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第1話 始まりを告げる砂(訂正版) 投稿者:仮面ライダーマンティス 投稿日:03/30-13:32 No.2188
時の狭間
そこは何処にも存在しない‥‥‥そして何処の『時間』にもつながっている無限の渓谷‥‥‥
そこは『時』が存在する限り存在し、そこを構成する全てのもの、砂の一粒一粒が流れた時の結晶・・・
決して誰も存在しない世界‥‥そんな世界をただ一つ自由に行き来する物があった。
フオオオオォォン!!
何もなかった筈の砂漠にレールが引かれ、そのレールを赤い電車が駆け抜け、そして駆け抜けた後再びレールは消えてゆく・・・
時刻(とき)の列車“デンライナー”次の目的地は過去か未来か・・・?
・・・・・・
2003年2月2日 日曜日
修行のため、日本の麻帆良学園に教師としてやってきた10歳の少年『ネギ・スプリングフィールド』。今日は彼が日本に来て初めての日曜日である。
この日、彼は居候先兼生徒の『神楽坂 明日菜(カグラザカ アスナ)』と『近衛 木乃香(コノエ コノカ)』と共に当座の生活に必要なものを一式買い揃えるため学園都市内にあるショッピングモールに出かけていた。
「うーんと‥‥これでとりあえず買わなあかんもんはもうないな?」
メモを片手に買い忘れがないかをチェックしていく木乃香―このか。それに答えるようにネギは肯いた。
「ハイ、今日は付き合ってもらっちゃってありがとうございました!」
「いいわよ、別に。アンタ一人じゃこの広い学校で絶対迷子になっちゃうしね」
「あうぅ、僕先生なのに・・・」
夕飯の買い物も含め、それなりに大荷物になった買い物用品を片手で軽く持つ怪力少女・アスナ。彼女はそっけないながらもキチンとネギのことを考えてくれていたようだった。事実迷子になるかは別としてコレだけの大荷物10歳のネギでは持ち切れなかっただろう。
ネギが来た当初のことを考えるとずいぶんな進歩である。
「さてと‥‥もう買う物はないよね? このまま帰っちゃう? それともどっかでお茶してく?」
その日は特に予定はなかった。
しいて言えば明日から学年末試験の一週間前に入るが万年クラス最下位のバカレッドのアスナや、特にこれといった勉強をしなくても充分よい成績が取れるこのかにとってはたいした問題ではない(イヤ‥‥前者は問題にすべきだが)。
ようはこのあと寮に帰ってもロクにすることがなかったのだ。
「あっ!だったら今日のお礼に僕が奢りますよ!」
そんなことをネギが言い出すのも、結局のところ買い物も荷物運びもアスナたちに頼ってしまったので、何か御礼がしなきゃと思っていたのだ。
「あっ! せやったらアスナ、久しぶりに愛理さんのお店にいかへん? ネギ君を連れてはまだ行ったことないやろ?」
「そうねえ‥‥ここから近いし、行こっか?」
このかの提案にアスナは考えるような仕草をしつつもそれに同意し、それを聞いたこのかは嬉しそうにネギに顔を向けた。
「決まりやな! ネギ君はコーヒー飲める?」
「え、ええ、紅茶のほうが好きですけどたまには・・・どこかおいしいお店があるんですか?」
「うん、喫茶店っていうかライブラリカフェなんだけどね」
このかに答えるネギを案内しながら、アスナはその店のことを話し始める。
こうしてネギたちはライブラリカフェ“ミルクディッパー”へ向かうこととなった。
・・・・・・
ライブラリカフェ“ミルクディッパー”
学園都市の女子校エリアの外れにある“星”を題材にした本が集められた喫茶店であり、学園の卒業生である『野上愛理』が経営している。
決して大きい店ではないが、『ゆったりとした雰囲気で美味しいコーヒーが楽しめる』と付近学生からはなかなか人気の店である。
もっとも、この日は日曜ながら差し迫った学年末試験に向けて寮で勉強している生徒が多いこともあり、客足は今ひとつといったところであるが。
「「こんにちはー」」
そんな静かな店内にドアが開く音と共にアスナとこのかの元気な声が響いた。
「いらっしゃい。あら~、ひさしぶりねアスナちゃんにこのかちゃん」
そんな二人を店主である女性、愛理は笑顔を向けて迎え入れる。
「あはは~‥‥最近コッチもちょっとドタバタしてて」
「そうなの~。あら? こっちの子は噂の子供先生?」
どこか困った様子で頭を掻きながら答えるアスナ。彼女の言うドタバタは色々ありすぎて‥‥というのも含まれるのだが、それを言うわけにはいかない。
何しろ、普通の人が知ってはいけないことを知ってしまったのだ。ちょっとした“不幸”を味わいながら‥‥
まぁ、そんなアスナからそのようなことを察することも無く、愛理は二人についてきたネギへと視線を向けていた。
「////ハ、ハイ、英語科の教師でネギ・スプリングフィールドです。///(うわ~キレイなひとだな~)」
ちょっと顔を赤くしながら自己紹介をするネギ。ネギがそう思うほどに、愛理は美しい女性なのだ。
「よろしくねネギ君、注文はなんにする?お勧めはブレンドなんだけど」
「////えっと‥‥じゃあブレンドをお願いします。////」
「あっ!うちはいつもので、アスナも一緒でええよな?」
「はーい♪」
顔を赤くしつつ答えるネギに続き、このかもアスナに聞きながら注文する。アスナもそのつもりだったのか、頷いた。
愛理はそれを聞くと軽く返事をして、カウンターへと向かい、仕度を始めた。
(ぽーっ・・・)
3人もつられてカウンター席に座るが、ネギは未だに顔が赤い。ていうか、愛理に見とれてしまっている。そんなネギを見て、アスナは溜息を吐きーー
「なーに顔赤くしてんのよマセガキ!」
と軽く小突いた。
「あいたぅ!///そ・そんな別に赤くなってなんか・・・ただキレイで落ち着いたひとだなぁって思っただけで・・・///」
とモジモジしながらいうネギ、実際それは事実であり別に人目で好きになったというわけではないが、それだけ愛理の美しさと彼女のだす独特の空気は特殊な魅力があったのだ。
「悪かったわね落ち着きも無くてキレイじゃなくて・・・でも、愛理さんを好きになっても相手にされないわよ?アレ見てみ」
そう言いつつアスナは店の真ん中に積み上げられている、キレイに包装されたいくつもの箱や花束を指差す。どう見てもプレゼントだ。だが、その真ん中にはそれらの存在を悲しく打ち砕く『忘れ物』の張り紙が・・・・
「あ・あれは・・・?」
よく意味が理解できないネギ。どう見たってプレゼントなのだが、何故忘れ物として置かれているのか?普通に考えてもおかしなことである。
「この店のお客が愛理さんに送ったプレゼントの成れの果て」
「ええっ!?」
「お?でも今週は少ないほうやな?」
アスナの言葉にネギは驚きを隠せない。それを気にした風もなく、このかはそんなことを漏らしていたが、
ただし、少ないといってもその数は箱が約20個、花束が5束あるが・・・アスナは続けて説明する
「この店のお客さんにはね、大きく2パターンいるのよ。一つ目は私達みたいにここの美味しいコーヒーや本を楽しむ人。主に近隣の麻帆良生ね。で、もう一つが愛理さん目当てのお客。でも愛理さんってとっても鈍感だし、お店と趣味の健康食品以外興味ないのよね・・・」
「はあ・・・」
アスナの説明にネギは愛理のいろんな意味での凄さに感心し言葉を失う。プレゼントの中には手渡しで贈られた物もあったはずなのだが・・・・・
それすらも忘れ物にされるというのは、愛理の鈍感さの凄さを物語っている。
ネギが戸惑い混じりにそのことに感心していた、そんな時ーー
「おまたせしました。あとコレは私からのサービスです。」
そう言って、愛理は頼まれたコーヒーと共にクッキーをカウンターに置いていった。
「ありがとう愛理さん!」
「わあっ!美味しい!」
お礼をいうアスナ、ネギは今まで飲んだことのないような美味しいコーヒーに驚いた。
「どう?ウチのコーヒーたち、いい仕事するでしょ?」
愛理が自慢げに聞いてくる。コーヒーは彼女にとって生き甲斐みたいなものでもある。おいしく淹れようと日々精進している。
まあ、それが愛理が鈍感な理由の1つでもあるのだが・・・・・
「はい!僕今まであんまりコーヒーって好きじゃなかったんですけど今日のを飲んで意見が変わりました。」
「そう、ありがど♪いつでもきてねサービスするから」
ネギの言葉に、愛理はうれしそうに微笑んだ。
それからしばらく他に客がいないこともありネギたちは美味しいコーヒーを飲みながら愛理と談笑をしていたのだがーー
「あっ!そういえばアスナちゃんたちに言ったけ?良太郎が明日から、また麻帆良に通うことになったって?」
「ブッ!//りょ、良太郎が!?」
「へ!ホンマに!?」
「?」
愛理が何気にいった一言に、アスナは思わずコーヒーを吹き、このかは嬉しそうな顔をし、ネギは「誰?」という顔をした。
「ああ~、やっぱり言ってなかったんだ~ゴメンね~、」
うっかりといった顔で謝る愛理。
「そかそか~、せやったらパルたちにも連絡して歓迎会でもしたろか?」
「////え・ええっ・・・べ・別にやんなくていいんじゃないの~。別に会うのだって初めてって訳じゃないんだし・・・////」
このかの提案にアスナはなぜか顔がちょっと赤い。ていうかなんか慌てた様子だった。
「あの~・・・良太郎さんって、どなたですか?」
イマイチ会話から外された感じのネギが問いかけると、それに気付いた愛理が顔を向けた。
「私の弟よ♪アスナちゃんたちと同い年で3年前まではコッチですんでたのよ」
と愛理がこたえた。
「へ~、どんなひとなんですか?」
というネギの質問に
「「「う~ん・・・ひとことでいえば・・とっても運のない子(奴)ね(やな)」」」
と3人ほぼハモッて答える。
「へ?」
どんな人ですかと聞いたのに、運が無いのが特徴とうのは初めて聞いたので、ネギは戸惑っている。
ていうか、普通にそんな紹介をされる良太郎という人物がどんな者なのか、不安に思ったというのもあるのだが。
「えーっと、お昼前にはコッチに来るって言ってたから、夕方までいてくれたら会えると思うわ」
なぜか、それを当たり前のようにいう愛理。その言葉にネギは首をかしげる。というのもーー
「えっ?時間にルーズな人なんですか?」
「違うって、言ったでしょ?とにかく運が無いって、しょっちゅうトラブルに巻き込まれるから、真っ直ぐ目的地に到達できるほうが少ないのよ。」
「そうそう、昔歩いて5分の近所のスーパーにね『お醤油買ってきて
』て頼んだら3時間かかちゃったのよ?ウソみたいでしょ」
ネギの疑問にアスナが答え、愛理もやはり当たり前のように話すのだが・・・
「ええっ!?」
問いかけたネギは驚いた。そりゃそうだろう。いくら運が無いと言っても、それは異常である。
一体、そのおつかい何があったのだろうか?思わずネギはそのことを考えてしまう。
「ああ、でもせやったら、夕ご飯の時間までには間に合うな~愛理さん、ウチも手伝うから、今日ここでパーティせん?」
「あら、いいの?じゃあ、そうしましょうか?お店は早仕舞いして」
というこのかの案に愛理も嬉しそうそうに同意する。
「・・・まあ、このかが愛理さんがそこまで言うんだったら・・・。」
と渋々アスナも了承するのだが、その様子にネギは疑問を思うのだが・・・
「ほな、ウチは愛理さんと準備するからアスナとネギ君は良太郎君さがしてきてな。」
「ハイハイ、ついでにいいんちょたちにも連絡入れとくわよ」
このかの言葉にアスナは答えると、ネギは疑問を中断されて一緒に店を出るのだった。
ザザァァァ・・・
「・・・あれ?」
店を出たネギは外で不思議な違和感を感じ、空を見上げた。
「ん?どうかした?」
「あっ、いえ・・・なんか空に砂が舞っているように見えて・・・」
「ハァ!?今日は特に風もないし何処にも砂埃なんて舞ってないわよ?」
「そうですよね・・・」
ネギの返事にアスナは何を言ってるのという感じで空を見渡す。確かに砂埃が舞っているようには見えない。
ネギも一瞬感じたものは気のせいだと思い込み何事もなかったようにその場を後にした。
しかし砂は確かに舞っていた・・・
この世界を“破滅”に至らしめる砂が・・・・
しかし、それに気付いた者は、魔法使いも含めだれ一人いなかった・・・ただ一人を除いて・・・
「う・・ん・・目にゴミが・・・」
ゴシゴシと目に入った砂を取ろうとする少年
「おーい!大丈夫かあー?」
少年の“下の”方で、彼を心配する声が聞こえる。
「あっ、大丈夫で~す!取れました~!」
なのに、目のゴミが取れ喜ぶ少年
「そうじゃねーだろ!!」
だが、彼より低いところにいる中年の男性は以前として慌てている。
何故なら、少年が心配されていたのは目にゴミが入ったことでなく、なぜか5メートルほどある木の枝に服が引っかかってぶら下がっていたのだ!!
何があったのか?
事は少年の目に砂が入った時まで遡る。この時、少年が目に入った砂を取ろうと立ち止まったのが板の上だった。緑石の上に置かれた板の片側に・・・そう、まるでテコの原理のような形で、しかし目にゴミが入った少年はその状態に気付かない・・・。
そんな状況で車道側に出てい板のもう片側の上をトラックが通過。当然そのトラックは少年より断然重い。結果、テコの原理で少年は打ち出され空に飛び上がったのだった。
「今助けるからな!」
男性は慌ててはしごを取りに行こうとするのだが・・・
「ありがとうござ・・・あっ!」
バキッ!
お礼を言おうとしたその瞬間はそれまで少年を支えていた枝は折れ、見事に落下しーーー
ドーーン!
「あいたたた・・・」
ものの見事に少年は地面に落ちた。この瞬間、少年の体に光の塊入るのだが、少年も含め誰も気付いてはいなかった。
「おい、大丈夫かよ?」
少年を助けようとした青年は心配そうに駆け寄る。
「だ・大丈夫です・・・ありがとうございます。」
痛みをこらえ、心配してくれた人にお礼を言う少年。
「おおっ・・ならいいけどよ・・・あ~あ~、砂だらけじゃねえか」
パンパン!
なぜか、少年の身体から異常にこぼれる砂を叩いて払いながら男性は心配していた。
「あっ、そう言えばここから女子校エリアってどれくらいかかりますか?」
「あん?アンタあそこに用があんのか?だったら学園鉄道使わないと一時間くらい歩くことになるぜ?」
「そうしたいんですけど・・・・さっき財布をとられちゃって・・・」
「はあっ!?カツアゲでもされたのか?はぁ~運のねえー奴もいたもんだねぇ~」
少年のありえないほどの運の悪さに呆れながら、一応の道を教えるそれを聞いた少年は頭を下げてお礼を言ってから、目的地である姉の店に向かった。
少年の名は“野上 良太郎”後に全人類の運命を、その便りのない背中に背負うことになるとは・・・・今はまだ、本人すらも気付かずにいるのだった・・・。
自分を追いかける砂の塊があることにもーー
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