魔法先生ネギま! ギターを持った少年5話(×人造人間キカイダー、オリ有り) 投稿者:蟋蟀男 投稿日:04/08-05:01 No.84
「え? ネギ君が・・・」
「そうなんです! 昨日の事をまだ気にしているようで・・・」
授業が終わり、職員室に戻ろうとするジローを引き止めたアスナはネギの事を相談する・・・
今朝からなんだか元気の無いネギ・・・教師なのに、登校拒否ならぬ出勤拒否になりかけたのだ。
「そうか・・・」
「ジロー先生からも何か言ってあげてください」
「ん~・・・こればかりはネギ君自身が乗り越えないといけないからな・・・・・・ネギ君は悪い言い方をすると、エリートだからね・・・こういう壁に当たったことがないんだよ・・・自分で解決しないと意味はない。僕たちが出来るのは、良い方向へ導くことと見守ることぐらいかな?」
それだけ言って、ジローは職員室に戻る。
あの子なら大丈夫・・・そう、ジローは信じているのだ。努力家であるネギならこの壁を乗り越えてくれるはずである・・・
「だが・・・正直、心配だな・・・思いつめるところあるからな・・・」
その日、エロオコジョ事件なるものが起きたが、これは程なく解決した・・・因みにオコジョの正体はネギとジローの顔見知りのオコジョ妖精だったのだ。
「ネギの兄貴、ジローの兄貴も元気なようで!」
「何やってんだ、お前?」
「俺っちはネギの兄貴のパートナー探しの手伝いを」
「なるほどな・・・まぁ、性格はアレだが、お前の能力は確かだ・・・期待させてもらうが・・・生徒たちに妙な事してみろ・・・絞るぞ」
ジローはニヤリと笑いながら、御絞りを絞る動作を真似する・・・カタカタを震えるカモ・・・冗談抜いて、ジローに絞られたら無事ですまないのではないのだろうか・・・という心配もあるが、カモことである、多分生きているだろう・・・・・・・
「それじゃ、俺は帰るぞ。ネギ、子供だからといって、女の子に手をだすなよ」
「そ・・・そんな事しませんよ!」
「ははは! それじゃ、神楽坂、近衛、頼んだぞ」
ジローはサイドカーを走らせ、聡美の研究室に向かう。
今日も聡美の研究室に泊まることになってしまう・・・アキラとルミの安全の為に自宅には、高性能の警報装置を設置し、自動防衛装置も設置した・・・因みに工学部特製である。
「葉加瀬、進行具合はどうだ?」
「75%といったところでしょうか・・・・・・正直、ジロー先生の技術はすごいです!」
「そうか? さて、今日は形だけでも完成させるぞ」
「はい」
―翌日
授業を終え、自宅へ帰宅するジロー。
「ただいま」
出迎えてくれたのは、アキラとルミ。これがジローの日常の風景となっているのだ。
「お帰り~。ねぇねぇ、ジロー兄ちゃん、最近大学の工学部のほうに泊まっているけど・・・何してるの?」
「噂じゃ女の子の部屋に泊まっているとか?」
どうやら、葉加瀬の研究室に泊まっている事が漏れてしまっているらしい・・・しかも、妙な噂まで付いて・・・
「まさかジロー兄ちゃん! 襲ったりしてないわよね!」
「してないよ・・・一体どんな噂が流れてるんだか・・・・・・」
そして、ジローの苦難は続く・・・始まりは一通の電話からだった。
その電話を受けたのはルミ。彼女は「ちょっと待ってね」と言い、ニヤニヤしながら、ジローに電話を変わる。
「なに変な顔してんの?」
「いいのいいの、ジロー兄ちゃん、女の子から!」
「えぇ! まさか・・・ジロー兄ちゃんの・・・・・・」
「冗談はよしてくれよ・・・はい、ジローですが・・・」
電話の相手は葉加瀬だった。ルミが勘違いするのも仕方が無い・・・だが、葉加瀬の様子が少しおかしかった。なんだが、妙に慌てているようだった。
『先生! 大変です~・・・リョウが!』
「どうした? リョウがどうした?」
『リョウが勝手に出て行っちゃいました!』
「なにぃ! 何処まで行ったかわかるか?」
どうやら、昨日完成したロボットの一体が勝手に外出し、帰ってこないらしい・・・まだ痲帆良の地図もインプットされておらず、チェンジ機構が未完成の状態なのだ・・・
『はい、どうやら・・・・・・』
これ同時に、ネギが山奥へと逃げていってしまった・・・・・・
―山奥
「ど・・・どこだろ・・・ここ」
杖から落ちてしまい、あても無く山奥を歩くネギ・・・・・・なんだか妙な物音がそこらじゅうから聞こえて来る。
「うぅ・・・こんな山奥じゃ・・・」
その時だった・・・林の向こうで物音がした・・・此方に近づいてくる、それも結構大きい。
「だ・・・誰ですか?」
「おや? 子供? 長瀬姉さん、なんか子供がいますけど!」
林から出てきたのは、ネギより少し年上に見える少年だった。ボサボサの髪でなんだかヤル気のなさそうな顔をした少年はネギを見つけると誰かを呼ぶ。
「長瀬・・・?」
「ん~? おや、ネギ坊主ではござらんか」
「長瀬さん!」
「姉さん、知り合い?」
「私の先生でござるよ。一体こんな所で何をしているでござる?」
黙り込んでしまうネギ。
「まぁ・・・話したくなければ、話さなくていいでござる・・・リョウ坊、ネギ坊主を」
「へ~い、子供先生、少し歩くけど大丈夫だな?」
「は・・・はい・・・」
ネギは二人に連れられ、小さなテントが張られた広い場所に着いた。
「土・日はこんな山奥で修行を?」
「そうでござるよ」
「リョウさんもですか?」
「いや・・・俺は違う。俺は迷子だ」
何故か胸を張るリョウ・・・タハハと笑う。
その後、一緒に修行をすることになったネギはまず、岩魚取りに挑戦していた。楓は見事なアクロバットで次々と岩魚を取っていく・・・
「さぁ、ネギ坊主もやってみるでござる」
「出来ませんよ! そういえば・・・リョウさんは・・・」
その時だった。上流の方で大きな水しぶきが上がる・・・数分後、ビショビショになったリョウがやけにデカイ魚を背負ってやってきた・・・
「姉さん! デカイの取れた!」
「お~これは凄いな・・・どうやって取ったでござる?」
「岩投げた」
あっけらかんと答えるリョウ。
続いて山菜取りになったのだが、コレばかりはリョウもネギも楓には敵わなかった・・・分身はいくらなんでも不可能である。
その後も色々な場所をめぐり、食材を集めた。
そして夜・・・三人は仲良く今日取った食材を食べた。
「それじゃ、リョウさんは僕と同じで、迷ったって訳ですか?」
「そうなるな~・・・そんな時に長瀬姉さんに会ったのさ。そんでもって、ネギと出会った」
「拙者も同じ日に二人も迷子を拾うとは思わなかったでござる・・・ん?」
楓は急に静かになり、辺りを警戒し始める・・・リョウもだ・・・
「どうしました?」
「しっ・・・・・・来る!」
リョウはネギを抱え、大きく跳躍して溶解液から身を守る・・・
同時に数体のロボット兵が槍を構えながら現れる・・・
―同時刻
「何者だっ!」
リョウを探しにきていたジローは、謎のロボットに襲われていた・・・それは夜空から舞い降りてくる・・・全身白一色のどこか神々しいロボットだった。
「フッ・・・」
ロボットは両手のクローでジローに襲い掛かる・・・遂にシャドウが動き始めた・・・
次回予告
ジローの目の前に現れた天使型のロボット・・・その圧倒的な戦闘能力の前に窮地に追い込まれるジロー・・・さらにネギとリョウ、楓を襲うロボット集団・・・追い込まれたリョウを目の当たりにしたネギは・・・