仮面ノリダーTHE FIRST in ネギま1話(仮面ノリダー×テッカマンブレード オリ有) 投稿者:蟋蟀男 投稿日:04/08-01:20 No.16
「なんだぁ!」
異空間から脱出したノリダーとチビノリダーはトンでもない化け物を対峙していた・・・数々の改造人間と死闘を繰り広げてきたノリダーだが、今目の前にしているのはジョッカーの改造人間なんぞただのコスプレ集団に思えてくる。
そして、もう一つ。 その化け物相手に戦う少女が目に入る。 少女は突然ノリダーたちが現れたことに油断したのか、怪物の攻撃に窮地に立たされていた。
「くっ・・・ここまでか!」
「どぅえ~い! ノリダーパーンチ!」
ここで、少女を見捨てては正義のヒーローの名が廃る。 ノリダーは怖いのをこらえて、少女に止めをさそうとしている化け物に向かって、必殺のパンチをお見舞いする。 化け物は奇声を上げながら、吹き飛んでいく。
「さぁ、早く逃げるんだ!」
「え・・・しかし、私は!」
少女、桜咲刹那は目の前の男にただただ、驚くばかりだった。 突如として現れ、ふざけた格好からは想像もつかない力で敵を倒していくのだから。 さらに、よく見れば男と同じような格好をした子供でさえも、自分の身の丈の数倍はあろうかと思われる敵をいとも簡単に倒していく。
「いくぞ! チビノリダー逆噴射!(二万馬力)」
意味不明な技名を叫ぶと、何故か化け物たちは一斉に爆発してしまう・・・原理は不明だが、どうやら一網打尽にしたらしい・・・
こうして、仮面ノリダーは痲帆良の地に降り立った・・・・・・
(BGM 仮面ノリダーぶっとばすぞのテーマ一番)
―ジョッカー秘密基地 痲帆良支部(オンボロアパート)
「ハッハッハッハ・・・げほげほ・・・ヤッパリ無理して笑うと、咳き込むな・・・・・・」
「ファンファン大佐、風邪には気をつけてください。 最近は風邪で死亡するという例が・・・・・・」
ここは、ジョッカー日本痲帆良支部の一室。 そこには復活したファンファン大佐とラッコ男と戦闘員の皆様がギュウギュウ詰めになっていた。 なんの手違いか、今にも崩れてしまいそうなアパートが今の秘密基地だったりもする・・・・・・
「偉大なるジョッカーの諸君! この世界に着いたばかりで疲れているとは思うが、今から世界征服のために活動を開始するのだ! そして、我等がキングジョッカー様を復活させ、この世界を我等のものとしようではないか!」
「イー!」
元気よく返事をする戦闘員の皆様。 ジョッカーはノリダーがこの世界に着く数日前に現れており、すでに幾多の美女を攫っていたのだった。 ジョッカーの恐るべき作戦はすでに始まっていたのだった・・・そして、彼等が次に狙う美女は・・・・・・
「ラッコ男よ! 貴様は痲帆良学園に忍び込み、美人教師を攫ってくるのだ! そうして攫ってきた美人は我等『美人改造人間軍団』の一員とし、世界征服の為の戦力とする!」
「ラッコラッコ~お任せあれ! ラッコラッコ~!」
―痲帆良学園 学園長室
成り行きで刹那を救ったノリダーとチビノリダーは彼女に連れられ、学園長室に来ていた。 勿論、変身は解いている。 黒いジャンバーと白いパンタロン、赤いマフラーといった、どこかずれているファッションセンスにいささか戸惑うが、この格好が木梨猛という人間を成り立たせているのだ。
「学園長、お連れしてきました」
「うむ。 刹那、お主は下がっても良いぞ。 さて、ワシはこの痲帆良学園で学園長をやっとる近衛近右衛門じゃ」
「はい、それでは失礼します」
部屋に残ったのは近右衛門と猛、チビノリダーだけだった。
「私は木梨猛、この子は相棒のチビノリダーです」
「よろしく!」
猛は簡単な挨拶をすると、自分の経緯を話す。 ジョッカーを追って、転送装置に巻き込まれ、今に至る・・・・・・しかし、そんな夢物語みたいな話を簡単に信用するものはまずいない。
「ふぅむ・・・しかし、にわかには信じられんのぉ・・・・・・しかし、君の話すジョッカーなる組織が潜伏しているとなると、この都市に被害が及んでしまうしな・・・長いこと生きておるが、こんなことは初めてじゃ」
「しかし、ジョッカーは恐るべき組織です! コレまでに様々な作戦を立て、怪人を送り込んで来ました。そして、何よりも恐ろしいのはジョッカーの頂点に立つキングジョッカーです。 一度は倒しましたが、奴等が復活しているとなると、キングジョッカーまで復活しているかもしれません」
猛の目は何時になく真剣だった。 断っておくが、いつも不真面目というわけではない。
近右衛門は頭を悩ませるが、回答がでるまでにそう時間は掛からなかった。
「よし・・・もし君の話が本当なあらば、エライ事になりかねん。 そこでじゃ・・・君にはここの警備員になってもらいたいのじゃが」
「警備員? う~む・・・」
「ノリダー、引き受けちゃおうよ。 警備員なら何かと融通も利きそうだし、僕たちの力も使いやすいじゃないか。 それにノリダー、教師なんてできないだろう?」
ノリダーは何故こんな子供に教師なんか出来ないと馬鹿にされるのか? と思いつつも、警備員の仕事を引き受けた。
「ところで、お主らはタダの人間ではないな?」
「何故それを・・・確かに私共は改造人間です・・・しかし、悪魔に心を売ったようなジョッカーの改造人間とは違います!」
「それはわかっておる。 そうでなければ、刹那を助けたりはせんじゃろう。 それじゃ、ワシの秘密も教えよう・・・ワシは魔法使いじゃ」
「魔法使い? お伽話なんかで有名な?」
「左様、この世界には多くの魔法使いが存在しており、この学園にも何人かおる」
―都内
あの後、学園を後にした猛とチビノリダーは、痲帆良の街に繰り出していた。
「ノリダー、これからどうするの?」
「う~む・・・警備員になったはいいが・・・・・・魔法使いか・・・世界は広いなぁ~」
「そうだね。 あ・・・そういえば、僕たちって住む場所決まってないよね?」
そう、急な事だったので、二人の住む場所はまだ決まっていない・・・仕方が無いので、近くの安いホテルを探すものの、何故か見つからない・・・・・・また、学園に向かい住む場所を提供してもらわなければいけない。
「さぁて・・・どうしたものか?」
「どうしました? あ、猛さん・・・でしたか?」
「おぉ、君は確か、刹那君だったね。 ちょうど、良かった。 実は住む場所が無くて困っていたのだよ」
まさに神の救いの手・・・・・・その後、とても安いホテルを紹介してもらって、一時的に宿は決まった。その後もなにかと、刹那の世話になる二人。
「本当にこの世界の住人じゃないんですね・・・・・・今でも信じられませんが」
「僕もだよ、平行世界なんて普通はいけるもんじゃないからね。 だけど、今僕たちはこうして別世界を移動して、ここにいるんだもの。 まさか、あんなお笑い集団の科学力がここまで進んでいるなんて思いもしなかったし・・・・・・」
また、一人で専門用語が飛び交う話を始めるチビノリダー。 そろそろ本気でこの子は本当に子供なのかと思えてきた。
猛たちが痲帆良を案内されている頃・・・活動を開始を始めたラッコ男は戦闘員の皆様をこき使い、美女を攫っていた。 そして、今まさに、もう一人の美女にまでその魔の手を伸ばしていた。
その女性は、しずな先生だった・・・・・・
「ラッコ男様、あれがこの学園内で1、2位を争う美人教師・・・生徒たちからはしずな先生とよばれております」
「ラッコラッコ~上玉じゃねぇか! ファンファン大佐も大喜びに違いない! やれ!」
「イー!」
戦闘員の皆様は一斉にそれも街の人達の視線を気にせずに、しずなの下へとやってくる。
「イー!」
「だ・・・誰ですか・・・あなたたち?」
あまりの事に驚きを隠せないしずなだったが、コレだけは理解できた・・・コイツらは危ないと・・・
本能的にしずなはその場から離れようとしたが、すでに戦闘員に囲まれ、身動きが取れない状態だった。
そして、そこへラッコ男が現れる。
「ラッコラッコ~! 者共、車に押し込め!」
「イー!」
「ちょ・・・きゃ~!」
周りの人たちが見ている中、しずなはジョッカーに攫われてしまう・・・・・・その間、なんと五分。
誰か助けろよ・・・・・・
「誰かー!」
しずなの精一杯の叫びが・・・不運にも車のエンジン音にかき消される。 だが、神は彼女を見捨てたりはしなった。 その声は遠く離れた猛の耳に、きめ細かく、一寸に狂いもなく届く。
一般的にはノリダーイヤーと呼ばれているものである(たぶん)
「はっ・・・誰かが助けを呼んでいる!」
「え? 何も聞こえませんでしたが?」
「いや、確かに聞こえた! あっちからだ!」
そう言って猛はポーズを取り、しずなが攫われた方面へ走る。 美人のためならば、命さえも差し出す猛。
行け木梨猛! 急げ木梨猛! しずなを救えるのは君しかいない!
次回予告
しずなを攫ったジョッカーを追って、猛はアジトへと侵入する。 そこで、かつて彼を苦しめた怪人軍団が復活していた。
次回、恐怖再生怪人軍団! ノリダーよマリナからしずなへ乗り換えか? お楽しみに。
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