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二人?の異邦人IN麻帆良(ネギま×GS美神) 「第16話 The longest night Act2」 投稿者:九重九十九 投稿日:08/07-07:08 No.1054
「それでアヤカったらネギ先生にキスするために・・・・・・何、この気配は」
「どうした、タマモ?」
突然タマモが話を中断し、何かを探るように視線をあたりにめぐらせる。
「これは・・・・大変!本山でなにか起こってる!次々と人の気配が消えてる・・」
「なんだって!しまった油断した!!」
「ヨコシマ、急ぎましょうこのか達が危ない」
「ああ・・ちくしょう間に合ってくれ!!」
本山での異変を感じ取ったタマモと横島は木乃香達を救出するため、全速力で走り出した。
二人の最も長い夜は今始まったばかりである。
第16話 「The longest night Act2」
横島たちが本山に到着して見たものは廊下でたたずむ詠春の石像であった。
「な・・・これは何?」
「石化・・・ビッグイーターでもでたのか、でもメドーサがいるはずないし・・・」
「考えるのは後よ、とにかくネギ先生と合流するわ」
「場所は分かるか?」
「こっちよ!刹那も一緒みたい」
タマモはネギ達の魔力の残滓を嗅ぎ取り、横島と共にネギと合流すべく再び走り出した。
「ここよ!アスナもいるみたい」
タマモが誘導した場所は風呂場であった。
横島はすぐに扉を開け、中に突入した。そこで見たものは、ネギと刹那の背後に白髪の少年が回りこんで攻撃をする瞬間だった。
刹那は背後に気配を感じ、すぐに反応したが、腕を払いのけられがら空きのわき腹に少年の拳が叩き込まれようとした瞬間、盾の様な物がその攻撃を防いだ。
「これは・・・・」
少年は自らの攻撃を防いだ楯の様な物を確認した瞬間、すさまじい爆発が少年を包み込んだ。
爆発による煙が晴れると、そこには呆然とした刹那とネギ、アスナがたたずんでいた。
ネギ達に被害は全く無い様である。
「横島さん・・・・」
「まにあった・・・・見たかサイキックソーサー発展系のリアクティブソーサーだ!!」
横島の放った物は爆発に指向性を持たせたサイキックソーサーである。
「かっこつけてるんじゃない!逃げられたじゃないの!!」
どうやら爆発にまぎれこんで少年は逃げたようである。
「大丈夫?アスナ・・・・ヨコシマは回れ右!!」
タマモは周囲の安全を確認すると、アスナの状況を確認するために近づいていった。
「タマモちゃん、このかがさらわれた」
「く・・・」
「アスナさん、これを・・」
ネギはいまだに裸の状態であるアスナにバスタオルを羽織らせる。そして決意を秘めた目で宣言した。
「アスナさんはここで待っててください、このかさんは僕が必ず取り戻します!」
「とにかく追いましょうネギ先生!気の後をたどれば」
「それなら任して!私の追跡から逃げられるやつはいないわ!!」
タマモはそういうとすぐに少年の気の残滓をたどりだした。
「しかしよう、あのガキ、長のおっさんが言ってたようにタダ者じゃねえぜ、何か策を考えないと」
カモはすぐに追撃に移ろうとするネギ達をいさめ、策を練り始めた。
「む!ひらめいた!!刹那の姉さん、ネギの兄貴のことは好きかい?」
「え、それが何か?」
「だからようネギの兄貴と仮契約すれば一気に倍のパワーアップを・・・」
「仮契約がなんかよーわからんが、そんなことやってる暇があればとっとと追いかけたほうがいいような気がするぞ」
「それもそうね、私達は先行してるわね」
「あ、できればタマモの姉さんもネギの兄貴と・・・・・」
横島に続いて少年を追撃しようとしとするタマモをカモが呼び止める。
「残念、私のはもう予約済みよ!」
タマモはそういうと、横島を追いかけた。
「ネギ先生、私達も行きましょう」
「そ、そうですね刹那さん、行きましょう!!」
「あ、まって私もいくわよー!!!」
ネギ達もすぐに横島と合流し追撃を開始した。
「まてー!!」
「そこまでだ!!お嬢様を返せ!!!」
横島たちは本山から離れた渓流でついに敵を捕捉した。
そこには、木乃香をさらった白髪の少年と千草がいた。
「またあんたらか、ほんまにしつこいどすなー」
「私にさんざんおびえてたクセに、このかを手に入れたら急に強気になったわね。ちょうどいいわ、なんならここで川の向こうへ送ったげる。渡し賃は私のおごりよ!!」
「ふ、ふん、このかお嬢様が手に入った以上、切り札はこっちにあるんや。せやな、ついでにあんたらにお嬢様の力の一端を見せたるわ」
千草はそう言うと木乃香に札を貼り付け、真言を唱えだした。
「げ・・・これは」
横島のつぶやきと共にあたりに無数の鬼達が姿を現した。
「やろーこのか姉さんの魔力で手当たり次第に召還しやがったな」
「あんたらにはその鬼どもと遊んでてもらおうか、特にそこの金髪の小娘は念入りにな、遠慮せんでええで、渡し賃は私のおごりや」
そういうと千草は少年と共に森の奥へと離脱していった。
周囲に残されたのは無数の鬼に包囲されたネギたちだけであった。
「刹那さん、こ、こんなのさすがに私・・・」
アスナは絶望的な戦力差に恐怖したのか、体を震わせている。
「兄貴、時間が欲しい、障壁を」
ネギはカモの言葉に従い、呪文を唱えだした。
「逆巻け春の嵐、我等に風の加護を 『風花旋風風障壁』」
ネギの魔法が完成すると同時に、ネギ達を巨大な竜巻が包み込み、鬼達から姿を隠した。
「こ、これって!」
「風の障壁です!ただし2,3分しか持ちません!!」
「よし、手短に作戦を立てようぜ、どうする、こいつはかなりまずい状況だ」
「二手に分かれるしかありません、私がここに残ります、皆さんはこのかお嬢様を」
「そんな!ムチャな!」
刹那の示した作戦にアスナが抗議する。
「任せてください、ああいったバケモノを退治するのが元々の私の仕事ですから」
「でも、そんな・・・それなら私も残るわ!」
「俺とタマモだって元々バケモノ退治やってたからな。俺たちも残ったがいいだろう」
一人この場に残ると言った刹那に、アスナ、横島、タマモが自分達も残ると言い出した。
その結果、空を飛べるネギが木乃香を奪還して本山へ逃げるという作戦になった。
「ネギ先生、一人だけど大丈夫?」
「まかせてくださいタマモさん!それに僕なら空を飛んでいけます」
「あ、兄貴。作戦も決まったことだしアレもやっとこうぜ!」
「アレって?」
「キッスだよキス、仮契約!!」
「「えええええ!」」
カモはどうやら手札を増やすためにこの場で刹那とネギの仮契約を行うつもりらしい。
当然ネギ達は顔を真っ赤にして驚くのだが、手札をふやすという大義名分のために強くいえないでいた。
一方、横島はカモの言ってる意味が分からず、タマモに質問していた。
「なあ、タマモ・・・仮契約とかキスとかってなんだ?」
「魔法使いの従者との契約らしいわよ、キスをすることで契約が成立するみたいね」
「ということは・・・ネギが刹那ちゃんとキスをするってことか?」
「そういうこと、今の所ネギの従者はアスナとのどかだけどね。あ、そういえば以前カモが私をネギの従者にしようと暗躍してたっけ」
「なんだとー!!!」
タマモの言葉に怒気をはらんだ声でネギを睨みつける横島。
タマモはそれを見て、自分のことで嫉妬してくれていると感じ、頬を赤く染めていた。
「まあ、結局私はなんともなかったしそこまで怒らなくてもいいじゃない、キッチリお仕置きはしておいたし・・・・」
「いいや許せん!!ネギの野郎仮契約とかいってキスのし放題じゃねーか!!しかも公認で!!うらやましいぞそのシステムー!!!」
「怒ってたのはそっちかー!!!!」
タマモはなんともアレなことを叫ぶ横島に、フルパワーでハンマーを叩き込んだ。
「ノォォォォォォ!!」
「キャア!!」
チュッ
「「「「・・・・・・・・・・」」」」
タマモが横島に叩き込んだ攻撃は、横島を奇しくも今まさにキスをしようとするネギと刹那を弾き飛ばす結果となった。
横島が目を見開くと、そこには驚きの表情を顔いっぱいに浮かべ、目を見開いた刹那の顔が目の前にあった。
どうやらタマモの突っ込みのおかげで、刹那に覆いかぶさる格好になっているようだ。
その時、横島は唇になにか違和感を感じた、なにかこう、微妙にあたたかいのである。
そう、まるでキスをしているかのように・・・・・・
「こ、これは・・・・カモ君どうなったの?」
「あー・・・兄貴。どーも横島の兄さんと刹那の姉さんが仮契約しちまったみたいだぜ・・・ほら仮契約カード・・・」
「ちょっと、どうすんのよ二人とも!刹那ちゃんたち固まってるじゃないの!!しかもタマモちゃんからなんか変なオーラが・・・」
「ヨ~コ~シ~マ~!!」
横島は状況を理解すると即座に刹那から体を離した。
「まて、タマモ!いまのは完全に不可抗力だ!!つーかむしろお前に責任が・・・」
「ぐ・・・・」
タマモは横島と刹那のキスの原因は明らかに自分にあるので何も言えなかった。しかし乙女としての感情がどうしても収まらなかった。
「カモ・・・・」
タマモは神速の速さでカモを捕まえ、顔の前に持ってきた。
「へい!なんでこざいましょう姉さん!!ていうか力緩めてください・・・しまる・・・」
「ことが全部終わったら私とヨコシマの仮契約をしなさい」
「で、ですが姉さん・・・ぐええええギブギブ!!」
タマモは何かを言おうとするカモを雑巾を絞るように捻った。
「返事はイエスかイエスで答えなさい」
「イ・・イエスです」
「結構・・・・約束をやぶったら分かっているわね・・・」
「も、もちろんでさあ。必ず約束を守りますです、はい」
カモは恐怖で顔をゆがめながら高速で何度もうなずいていた。
一方横島と刹那はというと。
「ごめんなさい!ほんとーにごめんなさい!!」
「いえ、あの・・・その・・・そんなに気にしなくても、私は気にしてませんし」
横島は刹那に対して土下座して謝り、刹那はそんな横島の行動にと惑っていた。
「それじゃあ俺の気が・・・それに仮契約でパワーアップするはずだったんだろ。けど俺じゃあ魔法使えないし」
「いや本当に気にしなくても・・・」
「あ、そうだ刹那ちゃん。お詫びというわけじゃないけど、これなら仮契約の強化の代わりになるかな」
横島はそういうと刹那の手にビー玉のようなものを渡した。
「これは?」
「これは文珠といってね、中の漢字をキーワードにして発動するんだ。これには”護”の文字が入れてあるから、いざとなったらこれが刹那ちゃんを助けるはずだ。」
「いいんですか?なんか貴重そうですけど」
「ああ、大丈夫。これ自分で作れるから。あ、そうだネギ達にも渡しとくな」
横島はそういうとネギとアスナにも”護”の文珠を渡していった。
「わー綺麗ですねー」
「ねえ、ヨコシマ・・」
「ほれ、タマモお前にもな。お前ならなれてるから無地でいいか?」
横島はそういうとタマモには何も文字を込めてない文珠を渡した。
「あ、ありがとう」
タマモは横島から受け取った文珠を大事そうに両手に包み、ポケットにしまいこんだ。
「あ、風が止む!」
「来るわよ!!横島さんたちも早く準備して!!」
障壁の中の騒動を尻目に、障壁はしだいに力を失っていきつつあった。
やがて、ネギとアスナは障壁の状態に気付き、横島たちに警告を与えた。
そして次第に障壁がなくなり、周囲に自分達を取り囲む鬼達の姿が見えるようになると、ネギはあらかじめ唱えていた魔法を解き放った。
その魔法「雷の暴風」は周囲にいた鬼達を大量に巻き込み、ネギはその混乱に乗じて木乃香の救出へと向かっていった。
「さーていくとしますか、タマモ。背中は任したぞ」
「任されました。安心して前に進んでいいわよ」
「改めて見るとすごい数ね・・・」
「大丈夫ですアスナさん、せいぜい街でチンピラ100人に囲まれた程度だと考えてください」
「さーて!鬼退治といきますか!!」
そういうと横島たちはいっせいに鬼達に突入して行った。
「このお!!」
アスナは掛け声と共に振るったハリセンを鬼の一体に叩き込んだ。すると鬼は見る見るうちに消滅していく。ハリセンの能力により元の世界に送り返されたのだ。
これで10体目の鬼を送り返したアスナだが、すでに息が切れている状態であった。
だがそれでもアスナは動きを止めることなく戦い続ける、ネギの無事を祈りつつ。
だが、一瞬の隙をついて鬼の一体がアスナに攻撃をしかけてきた。だが・・・
「神鳴流奥義 百烈桜花斬!!」
刹那がすばやくアスナをフォローし、周囲の鬼をまとめて切り伏せていった。
「ありがとう刹那さん、これならいけそうだよ!!」
「ええ、アスナさんは右をお願いします!」
二人は再び戦闘に突入していった。
一方横島たちは・・・・
「くらえディグダグの術!!!そしてドンキーコングアターック!!!トドメに平安京エイリアンの術!!」
横島は戦場を縦横無尽に走り回っていた。横島は渓谷という周囲の地形を生かし、ある時はがけを意図的に崩し鬼に直撃させ、またある時はがけの中腹で霊力を流し込んだ岩塊を投げつけていた。
その戦い方はまさに往年のゲームを思い起こさせる戦いかたであった。
「この野郎ふざけおってー!!!まともに戦いやがれー!!」
「やなこった!誰がお前たちみたいなのにまともに戦うかよ!くやしかったらここまできやがれ」
同時に舌戦も佳境のようである。
「横島、時間稼ぎありがとう。いい場所を見つけたわよ」
そんな横島の背後にひょっこりとタマモが姿を現した。
どうやら横島に敵を集中させ、何かをやっていたようだ。
「よっしゃ、それじゃ逃げるぞ!!」
「待ちやがれー!!!」
80体以上の鬼を引きつれて横島達は目的の場所へむかって走り出した。
「横島さんたちは・・・・大丈夫そうですね」
横島が鬼を引き連れて戦場から離れていくのを見ながら刹那はアスナに言った。
「なんかエヴァちゃんの時といい、今回といい緊張感がそがれるわねー・・・」
「なんというか、まともに戦ってるのがバカらしくなってきますね・・・」
「まったくよ」
「けど横島さんたちが半分近くひきつけたおかげで楽になりました」
「そういえばそうね、さて今のうちに私達も頑張るわよ!!」
「はい!!」
二人は再び戦闘を再開した。
やがて横島たちはやがて川を背にした袋小路に追い込まれていった。
「ようやく追い詰めたで、さて、さんざんコケにしてくれたお返しをせなな」
鬼は口に笑みを浮かべながら横島たちににじりよる。
「はん、俺一人にいいようにあしらわれてたヤツが何を言ってんだか」
「このガキャー!!!」
鬼達はさんざん走り回らされ、ただでさえでもイライラしていたところにこの挑発である、怒り心頭に来ていっせいに横島たちに踊りかかった。
「はい、ごくろうさん」
横島はあわてずそう言うとパシッ!と両手を打ち鳴らした。
すると、鬼達の足元から地面が消えていった。
「な!!!!」
横島とタマモが立つ場所は大きな滝から張り出した岩であった、そのため横島に飛びかかろうとした鬼達は自らの足で川岸のがけから滝へ向かって落ちていくことになった。
残ったのは後方にいたほんの3、4体の鬼であった。
「どうだったかしら、私の幻術は」
「うむ、いい仕事だったぞ」
「さて、残るはこれだけね・・・ちゃっちゃと片付けるわよ」
「へーい」
横島の前にいた残りの鬼が全滅するまで一分とかからなかった・・・
同時に滝の下で死神が大漁旗を掲げながら釣りをしていた、どうやら入れ食い状態らしい・・・・魂が・・・・
「でやあああ!!」
「奥義雷鳴剣!!」
アスナと刹那は徐々に体力を奪われるていく中、善戦していた。だが、二人とも疲労が激しくすでに当初の勢いは無くなっていた。
「大丈夫ですかアスナさん!」
「ま、まだいけるわ。ネギがこのかを取り返して戻ってくるまでがんばんなきゃ」
アスナは苦しそうにしながらも、ハリセンを振り上げて刹那に答えた。だが、それをあざ笑うように一体の烏族がアスナに切りかかった。
その攻撃は鋭く、今までの鬼達とは別格の強さであった。
アスナはやがて攻撃を裁ききれなくなり、まともに攻撃を喰らいふきとばされてしまった。
「アスナさん!!」
「大丈夫、かすり傷よ。ネギの魔法が守ってくれるから」
ふらつきながらも立ち上がろうとするアスナだが、目の前に立ちはだかる相手はあまりにも強大であった。
「アスナさん今行きます、そいつの相手は私が!」
刹那はアスナではあの烏族の相手は無理と判断し、救援に向かおうとしたが、その刹那に巨大な鬼が踊りかかった。
とっさに夕凪で受け流し、攻撃をしのいだが。その強力な攻撃により腕は痺れてしまった。
「神鳴流のお嬢ちゃんの相手はワシらや」
鬼はそういうと再び苛烈な攻撃を叩き込んでいった。
刹那は数度にわたり鬼の攻撃を防いでいた、彼女は疲労を押し隠し、攻撃の機会を慎重にうかがっていた。
だが、その時森の奥から巨大な光の柱が目に入った。
それは千草の儀式が始まりつつあるという証拠であった。
「どうやら千草はんの計画が上手くいってるみたいですなー、あのかわいい魔法使い君は間に合わへんかったんやろか」
「月詠!!」
動揺する刹那に、どこから現れたのか月詠が言葉をかける。
同時にアスナは烏族に両腕をつかまれ、攻撃手段をなくしている。状況はまさに最悪であった。
その時、一発の銃声があたりに響いた。
それは、アスナを取り押さえる烏族の頭部を突き破り、烏族を消滅させていった。
「ぬ!これは術を施した弾丸・・・何奴!!」
解放されたアスナと刹那が弾丸の発射方向を見ると、そこには龍宮真名とクーフェイがいた。
どうやら龍宮のはなった弾丸がアスナを解放したらしい。
刹那が一瞬龍宮の姿に意識をとらわれた一瞬の隙を突き、鬼が2体ほど刹那に踊りかかった。
それに気付いた時、すでに回避も防御も不可能なタイミングであった。
刹那は自らに迫る刃を、まるでスローモーションのように感じていた。
「え・・・・」
だが、いつまで待っても刃は自分に届くことはなかった。
突如自分の前にいた2体の鬼の胸から光る剣のようなものが生え、鬼は動きを止めたからである。
鬼達は声もなく消滅し、その向こうには光の剣を両手に具現化させた横島がたたずんでいた。
タマモはアスナの救出に向かったようである。
「あ・・・横島さん」
「悪りい、ちょっと手こずって遅れちまった」
「あ、ありがとうございました。それで横島さんたちのほうの鬼達はどうしたんですか?」
「全部片付けたよ」
「な!あの数をですか!!」
「まーね。さて、なんか状況が変わったみたいだしどうするかな・・・」
そこにアスナを引き連れたタマモがやってきた。
「ヨコシマどうする?あの光の柱のこともあるし・・ひょっとしたらネギ先生失敗したかも」
「状況がわからんがあの場所に行くしかないな・・・・おーい確か龍宮さんとクーフェイちゃんとか言ったよな、こいつらの足止め頼めるか?」
横島は今現在刹那たちに変わって鬼や月詠と交戦中の龍宮たちに声をかけた。
どうやら彼女達に足止めをしてもらうようである。
「それはかまわんが、依頼料をはずんでもらうぞ」
「強いヤツと戦えるなら大歓迎アルよー」
「ほんじゃ後は頼んだ、ほどほどにな・・・・さて、ネギのところへ行くとするか!」
横島はそういうとタマモを引き連れて光の柱へ向かって走り出した。刹那とアスナは戸惑いつつも横島に着いていくべく走り出す。
「あ、これ置き土産・・・・」
横島はそう言うと鬼達が群がる中に文珠を放り投げた、その文珠には”爆”の文字が込められていた。
すさまじい爆発音を背に横島達は森を駆け抜けていく。
「横島さん、いまのはいったい・・・・それに気の物質化なんてどうやって・・」
「さっきのは文珠の能力の一つだよ、それ以外の説明は後でな」
「ちょとヨコシマ、アレは!!!」
その時、タマモが何かに気付いたのか空を指差した。
そこには山のように巨大な二面四手の巨大な鬼神が現界するところであった。
「な、なによアレ・・・」
「馬鹿な、スクナの封印が解けたと言うのか!!」
「まずいわ、ヨコシマ・・・あの鬼神の霊力はシャレにならない巨大さよ・・」
「ネギのヤツこのかちゃんの奪還に失敗したということか・・・・」
鬼神の姿を見た横島たちの顔は絶望に染まる。だが、そんな横島たちに刹那が声をかける。
「まだです!アレはまだ完全に現界してません!!今ならまだこのかお嬢様を取り戻せばなんとか出来ます」
刹那はそういうと再び走り出した。
鬼神召還の祭壇はすでに彼女達の目の前であった。
横島たちの夜はまだ終わらない。
第16話 end
(あとがき)
途中の鬼退治のセリフを書いていて思いついたこと。
猿=アスナ 雉=刹那 犬=タマモ(犬神族)MOMO太郎=横島 全員集合?
書いていると流が何度もギャグのほうへ流れそうになるのを書き直しつつ、なんとか16話完成です。
うーん・・・・けっきょく刹那を横島と仮契約させてしまいました。
まあ、ある構想があるんですが、そのための布石としてこの流を利用するつもりです。
さて、次回はいよいよクライマックス。さーて・・・・終わらせる事ができるかなー。
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