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魔法先生ネギま! ギターを持った少年12話(×キカイダー)オリ有) 投稿者:蟋蟀男 投稿日:04/19-23:09 No.340

「とんだ騒ぎだったな…」
「はい…生徒の半分は酔いつぶれてます」

音羽の滝に酒を混ぜ、生徒を酔いつぶすなどといった事件が起きたが、ネギとジローが上手く誤魔化した。(後の解析で混入されていた酒は『鬼殺し』と判明)

「ヤッパリ、あの桜咲って奴の仕業にちがいないぜ!」
「どうやって、バレずに酒を仕掛けた……それに桜咲以外にも、此方を監視している奴がいる…上手く誤魔化してしているが、あそこにいた一般人の中に少数だが、ロボットが紛れ込んでいる。
まぁ、人目のつく場所で行動を起こすほど、シャドウも馬鹿じゃないがな」
「あぅ~…どうしましょう…」

シャドウと関西の両者から狙われている今、油断は出来ない。 シャドウもその気になれば、この旅館を制圧することもたやすい。 そこに関西の妨害が加わると、今の戦力では太刀打ち出来ない。

「見つけた! ちょっと、一体何が起きてるの? 酔った皆は部屋で寝かせといたからいいけど」
「あ、アスナさん…実は…」
「お兄ちゃん!」
「兄さん!」
「リョウ、レイ…丁度良かった。 二人にも話しておいたほうがいい」

ネギとジローは三人にシャドウと関西呪術協会の両者から狙われていること、刹那のスパイ疑惑のことを話す。

「だけど、桜咲さんがスパイって……」
「確信はない…信じたくはないのだがな…そういえば、アキラ君とルミちゃんは?」
「ルミちゃんは、部屋に戻ってたよ。 アキラ君は多分、お兄ちゃんの部屋にいると思うけど」
「そうか……さて、もう遅い! 神楽坂、リョウ、レイ、お前たちは部屋に戻れ。 ネギ君、風呂でも入って、さっぱりしてこい。 俺は見回りに行って来る」

―服部探偵事務所

この服部探偵事務所の所長兼たった一人の探偵…つい最近、助手だった猿飛悦子は寿退社した。
服部半平は久しぶりの仕事の依頼に張り切っていた。 ここ最近めっきり依頼が無く、食事すら取れない状態であった。

「ジロー殿、感謝しますぞ! 最近は仕事が無くて…食べる物も無くて…そんなことより! 不肖この服部半平! どんなことにも協力しますぞ!」
『……そうか。 それじゃ、仕事内容を話すぞ、まずは関西呪術協会の今の状況だ…これは俺のというより、近衛学園長の依頼でな、俺のはシャドウのことを調べて欲しい』
「ちょっと待ってくだされ! まずは関西呪術協会ですな…それと…シャドウ…シャドウ? まままま! また奴等が活動し始めたのですかな? それは一大事! ご先祖様の名にかけて、必ずや吉報を持ってまいりますぞ!」
『当てにしているぞ。 それと、金は銀行に振り込んでおく』

それだけ言うと、ジローは電話を切る。
半平は急いで支度して、京都に向かうのだが……そういえば、愛車は先日うっぱらったのだった……食べる物を買う為に。

「しまったぁぁぁぁぁ!」

―旅館

「ふぅ…あ、そういえば悦子さん結婚したんだったな…お祝い贈らなきゃな。 おや?」

服部に依頼の電話をかけたジローはそのまま部屋に戻ろうとしたのだが、包帯を顔に巻いた男と聡美が話しているのを見つける。

「葉加瀬、何をやっている? そろそろ就寝時間だぞ」
「あ、先生。 丁度良かった、この人が……」

突然、聡美が気を失う。 前に倒れこんできたので、ジローが受け止める。

「何をする!…これは!」

ジローは男を睨むが、すぐに異変に気がつく。
囲まれていた……

「前に3体、後ろと右に2体ずつ…左にも3体か…貴様、シャドウか?」
「………」

男は黙っていた…
おかしな事に、周りには一般人が全くいない…関西呪術協会がかかわっていることは確かだった。

「手を組んだのか…」

ジローは聡美を抱え、その場を離れようとする。
そして、同じ頃…ルミがいる部屋と、アキラのいる部屋にも侵入者がいた。

「フフフ…こんばんわ。 また会いましたね?」
「あなた…何時ぞやの…シャドウだったのね…ルミちゃんたちに何をやったの?」

突然、目の前の女性が現れたかと思ったら、ルミと一緒にいた生徒たちが気を失ってしまったのだ。

「呪術ってのも意外と役に立つのね? 大丈夫よ、眠ってるだけだから…協力者にね、使い手がいるのよ」
「ちっ…(何よ、かなりスタイルいいじゃない)」

そして、アキラとリョウのいる部屋。

「このような手は好まんのだがな…シャドウの正義の為…その少年、貰い受ける」
「テメェ…意外と派手にやってくれるじゃねぇか?」

アキラもルミたちと同じく、何らかの呪術で眠らされていた。
リョウは現れた男からアキラを守るように、前に出る。

「さぁ、その少年を渡してもらおうか?」
「お断りだぜ…欲しけりゃ、取ってみな!」

リョウはアキラを背負ったまま、窓から外へと飛び出す。 そのまま、ジローに連絡を取る。

―ロビー

「はやり、別働隊もいたか…二人はあいつら任せるしかないが…この男……」

先ほど、リョウの通信を受けたジロー。 遅れて、レイからも通信が届く。

「……退け」
「ッ……!」

男は一瞬にして、ジローの横を通り抜ける。 男が走る廊下は露天風呂に続く道だった。

「あの男、近衛が狙いか! 待て!」

聡美を抱えたまま、男を追うジロー。 だが、周りの配下たちに足止めを受ける。

「生体反応はなし…熱量も感じられない…式神という奴か? ならば、手加減はせん!」

ジローは式神たちを蹴散らしながら、男を追う。

―露天風呂

「はぁ!」

一瞬にして、小猿たちを切捨て、紙に戻す刹那。

「大丈夫ですか? お嬢様」
「せっちゃん、なんやようわからんけど…助けてくれたんやね? ありがとう」
「あっ…そのえと…」

何故か慌てる刹那。
刹那が式神を払いのけたと同時に、露天風呂に何人かが侵入してくる。

「はっ! ここまで追いかけて来いってんだよ!」

アキラを背負ったリョウが柵を飛び越え、露天風呂に入ってくる。
そして、反対方向からはレイがルミの背負って現れる。

「巻いたかしら? なんなのよもう!」

突然の事に驚きを隠せないネギたちだったが、すぐに我に戻る。

「リョウさん、一体何が?」
「おう、ネギか。 ヤベェ事になった、シャドウの奴等が動き始めた!」
「えぇ!」
「リョウ、来たわよ! 皆、集まって!」

レイの言うとおりにネギたちは一箇所に集まる。

「ちょ…一体なにがどうなってんの?」

アスナが大声を上げると同時に、リョウとレイを追って男女が侵入してくる。

「あら、ミカエルもここに?」
「ラファエルか…さすがは双子…考える事は同じということか?」

そして、脱衣所の方からも侵入者が現れる。 顔を包帯で巻いた男だ。

「メタトロン、丁度良いぞ…ターゲットが三人、この場で全員頂こう」
「………」
「もぉ、無愛想ね…まぁそこが良いんだけどね」

ラファエルはメタトロンに抱きつくが、メタトロンはそれを払いのける。 メタトロンは前に出ると、ネギたちを見据える。 金縛りにあったかのように、その場から動けなくなるネギたち…素人でもわかるほどのプレッシャーが彼等を襲う。

「くっ…先生、お嬢様を頼みます!」

果敢に夕凪を構える刹那。 メタトロンはそれに対応するかように、剣を構えるようなポーズを取るが、その手には刀は握られていない。

「転送…」

そう呟くと、メタトロンの手に0と1の羅列が流れ、西洋の剣が具現化される。 剣は西洋のものだが、型は日本剣術のそれだった。

「つれないわね…さぁ、任務開始よ!」
「女子に手は上げたくはないのだが」

ラファエルの方も0と1の羅列が二刀の短剣を具現化し、それを構える。
ミカエルの方は爪を伸ばし、ファイティングポーズを取る。

「ちょっと、女には手を上げないって、私には思い切りその長い爪で攻撃してきたじゃない!」
「黙れ、小娘…人間の女子に限ってだ」
「キィー! あったま来た、それに何よ、そこの人! 同じロボットなのになんで私よりスタイルが良い訳?」

レイはラファエルを指差す。 確かにラファエルのスタイルはもう抜群といっても良い。 出ているところは出ており、引っ込むところは引っ込んでいるのだ……レイは地団駄を踏む。

「ふざけてる場合かしら?」
「行くぞ!」
「………」

三体の天使が迫り来る。 メタトロンは刹那に、ミカエルはリョウに、ラファエルはレイにそれぞれ相手になる。

「くっ…何て言う力」
「………」

メタトロンの高速で繰り出される斬撃を受け止める刹那。 相手がロボットという事もあり、パワー面ではメタトロンが勝っていた。

「あっはははは、遅いわよ…ほらほら?」
「あぁぁぁ! ムカツク! 腹立つ! 何より、私よりスタイルがいいのが憎らしい!」

レイはダブルネックギターで短剣の斬撃を受け止める。 一撃の威力は大した事はないが、確実にダメージは蓄積されていく。

「はぁぁぁぁ!」
「熱いんだよ! お前は!」

ミカエルの爪を短剣で受け止め、隙あらば切りかかるリョウ。 両者の実力は互角であった。
何度も何度もぶつかり合い、その度に両者に切り傷が出来る。

「「チェンジ!」」

遂に痺れを切らしたリョウとレイは戦闘形態へとチェンジし、それに呼応するようにミカエルとラファエルも戦闘形態へチェンジする。
閃光が露天風呂に走ると同時に、次は火花が散る。

「電磁ブレード! 電磁ファング!」
「甘い!」

ダブルオーのブレードとファング、ラファエルの二刀の短刀が火花を散らす。 すでに人間の領域を超えた高速戦へと突入する。
一方、ハカイダーは二丁のハカイダーショットでミカエルを撃つも、弾丸は爪で弾かれてしまう。 間合いを詰められ、アッパーカットを喰らい、吹き飛ばされる。

「ッ……こんの!」
「フンッ!」

ハカイダーが起き上がると同時に、ミカエルは踵落としを決める。 地面に顔がめり込むハカイダー。 追い討ちをかけるように、ハカイダーの鳩尾を蹴り上げるミカエル。

「がぁ!」
「リョウさん! ラス・テル・マ・スキル・マギステル、光の精霊29柱『魔法の射手・連弾・光の29矢』!」

ネギが放つ29の光の矢がメタトロン、ミカエル、ラファエルを襲う。 多少なりとも効果はあるようだが、メタトロンのみダメージらしいダメージが無い。

「きゃっ!」
「うおっ!」

ミカエルとラファエルは光の矢の直撃を受け、攻撃の態勢を崩されてしまう。 だが、メタトロンは無事だった。

「……邪魔だ、消えろ!」

光の矢を片腕で受け止めると、その腕をマシンガンへと変形させ、ネギに向かって発砲する。

「なっ! 風花・風障壁!」

障壁で弾丸は防げたが、メタトロンは明らかに別格だった。 勿論、ミカエルとラファエルも到底太刀打ちできる相手ではないが、メタトロンはそれ以上だ。

「ネギ、どうすんの? 見るからにピンチじゃないの!」
「兄貴、カードの力を使うんだ! それなら、姐さんの能力が発動できる!」
「よし、契約執行180秒!」

アスナの身体が光に包まれる。 同時に力が湧いてくるのが確認できる。

「兄貴、武器もだ!」
「能力発動!」

そして、アスナに『ハマノツルギ』が送られる…が。

「な…何コレ、はりせん?」
「あれ…おかしいな?」

そう…はりせんだった…そりゃもう漫才ではお馴染みのはりせんだった…だが、今は猫の手でも借りたい状況だ、これが武器ならなるようになるはずである…アスナは意を決してはりせんを構え、苦戦する刹那の加勢に向かう。

「でやぁぁぁぁ!」
「………!」

アスナのはりせんがメタトロンの頭をはたく…ただそれだけだった…だが、それがメタトロンの隙を生む。 その一瞬の隙を刹那が見逃すはずが無い。

「はぁ! 斬岩剣!」
「ぐ……!」

メタトロンは剣で受け止めるが、そのまま吹き飛ばされる。

「クッ…中々やるようだな…だが!」

不敵にメタトロンが笑みを浮かべる。 包帯で顔を巻いているが、口元が歪みで笑っていることはわかる。

「ギギギ!」
「え? うわ!」

ネギが突然吹き飛ばされる。 そこには木乃香とアキラ、ルミを担ぐ、ロボットの姿があった。 メタトロンたちとの戦闘に気を取られ、気がつかなかったようだ。 三体のロボットはその場から飛び去っていく。

「ようは済んだ…退くぞ」
「OK、それじゃまたね?」
「さらばだ!」

メタトロンたちも風呂場から飛び去る。 入れ替わりのように、聡美を抱いたジローが到着する。 人型の式神に思ったより手こずり、到着が遅れてしまったのだ。

「遅かったか! ネギ君、大丈夫か?」
「ジローさん…木乃香さんたちが!」
「油断していたか……」

次回予告
木乃香、アキラ、ルミを攫った天使ロボットを追うジローたち。 だが、圧倒的な力を持つ天使ロボットに加え、千草、月詠が彼等を襲う……果たしてジローたちは三人を救う事が出来るのか?

魔法先生ネギま! ギターを持った少年 / 魔法先生ネギま! ギターを持った少年13話

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