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第5話 炸裂!怒りのダイノパワー!!中編 投稿者:クローンウィング 投稿日:09/26-23:44 No.1355  


状況は一変した。
ダイノヒーロー達は変身し、完璧な力を取り戻した。
そして、完全になったヒーロー2人に気圧されつつも、メッツラーは未だに強気であった。

「ふ、ふん もう一回力を取り戻したところで全然、恐れるに足りんわ!そ、それに忘れたか!?こっちには人質が…」

彼はそういいながら、背後にマジックアームをやる。
人質である老人を誇示し自分の有利さを再確認しようとしたのだろう。
だが、『スカッ』と音がして…そのアームは空を掴んだ。

「…あら?」

メッツラーは背後を見た。
なんと、何もない。
ただ瓦礫が転がっているだけだ。

正面を見た。
なぜか(自称)謎の覆面シスターが人質の老人を担いでいる。
そして、その脇では浅黒い肌の幼女が担架をいくつも出し、魔法使い達を運び出していた。

確か、あの二人は先ほどここから急いで逃げていった少女達だ。
つまりこういうことである。
自分がレッドたちの名乗りを聞いている間に人質は全員、あの少女達によって見事に救出された…と。

「し、しまったあぁぁ!!」

覆面シスターと黙する少女は動揺する怪人の前で、ティラノレンジャー達にサムズアップをして見せた。
二人のヒーローも親指を立て返す。

シスターズはそのまま魔法教師達を運んでいく。
去り際にシスターズの一人、ココネがメッツラーに向けて呟いた。

「……無様……」

『グサッ!!』

「ぬぐ!!だ、だが まだこちらが有利だ!チェンジゴースト!!」

心に若干の傷を作りながらもそういうと、彼は再び体を液体化する。

「しまった!また液体化されたら…」
「大丈夫です!」

なぜか、ティラノレンジャーのその言葉をのどかが打ち消した。
彼女は表情を引き締めると『アデアット』と唱える。
そこから現れるは一冊の本。

のどかはその本のページを開くと言った。

「怪人さ~ん。貴方はこれからだれを攻撃するんですか?」
「バカか?誰がそんな事を答えるか!!」

だが、彼の心は筒抜けだ。
……その本に。
『ティラノレンジャーの背後に周り、今度こそサーベルでずたずたにしてやる!』

のどかの持つアーティファクトはそう告げた。

「ティラノレンジャーさん、後ろです!」
「ハッ!!」
「何!?」

液体化を解除したメッツラーはサーベルを振り上げた瞬間、逆に胴を竜撃剣でなぎ払われる。

「ぐふぉ!」

もんどりうって地面に転がると、魔人は素早く液体化し再び姿を消した。

『ば、ばかな!?なぜ、狙いがばれた!?ええい、今度はさっきの女に何を言われても答えるものか。ティラノレンジャーが駄目ならアバレッドだ。上から降りてヤツを切り裂いてやる!』

こう考えている時点で、すでにその決意の意味はなかった。

「アバレッドさん、上です!」
「おりゃぁ!」
「べばぁ!!」

液体化を解除し降下した瞬間、今度はティラノロッドでアゴをうちあげられ、地面に落ちるメッツラー。

「ぬぐぐ!こうなったら!!ヒドラー兵!!」

メッツラーの怒声とともに、音を立てて正面に現れるは異形の集団。
おそらく、戦力を温存していたのだろう。
かなり数が多い。30体はいる。
部屋の半分を埋め尽くさんばかりだ。

「な!?」
「あれは、さっきの広場にでてきた…!」

口々にいう少女達をアバレッドとネギが背に庇い、ロッドと杖を構えた。

「凌駕、少年 後衛は任せたぞ!」

後ろを振り返り、ティラノレンジャーはその言葉を告げた。
頷くネギとアバレッド。

「メッツラー、さきほど我々が本気を出せないと言っていたな…なら見せてやる。このティラノレンジャーの真の力を!!」

彼の腰に巻かれた、ベルトというには…変わった装身具、ダイノバックラー。
そのバックラーにはめ込まれたティラノサウルスのメダルが、ティラノレンジャーの怒りの咆哮とともに爪を模したメダルへと変わった!

それに合わせるように胸部には金色の鎧=ドラゴンアーマーが。
腕部には金色の腕輪=レンジャーアームレットが。
そして、腰には短剣=獣奏剣が。
それぞれ装着される。
それは、ティラノレンジャー・ゲキが今は亡き彼の兄から受け継ぎし力――!!

「力の戦士!アームドティラノレンジャー!!」

ティラノレンジャーはそういうとヒドラー兵の軍団へと突っ込んだ!

そして、麻帆良の住人はヒーローの力…その片鱗を思い知る。

「うおおお!」

たった一撃。
紅い戦士の放った斬撃が正面の敵全てを打ち払い、その斬撃から生まれた衝撃が、脇にいたヒドラー兵たちを根こそぎ吹き飛ばす!
彼の放った一撃で、ほとんどのヒドラー兵が、もはや無くなってしまった壁をすり抜け屋外へと飛ばされた!

「な!?ばかな!?」

そのパワーに動揺するメッツラー。
彼は自分の目の前に起きたことが信じられなかった。
つい先ほどまで自分を守護するように正面に立ち塞がっていたヒドラー兵が全員息絶えたのだ。
自分も、もう少し前にいたら切り裂かれていただろう。
たった一撃で30体以上のヒドラー兵を倒す。
……自分ではそれは不可能だ。
だがあの戦士、アームドティラノレンジャーはそれを簡単にやってのけた。

そこから、導き出される結論は1つ。

『チェンジゴーストが通じない以上、あの男…アームドティラノレンジャーはもはや自分では勝てない』

彼は自分の背筋が震えるのを感じた。
そして、その恐怖を裏打ちするような言葉が一人の少女の口から出てくる。

「力の戦士、アームドティラノレンジャー…彼は通常のティラノレンジャーの3~5倍の力を発揮できる。その腕力は戦車2台を30秒で破壊、そしてその脚力は厚さ2mの鉄壁を一撃で蹴り穿つ」

ハカセのダイノ伝記を読みながらの説明である。

3-Aの面々はその反則的なスペックに口をあけたまま彼の戦いぶりを見つめた。
だが、

「ええい!だ、だが、兵隊はアレだけではない!ヒドラー兵!!」

魔人の声とともに再び現れる闇の亡霊たち。
彼らは少女達のすぐそばに現れた。
アームドティラノはすぐに少女たちの元へ向かおうとしたが、メッツラーのサーベルが彼の進路を遮る。
アームドティラノが駄目なら、彼以外を殺ればいい。
簡単な結論である。
主の命令されるがままに、ヒドラー兵の群れは無垢な少女達を目掛けて襲い掛かった!
後衛を任されたアバレッドとネギは必死に応戦する、が皆を守りながらではうまく戦えない。

「わああ!?」

迫り繰る脅威に慌てふためく女生徒たち。

「危ない!」

その時、ハカセの手の中のダイノ伝記が再び輝きだした!
戦士の声に応えようとしているのだ。

ひとり、冷静な超とハカセはあるページをめくる。
そこには一頭の恐竜が印刷されていた。

その名をスティラコサウルス。

爆竜にして守護獣。
そして、爆竜戦士に力を授ける存在である!

「熱きダイノガッツを持つ戦士に!アーカイブよ!力を授けよ!!」

叫ぶ超。

そして、それは本の中から突如あらわれ、ネギたちの頭上を飛びアバレッドの手に収まった。
一時的にそれに打ち払われるヒドラー兵。

ヒドラー兵を退けたそれは盾。

その盾はかつて爆竜戦士の友人が自身の全てを注ぎ込み、作ってくれた友情の証である。
盾を受け取ったアバレッドは、変身する機会は今だ!と確信した。

「ネギ君、お願いがあるんだ。君のダイノガッツを俺に分けて欲しい」
「分ける…でも、どうやって?」

ネギとアバレッドが話している間にも敵は増殖する。

「ネギ先生は杖に念をこめてください。それで成功するはずです!」

ハカセの言葉に勢い良く頷くネギ。

だが、今はそんな事を言っている場合ではない。

「ゲキ先輩!」

アバレッドの言葉に黙って頷き、竜撃剣からエネルギーを送るティラノレンジャー。
そして、

「受け取ってください、アバレッドさん!」

ネギも目を閉じ、精神を集中させ杖をアバレッドに向けた。
そこからは確かにエネルギーが送られている。

「うおおお!!」

彼は変身を遂げる。
そして、その変身を見届けると同時にネギは倒れこんでしまった。

だがその戦士のなんと凛々しいことだろう。
彼が一歩を踏みしめるたびに、暗黒の僕たちが一歩後退する。
文字通り闇を切り裂くその姿は黄金の輝きを受け、敵を退けるのだ。
全てを受け止める無敵の盾を携えた戦士…その名は!

「アバレマックス…参上!」

凛と落ちついた声を響かせる新戦士、アバレマックス。
彼の言葉は、アバレッドの頃にあった明るく軽快な口調ではなく、低く落ち着いている言葉遣いであった。

そして、反対に面白いくらいに動揺するメッツラー。

「ぬああ!ティラノレンジャーだけでもう充分なのにぃぃい!!」

アバレッド…いや、アバレマックスは黙って盾をヒドラー兵達に向ける。

「……」

熾烈な光がヒドラー兵達とアバレマックスを包み込んだ。

「×××――!?」

ヒドラー兵達は奇声を発すると同時に一瞬にして消失する。

「消えた。一体どうなったんですか?」

夕映が超とハカセにたずねる。

「おそらく、皆さんが戦闘に巻き込まれるのを恐れて、アバレマックスが彼の持つ能力の一つ…マックスフィールドに兵達を呼び込んだのではないかと」

ハカセがメガネを光らせて言った。

「彼なら…心配いらないヨ。すぐに戻ってくるんじゃないカナ?」



Side アバレマックス

宇宙空間にもにた戦闘フィールド。

「おお!」

そこで、聖なる盾、スティライザーが剣と化した状態『スティライザー・オフェンスモード』を振るいながらアバレマックスが奮戦していた。

白刃がヒドラー兵の命を確実に刈り取っていく
10秒後、必殺技を出すまでも無くフィールドの敵は全滅した。
あまりにもあっけないが、雑兵にそこまで強さを求めるのも酷というものだろう。


再びアバレマックスが大地に降り立った。
変身が解け、彼はアバレッドに戻る。
そしてネギたちに一言。

「倒したよ」
「「「「「はや!!」」」」」

ネギ、図書館娘達、メッツラーの声が見事にユニゾンした。

「な、なあ!ええい納得がいかん!なぜこの俺がここまで酷い目に遭わなければいけないんだ!!」

あまりに身勝手な声にアバレッドが振り向き、アームドティラノは彼に剣を向けた。

彼らは思い出していた。
ここに来ると途中、必死の形相で逃げていた人々を。
半壊した学園の校舎を。
自分達が死ぬかもしれないと思いつつ、学園を守るためにこの場所で戦い続けた教師達を。
そして、その教師達を傷つけ、笑っていたダークアライアンスの刺客を。

故にいま…、

「命の大切さを忘れ、人を平気で傷つけるような奴が…」
「いまさらどの口でそれをほざく!!」

アバレッドとアームドティラノの怒りは頂点に達していた!!
言ってしまえばメッツラーは2人の竜の逆鱗に触れたのだ。

この時点ですでにメッツラーに勝機は無かった。

「ひっ!?…こ、これ以上、貴様らみたいなデタラメなのと戦えるか!チェンジゴー…」

メッツラーは液体化し逃げようとする。
だが、彼の所属するダークアライアンスはそこまで人道的では無かった。

メッツラーが液体化しようとした瞬間、どこからか、こうもりが飛来し、…彼の頭を覆うカプセルに噛み付いたのだ!

「が…ぐ…ぐああああ!!」

メッツラーは体の発する異常な熱と、自分の体細胞が増殖していく不快感に苛まれながら、その体をビルよりも大きく巨大化させた。

「こぉうぅなったらぁ、きさまら全員血祭りだぁ!!」

アブレラの開発した機械こうもりによって体を10倍以上に倍化させたメッツラーは麻帆良都市の全てを破壊しようと企む。
ドップラー効果によってその怨さの声は麻帆良に低く響き渡った。

「巨大化した!?」

だが、慌てふためく少女達を前にヒーローの2人は冷静だ。

彼らは知っているのだ。

誰よりも頼りになる、自分達の相棒がすぐそこにいる事を!


「ティラノー!!」

アバレッドの声に応えるように真赤なヤツがやってくる。

「よっしゃぁ!アバレてやるテラ!!」

自らを鼓舞するように雄たけびを上げる爆竜ティラノサウルス。

「現れよ守護獣、ティラノサウルス!!」

それに呼応するようにアームドティラノも叫んだ

麻帆良学園にある活動を停止している、死火山。
『麻帆良山』。
そこから、マグマとともに一体の恐竜が現れた!
周りを広大な湖に囲まれたその山を越え、守護獣は自分が力を貸す戦士の元へと現れた。

雄たけびを上げる二匹のティラノサウルス。

2人のヒーローはそれぞれの相棒に乗り込む。

「さぁいくぞ!メッツラー!!」
「この世界の人々をこれ以上傷つけさせはしない!!」

アバレッドとアームドティラノが吼える。

決着のときは来た!!
荒ぶる王者ティラノサウルスたちよ!!正義の牙で悪しき力を噛み砕け!

次回予告

メッツラーとの対決に勇む二匹のティラノサウルス。
そして、次回 超鈴音の秘密がついに明らかに!!(なるかもしれない)


今回の新規登場

守護獣 ティラノサウルス

爆竜ティラノサウルスと同じく、単体で巨大化した怪人と戦う力を持つ。
意思を持ち話すことが出来る守護獣は彼だけ。
詳しい先頭データは次回、話の中で明かされるだろう。

アームドティラノレンジャー。

ティラノレンジャーが兄であるドラゴンレンジャーから授けられた武具を纏った姿。
ティラノレンジャーの気が一定以上に高まると腰のダイノバックラーがドラゴンバックラーに変化する。
ステータスのアップは作中でハカセが話したとおり。

アバレマックス

聖なる盾『スティライザー』によってアバレッドが二段変身した姿。
本来はアバレブルーとアバレイエローのダイノガッツをスティライザーに込めることで変身するが本作ではネギとティラノレンジャーのダイノガッツで変身する。
攻撃力、防御力がアップするのはもちろんのこと『大気爆裂マックスフィールド』と呼ばれる異空間に敵を引きずり込むことも出来る。


なお、本作ではティラノレンジャー=アームドティラノ、アバレッド=アバレマックス、と言う風に書いているため、『この2人(アームドティラノ、アバレマックス)はカード化していないが問題ないだろう』と判断しました。

麻帆良レンジャーズストライク!! 第5話 炸裂!怒りのダイノパワー!!後編

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