魔法先生ネギま! ギターを持った少年2話(×人造人間キカイダー、オリ有り) 投稿者:蟋蟀男 投稿日:04/08-04:59 No.81
「これはどういうことか説明してもらいましょうか、学園長!」
「同業者とはどういうことだ! 聞いておらんぞ!」
「まぁ・・・二人とも落ち着きたまえ・・・手を離してくれんか?」
近衛老はジローに首襟をつかまれるという状態だった。因みに地面から脚は離れている。
誤解を解いた、ジローとエヴァが学園長室に殴りこんできて、今の状態に至る。
「なんというかのぉ・・・ジロー君はワシの友人の光明寺博士の〝息子〟でな。今日、雇ったのじゃ・・・知らせるのをうっかり忘れておったよ」
「うっかりで俺は〝破壊〟されかけたのか」
呆れるジロー。チェンジ不可という状況で、魔法使いと戦闘になったのだから。
光明寺博士とは大違いだと思い、本当にこの人は博士の友人なのかと疑問に思えてくるのだった。
「すまん、すまん・・・それじゃぁ、改めて紹介しようかの。此方はジロー君、ロボット専門の警備員じゃ」
「よろしく」
「フン、まぁ足手まといにならんことだな」
そう言って、エヴァは部屋を後にする。
「さて・・・ジロー君。君を呼んだのは先ほどの警備のことも含めて、他にも理由があるのじゃ」
「最近出没する、怪ロボットの撃退・・・だな」
先ほど、ジローが破壊したロボット達のことである。
目的は不明、ただこの学園都市に侵入しようとしているのだった。
「うむ、それもあるのじゃが・・・」
「まだあるのか?」
「最近人手不足でな・・・教師になってくれんか?」
「はぁ? それは俺にここで働けということか? 悪いが、俺は人にものを教える程の知識は無い」
「音楽はできるじゃろ? あと、すまんがロボ部の顧問になってくれんかの?」
過去にレイを一人で開発するほどに能力がありギターをプロ以上に演奏可能。音楽好きの光明寺博士の趣向で音楽に関しては普通の人以上の知識はある。このことは近衛老も光明寺博士から聞いていた
「ふぅ・・・わかった。そういえば、アキラ君とルミちゃんは元気にやっているのか?」
「あの双子なら元気じゃよ、背中の設計図も簡単には見えんようにしてある。それじゃぁジロー君、君は2-Aの副担任に・・・主担任の先生には明日会ってもらう、君もよく知っておる人じゃよ」
「わかった。二人の住所を教えてくれないか?」
「おぉ、二人の家は・・・・・・」
その後、住所を聞いたジローはアキラとルミの家に向かう。
二人に会うのは、地獄嶽の決戦以来だった。
「アキラ君、ルミちゃん?」
「は~い・・・どちら・・・ジロー兄ちゃん! ルミ、ジロー兄ちゃんだよ!」
「本当! ジロー兄ちゃん!」
「ははは、久しぶりだね二人とも」
初めて会って以来、大きく成長した双子にジローは笑みがこぼれる。
ジローを家に招きいれた二人は、この痲帆良に来てからの思い出話をした。
「でね~、アキラったら・・・・・・あれ? いっけない! もうこんな時間」
「うわ! 0時過ぎちゃってるよ! 明日、朝練があるだ! 御免ねジロー兄ちゃん」
「いいよ、久しぶりに君たちに会えて、僕も嬉しかったよ・・・そうだ、今日止めてくれないかな? 住む場所まだ決まってないんだよね」
「いいですよ、なんなら僕たちの家に住んじゃえば?」
「ははは、学園長に頼んでおくよ」
ジローは嬉しかった。この二人には父親―ギル・ヘルバート―によって秘密兵器―アーマーゲドンゴッド―の設計図を背に写され、ろくな愛情も受けずに育った双子がこんなにも元気に育ってくれたのだから。
(リエ子さん、二人は元気に育っているよ。ギル・ヘルバート・・・あなたに親としての愛情があるのなら、嬉しい事だろ? 曲がり無く、あなた達の子供なのだから)
「それじゃ、二人ともお休み」
「「おやすみなさ~い」」
二人が寝たことを確認すると、ジローはベランダへ出る。
静かな夜だ・・・
「ん? 何か・・・見えたぞ」
ジローの目にチラッとだが、小さな影が映った・・・
「ロボット・・・じゃないな・・・魔法使い? えぇぃ、魔力感知させ出来れば・・・」
ジローはベランダから飛び降り、サイドカーを走らせる。
ジローには魔力感知能力はない。だが、ロボット以外で、空を翔ることが可能なのは魔法使いかそれの類だけである。
「桜通り・・・何をしている!」
少女の首筋から顔を離すと、それは飛び去っていく・・・・・・
「う~ん・・・・・・」
「待て・・・ん? 大丈夫か、オイ」
倒れている少女、まき絵を抱きかかえ、何者かが飛び去った方向を見上げる。
「あれは・・・・・・魔力感知させ出来れば! まずはこの子を・・・」
ジローがまき絵を医務室に運んでから数十分後に血相を変えたネギが入ってくる。
「まき絵さん!」
「静かに! 命に別状はない、ただの貧血だ」
「す・・・すみません・・・あの・・・まき絵さんは大丈夫なんでしょうか?」
「あぁ・・・それと・・・ってネギ君!」