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二人?の異邦人IN麻帆良(ネギま×GS美神) 「第6話 災厄の日々」 投稿者:九重九十九 投稿日:07/05-18:31 No.880

「ふう、今日もドタバタの一日だったわよ・・・」

大浴場で起こった「ドキッ!水着だらけでネギを元気付ける会(ポロリもあったよ)」を治め、明日菜はネギを引き連れて部屋に入る。

「でもみんなのおかげで元気が出ましたよ」

「ネギ・・・さっきまでの状況でそのセリフ・・・あと3年たったら絶対に言っちゃダメよ」

「は・・・ハア・・・」

<景気悪そうな顔してんじゃんか大将、おれっちの助けがいるかい>

どこからともなく聞こえてきた声に明日菜とネギは部屋を見渡す。

「だ、誰!!」

「ここさ、俺っちだよ。アルベール・カモミール、久しぶりさー」

ネギたちが足元を見ると、そこに水着を加えた真っ白いオコジョがいた。

「カモ君ー!!!!」

カモの話によると5年前カモが罠にかかった時、ネギが彼を助けたのが付き合いの始まりであり。
今回の来日はネギの姉ネカネのお願いでネギのパートナー探しを手伝いにきたということらしい。

「これでパートナー探し楽になるかもー、後でお姉ちゃんにお礼の手紙かかなきゃ」

「あー兄貴!そんなの書かなくてもいいですって」

ネギがネカネにお礼の手紙を出そうとすると、カモはあせったようにネギを制止した。

「なぜ?」

「え・・・あの・・・実はめぼしい相手見つけてるんでさ」

「え、どの人なの?」

「これです!この人です!!!俺のしっぽセンサーがビンビンですぜい!!あの啖呵の切り方に惚れやした!!!」

カモはネギの生徒名簿描かれた写真の中から一人を指差す。
だが、ネギと明日菜はその示された少女の写真を見て顔を青ざめさせる。

「たしかに・・・・この人がパートナーになればエヴァちゃん相手でも大丈夫なのかも知れないけど・・・・別の意味でネギの命の保障ができないと思うな」

「カモ君・・・僕はまだ死にたくないんだ・・・」

「ど、どういうことで?ここにもほら[最凶?]って書いてあるじゃないですか。あ、これ字が間違ってますよ」

名簿を指差しながら、ネギと明日菜のまったく予想外の反応にとまどうカモ。

「「だって・・・・・・」」

「だって?」












「「タマモちゃん(さん)の相方は横島さん以外不可能ですー!!!」」

カモが短い前足で示した箇所には、特徴的な髪型をした金髪の釣り目がちな少女の写真が追加で貼り付けられていた・・・・






第6話  災厄の日々


翌日の放課後、カモはネギについて学校へ来ていた。

「まったくネギの兄貴はどうかしているぜい。せっかくちょっとは戦力になりそうなのを選んだってのに・・・はやいとこ行動もおこさにゃならんし、ここはいっちょ俺が後押ししてやりますか」

カモはこの時、自分が自身の死刑執行書にサインしたことに気付かなかった。



その日タマモは下駄箱の中で面白そうなものを見つけた。

「ん、手紙? これがラブレターってやつかしら・・・・・でもここって女子校よね・・・私そっちの趣味はないんだけどなー」

タマモはなにやら盛大な勘違いをしながら手紙を見る。

<横鳥ヌマモさま、放科後のりょーの裏でまてます。ぼくのパートナーになてください   ねぎ>

「ふーん、ネギ先生からねー」

タマモは手紙を読んだ後、鞄から赤鉛筆を取り出し手紙になにか書き込んでいく。

「さて、コレでよし。じゃあ寮の裏にでもいってみますか」

ネギの手紙は添削され<30点  全体的に誤字脱字多し、日本語をもっと勉強しましょう>と書き加えられていた。


ネギは放課後の広場をトボトボと歩いていた。

「はあ、今日はなんとか無事に終わったぞ、エヴァンジェリンさんは今日もいなかったし・・・・・正直タマモさんの方が怖いような気もするけど」

何気にタマモに聞かれたら弱突っ込みぐらいは喰らいそうなことをのたまっていたが・・・

「でも教師として生徒のサボリを容認すっていうのもなー・・・命はおしいしけど・・・」

「兄貴ー!てーへんだー!!」

微妙にヘタレているネギにカモが叫びながら走ってきた。

「どうしたんだい、八兵衛?」

「へい、ご隠居・・・って誰がうっかり八兵衛ですかい!!!」

ネギよ・・なぜ水戸黄門を知っている・・・・「ビデオで見たんだ日本語の勉強で」・・さいですか・・・

「と、とにかく大変っすよ、例の横島さんがー!!!」

「えー!タマモさんが不良を囲んでカツアゲしているってー!!!」

「い、いや逆っすよ兄貴・・・だいたい一人でどうやって囲むんすか」

「じゃあ、なおさらタマモさんを止めないと・・・・いくよ!カモ君!!」

「い、いったい横島の嬢ちゃんってどういう人なんですかい・・・・」

ネギは杖にまたがり急行する。カモはネギのタマモに対する評価に冷や汗を流していた。




「あ、いた!!!」

しばらくするとネギは寮の裏でタマモの姿を見つけ、地上に降下した。

「タ・・タマモさーん!!」

「ネギ先生、おそかったじゃない」

「ふ・・不良は無事ですか・・・・」

「不良?何のこと?」

「あれ?襲ってたんじゃ・・・・」

「ネギ先生、貴方が普段私のことをどう思っているかよぉぉぉっく分かったわ」

「はうううう、ごめんなさーい」

ある意味おもいっきり正しい評価でもある。

「まあ、いいわ。で・・・・人を呼び出して何の用なの?パートナーがどうとか書いてあったけど」

「え?パートナーですか?」

ネギはまるで身に覚えがなくオロオロしていると、カモがネギこっそりと話しかけた。

「へへ、兄貴のパートナー選びのために一つ芝居を打たせてもらいやした」

「カ、カモ君・・・・なんてことを」

「パートナーといっても誰でもいいわけじゃありやせん。お互いの背中を守る重要な存在ですから、その力だけじゃなくお互いを信頼してないとつとまりやせん。その点この嬢ちゃんなら器量もよく、腕っ節も強そうだ。信頼は兄貴なら十分これから勝ち取れるでしょうから、パパッと仮契約を・・・・兄貴、聞いてますか?」

ネギはカモの口上が耳に入ってないのか、うつむきながらブツブツとなにかをつぶやく。

「あ・・・兄貴どうしたんで?」

「カモ君・・・・」

「なんでございやしょう?・・それよりちょっと力を緩めてもらえないでしょうか、なんかだんだん苦しく・・・」

ネギはカモの体をつかみ、ギリギリと締め上げる。そしてクワっと目を見開き絶叫した。

「だからカモ君・・・君はそんなに僕を殺したいのー!!!!」

「ぐえええええ死ぬ、死ぬー!!!」

「だいたいよりによってなんでタマモさんなのさ!僕なんかがタマモさんの突っ込みくらって五体満足でいられると思ってるのー!!」

「それにもし本当にタマモさんをパートナーにしたら、間違いなくエヴァンジェリンさんに殺られる前にタマモさんのハンマーの餌食になるじゃないかー!!!」

何かが壊れたのかタマモを目の前にして危ない発言を連発するネギ。
タマモは額に青筋をうかべながら半眼でネギをにらむ。

「ハンマーはイヤ、ハンマーはイヤ、ハンマーはイヤ、ハンマーはイヤ、ハンマーはイヤァァァァァァァ!!![プツッ]・・・・・・・」

ネギは魂を吐き出すかのような絶叫をし、そして何かが切れたような音とともに倒れ伏した。

「アタタタ・・・ネギの兄貴は一体どうしたって言うんだい・・・・ん?」

ようやくネギの手から開放されたカモは、突如日光がさえぎられその方向を向いた。そこには・・・・・・・・















「今回の騒動はアンタが原因なわけね・・・・・」

炎をまとった阿修羅がいました。



「オコジョの分際でイロイロとやってくれたみたいね、これを書いたのも貴方でしょ」

「いえ・・・あの・・・嬢ちゃん・・話せばわかる」

カモはまるで狐に追い詰められたオコジョのように身をすくめ、ガタガタと震えだす。

「ネギ先生にもイロイロと言いたいことが有るけど、とりあえず・・・・あんたを滅ぼすことに決めたわ」

「ウヒー!!!」

カモは恐怖の極限に達したのか己の限界を超えた速度で逃げ出した。

「な、なんなんだあの嬢ちゃんは・・・とにかく逃げないとマジで命が・・・あ、明日菜の姉さん、助けてくれー!!」

カモは明日菜の姿を見つけ、助けを求めるべく駆け寄った。
だが、カモの思惑ははずれ、明日菜は近寄ってきたカモを踏みつける。

「ぐええええ、姉さん一体何をー」

「このエロガモ、ネギのお姉さんから手紙が来てたわよ!アンタ女性の下着2000枚も盗んで指名手配されてるじゃないの!!!」

「あ、姉さん、今はそれどころじゃ・・・」

「アスナ、そいつ捕まえててくれたのね」

タマモが氷の微笑を浮かべながら近づいてくる。

「あ、タマモちゃん・・・ってことはカモ、アンタまさか・・・ネギは無事なの?」

「無事よ、体には傷一つついてないわ。ともかく、そこのオコジョを渡してもらえるかしら」

「え・・・いいわよ・・で、ネギは?」

明日菜はタマモの言葉に引っかかりを覚えつつも、カモをタマモに引き渡す。

「向こうよ」

タマモはネギのいる方向を指差した。
明日菜はすぐさまその方向へ走り出す。

「さて、カモとか言ったわね・・・命の貯蔵は十分かしら?」





その日、12回にわたってオコジョの絶叫が麻帆良の空にすいこまれた。





翌日、明日菜、ネギ、カモが今後の対策をねっていた。
もっともネギとカモは隅の方で膝をかかえてブツブツと何かをつぶやいていたが・・・

「コラー!!!あんたたちいい加減に現世に帰ってきなさーい」

「明日菜さん・・・・僕、どうしたらいいんでしょう・・・」

「元600万ドルの賞金首に加えてタマモの姉さん・・・・勝ち目なんかねーですぜ」

昨日のタマモの折檻と、今日のエヴァとのやりとりで二人とも自信を喪失していた。

「だからタマモちゃんは敵じゃないって!!」

「ほんとうですか?」

「そ、それなら勝ち目が見えるかもしれねーです」

「ホント!カモ君!!!」

タマモが敵ではないと聞かされようやくネギとカモが現世に復活した。

「ここは一つ、兄貴と明日菜の姉さんとで仮契約してもらって。向こうの茶々丸とかいう従者を2対1でぶちのめす。そしてその後にエヴァンジェリンを・・・」

「う・・・仮契約・・・」

ネギはカモの仮契約という言葉に少しひるむ。どうやらトラウマがまた一つ追加されたようだ。

「仮契約ってこの前言ってたやつでしょ、なんかキスをしないといけないとかなんとか」

「兄貴!男なら覚悟を決めてください。これしか勝ち目がねーんです」

「・・・・・・わかったよカモ君。アスナさんお願いします!僕と仮契約をしてください!!」

「ちょ・・ネギ、本気なの?エヴァちゃんと戦えるの?」

「ハイ!タマモさんと敵対するぐらいならエヴァンジェリンさんと戦ったほうが数倍マシです!!!」

「ネギ・・・・いまの発言は聞かなかったことにしておくわね」

ネギよ、何気に失言グセがついていないか?

ネギとカモは、どこか熱にうなされたようないっちゃった目で明日菜を説得する。

「しょ、しょうがないわね一回だけよ」

ネギ達の説得についに明日菜は折れ、ネギの額にキスをした。仮契約(仮)の成立であった。



ネギ達はその日茶々丸の後をつけ、チャンスをうかがっていた。
茶々丸の聖人のような行動に感動の涙を流しながら・・・・・

「うう・・・いい人だ・・」

「だめ、私には彼女と戦うなんて出来ない!」

「兄貴ー!!だめっすよー!!これしか手段ないんですからー」

カモは必死でネギたちを促し、戦いの舞台を整える。
今、茶々丸はネコたちに餌をやり一人になっている。あたりに人影もない。
茶々丸を襲うなら今しかないのだが、明日菜たちは自分達こそ悪役なんじゃないかと葛藤していた。

その時、ネギが覚悟を決めたのか茶々丸の前に立つ。明日菜はそれに続いていった。

「油断しました、でもお望みなら戦います」

「茶々丸さん、僕を狙うのをやめてもらえませんか?」

「残念ですが、マスターのご命令は絶対ですので」

「そうですか、茶々丸さんごめんなさい」

その言葉を合図にネギは明日菜に魔力を供給し、自身は「光の矢」の呪文を唱える。

ネギは明日菜によって作り出された茶々丸の隙をついて「光の矢」を発動させた。

「マスター。すみません、私が動かなくなったらネコたちの餌を・・・・」

ネギの魔法をかわせないと悟った茶々丸がつぶやく。

「う・・・やっぱりダメー!」

ネギは魔法が命中する直前、その罪悪感から魔法を茶々丸への命中コースからそらせた。

「アンギャー!!!!!!」

と、魔法が逸れた方向から人の断末魔の絶叫が聞こえてきた。

「「「へ?」」」

ネギ達はあわてて絶叫がした方へ向かって走り出し、絶叫の発信源にたどりつくと、そこには血染めの横島が倒れ、そのそばで顔を青ざめさせた女性が逃げていくところだった。
ちなみに茶々丸はネギ達の意識が逸れた時点で離脱済みである。

「よ、横島さんごめんなさーい!!!」

「横島って、この人はまさか・・・」

「タマモちゃんのお兄さんよ・・・」

カモは横島がタマモの関係者と聞いて逃げ支度を整えだした。

「あ、兄貴はやく逃げやしょう。でないとあの金色の夜叉がまた・・・」

「だめだよ、どっちにしても逃げられないよ」

「逃げる相談の前に早く救急車よびなさーい!!」

明日菜は横島かたわらで、鎌を持った影が横島の魂にむかって、今まさに鎌を振り下ろそうとするのを見た。

「それはきっちゃだめー!!!!!」

明日菜が絶叫した瞬間、間一髪で横島の魂らしきものが体内に収納され、鎌を空振りした影が恨めしそうな表情をしながら消えていった。

「う・・・・」

横島がうめきながら目を覚まし、当たりを見回すと明日菜たちが目に入った。

「横島さん、大丈夫ですか?」

「あれ?さっきの美女は?」

「え、さっきの人ならあっちのほうに行きましたけど」

「なにー!!!!!!」

横島は跳ね起き、絶叫する。

「とにかく、無事でよかったですー」

「まったくよ、なんか死神みたいな影も見たような気もするけど気のせいだったみたいだし。」

「いやー、一瞬死んだかと思いやしたぜ。さあ、姉さん、兄貴帰りやしょう」

ネギ達は乾いた笑いを浮かべながら横島から距離をとり、逃げようとしたが・・・

「貴様ら・・・・・」

地の底どころか地獄の果てから聞こえてくるような声がネギ達を呼び止めた。
ネギは振り返ってはいけないと思いつつ、その迫力に負けゆっくりと振り返るとそこには・・・・・











黒い羅刹がいました。

「108人・・」

「「「へ?」」」

横島の意味不明なつぶやきに戸惑うネギたち。

「今日108人目にしてようやく・・・ようやくいい感じだったのに・・・・」

「「「ああああ、あの横島さん落ち着いてください」」」

「落ち着いているさ、今俺の心はまるで地獄のマグマのように赤く澄み渡っているさ・・」

「「「それ、ちっとも落ち着いてないじゃないですかー!!」」」

「貴様ら、現世への別れは済ませたか?」

横島は両手に霊波刀を顕現させ、ネギ達を見る。その瞳は血の様に赤く光っていた。

「「「ちょ、まって・・・話を・・・・うわー!!!!」」」

「ダーイ!!!!」

ネギ達は恐怖のあまり脱兎のごとく逃げ出し、横島は往年のジャックニコルソンを髣髴とさせる笑い声を響かせながら彼らを追いかけていった。






「ちょっとまって、なんでこうなるのー!!!本来なら茶々丸さんと、なんかいい感じになるフラグが立つはずなのにー!!!」

「ネギ、訳わかんないこと言ってないで早く逃げるわよー!!!」

「ちょ、兄貴まってくだ・・・ぶぎゃあああああああああ!!!!!」

「HAHAHAHAHAHAHAHAHA」

ネギ達の逃走劇はその後5時間に渡ってつづけられた。


麻帆良学園、4月になってから新たな都市伝説がダース単位で増殖しつつある学園都市は今日も平和だった。


第6話  end







「ちょっとまて!なんで俺がこんなとこに捕まってるんだ!!!」

鉄格子を揺らしながら叫ぶ横島。

「女子中学生を襲っていた変体を確保したのはいいが・・・どうする?」

「身元引受人は麻帆良学園の学園長だそうだ・・・一晩預ってくれだとさ・・・」

どうやら、ネギの逃走劇は警察の介入により終了したようだった・・・・

「俺をだせー!!!!!!!」







(あとがき)
今回はネギと明日菜、カモをメインにして見ました。
ただ、横島の出番が少なくちょっと不満がありますけどね。

さて、次回は山での修行なんですが・・・すっとばそうかなとも思ってたり。
なんせ「タマモと敵対するぐらいならエヴァと戦ったほうがマシ!」ですからね・・・どうしよう、マジで・・

二人?の異邦人IN麻帆良 「第7話 魔女達の饗宴」

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