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魔法先生ネギま! ギターを持った少年6話(×人造人間キカイダー、オリ有り) 投稿者:蟋蟀男 投稿日:04/08-05:01 No.85

「くぅ・・・」

「ハッ!」



白いロボットの鋭い爪がジローの服を切り裂く・・・今までのロボットは格が違う。

焦るジロー・・・遂にシャドウが本腰を上げた・・・それもこのような強力なロボットを送り込んできたのだ。



「何者だ!」

「我が名はミカエル・・・シャドウの正義を示すものだ!」

「なに・・・うわぁ!」



連続で繰り出される爪に人工皮膚は裂け、人工血液が飛び散る・・・このままではやられてしまう。

ジローは両肩のスイッチをオンにし、チェンジする・・・・・・



「チェインジ、スイッチオン! ワン! ツー! スリー!」



電流火花が身体を走る。

チェンジが完了すると同時に、キカイダーは手刀を繰り出し、ミカエルの爪を受け止める。

火花が散り、力の押し合いとなる・・・パワーは互角だ・・・



「ハァァァァ!」

「オォォォォ!」



キカイダーの手刀が、ミカエルの爪が幾度と無く交わる・・・・・・



―山奥



謎のロボット集団に襲われ、楓とはぐれてしまったネギとリョウ。

さらに彼らは見えない敵に追いかけられていた・・・溶解液を撒き散らし、木々を巧みに使いながら此方を追って来る。



「でぇい! 自然破壊をすなぁぁぁぁ! 大丈夫かネギ!」

「は・・・はい! それより、一体何なんですか?」

「知らん! 唯一つわかる事は・・・今俺たちはヤバイって事」



見た目はヤル気の無さそうな顔だが、リョウは焦っていた・・・敵の撒き散らす溶解液はネギは勿論のこと、自分でさえ溶かしてしまう威力だ・・・それに・・・



「溶解液の飛び散った周りが変色していきやがる・・・腐食性か!」



掠っただけでも徐々に身体が蝕まれていく厄介な溶解液だった。

逃げ回っていくうちに、広い空間に出る二人・・・まるで意図的に作られたような感じだった。



「あ~もう! 一体何処から攻撃してくるんだよ!」



文句を言うと何処からか、また溶解液が飛んでくる・・・完璧に遊ばれている・・・恐らく、向こうに此方の動きが手に取るようにわかるのだろう。



「リョウさん、上!」

「なに!」



上を見上げるリョウ・・・だが遅かった。影がリョウ目掛けて落ちてくる。



「ぐぅ!」

「シィー!」



コブラのような頭をしたロボットがリョウを蹴り倒す。吹き飛ばされたリョウはかなり後方まで飛んでいく。



「な・・・なんだと!」

「リョウさん!」

「く・・・来るな! 逃げろ!」

「で・・・でも!」



逃げたい・・・だが、目の前で誰かが傷付き、倒れていくのは見過ごせない・・・自分が相手にしようとしているのは、人外の存在だ・・・しかし、ここで逃げてはいけない。



「僕は・・・僕は魔法使いです! 世のため人のために、僕は・・・杖よ!」



無意識に杖を呼び寄せるネギ・・・幸いこの周辺に杖はあったらしく、すぐに手元に戻ってきた。



「ラス・テル・マ・スキル・マギステル! 風精召還・剣を執る戦友!」



無数の剣を手にしたネギが現れ、コブラ型のロボットを攻撃する。その隙に、リョウを避難させようとする。



「リョウさん!」

「お前・・・・・・へへ、大した根性だな・・・」



リョウはゆっくりと立ち上がると、ネギの頭を撫でる。後は任せろという合図でもある・・・・・・

リョウは短剣を取り出し、クルクルまわし始める。短剣は空気を切り裂き、音が響き渡る・・・



「チェンジ・・・ハカイダー!」



短剣を顔の近くにもって行き・・・短剣を怪しく光らせる・・・直後、リョウの身体は眩い光に包まれる・・・・・・



「リ・・・リョウさん?」

「すぐ終わらせる・・・ネギ・・・お前さんの勇気に惚れたぜ!」



―キカイダー



「・・・・・・ッ!」



キカイダーはミカエルの繰り出す超高速攻撃により、防戦一方だった・・・ミカエルの爪は恐ろしいまでの威力があり、致命傷は避けているものの確実にダメージが蓄積されていく。



「どうした! それまでか!」

「ブラスター!」



駄目で元々・・・両目から破壊光線を発射するキカイダー・・・だが、それはミカエルに命中することは無い・・・圧倒的なスピードでブラスターを回避していく・・・・・・ミカエルの爪がキカイダーを捉える!



「ぐあぁぁぁぁ!」



右足を持っていかれた・・・切断こそされていないが、大きく引き裂かれた右足では戦闘は不可能だ・・・・・・



「止めだ!」

「くっ・・・」



ミカエルの爪がキカイダーの頭部目掛け、大きく振り下ろす・・・だが・・・突如として響き渡るダブルネックギターの音色とともに、ミカエルの爪は無数の弾丸で破壊される・・・



「何奴!」

「・・・レイ?」



キカイダーとミカエルの見上げる。

影はギターの演奏を止め、ミカエルを睨みつける・・・影は大きく跳躍し、ミカエルの前に立ちはだかる。

〝少女〟はキカイダーを振り向き、ニコリと笑うとミカエルと対峙する。



「チェンジ・ダブルオー!」



両腕で00を描き、レイの身体が発光する・・・キカイダーにチェンジする際の電流火花とは大違いの高圧電流がレイの身体を流れ、服が弾け飛ぶ・・・そして、現れたのはキカイダーとは赤、青の配色が反対で、中央のラインを中心に機械部分が見える・・・胸部には00と模った、クリアパーツが設置されている・・・



「キカイダー・・・ダブル・オー!」



ダブルオーはチェンジの時と同じく両腕で00を描き、エネルギーを集中させる。



「クロス・ライン!」



両腕から発射された光線はミカエルに命中する。



「ぐぅぅぅぅ!」



―山奥



「はぁ!」



ハカイダーのラッシュがコブラ型の装甲をへこませる。

だが、敵も黙っていない・・・武器でもある、長い尾でハカイダーを締め上げる・・・



「ぐぅぅぅ・・・この・・・」

「リョウさん! ラス・テル・マ・スキル・マギステル・光の精霊11頭・集い来たりて敵を射て・『魔法の射手・連弾・光の11矢』」



11の光の矢がコブラ型の尾を打ち落とす。自由になったハカイダーは両足に内臓されていた銃を取り出し、コブラ型に標準を向ける。



「あばよ!」



撃ち出された高周波の弾丸はコブラ型の頭部、右腕、腹部を貫き、その機能を停止させる・・・



「リョウさん!」

「へへ、助かったぜ・・・」



それだけ言うとハカイダーは倒れる・・・そのままリョウの姿に戻り、動かなくなってしまう・・・

リョウはチェンジ機構がまだ未完成・・・チェンジしてしまうと、数時間の間エネルギーを充電しなければいけないのだ。



「すまん、寝る」



そう言って、豪快ないびきを上げながら寝るリョウ・・・エネルギーの充電=睡眠なのだ。



「ちょっと・・・リョウさん!」

「ネギ坊主、リョウ坊、無事でござるか?」

「長瀬さん!」



巨大な十字手裏剣を背負った楓が現れる。寝ているリョウを見て、楓は背負おうとするが・・・



「ムッ・・・重いでござるな・・・」



持ち上がらない・・・いくら人間と同じ姿をしていても、中身は金属・・・しかたなので、二人で引きずりながらリョウをテントまで運んでいく・・・



―数分前



「なんという戦闘能力だ!」

「電磁ブレード!」



右腕に装備されたブレードでミカエルを攻撃するダブルオー。ミカエルも残った爪でそれを受け止める。



「引っ掛かった! 電磁ファング!」



左腕の装備されたクローでミカエルを貫くダブルオー。そのままクローでミカエルを引き裂く・・・



「ぐっ!」

「止めよ! アーク・・・」



いつの間にか両腕に装備されていたブレードが発光し、電気を帯びる・・・



「エンド!」



電磁エンドと同じ要領でミカエルを引き裂く・・・だがそこにはミカエルの姿は無かった・・・



「フッ・・・まさかコレほどまでとは・・・今回は挨拶だ・・・我らは必ずやギル・ヘルバートの遺子を頂く!」



飛び去っていくミカエル・・・追跡しようとするが、キカイダーに止められる。



「待て、深追いするな・・・」

「むぅ~・・・でも~」

「お前もリョウもまだ未完成だ・・・リョウはチェンジすれば、数時間エネルギーを充電しなければいけないし、お前はチェンジの際に服が弾け飛ぶだろ・・・」

「えっ?」



そうとは知らずに人間体に戻るレイ・・・ものの見事に何も着ていない・・・



「~~~~~~!」



声にならない叫びが痲帆良に響きわたる・・・こう見えても乙女なのだ・・・



次回予告

遂に揃ったキカイダー兄妹・・・そしてネギはエヴァンジェリンと決闘を申し込むが・・・・・・

少しづつ、明らかになっていくジローとナギの関係・・・そして新たな天使ロボット『ザドキエル』・・・・・・電子戦を得意とするザドキエルの作戦とは・・・・・・

魔法先生ネギま! ギターを持った少年 / 魔法先生ネギま! ギターを持った少年7話

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