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第三話 闇の暗躍 投稿者:クローンウィング 投稿日:09/05-20:39 No.1207  

「うわぁ硬いなぁ~♪(ぺたぺた)」
「お~い兄貴~?」

ネギ・スプリングフィールドは知り合ったばかりの喋る恐竜『爆竜ティラノサウルス』にさわり、ほおずりしながら、至福の時を味わっていた。

「ゴツゴツしててすごくカッコイイなぁ(すりすり)」

目を細め、灼銅色に染まった尻尾に頬を寄せるその姿は少々、いや…かなり病的である。
ネギの舎弟、アルベール・カモミールは目の前のすごい光景をみて、尻尾をバサバサに立てながらネギに意識の確認を取っていた。

「兄貴~?聞こえてるか~?返事してくれ~」
「う~ん、幸せ~」
「お~い!目を覚ませ~!!」

もはや、なりふりかまわず絶叫するオコジョ。
カモの再三の呼びかけにようやくネギは顔を上げる。

「んにゃ?カモ君もティラノさんの背中に昇る?」
「昇らねぇ!いいからとりあえず降りてきて来てくれ!ティラノのだんな達からいろいろ聞かなきゃいけないことがあるだろ!?」

その言葉にネギは笑顔のまま降りてきた。
といっても、自分の足では降りてきたのではない
ティラノが尻尾をリフトのように地面に下げ、それを滑り降りてきたのである。

「♪~」

ご機嫌のおこちゃま先生。

「いやぁすっかりモテモテだなぁ。ティラノ」
「まあな、テラ」

ひじで相棒の足をつつく赤い兄さんと、まんざらでもない爆竜。

「ぜーはー、ぜーはー。さて、だんながた。とりあえず助けてくれたことには礼を言う」

そして肩で息をするおこじょ妖精。
カモはいつになくシリアスに話を始めた。
若干その額に汗をかいているのは、先ほどのネギの暴走を止めるために叫び続けたからだろう。

「だが、助けてくれたとはいってもおれッち達はだんながたの正体をイマイチ掴めていない。そこでまぁ、お二人の素性をとっくりと聞かせちゃあくれねぇだろうか?」

カモの言葉にアバレッドはマスク越しにポリポリと頬をかく。

「う~ん、そういう説明キャラはおれのポジションじゃないからなぁ。うまく説明できるかどうか…」

アバレッドがあまりに低いレベルで悩んでいると、足音が聞こえてきた。
二人と二匹がそちらを向くとこちらに3つの人影が駆けてくる。
先ほどティラノレンジャーに助けられたのどか、夕映、ハルナの三人である。

「先生!」
「皆さん。無事だったんですね!」

ネギはのどか達に駆け寄る。

「先生…よかった。もう会えないかと…」

そこまで言ってネギに抱きつくのどか。
普段は奥手なのどかだが好きな人が生きているとわかって考えるより先に体が動いてしまったらしい。

「ちょ、ちょっとのどかさん」

周りからニヤニヤした視線を投げかけられるネギとのどか。
だが、忘れている事があった。

「あ~ネギ君。オアツイところ悪いんだけど、君の後ろにいる赤い人とそのすごい恐竜の模型は何かな?」

魔法を知らない一般人、早乙女ハルナの存在である。
ついでに言うなら彼女は、噂を聞くのも広めるのも大好きという魔法使いにとっては最悪とも言うべきスキルを備えていた。
そのハルナはネギの背後の一人と一匹を指差す。
ちなみにティラノは器用に動きを止めていた。
正体を悟られないために作り物に見せているのだ。
一方のアバレッドは変身を解いておらず、あからさまに不審者であった。

「あ、どうも。俺はアバ…」
「この人は僕の友達です!そ、それで後ろの恐竜は、その、あの、えっと…」

ネギの必死のごまかしにアバレッドとティラノは互いの目線で会話を開始した。

(ティラノ、どうやら彼女達にはお前は秘密にしといたほうがいいらしい。喋るなよ。動くなよ、呼吸も瞬きもするなよ)
(あ~、めんどくさいテラ。)

「そうだ!ネギ君!!こんなところでのんきにだべっている場合じゃないよ!さっきの広場でそこの赤い人にそっくりな人が一人で化け物と戦っているんだよ!!」
「な!それ本当!?」

その叫びに反応したのはネギではなくアバレッドだった。
どうやら自分にそっくりな人物と聞いて思い当たるフシがあるらしい。

「あの、ネギ先生 とりあえずさっきの広場に戻りませんか?話なら走りながらでもできますし」

夕映の言葉に首を縦に振りながらも、すでにネギとアバレッドは疾走していた。
その後ろを図書館三人娘が続く。
英雄同士の邂逅はすぐそこであった。

Side ダークアライアンス

「これはこれはK国の大統領、わざわざごひいきに、ええ、ヒドラー兵の卵で。はい、はい。ええ、それだけの値段で十分です。ありがとうございます。来たる聖戦につきましては我らが一同、つつしんでK国の御武運を祈っております」

アブレラは通信回線を切り、データを転送した。
ウルザードは黙って扉の前に立ち塞がり、サーガインは研究室にこもっている。
アブレラが作り出したその空間にはハイテクと称される器具が満載されていた。
現在彼は、その空間内で戦力をそろえるための資金を調達している。
一見、平和に見えるこの世界も、平和なのは一部だけだ。武器を、死を必要としている国はいくつもある。
彼はそういった連中を相手にこの世界を侵略する準備を整えていた。

「人間相手にずいぶん卑屈なことだな。アブレラ」
「国のトップというのは自尊心が強くてな。こちらが下手にでないと買い物をする気も失せるらしい。まぁ、人間同士で互いの戦力を潰してくれるなら好都合だ。後々、私達も侵略するのが楽になる…と。
これはこれはM国の軍務大臣。はい、左様です。それだけの値段でご提供させていただいております。はい、ありがとうございます。商品は届くのに2,3日かかるかと。ええ、そうです。2、3週間ではなく2,3日です」

ウルザードの皮肉に答えるとアブレラはさらにもう1つの商談をまとめ、モニターに写っている麻帆良を覗く。
そこにはちょうど機関車仮面がアバレッドに倒されている映像が写っていた。

「やはり来たか。確かヤツは…アバレンジャーだったな。いつの時代、どこの場所でもこういう邪魔者が現れる」

アブレラは監視用のこうもりに機関車仮面巨大化の指示を出すと、モニターを切り替えた。
中央広場ではヒドラー兵の残党が、一人の剣士に切り伏せられている。

「見たことのない顔だな……データ検索……該当一件『恐竜戦隊ジュウレンジャーよりティラノレンジャー』。ふん、太古の原始人が復活したか…」

アブレラが呟いているといつの間にか脇にいたウルザードが口を開いた。

「どうするつもりだ?アブレラ」
「手は2つ打ってある。すでにそのための人員も確保しているしな。今日明日にはこちらに来るだろう」

アブレラはそういうと同時にサーガインの研究室を見る。
するとタイミングよく扉が開いた。
どうやらサーガインが研究を終えたらしい。

「次に開放する怪人が出来たぞ」
「ご苦労、サーガイン」

サーガインはカードをアブレラに渡した。
アブレラはそれを受け取り、機関車仮面と同じように開放!と叫び宙に放り投げる。

「……」

真っ赤な一つ目が闇の中で妖しく輝く。
新しい怪人がその場に光臨した。

「貴様はスパイ活動が得意だったな。この地の魔法使い達の戦力を分析し、報告しろ。戦闘、破壊活動は貴様の任意で行え」

アブレラの言葉にその怪人は黙って頷くと麻帆良の地に向かった。



Side ティラノレンジャー

最後のヒドラー兵を竜撃剣で切り捨てる。
彼は辺りを見回した。
すでに広場には静寂が戻っている。
だがあちこちにある建築物を破壊された痕が、先ほどの襲撃が幻ではないと物語っていた。
どうやら自分は少し遅かったらしい。
(平和なはずの学び舎が…こんなことになってしまうなんて)
彼は悔いていた。
そして、悔いながらも辺りを見回すティラノレンジャーの目に石像が映る。
彼は剣を手に持ったままその傷ついた石像の一体に触れた。
わずかながら石像には血痕が付着している。
(すまない)
ティラノレンジャー・ゲキは誓う。
(君達を守りきることが出来なかった分、次は絶対この地の人々を助ける!)
死んでしまったわけではない。
だが、それでも無関係な人々が傷つけられた。
ましてやここには女生徒がたくさんいた。
女性の肌に傷がつけられたら…いや、それ以上に心につけられた傷はどうすればいいのか。
未知の怪物に襲われた恐怖は並大抵のものではないだろうに。

「ゲキ先輩!」
「ティラノレンジャーさん!!」

ゲキは声が聞こえたほうへと顔を上げる。
先ほど助けた生徒達と自分の後輩がこちらに向かってきていた。

「凌駕!それにさっきの…」
「先ほどは助けていただきありがとうございます」

夕映が丁寧に頭を下げる。
ティラノレンジャーは手を挙げて答えた。

「無事だったんだね、よかった」

竜撃剣を納め彼女の頭を撫でる。
その行為に若干の恥ずかしさがあったが、夕映は命の恩人の手を振り払うことも失礼だと思いそのまま撫でられていた。

「あの、先輩、ここにいた化け物は…」
「ヒドラー兵だな。それならさっき倒し終わったよ。奴らは体の周りにあるパイプを斬ると体が蒸発してしまうらしい。ところで…凌駕、やつらに出くわしたか?」
「はい、ダークアライアンスを名乗っていました。やっぱり…」
「そうだ。オリジナルアーカイブの封印が解かれた。どうやら歴代全てのDデータが送り込まれたらしい」
「っそんな、ぜんぶですか!?」

アバレッドの動きがこわばる。
ティラノレンジャーも夕映の頭から手をどけ、拳を握り締めた。


そしてそんな怒りに震える戦士達を物陰から見つめる赤い単眼。
その怪人は戦闘を行おうかどうか悩んでいた。
だが、結局、最優先任務である魔法使いの偵察を行うことにしたらしい。
彼はその場から消えた。

そしてその怪人とは別にネギたちに近づく2つの人影があった。
彼らは敵なのか?味方なのか?

それは次回明らかにされるだろう。


乞う御期待!!





今回の新規登場

???
謎の赤い一つ目を持つ怪人。
レンジャーズストライクに詳しい人ならすぐに分かるかもしれない。
詳しくは次回で!!

麻帆良レンジャーズストライク!! 第4話 闇の襲撃

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