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Episode7 ガンスリンガー・ボーイミーツガール 上編 投稿者:クローンウィング 投稿日:10/23-23:02 No.1490
ここは麻帆良大学内にある研究室の一角。
そこに学園すべての魔法使い達が、超の言葉を聞くため集まっていた。
無論、襲撃を受け怪我をしていた教師たち(タカミチを含む)や先ほどの騒ぎの中心人物であったネギ、変身を解除した2人のヒーローと図書館娘達も一緒である。
「さて…何から話そうカ?」
超鈴音はゆっくりと目を閉じると、自分の前に居る人間達を見た。
学園長はその言葉に「ふむ」とうなずき、口添えをする。
「まずは君の事を教えてもらおうかの?超鈴音。君は何故、今回の事件に関してある程度の知識を持っていたのかの?」
「そうネ…じゃあ、まずはそこから話すとしようカ」
そういうと、超はずっと声を低くした。
眉が険しくなり、室内の空気もピン、と張り詰める
「普段ならここで『私の正体は火星人』とかボケるのダが、今の皆にそんなジョークは通用しそうにないからネ」
そういうと、超は目を閉じた。
そして、1つの懐中時計を懐から取り出す。
「遡ること2年半前、私は麻帆良学園に転入するために、この地に…この時代にやってきた」
「この時代…?」
ネギの疑問の言葉に超は頷く。
「君たちはSFやマンガで未来からきた人間、と言うのを聞いたことはないカナ?」
「ドラ○もんとかでしょ?…って超、あんたまさか…!?」
ハルナがいうと、もういちど超は頷いた。
「私がこの学校に来た目的はただ一つ。21世紀を生きる諸君。君たちに歴史を変えてもらうために、私は100年後の世界、22世紀からこの地にやてきたんダヨ」
「…」
「…」
瞬間、時が止まった。
「…」
「…」
「ふむ。まったくもて予想どおりの反応ありがとう。そうダネ。唐突にこんなことを言っても信じてもらえないだろうから、これを見てもらおうカナ?」
超は一枚のROMを懐から取り出す。
…なんで、そんなに何でもかんでも懐に入っているのだろう。
「ハカセ。準備はいいカナ?」
「はい、いつでも再生できますよ~」
巨大なスクリーンが天井から下りてくる。
ハカセはその動作を確認し、ディスクをプレイヤーに挿れた。
超のディスクを読み取り、ヴンと音を立て、機械が再生を開始する。
初め、ザザザ…と砂嵐が移された。
5秒ほどして、次第に画面がちゃんとしたものに変わる。
…そこは、一見すると洞窟の中のように見えた。
――突如!
「ひっ!」
のどかが悲鳴を上げ、目を瞑った。
おぞましい怪物がスクリーンに写っている。
怪物たちはどうやら自分たちが移されていることに気付いていないらしい。
好き勝手に騒いでいる。
「西暦200×年。突如襲来した彼ら…『ダークアライアンス』により、人類は絶滅寸前まで追い込まれた」
モンスターの写るムービーに合わせ、超のナレーションが入る。
「ソレに対し、魔法使いたちは自らの正体を曝してまで世界を守ろうとしたが、敗北。結果、地球は彼らの所有物となり人類は当時の技術をできるだけ駆使し火星に移り毎日を戦々恐々と暮らしている」
映像が終わった。
「改めて名乗ろうカ。私の名は超鈴音。反ダークアライアンス勢力のレジスタンス第08小隊リーダーで、作戦コード『麻帆良レンジャーズストライク』の指揮を務める者ダヨ」
魔法使いたちは黙したまま、何も言わない。
ただ一人、学園長だけが声を発した。
「…、中々に我々の度肝をぬく正体じゃのう。正直…信じられん。超君、君らの戦っている『ダークアライアンス』とかいう連中についても、詳しく話してくれんかの?」
超はOKとうなずき、再び、スクリーンに映像を映し出した。
「諸君らがこれから見聞きするのは俗に言う平行世界。その始まりとなる平行世界は世界そのものが一種の建物で出来ていた。それがオリジナルアーカイブと呼ばれるメインコンピューター。
そして、その世界はとてつもない邪悪な因子を封印していた。それが諸君らの出会った悪の集団。『ダークアライアンス』(以下DA)」
初めにプロジェクターに映し出されたのは白い建物と青い液体につけられた一枚のカード。そのカードにはただ一言、『Dark』とだけ記されている。
「さっき広場に現れた化け物を見た人間は気づいていると思うが、奴らは人間ではないネ。DAの構成はほとんどが人外である異星人、妖魔、ター○ネーターのような機械の怪物で構成されている。
連中の力はあまりに強大で、完璧に殺すことが出来なかった」
プロジェクターの映像が切り替わった。
先ほど移っていたのとはまた別の化け物たちが出てくる。
奴らはその動く映像の中で人を殺戮し、破壊と強奪を繰り返していた。
「…血に弱い人は見ないほうがいい。この映像は刺激が強すぎるカラ。ハカセ、変えてくれるカナ?」
超の声がかすかに震える。
その異変に気付いたものはほとんどいない。
ただ、ネギと学園長は超のわずかばかりの動揺に気付いていた。
プロジェクターの映像がまた切り替わる。
モニターに不気味な姿が写された。
先ほどまであちこちに出現していた悪夢の具現、ヒドラー兵である。
「DAには階級がある。いま、写っているのは兵士レベル、その中でもこれは最も繁殖性に優れた個体、『ヒドラー兵』こいつらは手持ちの武器と人数の多さを気にしなければ、1対1で十分倒せるレベルダヨ。」
映像が切り替わる。
ネギの肩に乗ったカモは「ゲ」とうめいた。
見覚えのある顔だったからだ。
全身の鈍く光る黒いカラーといい、頭にそびえる煙突といい…はたからみたらお笑いの衣装に見えるかもしれないが、まさしく『見た目が悪いからと言って中身を馬鹿にできない』見本のようなヤツである。
「DAで兵士級の次に位置するのが怪人レベル。これは麻帆良郊外の森に現れた刺客『機関車仮面』ダ……何人かわらている先生もいるから忠告しておくが、こいつと1対1で戦うなら、命を覚悟したほうがいいヨ?」
スクリーンが変わる。
機関車仮面だけの映像ではなく、ネギ&アバレッドが機関車仮面と戦った時の映像記録だ。
モニターにはネギと正面に向かうように機関車面がいる。
「麻帆良大、軍事研が打ち上げたスパイ衛星が偶然捕らえた映像です」
ハカセが解説する。
…次の瞬間、画面から機関車仮面が消失した!
「…な!消えた!?」
「違う!瞬間的に速度を上げてすごいスピードで走っているんだ!」
魔法使いたちは口々に意見を言いながらもスクリーンを見ている。
「…怪人レベルははっきり言って少し腕が立つだけの人間では対応できない。この機関車仮面を初め、怪人はとてつもない能力を有し、その能力はピンからキリまで、すごいヤツになると5分で街一つを潰せるヨ。
ちなみにこの機関車仮面は走って新幹線を追い抜くことが出来る。まともな人間がこいつの体当たりを食らえば即死だろうネ」
次に現れたのはまたしても知った顔だ。
「…次に紹介するのは幹部レベル。とは言てもこいつは正式な幹部ではない。幹部の側近とでも言うべきカナ?」
「…」
「…」
「メッツラー。機械と生物細胞を合成された『ジューノイド』と呼ばれる個体で、身体を液化したり、分身したり、目から光線を打ち出したり、右手を際限なく伸ばして攻撃してくる。戦闘能力は折り紙つきダヨ。隙をついたといえ、学園最強の近衛翁に傷を負わせることが出来るんだからネ。」
「…」
「…」
「そして、幹部レベル」
モニターに映し出されたそれをネギも他の魔法使いも知らない。
ただ、タカミチだけは眉をピクリと動かした。
彼は学園長に目配せした。
翁もその視線に頷きを返す。
「魔導騎士ウルザード。私たちとは違う理(ことわり)の魔法の力を使う。またその剣技は神鳴流の手練とでも張りあえる持ち主ダヨ、断っておくが、メッツラーより強いからネ?」
「………」
「………」
「そして、この映像」
今度は、先ほどのメッツラー戦の映像記録が映し出された。
それを見た瀬流彦が思わず呟く。
「…でかい」
「……怪人、幹部クラスの連中は体を巨大化させることが出来る。怪人ならまだしも幹部クラスがこうなてしまうと、もう闇の福音の呪いを解除するしかないだろうネ」
「……」
全員が沈黙する。
『信じられない』
『ありえない』
彼らの顔は一様にそう語っている。
だが、この麻帆良に怪人が現れたこともまた事実。
「我々に……一体どうしろというんだ?」
教師の一人が口を開いた。
その問いに即答する超。
「ここにいる2人…アバレッド・白亜凌駕とティラノレンジャー・ゲキに力を貸して欲しい」
「何?」
唐突に指名されたゲキと凌駕は目をぱちくりさせる。
だが、すぐに笑顔を取り戻した。
現地の人たちの援助を得られるならそれに越したことはない。
最も、甘えすぎてはいけないが。
「彼らは、かつて、仲間とともに悪の組織を潰してきた。
戦闘能力も先ほどのメッツラー戦を見てのとおり。だが、個々の力では守るのにも、連中を倒すにも限界がある。
そういうときに魔法使い達の力を貸してもらえればこれほど心強いこともないだろうネ」
魔法使い達は何も言わない。
ただ黙って、壇上に立っている二人のヒーローを見つめていた。
「…なるほどな」
大学部の屋上でライフルを構え、龍宮真名は耳につけているヘッドフォンから聞こえてくる声に納得した。
先ほど広場に湧き出した謎の怪人たち。
異世界から来た侵略者と言うのは、少々突飛だがあの超鈴音の言うことだ。
おそらく事実だろう。
仕事に関して偽りの内容を言った場合、自分に依頼した人間は痛い目にあう。
あの超がそれを知りつつ、自分に今の話を嘘で済ますと言うなら、腕の一本は覚悟してもらわなければならない。
それにしても今回は大した依頼を請け負ってしまった。
「…!風向きが変わった…来る!!」
移動する。
そして、彼女の魔眼は悪夢が増殖し、一人の少年に襲い掛かっているのを目撃した。
「…!!こちらスナイプ1!聞こえるか?エリア371で敵を確認した!これより迎撃を開始する!」
Side DA
あいも変わらず部屋の中には三人の男が居た。
ウルザード、アブレラ、サーガインである。
「アブレラ…本当にヤツは信用できるのか?宇宙海賊は強力だが扱いにくいのが通説だぞ」
サーガインはモニターに移っている、新たに自分が開放した男を見据えた。
「ふん、心配いらん。そのために『首輪』をつけたのだ」
「…今回の作戦は今までで最も大規模になるだろうな。なにせ幹部クラスが一人、おまけに怪人を囮に使うのだ…失敗してしまったら後々の戦闘に響く」
サーガインはそう一人ごちて、手のひらにある赤い石をチャラチャラと遊ばせた。
彼の手のひらにある石が今回の作戦の要である。
「レドン鉱石…だったか。あの男がこれを持っていたのは良かったな。最も効果は前の世界の1/100…か」
黒い甲冑を纏った科学者はそういいながら、しげしげと手の中の石を電灯にかざす。
一方のアブレラはモニターを見たままどことなく愉快そうに呟いた。
「…それにしても、この世界で我々に協力するものが現れるとはな」
その呟きにサーガインも手の石を懐に収め、商人に尋ねる。
「あの女…名をなんと言ったか」
「お初に、うちが助っ人の天ヶ崎千草言います」
からんと下駄の音を響かせて現れた一人の女。
その名はかつて、ネギ・スプリングフィールドとその仲間に敗れた符術師の名であった。
「俺の名はブーバだ。以降、覚えておけ」
対するはマスクで口元を覆い、巨大な剣を背負った戦士。
見るものに恐怖を抱かせるその姿に千草は怯まない。
(気のせいか…この女の目、シーマに……)
(…不気味な御仁や。でも顔を見せている分、さっきの巨大こうもりや、ヨロイお化け達よりましやな)
二人はしばしにらみ合った後、目的地…守護獣ティラノサウルスが眠っている麻帆良山へと歩き始めた。
(…ウチは果たしてみせるえ。例え化け物と手を組んででも。ウチの全てを奪ったガキどもに、復讐を…)
麻帆良に災厄が再び蠢く。
その災厄を切り裂くサイレンの音は…未だ響かない。
次回予告
動き出すDAの因子たち。
ブーバと千草の狙いは?
囮の怪人とは?
死を売りさばく商人の姦計により、麻帆良は壊滅の危機を迎えようとしていた!
次回 麻帆良レンジャーズストライク!!
ガンスリンガー・ボーイミーツガール 下編
今回の新規登場
副官ブーバ (電撃戦隊チェンジマン)
大星団ゴズマに所属していた戦士。
性格は粗野で乱暴だが、女は決して手にかけない。
サーガインの言ったとおり、元宇宙海賊。
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