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二人?の異邦人IN麻帆良(ネギま×GS美神)「第5話 Mad lunch party」 投稿者:九重九十九 投稿日:07/04-17:48 No.870

「こらー!ネギ!いつまで寝てんのよ、いいかげん起きなさーい!」

「あううう、今日はおなかがー・・・」

ここ、女子寮の一室でネギと明日菜が押し問答を繰り広げていた。

「先生のクセに登校拒否ってどういうことよ、いいから起きて学校へ逝きなさい」

「明日菜さん微妙に字が違うと思うんですが」

「いいから起きろー!!!」

昨夜の恐怖からだろう、ネギは布団の中に潜り込み、明日菜に精一杯の抵抗を示すが、所詮齢10歳の少年では純粋な腕力で明日菜にかなうはずもなかった。
明日菜は無理矢理ネギを抱え込み、米俵のように担ぎながら部屋を出て行こうとしたが・・・・

「ア~ス~ナ~・・・・うちを置いていかんといてー」

「う、木乃香・・・」

地の底から響くような声が明日菜を呼び止める。
明日菜は今朝から可能な限り木乃香のことを意識から排除していたが、ここにいたってはもはや無視できず、覚悟を決めて木乃香の方を振り向く。

「こ・・・木乃香は今日は休んだほうが・・ヒィ!!!」

「ウ~チ~は~大丈夫~や~」

明日菜が振り向くと、そこには髪の毛を前にたらし、微妙に顔を隠した木乃香が目の前に迫っていた。目が異様に光っていたような気もしたが・・・

「こ・・・木乃香・・わかったから・・もう置いていかないから・・・お願いだからそのテレビから這い出てきそうな格好はやめてー!!」

明日菜は泣いて木乃香にしがみついた。昨夜木乃香を生贄に魔界から逃げ出した事を後悔しながら・・・・・・

横島とタマモ、二人が気付かないところで世界の侵食は広がっていた・・・



第5話  「Mad lunch party」


タマモは今日で二日目になる学校の廊下を鼻歌を歌いながら歩いていた。
タマモにとって学校で学ぶ学問は新鮮であり、またクラスメイトとの語らいや、ネギとのやりとりはタマモにとって重要な娯楽となりつつあった。

もっとも(少々ボケがたりない)と、内心全力で突っ込むことが出来ない事に不満もあったりするが。

「まあ、全力で突っ込む相手はヨコシマで十分か・・・」

自分の内心を独り言でポツリともらし、3-Aの教室の入り口を見るが、その入り口はネギ達が封鎖していた。



「おっはよー!!!」

「みんなおはよー」

「うわーん、まだ心の準備がー!!!」

普段どおり明るく挨拶する明日菜と木乃香、アスナに抱えられてジタバタするネギといういろいろと突っ込みどころのある絵面で教室に入るネギたち。
どうやら木乃香は普段の登校風景で日常を取り戻したようだ。

「ほら、ネギ!いつまでしがみついてるのよ。速く降りなさい」

「でも・・・・」

「大丈夫、エヴァちゃんはいないみたいだから」

「え?・・・エヴァンジェリンさんですか?」

明日菜はネギがおびえていたのはエヴァンジェリンに襲われたせいだと思っていたのだが、どうやら違うようだ。

「ネギ・・・アンタ、エヴァちゃんとのこと忘れたの?」

「ああ!!そうでした!!どうしましょう明日菜さん」

ネギはオロオロしながら出入り口付近から動こうとしない。
そんなネギ達に声をかける存在がいた。

「アンタたち、いつまで入り口を封鎖しているの、いいかげん教室に入りたいんだけど」

「あ、ごめんなさい」

「ああ!スミマセンでし・・・・・・で・・でたー!!!!!」

「でたー!って朝一番から人を見てえらい言い草ね・・・」

「ああ、ゴメンナサイ・ゴメンナサイ・ゴメンナサイ・・・・・」

ネギが壊れたプレーヤーのように土下座しながらタマモに謝り続ける。

「アスナ・・・ネギ先生が壊れてるみたいだけどいいの?」

「タマモちゃん・・昨日のアレを見たら誰だってこうなると思うわよ・・・」

ネギの奇行にクラス中が注目する中、アスナはタマモと話を続ける。
まあ、確かに人間が人の形をしなくなっていくさまをリアルで目撃すれば、誰だってトラウマの10個や20個は出来上がるだろう。まして10歳の少年ならなおのことである。

「ああ、ゴメンなさい、昨日はさすがにやりすぎたわ。ヨコシマも復活するのに30分もかかったし」

「復活って・・・」

(((((いや、それより「30分”も”」という部分が気になる!!!)))))

ネギたちの話に聞き耳を立てるクラス全員の心の突っ込みが一致する。

「前いたところじゃ、美神っていう人がその辺の加減知り尽くしていたから最大でも10分で復活するように調整していたんだけどね」

「横島さんってどういう人なの・・・」

「生命力は人間を超えてるわよ、昨日なんかヨコシマ専属の死神が私にグチを言いに来るぐらいだし・・」

(((((専属の死神ってなによー!!!!)))))

そのころ授業の始まりを告げる鐘の音を聞きながら、ネギは今だに土下座を続けていた・・・・誰か止めてやれよ・・・



4時間目も半ばを過ぎ、窓際で春の心地よい風を感じながらタマモは授業を受けていた。
もっとも教壇に立つネギはドヨヨーンーという効果音を背負い、何かを憂えた表情で授業を続ける。
10歳の少年が憂いを含んだ表情で物思いにふける・・・その筋の人が見たら一発でお持ち帰りしたくなるような絵面である。
事実、雪広あやかを筆頭に何人もの生徒がネギの顔に注目していた。

「ネギ先生ー、もう読み終わりましたけどー」

和泉亜子がボーっとしているネギに声をかける。

「ああ、スミマセンでした亜子さん・・・」

ネギがあわてて授業を進めようとしたが、ふと思いついた質問をしたのが全ての失敗だった。

「あのーつかぬ事を伺いますが、パートナーを選ぶ時相手が10歳の年下の男の子なんてイヤですよね」

ネギの突然の質問の後、教室は大混乱に陥った・・・・

その混乱の中、授業終了の鐘が響き渡りネギはフラフラとしながら教室を出て行く。
そんなネギを面白そうに見ながらタマモはつぶやく。

「なんかイロイロとせっぱつまってるわねー」

「その原因の半分は間違いなくタマモちゃんだと思うわよ・・・・」

タマモのつぶやきに突っ込むアスナだった。







4時間目が終わる少し前、横島は学園長に呼び出され学園長室に来ていた。

「突然の呼び出しはいったいなんでございませう・・・・この後用事もあるんですが・・」

学園長のかもし出すただならぬ雰囲気に少し腰が引ける横島。こういったところはちっとも成長がないようだ。
まあ、イロイロと呼び出しを受けそうな原因について身に覚えがありすぎる、という点もあるのだが。

「うむ、じつは最近ちょっと困った事が起こっての」

「困ったことですか」

「うむ、横島君は桜通りの吸血鬼の噂は聞いた事あるかね?」

「あ、そっちのことっすか。いえ聞いた事ありませんが」

「なにか他に問題でもあったのかの?」

「いえ、アリマセン!!なにも問題ありませんです!!」

横島は直立不動の姿勢をとり、即座に返答する。

「ふむ、まあとにかく詳しい事はこの報告書を見てもらおう」

「どれどれ・・・」

横島は渡された報告書を読み始める。暫くすると見覚えのある少女の写真が添付された部分に注目する。

「あれ?この子はあの時の・・・・エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル・・・3-A所属の吸血鬼・・・」

「おや、横島君はその子を知っているのか?」

「ええ、昨日ネギ先生と戦ってるのを見ましたから」

「ふむ、それなら話は早い」

「まさか私めにこのお子様吸血鬼を滅ぼせ、とでもおっしゃるつもりでしょうか・・・」

「まさか、この件は基本的にネギ先生に任すように手配しておる。横島君はネギ君が失敗した時の保険じゃよ。それに彼女は学園の警備員でもあるから倒すわけにはいかん」

「その警備員が生徒を襲ってるんですから本末転倒っすね」

「君も人のこと言えんと思うがの・・・・・」

「ナンノコトデショウ・・・」

「ほっほっほ、さての・・・とにかく、君はネギ君が失敗した場合に動いてもらう。あとは事件の後始末ぐらいかの」

「了解しました。以上ですか?」

「うむ、以上じゃ。さがってよいぞ」

横島は学園長の依頼を受ける事にした、まあ当座の資金がかなり不安でもあったので受けざるをえない状況でもあったのだが。

横島は学園長室を後にし、もう一つの目的地に向かって歩き出した。




現在の時刻はお昼休み・・・それは全ての学生が待ち望んだ昼食の時間である。
教室の中は何組かのグループで集まり、弁当を広げ姦しく騒いでいる。

「さあ、お弁当~♪」

タマモは明日菜&木乃香+図書館探検部3人組のグループに混ざり、上機嫌で鞄の中を漁る。

「あれ?」

「どうしたの、タマモちゃん?」

「いや、お弁当忘れたみたい・・・ハァ・・・学食へいってくるわ」

どうやらタマモは弁当を家に忘れたようだ。
タマモは学食へ行こうと、狐のアクセサリがついた財布を手に席を席を立とうとした。
その時、本来聞こえないはずの声が聞こえてきた。

「おーい、タマモ。弁当届けにきたぞー!」

突然教室に響き渡った聞きなれぬ声に教室は静まり返り、視線は真っ赤な弁当入れを手にした青年に集中する。

「ヨコシマ・・・なんでここに・・・」

「うん、家に弁当が置いてあったからな。それに弁当届けるついでに学園長のとこへ用もあったし」

「あー・・ありがとう、助かったわ」

タマモと横島のやりとりを聞きながら教室の中はしだいにざわついてきた。
ちなみに、他の皆が何を話していたかというと・・・

(代表:チアリーディング部三人娘)
「ねえねえ、あの人ってタマモさんのなんなのかな?」

「ひょっとして、あれがこの前言ってた気になる人かな」

「兄妹って感じでもなさそうだしねー・・」

「あれ?でも家とか弁当って・・・もしかして二人は一緒にすんでるのかな?」

「じゃあ、もしかして同棲? すごーい!!!」

横島はなにやら聞こえてきた不穏当な発言に、突っ込みを入れるべきか真剣に悩んでいた。

それを面白そうに見ていたタマモの肩を朝倉がちょんちょんと叩く。

「タマモちゃん、その人は誰か聞いていいかな?」

「一応私の兄よ・・・・不本意だけどね」

「「「「えー!!タマモちゃん(さん)のお兄さんー!!!」」」」

横島とタマモが兄弟と聞いてびっくりする3-A。
とたんにタマモと横島に群がり質問がとびかう。

「う・・・うわ・・これが女子中学生のパワーってヤツかー」

「このクラスの連中、お祭り好きみたいだしねー、アンタと波長あうんじゃない」

「むう、微妙に侮辱されてる気が・・・・む?」

「どうしたの?」

「けしからん!なんだあのスペックは・・というかなんで彼女達が中学生なんだ!!」

横島の視線をたどると龍宮、那波、長瀬といった超中学生級のメンバーが遠巻きに自分達を見ていた。

本来朝倉もクラスNo4なのだが、彼女たちのインパクトにかき消されたようだ。

「ちくしょー!!神は死んだー!!中学生では手出しできんじゃないかー!!!」

横島は懐からとある一神教の開祖の形を模した人形を取り出し、釘を打ち付ける。


<う・・突然胸が苦しく・・・イタタタタ>

<キーやんどうしたんや、いくら一人負けやからってそんなんで逃がしはせーへんで>

<ふむ、なにやら強力な呪いのようなものが見えるようだが、気にする事はない。そんなもので死にはしないのだから>

<さ、早く牌を捨てて下さい。後がつかえてるんですから>

横島の呪いは時空を超え、神に届いたようだ。ちなみに神3柱、魔1柱の麻雀大会の開催中の出来事であった。

横島は彼女達が中学生であることをひとしきり神に呪い、気が済んだところでふとタマモを見た。

「ふう、せめてタマモもあれぐらい「あたしじゃ不満かー!!!!」げぶぅ・・・・」

なにやらヤバそうな発言をしかけた横島にタマモの100tハンマーが炸裂する。

「ああああああの、タマモさんその人死んじゃったんじゃ・・」

タマモの突っ込みを初めて目撃し、教室はは静まり返った。もっとも明日菜と木乃香、刹那は何かをあきらめたような表情で虚空を見ていたが・・・

「大丈夫よこのぐらいでコイツが死ぬわけないでしょ」

「でも首が・・・・」

横島の首、いや頭部は亀のように完全に胴体にめり込んでいた。

「大丈夫だったら、ほら起きなさい!あんまりここにいると迷惑かかるから外へ行くわよ!」

「あたたた、タマモてめー毎度毎度何しやがる!!!」

「「「「「「生きてるー!!!!」」」」」

タマモが声をかけると、ポンッという音と共に横島の頭が胴体から飛び出し、完全に復活する。

「あーもーやかましい、とっとと来なさい!!」

タマモは横島の足を持って引きずりながら教室を出て行く。

「おいコラ、足を持つな。つか視界がヤバイ!!理性がー!!!!」

「眠れ!!!!!」

ドカンッ!!!!ズルズル・・・

3-Aの面々は廊下の向こう側で聞こえる悲鳴と、なにかが爆発したような音をBGMに時を停止させていた。



タマモは横島を学校の外れにある木陰に放り込み、自分も遅ればせながら横島の隣で弁当を開いて昼食をとる。

「アイタタタ・・・タマモ、最近お前の突っ込みどんどん苛烈になってきてないか?」

暫くすると横島は復活し、タマモに文句を言い始める。

「美神よりはマシでしょ。美神の折檻ならヨコシマはまだ気絶も出来ずに激痛を味わってるはずよ」

「そりゃあ、まあ・・・そうなんだが・・・・美神さんか・・・」

「どうしたの?」

「いや、美神さんにおキヌちゃん、シロ・・・みんなどうしてるかなと思ってな」

「帰りたいの?」

「タマモはどうなんだ?」

「帰る手段が無い以上どうしようもないわ、それにこっちもそれなりに面白いしね」

「俺はどうなんだろう・・・・帰りたい、けど帰りたくない・・なんだろうな、これは・・・」

「まあ、向こうに戻ったらまた赤貧だもんね」

「う・・・それもあったか・・」

「ま、ウダウダ考えてもしょうがないわよ、今は生きること。生きていれば帰るチャンスもあるかもしれないわ、その時に決めればいいじゃない」

「そっか・・・まず生きることか・・」

「そうよ、それにシリアスっぽい横島は似合わないわよ」

「やかましー!!!」

会話がとぎれ、心地よい風が流れる。タマモは食事を終え、空を見上げた。

「タマモ・・・サンキューな・・」

横島がボソリとタマモに礼を言う。恥ずかしいのか鼻の頭をかきながら。

「うん・・そうだ、ちょっと足を伸ばして」

タマモは横島の足を伸ばしてその太ももを枕のようにして寝転ぶ。

「うん、いい感じ・・じゃあチャイムがなったら起こしてね」

「おいおい突然何を・・・」

「いいじゃない、さっきのお礼ということで。こんな美人を膝枕できるんだから泣いて喜びなさい」

「命令形!それにお礼って・・むしろ俺としてはさっきの教室での詫びをもらいたいくらいなんだが・・・」

「じゃあ、私の手を煩わせたお詫びでもいいわよ。じゃ、おやすみー」

タマモは目を閉じ、風に髪をはためかせながら眠りにつく。

「やれやれ、どっちにしろ膝枕は確定なのか・・・」

横島はあきらめたようにつぶやくと、木にもたれながらタマモの頭をなで、自分も目を閉じた。









「ねえねえ、あれって兄妹の域超えてるよね・・・」

「じゃあ、ひょっとして禁断の・・・きゃー!!!」

横島たちが駆け込んだ木陰はじつは3-Aの教室から丸見えだった。
昼休み終了後、タマモは朝倉を筆頭に質問攻めとなることがここに確定した・・・合掌。


放課後、全員からの質問攻めをからくもかわし、帰路につくタマモ。
帰り際にネギを元気付けようというイベントに誘われたが、水着も無い事だし丁重に辞退した。
正直ツボにはまった3-Aの熱気は横島に匹敵する熱さがあるので、この後の混乱を本能的に悟って回避したのかもしれない。
というか3-A全員でようやく横島と同じ階梯に登れるの・・・・・・

「あ、あんたたち。まさかまたネギになにかしようって言うんじゃ」

ふと下駄箱の方から明日菜の声が聞こえる。

「安心しろ、次の満月まで坊やを襲ったりはせん」

「どういうことよ」

「夜の住人は多かれ少なかれ月の満ち欠けに力を左右されるわ、吸血鬼と人狼なんかその際たるものね」

明日菜は突然かけられた声に驚いて振り向く。そこにはタマモが手を振りながら立っていた。

「やっほー明日菜。そこのお子様吸血鬼となにか揉め事?」

「タ・・タマモちゃん」

「お・・お前は横島タマモ・・・貴様もこちら側の住人だったか、それに私をお子様呼ばわりとはいい度胸だな」

「お子様はお子様でしょ」

「ほう、600年生きたこの私をお子様呼ばわりとは・・・縊るぞ貴様・・」

「600年、やっぱりお子様じゃない。まして今の貴方は力を失っている。どこからそんな自信がでるのかしら・・」

「ふん、100年も生きていない人間風情がよく言う。それに魔力はなくとも貴様をミンチにするぐらい私にとってはたやすい事だぞ」

「あら、それはどうかしらね、確かにこの身は100年も生きていないけど・・・私もただでやられるつもりはないわよ」

タマモは妖艶に笑いながらエヴァを挑発する。
いつの間にか明日菜とエヴァのやりとりからタマモとエヴァのやり取りに場は変化していた。

タマモは少し霊力を開放し、エヴァにプレッシャーをかける。

「ふん、珍しい気だな、だがそこそこの力はあるようだがその程度では話しにならん。邪魔をするつもりなら命は無いと思え」

「心配御無用、私から邪魔するつもりないから」

「ちょっと・・タマモちゃん!」

「ほう、身の程をわかっているじゃないか」

「けど、どうせあの馬鹿がかかわる事になるだろうから・・・・まったく厄介ごとに好かれているというかなんと言うか・・・まあ、とにかく私の相棒が関わらない限りあなたと敵対する気は無いわよ」

「ふん、ならその相棒とやらにもよく言っとくんだな。茶々丸、帰るぞ」

エヴァは脇に控えていた茶々丸を引きつれ帰っていった。

「ちょっとタマモちゃん。ネギを助けてくれないの?」

「あー大丈夫よ。ヨコシマが学園長になにか頼まれてたみたいだし・・たぶん、いや絶対にこの件にかかわると思うから」

「そうなの?」

「ええ。さあ、帰りましょ」

明日菜とタマモは仲良く帰宅の途についた。


横島宅
その日の夕食時、タマモは鼻歌を歌いながら夕食を作っている。

「ずいぶんと機嫌がいいなー。なんかいいことがあったのか?」

「まーねー」

タマモのご機嫌の原因は昼休みの膝枕なのだが、横島はその事にまったく気付かない。

「さ、出来たわよ」

「おーこらうまそうだ!」

「さ、めしあがれ」

横島はガツガツと詰め込むように書き込む。タマモはうれしそうに横島を見つめる。やはり自分が作った料理をおいしく食べてくれるのは嬉しいのだろう。
しかし・・・はたから見るとまるで新婚夫婦である。両者ともその事を自覚してないのだからまったく始末に悪い。

「ねえヨコシマ、今日ね・・・・」

タマモは今日の出来事を嬉しそうに横島に語る。まるで恋人に語り聞かせるように。
だが、その時間は長くは続かなかった。
話がネギを元気付ける会の話になった時、横島は絶叫した。

「なんだとー!!ネギが中学生とはいえ水着の美少女と一緒に風呂にはいってただとー!!!」

「ちょ・・ヨコシマ・・・」

「くそー、自分は何も知りませんって顔をしておきながらあのガキめー。ロリコンは犯罪じゃー!!」

「あんたのやってる覗きやセクハラも十分犯罪よ・・・それにネギ先生は私達より年下だからロリコンというのは違うんじゃない?」

「シャーラーップ! 中学生に手を出すものはたとえ10歳だろうが100歳だろうがロリコンじゃー!!!」

「まあ、もういいけどね・・・・」

「くっそー!!!ネギめ、うらやましいぞー!!!!神のバッキャーロー!!

!」

「ロリコンは犯罪じゃなかったの・・・・」

横島は再び懐から某宗教の開祖の人形を取り出して釘を打ち付ける。

「チクショー!!!俺が普段どんな思いで耐えてると思ってるんだ。青春の光と影をもてあそびやがって・・・・呪ってやるー!!!!!」

「・・・・・・狐火♪」

「ぎゃああああああ!!!!!!」

タマモは神の人形ごと横島を焼き尽くし、沈黙した横島を部屋に放り込み再び食卓につく。

「まったく・・・別に耐えなくてもいいんだけどなー」

タマモは頬を少し染めながらつぶやいた。
タマモの目の前で料理に舌鼓をうつ死神を見ながら・・・・・・


第5話 end








<痛!また胸が!!!>

<またかキーやん、演技はいいからさっさと牌をきりーや>

<いや、本当に・・・熱!!燃える、体が燃える!!>

<ふむ・・・神を呪うとは・・なかなか有望な新人が出現したようだね>

<今度1000年ぶりにドラフト会議でも開きましょうか>

<せやなー。アシュタロスがおらんようなってから人手不足やし、魔属側にぜひスカウトしたいとこや・・・逆指名してくれたら言う事あらへんけど>

横島の呪いは再び時空を超え、神に届いたようだった・・・・・・


(あとがき)
第5話完成しました。
今回はギャグはちょっと控えめ。ネギたち3-Aと横島の顔合わせの段でした。

少々甘めな雰囲気もありましたが、結局この二人はギャグがに落ちついてしまいました・・・・最初はもっといい雰囲気だったんですけどねー。

ともかく、次回はカモの登場と仮契約騒動です。さてどんなふうになるやら。

二人?の異邦人IN麻帆良 「第6話 災厄の日々」

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