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ネギまのクロニクル第二話(ネギま!×終わりのクロニクル)オリ有り 投稿者:狛江戸衛門 投稿日:04/08-00:26 No.3

全てに対処に当たるため、チームを組んだ。先行していたはずのヒオと原川、そして風見と出雲は、お互いに理由を抱えて戻ってきていた。

「とりあえず見てみたんだがよ、武神どもがうじゃうじゃしてたり、1stの獣人どもが溢れてるぜ」

「G-sp(ガ-スプ)2とV-Sw(ヴィ-ズィ)はもうないし、予備も振り落とされちゃったみたいだからもう一人欲しいわ」

「一応サンダーフェロウは召喚できますけど、概念空間が展開できるか心配ですの」

「ちゃんと戦力を分配したほうがいいと思うが」

 口々に言うので、ネギたちは、佐山はちゃんと聞いているのかと思ったが、表情一つ変えずに、

「我々の攻撃手段は出力の弱まったサンダーフェロウと符による強化肉体、か。ネギ君」

「は、はい」

「君たちの戦闘能力を教えて欲しい」

 ネギはあっ、と声を上げる。他人に教えたのがばれれば、魔法使いはオコジョにされてしまう。今もクラスの半数ほどにバレているが、今回は違う。完全に外部の人間なのだ。

 逡巡するネギに、刹那がフォローを入れる。

「私たちの能力は、決して一般人には知られてはいけない類のものです。知りたければ、決して口外せぬよう」

「我々も同じようなものだ。世間様の影に隠れては、交渉し、戦闘した。何、我々がそれを知ったとしても明確なメリットは存在しないであろう」

「――いいでしょう。交換条件として、」

「こちらの戦力も教えよう」

 ほっとしたネギは、まず自分から話した。魔法というものが珍しくなかった世界の住人だったのか、佐山たちはすんなりとそれを受け入れ、記憶していった。特に新庄は、へぇ、とかすごい!とか異様な反応を見せていた。

 次に刹那、明日菜と話していき、

「まず結論として、組み分けを発表したい」

 その組み分けとは、

 1班:佐山・御言、新庄・運切、ネギ・スプリングフィールド

 2班:出雲・覚、神楽坂・明日菜

 3班:桜咲・刹那、風見・千里

 4班:ヒオ・サンダーソン、ダン・原川

というものだった。

「説明しよう。我々は、全体的に戦力が落ちている。ついこの間、メインの武器が消えてしまったのでね。よって、我々同士で組むのは、ヒオ君たち以外は愚作と言える。さらに、相手が概念を使うと想定した場合、概念に不慣れな者のみで構成するのはいささか危険だ」

 今は、メンバーに分かれて佐山を取り囲む形となっている。

「したがって、そちらの方々を入れさせてもらった。私と新庄君には、火力が足りない。出雲には、手数が足りない。そして風見には、武器が足りないので刹那君」

 呼ばれた刹那は、夕凪を抜き払っていた。

 その太刀に改めて驚くでもなく、

「風見に何か獲物を貸し与えてやってはくれないか?ないよりマシだ」

「いいでしょう。確か部屋に予備の刀が数本あったはずです」

「ヒオ君と原川のコンビは、味方を巻き込みかねない。よって、支援はなしだ。各人の能力の詳細は、語ると長い。本人から行きがけに聞いてくれ。分かったな?」

『Tes.(テスタメント)』

「え?」

 Low-G勢の返事は、不可解なものだった。テスタメントとは、契約の意である。明日菜はもちろん分からなかったが。

 その疑問を読み取ったのか、

「ああ、これは、了解とかYesとか、そういう意味で使うんですの。テス、とか、テスタメント、とか。ヒオたちの組織での言葉ですの」

「ふうん、合言葉みたいなもの?」

「Tes.」

 ヒオは笑んだ。

「さて、それでは諸君。今宵の我らに歓迎の宴を催す者たちに、感謝の念を込めた迎撃を見舞ってやろうではないか。記念すべき邂逅を祝うのならば、まずは友好的になりたまえと。そして、私情と貪欲のために他に暴力を撒き散らすやからと友好を結ぼうではないか。それが分かったなら、進軍せよ(AHEAD)、進軍せよ(AHEAD)、進軍せよ(GO AHEAD)だ。いいな?我々の行動は駆逐ではない。言う事を聞かない子どもたちを、殴って言う事を利かせる事だ。――返事はどうした?」

『Tes.』

 契約を交わした者たちは、それぞれに散っていく。

 今宵の敵を知るために。





「さて、新庄君。Ex-St(エグジスト)は出せるかね?」

 ここは空中。ネギが杖にまたがい、新庄を乗せて飛んでいる。佐山は杖には乗っていないが、宙を猛スピードで走っている。最大加速(マークシマ・アクケレラティオー)により、60ノット(時速三十キロ)に達するその速さにも平然とついてきている彼を見て、ネギはただ驚嘆していた。

 問いに、新庄が答える。

「ちょっと自弦振動調整しないと無理みたい。サンダーフェロウは自分で合わせてるだろうけど」

「そうか。――ネギ君」

「あ、はい」

 空中で走っている人に声をかけられるという滅多にない経験をしつつ、空中で走っている人に答えた。

「時間稼ぎを頼む。別に蹴散らせればそれで構わないが、新庄君の武器を取り出すのに時間がかかりそうだ」

「召喚、ですか?」

 佐山は少し考え、

「そのようなものだ」

「分かりました。相手によりますけど、出来る限りやってみます。それに緊急用の防御陣を作る魔法もあるので、問題はありません」

「頼りになる」

 しばらく行くと、あの歪みがあったところとは別の廃屋へとたどり着いた。

 ――数体のロボットに内側から壊された建物を、まだ廃屋と呼べるなら。

「――!」

 ネギはブレーキをかけた。慣性の影響により、新庄に押されて前のめりになる。

 隣では、佐山も同様に止まった。何故か、杖にぶら下がっている。

「『・――走りとは飛行するためにある』という概念賢石を貰っていたのだが――どうやら走るのをやめると落ちてしまうようだ」

「だ、大丈夫ですか?」

 言って、ネギは高度を下げていき、地上に降りた。そこは背の低い樹の森であり、帳の下りた夜では、常人に視認不能のフィールドを作り出す。

 改めて、敵影を見た。

 まず、ネギの知識には、戦隊ものや特撮の戦闘ロボットという概念は存在していなかった。イギリス人であり日本にも来たばかりなのだから仕方ない。しかし、ロボットという存在自体は知っていた。タカミチから、「戦う人型の機械」と説明されていたそれは、同時に魔法の補助なくしては自ら崩壊してしまうということも聞かされていた。

 だから、目の前のロボットには、なんらかの魔法――または、佐山たちの使う概念――が使用されているに違いなかった。

 平均して、全長十メートルほどの機体が五つ、総じて人型である特権、足を使って立っていた。ある者は剣、ある者は銃を構えている。

「あれは武神という、我々の世界のロボだ。こちらにもややエロい武神戦力がいるのだが、どうやら向こうに置いてこられたらしい」

「飛場君はともかく、美影さんまで含まれちゃってるような……」

「ともかく、話は出来るでしょうか?」

 ネギは懸念を示した。伝え聞いたロボは、ほとんどが術者による遠隔操縦か自立稼動なのだ。

「それが私の仕事だよ、ネギ君」

「佐山君、来たよ」

 新庄は報告して、一歩下がった。

 見ると、眼前の武神が動いている。僅かに動くだけで、風が起きる。しかし、不思議と着地による衝撃は起きなかった。

 ネギの疑問は、しかし解消される前に話が始まっていた。

「諸君、聞こえるだろうか!私は全竜交渉部隊(チームレヴァイアサン)交渉役、佐山・御言だ!名を名乗りたまえ!」

 よく聞こえるよう、佐山は声を張り上げた。

 数十秒の長い沈黙。

「――返事なし、か。ならば和平の意思を表すまで、攻撃あるのみだ」

「攻撃ですか?」

「そうだ。これを使って、君の魔法とやらをぶちかましてやってくれ」

 そう言って、佐山は一枚の符を渡した。雑多に文字で埋め尽くされ、傍目は落書きの紙にしか見えない。

「対概念戦闘用の符だ。生身で概念攻撃を食らうとまずいので、それ用の防御概念と、攻撃を全く受け付けなくするものに対する攻撃用概念が込められている。魔法は初見なので確たることは言えないが、持っているだけでいいだろう」

「分かりました」

「Tes.と言うものだよ、ネギ君」

「あ、あぁ、はい。……じゃなくてTes.」

 ネギはその符をどうしようかと悩んでいたが、

「来るぞ!」

 佐山の鋭い指摘と共に、



・――金属とは死んでいない。



 声が聞こえる。

 自分の声ととても似ていて、どこからともなく響いたその内容は、全く不可解なものだった。

(金属が、死んでない?どういうこと?これも概念?)

 ともかく杖を正眼に構える。武神が二体、こちらに向かって突っ込んできた。

 常人の動体視力では到底捕らえきれない動きで。

「う、うわぁ!」

 剣が地を凪ぐように振るわれる。銃撃手は佐山を狙い撃ちにしていた。

「とにかく魔法を……!」

 しかし音速に迫る剣戟は、避けるのが精一杯。エヴァンジェリンから教わっていた、対剣士の体捌きで直撃こそないものの、わずか数センチ横を長大な質量が通過するその風圧によって、攻撃態勢へと移行できない。そもそも、こんな大物相手では古の拳法も意味を成すかどうか、魔法オンリーにしても前衛がいなければ無理だ。

 雷の斧で隙を作るか、戒めの風矢で動きを鈍らせるか。

(い、いや、不確実な方法はだめだ。後ろの新庄さんへの道は開けられない)

 分断させられた佐山を見る。彼は周りに符をを数枚浮かべ、おそらくネギよりも早く身を動かしていた。

「すごい」

 佐山は大丈夫。そう判断し、一番無難な方法――無詠唱「魔法の射手」の連発を選んだ。

 光弾が三発、関節部に叩き込まれる。繋ぎ目が弱いのは、関節が弱い人間と同じ理屈であると踏んだからの攻撃。

 武神はぐらりと膝を落とした。顔の部分が、苦悶を示すように点滅している。

「いける!」

 確信したネギは、次弾を発射。が、剣によって阻まれる。

 そのまま迫り来、黄色い武神はネギを叩きわらんと大上段から振り下ろした。

 回避が間に合わない。

「風盾(デフレクシオー)!」

 咄嗟に防御を発動。だが、斬撃はそれがなかったかのように速度を緩めない。

(これが概念!?)

 彼には知る由もなかったが、武神の剣には「・――力は姿を持って表れる」という概念が付加されていた。つまり、姿のない風の盾では、姿を確固とした剣には紙ほども役に立たなかったということである。

 急ぎ横方向へと退避する。厚さ三メートルの剣はそれを逃がさない。

(ヤ、バ……)

 せめて肉体強化だけでも、と強化魔法の出力を上げた時。



「十六連射ファイヤー!」



 光の怒涛。

 内三発がネギを当たり判定領域から押し出し、残りは総じて武神の剣に叩きつけられていた。ビキリ、と音がした。

 チャンスだ、と体勢を大きく崩された武神を見て、

「ラス・テル・マ・スキル・マギステル。来たれ雷精、風の精。雷を纏いて吹けよ南洋の嵐。『雷の暴風』!!」

 光に続いて、雷光の怒涛。

 雷を纏った渦状の暴風は、先端にその暴力的な力を集中させ、圧倒的な速さで武神に肉薄する。

 直撃。

「うわわわわぁ!」

 吹き荒ぶ嵐を、新庄は前のめりになってやりすごす。彼女はいつの間にか、身の丈ほどもあるロケットランチャーを肩に担いでいた。

 一体に文字通りの風穴が空いたことを認めると、三人は集った。

「すごいんだね、ここの魔法って」

「ありがとうございました。助かりました」

「Ex-St、ギリギリで間に合ってよかった。佐山君は大丈夫?」

「ははは、新庄君のためなら粉骨砕身、例えこの身が果てようとも武神と踊っていよう」

「それで果てたら……?」

「何を言っているのだね?神は不滅だ。私は神だ。よって私は不滅である。――三段論法でいってみたのだが、どうかね?」

「やっぱり佐山君は鏡見たほうがいいよ」

「何を……、おっと二度ネタをさせてそれにツッコミを入れるなんて、やはり新庄君は流石だね」

「うん、もういいや。――で、ネギ君。さっきの連発できる?」

 武神たちも体勢を立て直しているようで、銃撃手を含めて皆が沈黙している。

「あと五発ぐらいでしょうか」

「それならあと三体よろしく」

「分かりました。……で、さっき聞こえた声って何なんですか?」

 この際だ、とネギは手を上げた。普段とは真逆の立場である。

「金属とは死んでいないって」

「それが概念だよ、ネギ君。金属を見てみるといい」

 言われたとおり、金属を――自分の眼鏡を見た。すると、くねくねと身をくねらせているという奇怪が光景が目に入った。レンズは当然動いていない。

「うわ」

「死んでいない、つまりここでは金属は生きてるの。声が聞こえたのは、ある一定の範囲を……うーん、結界みたいなので覆って、その空間はこの概念が支配しているってことの証なの」

「結界……。ヒオさんが言っていた、概念空間っていうのですか?」

「そうだよ。ボクたちの中では、今のところあの二人しか張れないけどね」

 ネギは頷いた。本当は大規模戦闘になった場合を考えて、学園長に結界を誰かに張ってもらおうかと思っていたのだ。いくら寮から離れた森とはいえ、爆音でもしたら当たり前のように気づかれてしまう。その懸念を払拭してくれた概念空間は、敵がやったものにしろ好都合だった。

 これで遠慮はいらなくなった。

「それなら行きましょう。向こうが結界を張ったっていうなら、敵意があるということです。話し合いもせずに仕掛けてくるなんて、僕は許せません、なんとしても止めます」

「Tes.」

 どうやら向こうも再開の様子であった。

 ネギは呪文を唱え、新庄はEx-Stで弾幕を張り、佐山が前で武神たちを翻弄する。

 今日出会ったとは思えないほどの連携を、三人は見せていた。





 一方、世界樹に程近い地点にて。

「うわ、10thの世界樹(ユグドラシル)思い出すなぁ」

「出雲……さんだっけ?そんなのんびりしてる暇あるんですか!?」

「いや、別に。故郷を思い出してただけだ」

 神楽坂・明日菜は、のっそりとした大男、出雲・覚と一緒に、ポイントに近い開けた空間で、木々のみでなく敵にも囲まれていた。

 獣、という形容が一番近い、しかし二足歩行をしている左側のそれらは、獣人と呼ぶのがいいだろうか。手に武器を持つ者はいるが、ほとんどは素手だった。

 右側には、マンガでよくみる竜人そのものの姿だった。今にも火を噴き出さんばかりの強靭そうな顎。ともすれば、腕の一、二本は食いちぎられてしまうだろう。

「それと、敬語使わなくてもいいぞ。嬢ちゃんみたいな気の強い子に敬われると、なんかしっくりこないんだよ」

「しっくりって何よしっくりって」

「そうか千里と同じオーラが原因か……!」

「あの人ほどじゃないわよ!」

 明日菜は、無手な上に肩に力の入っていない相方を見た。肉付きは人目でかなりいいほうだと分かる。それなりに鍛えてるだろうとも。だが、何故か、彼が武術のプロだとはどうしても思えないのだ。なんというか、オーラが違うのだ、古や茶々丸とは。

 二人は今、敵集団を放射状に捉えている。逃げようと思えばいつでも逃げられる体勢だ。

「手は?」

「握手なら後で頼む」

「そうじゃなくて、何か方法はって聞いてんの!」

 風見って人はこの人の彼女みたいだったけど、苦労してそうね。そう考える明日菜。

「まだだ。まだ分からない」

「どういうこと?」

 そう強く訊ねた時だった。



・――文字は力を与える能がある。

・――名は力を与える。



「え……」

 響く声は、自身に近い。聞きとりにくい二重音声も、かろうじて認識できた。

「おいおい、概念核クラスの複製まで持ち出してきやがったぜ」

「ど、どういうこと?」

「嬢ちゃん。今からこの場所では、文字通りになるし、名前が力になる。ストレートな概念でよかったから、すぐ見せてやる」

 そう言うと出雲は明日菜のハリセンを奪った。

「確か、ハマノツルギっつったよな。つまり、魔を破る剣。元からの効果は変わらないってところか。刻まれてるのは……『MINISTRA NEGI ASUNA』どういう意味だ?」

「ネギの従者・明日菜って意味。あいつと契約してんのよ」

 契約の場面が思い出され、赤くなった顔を隠すためにハマノツルギを奪い返した。

「ネギから魔力もらって、肉体強化も出来るけど」

「あー、それ無理かもしれねえな。やってみろ」

 明日菜は唱えた。

「シム・トゥア・パルス!……ってあれ?」

 が、いつもの変な高揚感は来ない。何度か唱え直すが、魔力は全く供給されなかった。

 試しに念話も試みるが、返事の気配は皆無。

「なんで!?」

「ここは概念空間、本当の世界とはズレちまってるからな。それがどういう仕組みか知らねえけど、位相は越えられねえらしいな。この様子じゃ向こうも概念空間展開してるだろうから、二重にズレた位相を越えなきゃならねえってことだろ……受け売りだがな」

「結界、ねえ……」

 小難しい話を要約すると、こういうことである。が、明日菜には彼がこんな話を出来るという事のほうが、魔力の断絶よりも驚いた。

「壊せない?」

「壊したら壊したで、俺の攻撃手段が減る。どうせ1stの輩は賢石の節約のために展開したんだろうから、それほどこたえねえだろうな。それに、多分壊せねえ」

「これでも?」

「魔力とかじゃなく純粋な科学の延長だし、概念っつーのはこの世の法則だからな」

 明日菜はうなだれた。

 戦力になりそうもない彼のフォローをしなくてはいけないのが面倒だった。

「で、あんたはどう戦うの?」

「話が逸れたな」

 出雲は消えた。と思ったら、一歩踏み出した場所にいた。

 その手には、マジックと手のひら大の石が。

(いつの間に……?)

「1stの連中とやりあう時の必須アイテムは、筆記用具だ。例えばこうして……」

 きゅ、きゅ、と油性マジックの筆音がする。

 明日菜は覗き、

「そんなバカなことあるわけないでしょ」

「それがあるんだよ」

 蓋を閉めず、小石を弄び、

「しっかり頭守っとけよッ!!」

 それを投擲。見事な放物線の終点は、敵の陣のど真ん中。

 そしてきっかり五秒後、

 爆風が押し寄せてくる。

「きゃぁ!」

 轟、と吹き荒ぶ風は、ネギの魔法の比ではない。

 敵が面白いほど吹き飛ぶ。だが、周りの木々は風になびいているだけだった。

 出雲は、あの石にミミズののたくったような字でこう書いていた。



『人と自然に優しい核爆弾 十秒後爆発』

ネギまのクロニクル
ネギまのクロニクル第三話

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