魔法先生ネギま! ギターを持った少年1話(×人造人間キカイダー、オリ有り) 投稿者:蟋蟀男 投稿日:04/08-04:58 No.80
ピノキオは人間になれて本当に幸せだったのだろうか?
―地獄嶽の決戦から数年後
やっと悪の化身であるダーク、シャドウを倒したジロー・・・だが、その代償に兄弟を失った・・・
乱暴だが、頼りになった兄、イチロー・・・
感情を表すことは少なかったが、たった一人の弟であり息子でもあった、レイ
シャドウを裏切り、仲間となって、一緒に戦った女性、ミエ子
彼らはこの手で破壊した・・・ギル・ハカイダーに操られ、敵となった彼らを・・・だが、本当に破壊する必要はあったのだろうか? 戦闘不能に追い込み、服従回路を取り出せばよかったのではないだろうか? その答えは見つからない・・・永遠に・・・ジローは悩み、苦しむこととなる・・・
「ちっ・・・・・・」
「見つけたぞ!」
「追えぇ!」
迫り来る、悪魔の群れをサイドカーで逃げるジロー・・・
途中、搭載されたミサイルやカッターを使用し、悪魔たちを蹴散らすが、数が多すぎる・・・倒しても倒してもすぐに増援がやってくるのだ・・・
「そこまでだ!」
一体の悪魔の放った、光線がサイドカーを破壊する・・・
「うわぁ! やるしかないのか!」
大破したサイドカーから飛び降り、ギターをマシンガンに変形させ、悪魔たちを撃ち抜いていく。
マシンガンで悪魔たちを牽制しながら後退し、一定の距離をとる・・・
「チェインジ、スイッチオン! ワン!」
右肩のスイッチをオンにする。
「ツー!」
続いて左肩のスイッチをオンにする。
「スリー!」
全身に電流火花が走り、ジローの身体をキカイダーへとチェンジさせる。
キカイダーは両腕をクロスさせ、電磁メスへと変化させると、悪魔たちを切り裂く。
「電・・・ジ・エンド!」
「ぎゃぁぁぁぁ!」
何度も何度も、それを繰り返すキカイダー・・・だが、遂に両腕が悲鳴をあげ、爆発してしまう・・・ろくな整備すらしていなかったのだ・・・本来ならまだまだ使用出来るのだが、今はそれを悔やんでいる暇は無い。
「ブラスター!」
両目の破壊光線を発射するも、次々と押し寄せてくる悪魔の軍勢に次第に追い詰められていくキカイダー。
とうとう数体の悪魔たちに囲まれ、光線を浴びせられる・・・
「ぐあぁぁぁぁぁ!」
「しぶとい奴だぜ! これで終わりだ!」
「あぁぁぁぁ・・・・」
遂に、キカイダーの機能が停止してしまう・・・
そして、キカイダーが目覚めた場所は・・・・・・
「ここは! コレは・・・」
見覚えのある、手術台・・・そして、身体に纏わりつく違和感・・・・・・服従回路の出力が大きいのだ・・・そして、それの意味することは・・・
「ぐ・・・あぁぁぁぁ! 止めろ!」
指令が下る・・・良心回路が指令を拒否するが、改造された服従回路が良心回路を上回る・・・彼に下された指令・・・それは・・・
「誰だ、お前?」
ナギは突然あらわれた青年に杖を向ける・・・
青年はギター型のマシンガンで、自らの進路に邪魔になる悪魔たちを一掃して、ナギの下にやってくる・・・
「き・・・貴様! 俺たちのなか・・・」
「勘違いするな・・・俺はお前たちの仲間になったつもりは無い!」
悪魔を踏み潰し、マシンガンをナギに向ける・・・
「俺の名はジロー・・・人はキカイダーとも呼ぶ・・・ナギ・スプリングフィールド! 貴様を殺しに来た!」
「なんだと?」
その後のことはナギは誰にも話はしなかった・・・ただ、ピノキオに出会ったとだけ、語った。
さらに、一部の悪魔たちの集団が壊滅したという事件が起きたが、関連性があるのかは不明のままだった。
―数十年後
「見つけたぞ!」
「ギギギ!」
一体のロボットがマシンガンに貫かれ、機能を停止する。
残弾を確認し、辺りを見廻す・・・残り一体をサーチする・・・
「・・・・・・そこか!」
馬型のロボットは森を抜け、市街地に出ようとしているところだった。
そうはさせまいとマシンガンを撃つが、馬型は驚異的なスピードで弾丸を掻い潜って行くのだ。サイドカーで追いかけるが、とうとう馬型は森を抜けてしまう・・・
「ちっ・・・ブラスター!」
チェンジ前では威力は落ちてしまうが、足止めにはなる。一瞬、怯んだ馬型の前にサイドカーで回り込み、マシンガンを零距離で発射する・・・粉々に粉砕する馬型・・・
「殲滅完了・・・ッ!」
ジローの右肩を馬型の持っていた剣が掠める・・・そのまま馬型は機能を停止する・・・・・・
掠めた右腕は動かすことに関してはなんら支障はない。そのまま、破壊した残骸を回収していく・・・・・・その時だった・・・
「何をしている・・・侵入者め」
「なに?」
ジローが振り向くとそこには、見た目は十歳程度の金髪の少女と彼女に付き添うように立っている、どこか感情が乏しい緑髪の少女がいた。
「侵入者・・・だと?」
「しらばっくれるか! リク・ラク・ラ・ラック・ライラック、氷の精霊17頭・集い来たりて敵を切り裂け・『魔法の射手・連弾・氷の17矢』!」
「魔法! やっかいなだな・・・」
17つの氷の矢がジロー目掛けて飛んでくる。
何とかそれを避けるが、続いて緑髪の少女がワイヤー付きのロケットパンチを繰り出してくるが、ジローはそのまま腕を掴み、地面に叩きつける・・・
「くっ・・・チェンジ、スイッチオン! ワン・・・なに!」
スイッチが作動しない・・・先ほどの馬型の攻撃がこんなところで影響するとは思っても見なかった
チェンジが出来ないのだ・・・
ジローはマシンガンを構え、金髪の少女の下へと潜り込む・・・
「茶々丸! くっ・・・リク・ラ・・・」
詠唱前にマシンガンを突きつけられてしまう・・・少しで動けば撃たれる・・・だが、ジローは引き金を引こうとはせず、一言だけ言い放つ。
「止めろ・・・同業者だ・・・」