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二人?の異邦人IN麻帆良(ネギま×GS美神) 「第9話 修学旅行前夜」 投稿者:九重九十九 投稿日:07/14-19:11 No.915

「おのれ横島ブラザーズめ・・・よくも私をコケにしおって!!!」

暗闇の中、小さな人影が天に向かって叫ぶ。
その背後で小さな人形と、女性らしき人影がその小さな影を見つめる。

「ああ、マスター。そんなに気を高ぶらせたら・・・・」

「私は冷静だ!!だいたいあの横島忠夫とかいうやつはなんなんだ。特にあの非常識な動きは!!」

「ケッキョク、イチゲキモカスラナカッタモンナ・・・オチブレタカ?ゴシュジン」

「やかましい!そもそもお前が人質なんぞになるからだチャチャゼロ!!」

「ケッコウイイセンスシテタゼ、アノオトコ。イイアクニンニナルゼ。ケケケケ」

「あの・・マスター。そろそろ就寝のお時間なのですが・・・」

「うるさい!茶々丸。こんな気分で眠れるか!!ええいまったく忌々しい。妹が妹なら兄も兄だ!!両親の顔が見てみたいわ!!!」

エヴァよ・・・それはやめたほうがいいと思うぞ、あのグレートマザーならお前すら喰いかねん・・・イヤ、マジで・・・

「ですが・・・・・明日の学校が大変になりますが・・」

「そもそもなんなんだ。兄の方は自分は魔法使いでないというし、かとって気功使いというわけでもない」

エヴァは考えに没頭しだしたのか、茶々丸を無視して独り言を続ける。

「ゴシュジンハタダノイッパンジンニ、イイヨウニアシラワレタトイウコトカ」

「ええい!さっきから人の神経を逆なでしおって、お前なんかこうしてやる!!」

「あの・・・マスター・・・」

茶々丸を無視してエヴァとチャチャゼロのじぇれあいはエキサイトしていく。
茶々丸は考えた。このままだとマスターであるエヴァンジェリンは、明日の朝起きる事ができずに遅刻してしまう。
ましてや登校地獄の呪いがかかっているのだ、遅刻したときのエヴァの苦痛はいかほどだろうか。

茶々丸は思案した、どうすればエヴァが眠ってくれるのだろうかと。
と、そのとき茶々丸の頭に天啓のように、とある言葉が頭の中に浮かんだ。
茶々丸はその言葉に従った場合と、従わなかった場合をコンマ5秒でシュミレートし、自らの行いは正しいものであると結論づけた。

そう、これは正しいのだ。マスターは眠らなければならない。眠らなければ健康も損なってしうし、せっかく受ける予定のネギ先生の授業を受けられなくなってしまうかもしれない。
茶々丸はこう考え、エヴァを眠らせるために近づいていく。
この時、茶々丸はある意味エヴァの従者であるという繋がりから解放されていたと言えよう。

「マスター・・・そろそろ眠らないと・・」

茶々丸はエヴァに対して最後の呼びかけを行う。
これで自分の言葉に反応してくれなかったら、もはや最終手段しか残されていない。

「ええい、このどぶドールがー!!」

だが、茶々丸の最後の望みは絶たれた。
ここに来て茶々丸は決意を秘めた目でエヴァの背後に回った。
そして・・・・・・

「マスター・・・・お休みなさいませ」

グォキ!!!

「くけ・・・・」

茶々丸は一瞬で決めた芸術的なスリーパーホールドで、エヴァを眠りの園へといざなっていった。

「オ・・オマエ・・・ショウキカ」

「私は正常です、なぜなら・・・」
















「ネギ先生が『汝がなしたいようになすがよい』と教えてくれましたから・・・・」

ネギま世界の真ヒロインが侵食された瞬間だった・・・・



第9話   「修学旅行前夜」



ネギと明日菜はエヴァとの決戦の翌日、学園内のオープンカフェで談笑していた。

「昨日はありがとうございました、アスナさん」

「まったくよ・・・もっとも後半はなんかこう、理不尽というか不条理というか・・・訳わかんない展開になったけど」

「あはははは、いつも思うんですけど。横島さんってなんで死なないんですかねー」

「ネギ、私ようやく悟ったの・・・・・横島さんのことは深く考えちゃダメよ」

どうやら明日菜は横島の生態について、深く考える事を止めたようだ。
まったくもって正解である。

ネギ達はいささか問題のある発言も交えながらテーブルに着こうとしたが、その時バッタリと茶々丸を従えたエヴァに出会う事になった。

「こ・・・こんにちは、エヴァンジェリンさん」

「ふん、気安く挨拶を交わす間柄になった覚えはないぞ」

エヴァは不機嫌そうに返事しながらもネギと同じ席につき、ネギと話を進める。特にお互いの共通の話題であるネギの父親、サウザンドマスターについて昔話を交えながら語っていった。

もっともネギはエヴァの話す昔話で、自分の父親に対する幻想を木っ端微塵に砕かれていたのだが。

「まあとにかくアイツは、サウザンドマスターは私の呪いを解く事もなく10年前にくたばった・・・おかげで私はこのぬるま湯の生活だ」

「で、でも僕は父さんに会ってます。あの六年前の雪の日に」

「な・・じゃあサウザンドマスターは生きているというのか・・・・そうか、殺しても死なない男だと思っていたがやはりそうだったか」

エヴァはネギから聞いたサウザンドマスター生存の情報に狂喜した。

「京都だ、京都に行ってみろ。そこにヤツが一時期住んでいた家があるはずだ。手がかりがあるとすればそこだ」

「京都ですか・・京都って言ったら西日本で、えーっとどこでしたっけ?あうーお金も・・・」

ネギはエヴァからもたらされた父親の情報に喜びながらも、なにぶん日本の地理に疎いためいささかとまどう。
そんなネギに明日菜は苦笑しながらつぶやいた。

「京都かー、ちょうどよかったじゃない。私達の修学旅行の行き先は京都よ」

「ホントですかー!」

ネギは明日菜の言葉に、今にも神に祈りをささげそうな勢いで喜びだした。
明日菜はそんなネギをほほえましく見つめながら、ふと疑問に思った質問をエヴァにぶつけてみた。

「ところでエヴァちゃん」

「なんだ?神楽坂明日菜。今なら機嫌がいいから大概の質問には答えてやるぞ」

「じゃあ、遠慮なく聞くけど。なんで今朝からネギを視線から外して喋ってるの?・・・というか首へんじゃない?」

明日菜はエヴァが朝からずっとネギを体の正面に向けながらも顔を横に向けているエヴァに質問した。
当初は顔を合わせずらいのかと思っていたが、いくらなんでもちょっとおかしいと今更ながらに気付いたのだ。

「・・・・・知らん、朝起きたらこうなっていた・・首がこれ以上うごかんのだ。というか昨日は一体いつ寝たんだ、私は」

「茶々丸さんはなにか知ってるの?」

「いえ、おそらく寝違えたんだろうと推測します。昨日はだいぶお疲れのようでしたから」

サラっと明日菜の質問をかわす茶々丸。
原因は間違いなく自分なのに実にいい度胸である。というかいいのか?従者としてイロイロ問題があると思うぞ、うん。




「えー!!!修学旅行が中止ー!!」

翌日、ネギの絶叫が学園長室にこだました。

「いや、正確に言うと違うんじゃが。向こうの関西呪術協会がちと難色を示しておっての・・・まあこっちはワシが何とかするとして」

学園長の話によると、学園長は関東魔法協会の理事でもあり、関西呪術協会と関東魔法協会は長年の対立を繰り返してきた組織であるということだった。

「ワシとしては魔法じゃ、呪術じゃとか西とか東とかこだわる気はないんでの、いいかげん仲良くやっていきたいんじゃ。そこで、ネギ君に特使として西の長にこの親書を渡してもらいたい」

学園長は机の中から封筒を取り出すと、ネギに手渡した。

「では、たのんだぞ。ネギ君」

「わかりました。必ずこの親書を西の長にとどけます」

ネギはそう答えると、懐に親書をしまい退出した。

「フォフォフォ、ネギ君もいい顔をするようになったわい。横島君たちの影響かの・・・時々目がうつろになるのがちと気にかかるが・・・」

ネギが消えていった扉を見ながら学園長はつぶやいた、ネギの熱にやられたような目に一抹の不安を覚えながら・・・・・





修学旅行を目前に控えた日曜日、タマモは横島を引きずりながら原宿へとやってきていた。

「うーん、こっちの原宿もいいわねー」

「なあ、タマモ。いいかげん手を離してくれ、さすがにちと恥ずかしいぞ」

「あんたをこの町で放し飼いにするほど愚かじゃないわよ。ほっといたらすぐにナンパの名を騙ったセクハラするんだから、いつか警察に捕まるわよ」

タマモは駅についてすぐにナンパをしだした横島に天誅を加えた後、ずっと横島の手を引っつかんで引きずりまわしていた。

「わーったって、もう逃げないから・・・まったくせっかく美人のねーちゃんが大量にいるのに・・・てコラッ抱きつくな」

タマモは横島のつぶやきを聞きつけると、少し不満げな顔をした後、突然横島の腕に抱きついた。
微妙な胸のふくらみが横島の腕に押し付けられ、横島の理性はちょっと危ない方向に傾きかけた。具体的には"ロ"のつく方向に。

「いいじゃない、虫除けも兼ねてるんだから。それに・・・いや?」

「ぐ・・・」

タマモが横島の腕に抱きつきながら上目づかいに見上げると、横島の理性はがけっぷちに追い込まれた。



横島の脳内


ここは横島の意識下、阿頼耶識と呼ばれるそこには神々しい光をまとった人物と、禍々しい闇をまとった12枚の翼を持った影がTVを見ながらコタツに入って蜜柑を食べていた。

<往生際がわるいですねー、速く堕ちたほうが傷も浅いですよ・・・モグモグ>

<せやけど、妹に手を出すのは人間の倫理としてはまずいんちゃうか?・・・あ、キーやんワイにも蜜柑とってくれ>

<何を言うんです、"血のつながらない妹"このフレーズに萌えない男は漢にあらず。ここは正しき日本男児らしくこのままいっきに>

<せやけどなー・・・>

<それに、タマモさんなら今がまさに旬な"ツンデレ"要素もふんだんにあります。そう、タマモさんは"血のつながらないツンデレな狐の妹"これに萌えなければ人間では、いや生物ですらありません。さあ、横島さん!神の祝福は貴方と共に、いざ逝かんぬか喜びの野へ!!!>

<キーやんそれは系統がちがうで・・・・・・なんにぬか喜びなのか具体的に聞きたいところやけど>

<サっちゃん・・・横島さんの幸せは大きいほど堕としがいがあると思いませんか?>

<横っち、悪いことは言わん。今ならまだ引き返せる、よーっく考えるんや・・・・時間の問題かも知れけどな(ボソッ)>

もはやどっちが光なのか闇なのか具体的な描写は避けよう・・・






「だから何度も人の脳内で漫才やってんじゃねー!!しかも神と悪魔が完全に逆転してんじゃねーかー!!!!」

横島は自分の意識の奥で、再び繰り広げられた神魔最高指導者による脳内会議に大声で突っ込んでいた。
もっともその突っ込みのおかげで彼はがけっぷちから持ち直したのだが・・・・・




<チッ>

「まてや神!!今舌打ちしたろ!!」

<気のせいやでー、さっキーやん帰るで。横っちまたなー>

「二度と来るんじゃねー!!!!」

横島は魂よ天に届けとばかりに絶叫した・・・・原宿のど真ん中で。

「ちょ・・・ヨコシマ頭大丈夫なの?」

「へ?」

「と・・・とにかく、なんか注目されてるから行くわよ」

「え・・・おい」

タマモは横島をひっぱってこの場から離脱した。周囲の気の毒そうな視線に赤面しながら・・・・






横島とタマモは雑踏の中から離れ、公園にやってきていた。

「もう、ヨコシマのせいであまり買い物が出来なかったじゃない」

「あーすまん、ちょっと神と悪魔の定義について思うところがあってな・・・」

「まあ、いいけど。今度来る時はちゃんと買い物手伝ってよね」

ちゃっかりと次回の買い物を約束する当たり策士である。

「あれ?あそこにいるのって柿崎さんたちじゃないか?」

横島はふと、植え込みの影に隠れて何かを覗いている三人の姿を認めた。

「あ、本当。・・・・けど、なんであんな格好してるのかしら?」

タマモが横島のさした方向を見ると、確かに柿崎、釘宮、椎名の三人の姿を見つけたのだが、彼女達はセーラー服や学ランを身にまとっていた。

「さあ・・・なにかの儀式か?」

「とにかく行ってみましょう」

横島たちは彼女たちに近づいていく。

「ねえ、何をしているの?」

「んーちょっとネギ先生たちの尾行を・・・・ってタマモさん!!」

突然話しかけられ、びっくりする三人。だが、すぐに横島たちに静かにするように話し、植え込みの向こうを指差す。
そこには、木乃香に膝枕をされて眠るネギの姿があった。

「へー、ネギ先生と木乃香ねー。いい雰囲気じゃない」

「でしょ。出来れば応援してあげたいけど・・・委員長から妨害命令が・・・・・」

「それでそんな珍妙な格好をしているわけね」

「あはははは、で・・・タマモさんは何をしてたの?」

「あ、私達は買い物よ」

「ふーん兄妹仲いいんだねー・・・って横島さん一体何をやろうとしてるんです?」

タマモは桜子の言葉を聴くと、すぐに横島のほうを振り向いた。
そこでは横島が懐からいつぞやの人形を取り出していた。

「ちくしょー不公平だぞー!!やっぱりガキとはいえ美形がいいんかー!!神のバッキャーロ!!」

<横島さん、それを打ち付けた瞬間アナタを男として終わらせます。その覚悟はおありですか?>

横島がいざ釘を人形に打ち付けんとしたその時、横島の頭に禍々しい警告の声が響いた。

「・・・・・・・・・おのれネギ。相手が中学生とはいえ男の夢の膝枕で眠るとは・・・しかもうつ伏せで。許せん!」

横島はそそくさと人形を懐にしまうと、怨嗟の対象をネギに集中した。
まあ、男として終わらせると脅されてまで神に喧嘩売ろうとは思わんよな。

「そんなに羨ましいなら後でやったげるわよ、もっとすごいのを。とにかく今は静かにしなさい」

「え、マジ?・・・・・・ハッ・・俺はロリコンじゃない、俺はロリコンじゃない、俺はロリコンじゃない」

横島はタマモの爆弾発言に一瞬反応しかけたが、すぐに定番の呪文を唱えてコンクリートに頭突きをする。だが、そんな横島に追い討ちを掛けるように悪魔のささやきが聞こえてきた。



<横島さん、アナタは魔神すら退けた英雄じゃないですか。英雄の行う行動は全て神の名のもとに正義となります。さあ、欲望のままに快楽の世界へ赴くのです>

<横っちー、諦めえ。こうなったら行くとこまで行かへんとキーやん止まらへんで。古から悪魔の誘惑に勝てるヤツはおっても、神の誘惑に勝てるヤツはおらへんかったからなー>

<横島さん、アナタにこの言葉を送りましょう『汝、欲望に忠実であれ』と>

<横っちほどその言葉を体現できてる人間は歴史上おらへんからなー。横っちのためにあるような言葉やで>




「消えろこの脳内神どもー!!つーか神の誘惑が悪魔よりたちが悪いってどういうことだー!!!」

<誘惑だなんて人聞きの悪い、祝福と呼んで下さい>

「いいからしゃべるな、とっとと出て行け!!」

<えー、せっかく別荘も建てて光回線導入したのにー>

「誰がそんなこと許可しやがったー!!」

<え、サっちゃんですけど>

「貴様もグルかー!!」

<工事は魔王総出でやったんや。汎魔殿にも負けない規模やでー、ええ仕事やった>

「俺の平和な日々を返して・・・・」


横島は散々叫んだ後、崩れ落ちるように膝をついた。

タマモ達は突然始まった横島の一人芝居に目を丸くするが、すぐに気を取り直して横島を黙らせようとした。
だが、時すでに遅く、ネギと木乃香はこちらに気付いてしまったようだった。

「あれ?タマモちゃんたち・・・どうしたん?」

「え、タマモさんたちですか?」

その時、公園の入り口の方から明日菜と委員長が走って来た。

「木乃香、ネギ、あんたたちやっぱり・・・」

「木乃香さん、ネギ先生に膝枕なんて・・・・・私がやりたいですわー!!!」

3-A委員長、雪広あやか・・・彼女にもこの言葉を送ろう『汝、欲望に忠実であれ』と。

その後、ネギと木乃香の関係を誤解しかけた明日菜たちに、ネギと木乃香は一日早い誕生日プレゼントを贈り、誤解は解けた。

そして現在、公園にいたメンバーで明日菜の一日早い誕生パーティーを開催中である・・・横島のおごりで。





横島は苦悩していた。

何に苦悩していたのか?おごらされた事による出費か?いや、横島はこの前の報酬でかなりリッチな状態のためこの程度のおごりは苦ではない。

では何だというのか、自分の背後で行われているサバトか?
いや、もはや酒を誰が持ってきたとか、中学生が酒を飲むんじゃねーとか突っ込む気も失せていた。
ちなみに委員長は開始3分で再びKOされている事をここに記す。

それならば部屋の隅っこで神に祈りをささげているネギのことか?
いや・・・・・それには慣れた、というか諦めた。


だったらなんだというのだろう。
それは・・・・



















「こら、ヨコシマ。じっとしてなさい」

横島はタマモに膝枕されていた、しかも耳掻きつきで・・・・・・・さらに視界はタマモの方を向いている。

「タマモ・・・いくらなんでも恥ずかしいぞ」

などと言いつつ横島の両手はしっかりとタマモの腰に回されてるのは、本能のなせる業なのだろう。

「じゃあ、みんなの方を向く?そっちも恥ずかしいと思うけど」

「いや、そういうことじゃなくて・・・」

「アン、息を吹きかけないで。くすぐったいじゃない」

横島はタマモの艶のある声に硬直し、呼吸すらままならない。

「タマモ・・・お前酔ってるだろう・・・」

「酔ってなんかないわよ」

「いや酔ってるって、顔真っ赤じゃねーか!」

「じゃあ、酔ってるのね。酔っ払いのいうことは素直に聞くものよ、おとなしく膝枕されてなさい」

タマモは横島の言葉を封殺すると、嬉々として耳掻きをはじめた、彼女の顔は朱に染まっているが、はたして酒によるものか、それとも他の理由によるものなのか判別できなかった。
横島は気恥ずかしさを感じながらも観念し、心地よい感触に身をゆだねた。
















グォリ!!!!

「ギャー!!!!!!!!!!」

30秒後に絶叫を上げるまでは・・・・

「動くな!大きいのが奥にあるんだから!!」

タマモの膝枕はいろんな意味ですごかった・・・南無。









第9話  end









シャーコ、シャーコ

何か刃物を研ぐ音が部屋に響く。

「・・・・とうとうここまで出番無しですか」

夜の闇に閉ざされた部屋の中、月の光で刃物が光る。

「最初はレギュラーかと期待していたのに・・・クスクスクス・・・いいんです、それならそれで作者を・・・・」

暗闇の中で目をギラつかせた影がつぶやく。

シャーコ、シャーコ

その後しばらくはひたすら刃物を研ぐ音だけが部屋に響いていた、そして唐突に影は手を止め、刃物を月明かりに照らしながらつぶやいた。




















「今宵の夕凪は血に飢えている・・・・」

「刹那・・・・・・」

そこには月明かりの下で怪しい微笑を蓄えた桜咲刹那と、でっかい汗を後頭部に張り付かせた龍宮真名がいた。

「龍宮、ひどいと思わないか?せっかく1話~3話でいい感じで出番があったのに、あまつさえタマモさんとも交流あるのに、その後セリフの描写はたった一回だけ。」

「いや・・おちつけ刹那。イロイロと危険な話題だぞ・・・」

「そもそも私はつっこみにも、バトルにも使える良キャラなのに、この扱いはひどいんじゃないか?それとも最初に横島さんと戦わなかったのがいけなかったの?」

「だから・・・」

「このままじゃ私は龍宮や古、長瀬と同じただのバトルな脇キャラにハウ・・・・」

会話の途中で突然崩れ落ちる刹那。その刹那を見つめ、額に微妙に青筋をうかべた龍宮がつぶやく。

「危なかった・・・・今のは真剣に危なかった、麻酔弾を持っていて本当によかったよ・・」

龍宮の右手にはいつの間に手にしたのか、銃が握りしめていた。
崩れ落ちた刹那の脇で『ようこそ脇キャラの世界へ』と書かれたプラカードを手にした死神が、笑顔で刹那の肩をポンポンと叩いているのを横目で見ながら・・・・


今宵、麻帆良の最後の良心が侵食された。
負けるなたつみー、君がネギま最後の砦なんだ。長瀬や古じゃそのまま同化しかねない。がんばれたつみー!!


(あとがき)
第9話書きあがりました。今回は修学旅行前夜と題した作品です。
いやーついに茶々丸と刹那も壊してしまいました。

というか、私の今回書きたかったシーンは茶々丸のスリーパー、タマモの耳掻き、黒刹那の登場でした。
うん、満足。
ちなみに最後の刹那のシーンを死神のシーンと予想した人・・・いたらあなたは引っかかりました。

次回はいよいよ修学旅行本編です。その前に外伝ひとつ書こうかな・・・

追記・・管理人様復旧お疲れ様でした。そしてありがとうございました。

二人?の異邦人IN麻帆良 「番外編   世界迷作劇場1」

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