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二人?の異邦人IN麻帆良(ネギま×GS美神) 「第13話 史上最大の作戦」 投稿者:九重九十九 投稿日:07/25-19:40 No.985
「なあ、茶々丸。昨日の私はいったいなんだったんだろうな・・・」
「マスター・・・」
ここは早朝のエヴァの家、テーブルには茶々丸謹製の朝食がこれでもかとテーブルにならべられている。
「昼間はあの男にさんざん引っ掻き回されて、夜は夜であの男を力を見極めてやろうと楽しみにしていたら・・・・」
「マスターはみごとに肩透かしをされました・・・・」
「まったくだ・・・そもそもあいつは本当に強いのか?なんか私も自信がなくなってきたぞ」
エヴァは朝食に手を付けず、ただグチをこぼす。
「しかし、横島さんの攻撃を回避する動きは達人の域でしたが・・・特にあの両足を地につけた歩行法は弾丸すら信じられない機動でかわしていました、あの動きで懐に飛び込まれれば脅威です」
「ますますもって分からん・・・・昨夜にいたってはいつの間にか仕掛けたトラップに誘導しただけで、結局実力は測れなかったしな」
エヴァは知らない、実は昨夜の横島が実力の真骨頂を見せていたことに。
横島はかつて美神徐霊事務所でのポジションは遊撃&囮であった。そのため敵を自分の望みの場所へ誘導することは横島のもっとも得意とすることだったのである。
ただし、美神から半ば強制され、自らの命をチップに手に入れた特技であったが・・・
横島がひきつけ、美神がトドメを差す。昨夜は美神のポジションがトラップに変わっただけである。
「結局期待するだけ期待して肩透かしを食った私は・・・・・」
「アホッテコトダナ・・・」
「チャチャゼロー!!!貴様この前から私に喧嘩を売ってるのかー!!」
「ああ、マスターそんなに興奮なされては・・・それにチャチャゼロも本当のことを言わないように・・」
「茶々丸!おまえもかー!!!!!」
朝もはようから元気な吸血鬼であった。
第13話 「史上最大の作戦」
「ええー!!朝倉に魔法がばれたー!!!」
修学旅行二日目の夜、ホテルでアスナの声が響き渡った。
前日タマモが敵を徹底的にいたぶった事により、精神レベルでの復活は早くても二日後とにらみ、アスナ達は二日目の修学旅行を堪能していたのだが、とんだ問題勃発である。
まあ、この場合ネギを責めるのは些か酷であろう、ただでさえでも親書を届けたり、さらに猿女の襲撃、とどめに生涯初めての告白を受けたのだから・・
同時期にこんなに問題が重なれば、誰だって失敗の一つや二つやってしまうものだろう、これでネギを攻めるようならっその人物は鬼である。
「無様ね・・・」
鬼がいた、金髪の・・・
「あうー!」
タマモの容赦ない言葉にネギは半泣き状態となってしまった。
「どうしましょう。このまま朝倉さんをほうっておいたら間違いなく全校にバレてしまいます」
刹那も特にいい手立てが無いのか、途方にくれているようだ。
「記憶操作の魔法を使うしかないんですけど、僕あれって苦手なんです」
「以前記憶じゃなくてパンツ消しちゃったもんね」
「ど、どういう状況だったんですか・・・」
「お願い、聞かないで・・・」
ネギの過去の失敗を思い出し、アスナは頭痛を抑えるように手を額に当てた。
「ヨコシマがいないのが本気で痛いわねー」
「横島さんなら記憶操作できるんですか?」
「なんかものすごく意外な感じがするわねー」
タマモの発言に、刹那とアスナがさも意外そうにタマモに質問する。
「ヨコシマを甘く見てもらっちゃ困るわ、あれで戦闘能力なら前にいたところでNO1だったんだから。それ以外も何気に器用にこなすしね」
横島を侮辱されたと感じたのか、タマモは少し強い口調で反論する。
「どっちにしても、今いなくちゃ意味ないですー。あうーどーしよー」
「「「切羽詰ってるわねー(ますねー)」」」
ネギの限界ギリギリな状況にタマモ、アスナ、刹那の感想が一致した。
「しょうがない、最後の手段よ」
「え、なにかいい手があるんですか?」
あまりにもアレなネギを見るに見かねてタマモが提案する。
「やっぱり前後の記憶を忘れてもらうしかないわね」
「でも、僕はそれ苦手なんですけど・・・」
「あ、いいわよ。私がやるから」
「タマモさんがですか?」
ネギ達はタマモの発言に楽しくない未来を予想した、それも実体験に基づくかなり確度の高い未来予想図が・・・
「タマモちゃん、参考までに聞くけど具体的な手段は?」
「美神直伝のヨコシマ用フルコースを3%程度で抑えれば記憶を失うはずよ・・・たぶん・・・その後は保障できないけど。というわけで行って来るわね」
「「「行っちゃだめー!!!!」」」
ネギ達はハンマーを手にし、朝倉のもとに向かおうとするタマモを必死で止めた。
「だいたいフルコースってなによー!それも3%で記憶を失うって!」
「100%で耐えれる横島さんってなんなんですかー!!」
アスナと刹那は魂を込めた叫び声を発しながらタマモを引き止める。それはもう必死だ、クラスメイトの命がシャレにならない状況なのだから。
「アスナ、なにやってんの?」
だが、そんな騒動を繰り広げるアスナたちの前に、当の本人が近づいてきた。
「あ、朝倉いいところに」
「朝倉、逃げてー!!!」
「朝倉さん、私とアスナさんで時間を稼いでるうちに逃げてください!出来るならどこか遠くに!!私としては日本から離れる事をお勧めします!!」
アスナと刹那は、タマモを必死に抑えながら朝倉に向かって叫ぶ。
しかし、当の朝倉は状況がわかっていないのか、のほほんとした表情でこう言った。
「あ、ネギ先生。私ネギ先生に協力する事にしたわ。返すね、魔法の証拠写真」
「兄貴ー!!なんとか朝倉の姉さんを説得しましたぜ」
「「へ・・・」」
どうやらカモが朝倉を説得し、ネギの味方に引き込んだようだ。
「よかったー!!問題が一つ減りましたー!!」
「あ、危なかった、もう少しで・・・」
「朝倉さん、今後もう少し行動を自重してください、さっき本気で命の危機でしたよ・・」
上からネギ、アスナ、刹那の発言である。
「いったい、どういうこと?タマちゃん」
「タマちゃんって・・・・何でも無いわよ、ただ誰かさんが記憶を失わずにすんだってってだけよ」
「記憶だけならこんなに必死にならないわよ・・・・」
「????」
朝倉はいまいち状況がわかっていないようだった。
「よくわかんないけどまあいいや、そういえばタマちゃんも魔法使いだったの?ということはお兄さんもなのかな?」
「まあ、私もアイツも関係者なのは間違いないわよ。魔法使いというわけじゃないけどね」
「ふーん・・・・ん・・・・ねえ、タマちゃんちょっといい?」
「何?」
朝倉はタマモがまだ持っているハンマーを見ると、何かを思いついたかのようにタマモに質問した。
「最近よく聞く都市伝説なんだけどね、遊星からの物体Yと共に現れるハンマーを手にした金色夜叉って・・・なにか知ってる?」
「ナ・・・ナンノコトカシラ」
朝倉のやたらピンポイントな質問に、タマモは思わずカタコトで返す。
「すごい、朝倉さん・・・あのタマモさんを・・・」
ネギはタマモを何気に追い詰めている朝倉を、尊敬の眼差しで見つめていた。
その後、他の教師(主に新田先生)の介入により、この話は打ち切られ、ネギ達はとりあえず各自の部屋へと散っていった。
PM10:00
「唇争奪、ネギ先生とラブラブキッス大作戦ですってー!!!」
現在、朝倉は3-Aメンバーの前で修学旅行記念特別企画の説明を行っていた。
鬼の新田の正座という罰をものともしないで。
「そ、ネギ先生にキスをした班が勝者、攻撃は枕のみ。死して屍拾うもの無し!・・どう、やる?」
「朝倉さん、あなたと言う人は・・・・」
「おや、いいんちょ反対だった?」
「すばらしいですわ!!これこそ修学旅行にふさわしいイベントです!!」
早くもあやかのテンションはMAX状態のようだ。
委員長の班部屋
「今回のイベントに私は必ず勝利しなくてはいけません・・・となると重要なのはパートナーとなるもうひとりの参加者・・・」
あやかは今回のイベントに必勝を期すため、作戦を考えていた。
「参加者の中で脅威となるのは間違いなく、クーさんと長瀬さんのチームです。それに対抗できる相手といえば・・・」
あやかは班のメンバーである、那波、長谷川、村上、ザジを順に見渡した。
那波ちづる
却下
あまりにもおっとりしすぎている。よしんばうまくいったとしても、ナチュラルに漁夫の利を持っていきかねない。
長谷川千雨
却下
本人にやる気無し。
村上夏美
却下
体力的に長瀬たちに敵しえない。さらにライバルに発展する可能性もある。
ザジ・レイニーデイ
却下
長谷川と同じくやる気無し。
「ああ、私の班には長瀬さんたちを出し抜けるような人はいませんでしたわね・・・・このままでは愛すべきネギ先生の唇が・・・」
「ふう、ただいまー」
あやかが現実に涙していると、タマモが見回りから帰ってきた。
あやかは即座に復活しタマモを凝視する。
横島タマモ
体力・・OK
頭脳・・謀略型。軍師として最適
属性・・ブラコン(疑惑)
問題なし!!
「タマモさん・・・・」
「な、なによ・・・どうしたの、目が普通じゃないわよ・・」
あやかは即座にタマモに詰め寄り、タマモの説得を開始する。
「ぜひネギ先生の唇を守るために私に協力してください!!」
「ちょ、なにを突然・・・」
「あなたしかいないのです。ネギ先生の唇を守るにはアナタの力が必要なんです!!お望みならあなたの好きなもの何でも差し上げますから!!」
「なんでもいいの?」
タマモはの発言にピクリと反応した。
「もちろんです、シャネルだろうがエルメスだろうが、お望みなら伝説のエクスカリパーまで手に入れて差し上げます!!」
「きつねうどん・・・・・」
「へ?」
「麻帆良に帰ったらきつねうどんといなり寿司おごってね。できれば食券で」
「・・・かまいませんけど。そんなのでいいんですか?」
「いいのよ、好物だし。それに食券ならアイツと食べにいけるしね」
この瞬間、3-A、雪広あやかと横島タマモの最強コンビが結成された。
PM11:00
「さあ、いよいよネギ先生唇争奪 ラブラブキッス大作戦スタートです!」
どういった仕掛けなのか、各部屋に備えたテレビの画面にはイベントの参加者の映像と、朝倉の実況が映し出されていた。
「それでは、まず選手の紹介を行います。1斑は鳴滝風香&史迦の双子です。双子ならではのコンビネーションに期待しましょう。」
テレビに映る風香はやる気満々のようだが、史迦はバレた時の正座に脅えているのか、半べそをかいている。
「2班は古菲選手と長瀬楓選手、ともにバカレンジャーの一角をなす体力バカ、その運動神経に物を言わせた動きに注目しましょう!」
テレビには、やる気があるのかいまいちわからない長瀬と、照れてクネクネと体を動かしているクーが映し出されていた。
「3班は雪広あやか、そして意外なことに横島タマモの両名です。自他共に認めるネギ先生への偏愛の委員長と、一部ではブラコンとの噂の高いタマモ選手が手を組んだ!現在ダントツの一番人気です」
テレビに映るあやかは、ネギへのキスシーンを思い浮かべているのか、目にハートマークを浮かべていた。
一方タマモは今回の成功報酬に早くも思いをはせていた。
「4班は明石裕奈選手と佐々木まき絵選手、両名とも運動部のバランスのいいチームです」
まき絵はにも負けない気迫で勝負に挑んでいるようだ。明石はまき絵に比べたらすこしテンションは低いが・・・これは比べるほうが間違いだろう。
「そして最後の5班は綾瀬夕映選手と宮崎のどか選手です!図書館組みからの参戦ですが、はたして他の班についていけるのか!!」
のどかは脅えたように夕映についていっている、まるで雛鳥のようだ。
「あれ・・・なんだろう、この悪寒は・・」
ネギは部屋に戻っていたが、さっきからタマモによって鍛えられた生存本能が警鐘を鳴らすのを感じていた。
「なんか部屋にいたらいけないような気がする・・・・場合によっては命にかかわるような感じも・・・」
ネギはそういうと、懐から刹那にもらった身代わりの紙型を取り出し、自分の名前を書いていった。失敗作が大量にあったが・・・
「わーすごーい、陰陽術ってすごいなー」
ネギは目の前で自分そっくりの変わり身に驚嘆していた。
「それじゃあ、僕は見回りにいってくるけど、君はここで寝ていてね」
そういうとネギはそそくさと外へ逃げ出していった。
ホテルの階段で枕を両手に持った二人の少女が忍び足で歩いていた。
「委員長、もっと姿勢を低く!それに足音を立てないで!」
「タマモさん・・・あなたはどこでそんな隠密行動を学んだのですか・・」
「乙女には秘密がいくつもあるものなのよ・・・ん、隠れて!まき絵たちよ!」
タマモの言葉に、某蛇の名を持つ男のようにダンボールに隠れるあやか、つづいてタマモも物陰に隠れる。
暫くすると、曲がり角からまき絵たちが姿を現し、やがて次の曲がり角を曲がっていった。
「よく分かりましたわね・・・」
「得意なのよ、こういうの」
(ああ、ネギ先生。よくぞタマモさんと私を同じ班へ編成してくれました。この勝負はネギ先生の期待に答えるためにも必ず勝ちます!)
あやかはこの時、タマモと同じ班ということに心の底からネギに感謝していた。
「みぎゃ!」
「ぶへ」
「いくアルよー!!!」
そのころ、曲がり角の向こうではクー&長瀬vsまき絵&明石の無制限一本勝負が始まっていた。
「さて、今のうちにネギ先生の部屋に行くわよ」
「ハイ!!」
タマモと、あやか、このコンビはなにげに最強かもしれない。
タマモ達がその場を離れた後、暫くしたら新田の怒鳴り声と明石&佐々木の悲鳴が廊下にこだました。
「ついに犠牲者が出ました。なんと4班は全滅です!」
朝倉の実況に、4班の勝利に賭けていた面々は悔しげな声をもらしていた。
「さて、残るは1,2,3,5班、はたしてどの班が勝つでしょうか。現在ネギ先生の部屋に最も近づいている班はいいんちょ達の3班です!まるで先が見えるかのようにライバルや新田先生をかわしていっています」
「うふふふふ、ネギ先生。いま参ります」
朝倉の実況を他所にあやか達はネギの部屋の前まで来ていた。
「さてと、これで後は委員長にキスをさせれば・・・・・あれ?」
「どうなさいました?」
「・・・・・やられたわ。、この部屋にはネギ先生はいないわ」
「それじゃあどこに」
「わからないわ、とにかく探すしかない・・・」
そういうとタマモはネギの部屋から離れ、歩き出した。
(どういうこと、変な魔力がホテルをつつんで臭いをたどれない。近くに来れば判別できるけどそれ以上は無理ね、害意は無いみたいだけどなんなのかしら)
再びあやかとタマモの隠密行動が始まった。
あやか達が抜け出した後、のどかの悲鳴が部屋からこだました。
「朝倉の姉さん・・・なんかネギの兄貴が4人いるような・・・」
そのころ、ネギの変わり身が4体もホテルをうろつきだしていた。
先ののどかの悲鳴はそれの犠牲になったことが原因のようだ。
「さあ、ここでハプニングだー!!なんとネギ先生が4人も現れた、本物はどれだー!!」
朝倉は予想外の自体にもあわてず実況を続ける。すでにヤケになっているのかもしれないが。
「なんか変な気配がするわね・・・・・ロビーの方からかな」
「ロビーに何かあるんですの?」
「わからない、行ってみるしかないかもね」
「それでは行きましょう。ネギ先生まっていてくださいねー」
そのころ、ロビーでは4人のネギが集合し、1,2,5班の選手がネギを追い詰めようとしていた。
まず、クーと長瀬がネギの一人をその体術を生かして取り押さえ、ネギにキスをした。
すると、そのネギは突然爆発し、後には紙人形だけが残っていた。どうやらニセモノだったようだ。
「さー残りはあと3人、ニセモノにキスをすると爆発するよー!!」
朝倉の実況でいやがおうにも盛り上がる3-A、現在神秘の一角に触れているのに気付いてもいないのがなんともアレであるが。
長瀬達に続いて鳴滝姉妹もキスをしたが、やはりこれもニセモノだった。
「なんですの・・・この騒ぎは・・あ、ネギ先生!」
「あ、それはニセモノよ!!!」
「ぐえ!」
あやかはネギを捕まえる寸前にタマモによって襟首を捕まえられた。
「な、何をするんですか!一瞬お花畑が見えましたよ!!」
「今のはニセモノよ・・・・そしてコイツもね!!」
「チュー!!!」
タマモは背後の物陰から突如飛び掛ってしたネギを、いつの間にか手にしたハンマーで吹き飛ばす。
ネギ(偽)は壁にたたきつけられ、そのまま爆発した。
「これでよしっと、本物のネギ先生は・・・・こっちよ!」
「タマモさん、ありがとうございます!このお礼はきっと!」
「期待してるわよ、」
「まかしてください!!」
あやかとタマモはロビーのほうへ向かって走っていった。
そのころ、ロビーでは・・・
「こ・・・これは」
本物のネギが帰ってきた。
「ね、ネギ先生!」
何が起こっているのか把握していないネギにのどかが話しかける。
のどかの後ろには綾瀬夕映がそんなのどかとネギを見守っていた。
「のどかさん・・・・あの、昼間のことですけど」
「い、いえ、あのことはいいんです、聞いてもらえただけでもー」
のどかはあまりの緊張にパニックに近い状態なのか、両手をバタバタさせてネギに答える。
だが、ネギはそんなのどかにおかまいなく話を続けた。
「すいません、宮崎さん。僕、まだ誰かを好きになるとか・・・そういった事がよく分からないんです」
ネギは申し訳なさそうに話し続ける。
10歳の少年が顔を赤く染め、うつむき加減でテレながらしゃべる光景は、その筋の人にとってはたまらない光景であったろう。
「あれは・・・・ネギ先生とのどかさん!」
そしてこの場にその筋の方が到着してしまった。そう、委員長こと雪広あやかである。
「何をしていらっしゃるのでしょうか」
「なんか告白の返事をやってる感じね・・・どうする?今なら妨害できるわよ」
「・・・・・・・・・」
あやかは一瞬タマモの誘惑に心惹かれたような表情を見せた。だが・・・・
「・・・のどかさんが勇気を出して告白した、そしてネギ先生はそれに返事をしようとしている、これを妨害するなんて私には出来ませんわ」
「・・・いいの?ネギ先生がのどかを選んじゃっても」
「ネギ先生がそう選んだのなら精一杯祝福してあげますわ、でも・・・・まだ諦める訳じゃありません。最後にはきっと振り向かせて見せますわ!!」
あやかは自らの決意を示すようにハッキリとタマモに言った。
「委員長、いえアヤカ。あんたいい顔してるわよ!がんばんなさい」
「ええ、私は負けませんよタマモさん」
ロビーの脇で二人の少女が友情を深めた瞬間だった。
一方ネギ達は・・・
「あの、もちろん宮崎さんのことは好きです、でも僕・・・クラスの皆のこと好きだし。アスナさんやこのかさん、いいんちょさんやバカレンジャーの皆さん、そしてタマモさんも・・・ちょっとタマモさんは命の危険がもれなくついてきますけど・・・ともかく。そういう好きで・・あ、でも先生と生徒だし」
彼が10歳でなければ、間違いなく女の敵として認定されそうなことをほざいていた。
「いえ、あの・・・そんな・・ネギ先生」
「だから僕、宮崎さんにちゃんとしたお返事は出来ないんですけど・・・・と、友達から・・お友達から始めませんか?」
「・・・はい」
のどかは嬉しそうにネギに返事をした。その表情はまさに喜色満面といった感じである。
「まあ、10歳ならこんなもんでしょうかね」
綾瀬はそうつぶやき、突然のどかの足を引っかけた。
「きゃあ!」
のどかは足をもつれさせ、そのままネギの方に倒れ掛かる。ネギはのどかを支えきれずそのまま後ろに倒れてしまった。
それは、ちょうどのどかがネギを押し倒すような格好になった。
しばらくして、二人が気付くとなんと二人はキスをしていた。
「なんと優勝は大穴の本屋ちゃんだー!!」
「なあ、姉さん・・・・確か兄貴のニセモノ4体いなかったか?3体しか爆発しなかったような」
放送拠点で朝倉とカモが荷物をまとめて撤収準備をしていた。
「気のせいでしょ、そんなことより早くずらかるよ。カードも手に入れたんだろう」
「ああ、本カードが1枚とはしけてるがしょうがない」
荷物をまとめて朝倉が部屋から出ようとしたとき、前方に誰かが立ちふさがった。それは・・・
「そうか・・・貴様が主犯か、朝倉・・・」
新田だった。
「ぎえ・・・新田・・・先生」
「全員正座ー!!!!!!!」
その後、ネギも含めて全員がロビーで正座させられていた。
「うえーん!!なんで僕がー」
「ネギ先生とキス・・・」
「ネギ先生の隣で一晩中正座・・・すばらしいですわー!!」
「お姉ちゃん、だからイヤだったんですー!!」
正座させられたイベント参加者は口々に悲鳴っぽいものを上げていた。一部は違うようだったが。
「あれ、タマモちゃんは?」
「そういえば最初からいなかったよね」
「バックレたなー!!!」
タマモは早々に逃げ出したようだ。
屋上にて
タマモは空に浮かぶ月を見ながら物思いにふけっていた。
「告白か・・・・のどかはすごいな、それにアヤカも・・・私は・・・まだ無理かな、でもいつか・・・」
ガサッ
タマモの背後に突然なにか物音がし、人影がタマモに近づいていく。タマモはそれに気付いたそぶりも見せない。
その人影は十分にタマモに近づくと、奇声を上げながらタマモに飛び掛った。
「チュー!!!!!」
「雰囲気を壊すな、この腐れ人形ー!!!!」
ネギの変わり身がタマモに飛びつく寸前、振り向いたタマモは全力で腕を振りぬき、いつの間にか取り出したハンマーで最後のネギ(偽)を天高く吹き飛ばしていた。
「ふう・・・ま、いっか。修学旅行から帰ったら存分に甘えよっと、とりあえずはそれからよ!!!」
のどかの告白とキスという事件は、タマモにとって横島への本格的な攻勢に出るいいきっかけになったようだ。
修学旅行二日目の夜はこうして平和に終了した。
第13話 end
麻帆良学園
「ふう・・・・やっぱ男は顔なんかー!!・・・けどいつか!諦めなければきっと!!!世界の人口の半分は女なんや、その中にきっといるはずだ!俺のナンパに答えてくれる人が!!」
横島は今日も日課であるナンパをしていたようだ、結果はについては横島の言葉にすべてがあらわされている。
「ふう、叫んでてもむなしいから帰ろう・・・・タマモがいないと食生活がちとわびしいなー」
どうやらすっかり餌付けされている横島だった・・
そんな横島の肩をポンポンとたたく存在がいた、そう、死神である。
「ん、どうしたんだ?」
いぶかしげに死神に答える横島に、死神はさっきからメモしていた手帳を横島に見せた。
「ん・・・17.895?この数字がどうしたんだ?」
横島は手帳に書かれていた数字を読むが、その意味が分からず死神に聞き返す。
死神はその質問を受けて、一つ前のページを開いた。
「20、17、16、17、18、20・・・・・・・なんだこれ?」
そこには16~30までの数字がずらりと書き込まれていた。
横島はそれに一通り目を通し、しばらく考えると、何かに気がついたかのように恐る恐る死神に聞いた。
「なあ、これってまさか今日俺がナンパした女の年齢か?」
死神は横島の質問に静かにうなずく。
「じゃ、じゃあ・・・・・最初の数字はまさか・・・・・」
横島は自分の予測した答えに恐怖し、まるで否定してくれと祈るように死神を見る。
だが無常にも死神は手帳に書き加えた、横島に見えるように。
『平均年齢』と・・・・
「うそだぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!!!!!!!!!」
この日ついにナンパ対象平均年齢が18歳未満に突入した。
禁断の世界まであと2.895歳
(あとがき)
第13話完成です。
すこーし委員長にスポットライトを当ててみました。
さて、次回はいよいよ関西の本拠じゃなくてシネマ村かなー
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