ君の兄の横島忠夫君じゃ」
「え・・?」
ネギは近右衛門のさす方向を見るが横島忠夫というような人物の姿は見当たらない。そこにはただ消し炭しかない。
「あの・・・僕ら以外誰もいませんけど・・・」
「アレよ・・・」
ネギはタマモが指差す方向を見るが、そこにはやはり消し炭しかない。
ネギは不思議に思いその消し炭をよく見てみると、それは人の形をしていることがわかった。
ネギは後頭部にでっかい汗をたらしながら学園長を振り返ると、学園長は沈痛な表情でネギにうなずいた。
ネギはみるみる表情を青ざめさせ消し炭に駆け寄った。
「うわー・・消防署、いや警察、いや救急車ー!!!!」
もうパニックである・・・・
「大丈夫よ、死んではいないから・・むしろ彼を殺しきれる存在がいたら私はその人を人間と認めないわ」
「そんな問題じゃ、あぶぶぶぶ」
その時、ノックと共に女性が学園長室に入ってきた。かなりの美人である。
「学園長、そろそろ会議のお時間ですが・・」
「うむ、しずな君今行く」
その時消し炭状態だった横島が瞬時に起き上がり、伝説のルパンダイブを敢行しながらしずなにとびかかった。
「生まれる前から愛してましたー!!!!!」
あまりの事態にしずなも、ネギも全く反応できずただ呆然とする。
だが、一人だけまるでこの事態を予想したかの様に瞬時に対応した人物がいた。
ただ一人対応した人物、すなわちタマモは即座にしずなの前に立ちはだかり、手に持つ得物はどこから取り出したのか巨大なハンマー。
横島の落下速度にタイミングを合わせ、全身の力をもってハンマーを振り上げる。その光景は古の女神もかくやという神々しさをかもし出していた。
そして全ての乙女の怒りを代表し、ちょっぴりと自分に興味も示さない横島への嫉妬も込めて、その宝具の真名を開放して横島の顔面に叩き込んだ。
「くらえー!!!!無限なりし雷神の槌(100tハンマー!!!)」
「ぶげらぁぁぁぁ!!!!!!!」
タマモの宝具をくらい横島は壁際までふっとぶ。しかしすぐに復活した。
「てめ、タマモなにしやがる!!!」
「やかましい!あんたが毎度毎度しょうもないボケをやらかすから突っ込みを入れただけよ」
「人をなんだと思ってやがる。大体あんなのボケでもなんでもないわ!!」
「ふん、だったらもう少しましなボケを身に着けなさいよ!あんなのじゃ吉本の前座もはれないわよ」
「上方出身の俺のお笑いをなめんじゃねー!そこまで言うならみせてやろうじゃねーか!」
突然横島は口の中でブツブツと何かをしゃべりだした、同時にタマモも横島と同じように何かをつぶやく。
「身体はボケ(つっこみ)で出来ていた」
「血潮は漫才(ハリセン)、心は落語(1斗カン)」
「幾多もの寄席にして爆笑」
「ただの一度もすべることは無く、ただの一度もはずしはしない」
「観客の反応は常に熱く、笑点の大喜利で師匠に祈る」
(((ちょ・・笑点って・・師匠ってなに!!)))
ネギたちの心の突っ込みをよそに二人の祈りは最高潮を迎えようとする。
「故にその笑いに意味は無く・・・・・身体はボケ(突っ込み)で出来ていた」
そして二人のつぶやきが最高潮に達した時、二人は目を見開きただ一言を口にした。
「無限のお笑い!!!(アンリミテッド お笑い ワークス)」
「無限の突っ込み!!(アンリミテッド つっこみ ワークス)」
両者の固有結界が発動し、世界を塗り替える。
そこには永遠と続くボケと突っ込みの世界が繰り広げられていた・・・
「「さあ、突っ込み(ボケ)の貯蔵は十分か(かしら)」」
あまりの事態に脳がおいついていない近右衛門たちを尻目に二人はM1グランプリをはるかにしのぐ熱い芸道を繰り広げていた・・・
主役はそろった、物語はついに真の幕開けをはじめる。
第3話 end
「学園長・・・担任辞退していいですか?」
「だめじゃ・・・」
ネギたちの世界の常識は日々侵食されていった・・・・むしろこっちのほうが世界の危機かもしれない。
(あとがき)
最後は強引だったかなー・・・・それに無駄に長いし。
もっとうまくまとめるようになりたいです。
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