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魔法先生ネギま! ギターを持った少年9話(×キカイダー)オリ有) 投稿者:蟋蟀男 投稿日:04/08-05:04 No.88

「全く・・・無理しちゃって・・・」



葉加瀬はジローの両腕の修理を手伝う。

今、ジローは休止中で返答はないが、起きていたら「生徒を助けるのに無理をしない教師が何処にいる」というだろう。



―ザドキエル戦後



「葉加瀬! すぐに残っている奴等を集めろ!」

「先生、どうした・・・茶々丸! どうしたの!」



聡美は茶々丸を手術台に寝かせる。

数分後、残っていた研究員たちがあつまり、茶々丸の修理が始まる。



「先生、α2が足りません!」

「何でもいい! どっかの機材分解しろ! フレームの予備は無いのか? 間接部もパーツが足りないぞ!」」

「ジェネレーターが暴走しています! 誰か、冷却材もってこい!」



その後も延々と続く修理・・・だが・・・



「駄目だ! 損傷が激しすぎる!」



パーツが足りないのだ・・・内部から破壊され、重要なパーツがボロボロなのだ。



「まだだ! 諦めるな!」

「しかし! 足りないパーツは今からじゃ三日も掛かります! そんなに待ってたら、茶々丸さんは・・・・・・」

「足りないパーツはどれだ」

「ジェネレーター部のβ3、γ9・・・まだあります!」



どれか一つでも欠ければ、茶々丸は助からない・・・



「・・・そうだ・・・」



何かを思いついたジローは研究員たちを外にだす・・・自分の身体から必要なパーツを取り出すのだ



「くっ・・・・・・がぁ!」



力任せにジローは右腕の内部から、パーツを取り出す・・・



「先生!」

「早くセットしろ! がぁ!」



続いて、左腕からもパーツを取り出す。



「先生・・・」

「早くしろ! 手遅れになる前に!」

「はい!」



そして、茶々丸の修理は終わった・・・ジローはその後、ナノマシンを活性化させ、自己修復のために休止モードに入る。



「兄さん・・・ご苦労さん・・・」

「茶々丸さんは大丈夫だからね、今度は自分のパーツ使おうとしないでよ!」

「御免・・・僕のせいで・・・」



アキラは昨日からずっと落ち込んでいた・・・自分が攫われた事によって、あのような事が起きたのだ・・・という思いがアキラの中にあった。それはルミも同じだった・・・



「やっぱり・・・私たちが、お父様の子供だから・・・私たちが生きているから・・・」

「ば・・か・・な事を・・言うな」

「兄さん! 自己修復はまだ・・・」



ジローが目を覚ます・・・だが、まだ修復は終わっていない。



「ジロー兄ちゃん・・・」

「君たちは悪くない・・・君たちは普通に暮らしていんだよ・・・自分たちが死んでいいなんて思うんじゃない!」

「でも・・・」

「兄さんがそう言ってんだから、いいの! さっ、兄さんはまだ寝ててよ。後は私たちが・・・」

「すまん・・・レイ」



そう言って、ジローはまた休止モードに入る。修復には明日まで掛かることだろう。



「母さん、茶々丸さんは?」

「まだ眠っているわ・・・元々、違うパーツだったから、対応するまでに時間が掛かるの。けど大丈夫、先生のナノマシンが茶々丸の身体に対応できるように変化しているはずだから」

「そっか・・・アキラ、ルミ・・・家まで送るよ」



リョウはバイクで二人を自宅まで送る。

残された聡美とレイはジローの修理を急ぐ。いくら自己修復でもその速度は遅い・・・その為、時間を稼ぐ為に修理するのだ。



「ねぇ、母さん」

「なぁに? 後ね、母さんはやめて頂戴・・・」

「え~・・・だって私たちを作ってくれたじゃない・・・あれ? そうなると、兄さんはお父さん? まぁいいや。 それよりさ、母さんって兄さんの事どう思ってるの?」



突然なにを言い出すかと思いきや、レイはとある疑問を聡美に問う。



「どうって・・・立派な先生よ。 腕も確かだし、知識も凄いもの」

「それだけ?」

「なにが言いたいの?」

「母さんさぁ・・・兄さん見る時ってなんだか幸せそうなんだよね~」



聡美はキョトンとした顔をする。

はて? 自分はそんな顔をしただろうか?



「そう? いつもと変わらないと思うけど?」

「鈍い! 母さんは鈍いよ! 人間とロボットの恋・・・それは叶う事のない悲劇の恋、あぁ、貴方は何故ロボットなの? 貴女は何故人間なの? 二人の思いはすれ違い・・・最後は手と手を取り合って・・・そして二人はまだ見ぬ新天地へ・・・きゃーこれ以上は言わせないで~!」



身体を妙にくねらせ、キャーキャーと騒ぐレイ。 乙女チック過ぎるのも困ってしまうものである。

その後もレイの言うことを軽く受け流す聡美・・・乙女過ぎる女の子と研究一筋の女の子・・・はたから見ればおかしなコンビである。



―アキラ、ルミ宅



「ほ~い、着いたぞ」

「有り難うリョウ」

「ごめんなさいね・・・私たちのせいで・・・」

「気にすんなって! 兄さんも言ってたろ? お前たちは生きていいんだ、間違っても死のうなんて考えるなよ!」



―???



「ミカエルに続き、ザドキエルまでもが・・・・・・下等生物共の生み出したロボット如きに、遅れを取るとは」

「やれやれ・・・少し甘く見ていたようだね。 だがザドキエル、胞子はばら撒いたのだろ?」

「あぁ、コレで気付かれぬうちは、奴等の行動は筒抜けだ・・・ほぉ・・・早速情報が入ったぞ」



ザドキエルは頭部を開き、立体映像を映し出す。 そこには痲帆良の様々な場所が映し出されていた



「ターゲットのいるクラスだ・・・どうやら修学旅行というものに出かけるらしいな」

「ほぉ・・・と言うことはあの学園から離れる・・・ラツィエル、コレはチャンスだぞ。 学園から離れれば、厄介な魔法使いは手出しできんはず・・・」

「しかし、逆も考えられるな・・・ターゲット『神楽坂アスナ』『近衛木乃香』は奴らにとっても重要な存在・・・特に近衛木乃香は学園長の孫・・・なんの対策もしていないはずがない」

「なるほど・・・ザドキエル、ギルの遺子はどうだ?」



ザドキエルの映像はアキラとルミの自宅を映し出す・・・どうやら、痲帆良一帯の情報はザドキエルの手の内らしい。話している内容はザドキエルにしか聞こえないらしいが、どうやらシャドウにとっては都合が良いらしい。

その後、画面が粗くなり、映像は途切れる・・・この胞子の稼動時間は1、2分が限度であり、一日に連続で使用するとザドキエルのエネルギーを極限まで減らしてしまう・・・



「もう終りか・・・だが、都合がいいぞ・・・ギルの遺子は他のターゲットと同じ所に旅行することが決定した・・・場所は京都だ」

「京都・・・確か、京都の関西呪術協会共は関東魔法協会を嫌っていたな・・・利用させてもらおう」



ラツィエルは歪んだ笑みを浮かべるも、すぐにいつもの澄ました顔に戻る・・・そして自分の球体の上を見上げる。



「メタトロン・・・お前にこの任務を任せる。 そうだな・・・ミカエル、ラファエル、お前たちはメタトロンに着いて行け。 向こうはロボットが三体・・・いや、昨日破壊したのを入れて四体か・・・だがこの三人で十分だな。 任せるぞ」

「あぁ、あの時の雪辱を晴らさしてもらう」



ミカエルはそう言って、球体ごと消える。



「セフィロトが三体も・・・これは重大な任務ですわね・・・」



地面にまで着く様な長い髪をなびかせ、ラファエルも消える。



「・・・・・・」



深くフードを被り、表情が見えない男・・・メタトロン。

何も言わず、メタトロンは消える・・・シャドウの幹部三体が動き出したのだ・・・



―翌日、職員室



「ジローさん、もう大丈夫なんですか?」

「あぁ、心配かけたな・・・だがこの通りだ。 それより、明日は修学旅行だったな・・・俺は一足先に京都に行くからな。 レイとリョウが傍についているはずだ、当てにしてくれ。 そういえば・・・京都にはナギの隠れ家があったな・・・見に行ったらどうだ?」

「はい、そのつもりなんです。 ジローさんは行った事が?」

「あぁ・・・一回きりだがな。 それじゃ、俺はすぐに京都に行くからな。 頼んだぞ!」



ジローは職員室を出ると、駐車場に停めておいたサイドカーを走らせる。



「京都か・・・嫌な予感がするのは気のせいか?」



京都・・・ジローがナギとその仲間と共に活躍した舞台・・・そして京都には鬼神が封印されている・・・封印を解こうとする者はいないだろうと思っているが、その願いは打ち砕かれてしまう・・・



「・・・・・・?」



ふと、ジローの目にフードを被った男が目に映る・・・すぐに通り過ぎてしまったので、よくは見えなかったが、此方を見ていた・・・



「なんだ・・・懐かしいような・・・最近、気のせいが多いな・・・人工知能が歳で取ったかな?」



あえて、深くは考えないジロー。

そして、そのジローを遥か上空から見下すフードの男・・・メタトロン。



「・・・・・・ジロー・・・フッ」



―都心



「いや~んルミちゃん可愛い~!」

「これちょっと派手じゃない?」

「なに言ってんの! 女の子はインパクトが大事なのよ!」



修学旅行の準備の為、痲帆良から出てきた二人。 男二人は留守番だ。

レイ曰く



「フッ・・・女の世界は男が入り込める所じゃないのよ・・・女の世界・・・それは仁義なき世界! 弱い者から蹴落とされる、まさに修羅場よ!」



・・・らしい。

その後、反論したリョウが鉄拳を喰らった事をここに記述しておこう。 彼曰く



「あれは女じゃねぇ・・・」



そして、その言葉を聞いたレイがブレーンバスターを決めた事も記述しておこう。



「あぁもう! ルミちゃん可愛いから何着さしても似合う~! 他には~・・・これだ!」

「え・・・ちょっとそれは・・・」

「問答無用!」

「きゃー!」



数分後・・・店員さんに怒られたりしたが、レイはルミに目的のものを着させる事に成功する。

フリルが沢山着いた、なんとも・・・ファンタジー&ゴスロリ風の服だった。 間違っても修学旅行で着るものではない。



「フッ・・・我が人生に・・・一片の悔い無し!」

「何どっかの世紀末覇者みたいな台詞吐いてんの! 買わないんだったらすぐ戻す!」

「チッ・・・およ?」



ふと、レイの目に入ったのは、一緒に買い物をするネギと木乃香の姿だった。



(あれ? あの子ってお兄ちゃんの言ってた魔法先生とその生徒の木乃香さん? なにあれ、なんだかとっても楽しそうじゃない・・・デート!? いけないわ・・・教師と生徒が・・・ましてや、まだ十歳と十四歳よ! いくらなんでも早すぎるわ・・・いえ、恋に年齢なんて関係ないわ・・・)



さっきから外を見て、ブツブツ言っているレイ。



「ママ~あのお姉ちゃん」

「いけません!」



さすがに周りの目が痛くなってきた。 だがそんなことには動じないレイ。



「ちょっとレイちゃん、何やってんの?」

「えっ? ルミちゃん、教師と生徒の恋についてどう思う?」

「また変な事を・・・そうねぇ・・・禁断の恋って所かしら? まぁ、最近は教え子と結婚するのも珍しくはないけど・・・」

「追うわよ・・・・・・」

「はい?」



レイはルミの手を掴み、店から出る。 そして、ネギと木乃香の後ろをマークする。



「やめなさい、ジロー兄ちゃんに言うわよ!」

「何言ってんの! 怒られるの怖くて、尾行なんてできないわよ! さぁっ行くわよ~!」



そんな大きな声だして尾行する人をいないだろうに・・・兎に角、レイによるネギと木乃香の追跡は始まった・・・・・・



次回予告

あの手この手を使って、ネギと木乃香を追跡するレイとルミ。 道中に出会った、三人娘と共に二人を追跡するのだった。

一方、一足先に京都に着いたジロー。 そこで彼が出会った、謎の紳士・・・・・・アキラとルミの秘密が今、解き明かされる・・・何故、最終兵器の設計図を描かれたか? 何故、シャドウは執拗に二人を狙うのか?

魔法先生ネギま! ギターを持った少年 / 魔法先生ネギま! ギターを持った少年10話

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