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第3話 誕生、最弱のヒーロー!?(修正版) 投稿者:仮面ライダーマンティス 投稿日:03/31-18:14 No.2193  

「ハァハァ・・僕・・いったいどうなっちゃんたんだろうう・・!?」

先ほど、自分が起こした事態が理解できずひたすら混乱する良太郎。いや、起こしたというよりも起きてしまったと言った方がいい。
明らかに今のは自分の意思とは異なるものに体を動かされたような、そんな感じだった。
走りつかれ立ち止まって考えるが・・・なぜこんなことになったのか答えが見つからない・・・かに思われた。

<どうなってんのはコッチのセリフだぜ!>

ザアァァ

「!!」

声が聞こえたかと思うと良太郎の体から砂がこぼれだし、その砂が鬼の姿になる。ただし、体の上半身と下半身は逆の形で。
いきなりのことに腰が抜けたようにへたり込む良太郎。とそこへーー

「あっいた!良太郎ー!ってなによコイツ」

強靭な脚力であっという間に追いついたアスナとネギがやってくる。

「精霊!?イヤ・・悪魔か日本にいるという鬼!?」

それを見て、ネギは見つめながら考えていた。だが、良太郎の目の前に現れた砂の鬼は自分が知るどの魔法知識にも当てはまらない。

「なーんか外野がうるさくなってきたがまあいいや。今から決まりごというかんな!お前の望みを言え、どんな望みもかえ・・・っておい!」

「あ・・悪霊退散!悪霊退散!」

鬼が何か言い出すが、良太郎は目の前に現れたもの驚き、追い払おうと思わずそんなことを言い出してしまう。

「誰が悪霊だ!俺はなぁーー」

「アンタがさっき良太郎をおかしくしたやつ?離れなさーーい!」

「ゲフ!?」

ズシャアアア!

鬼がなにやら文句を言おうとするが、アスナのキックによりあっさり崩れ去っていく。それを確認することなく、アスナは良太郎に駆け付け、

「大丈夫、良太郎?」

「アスナ・・・ちゃん・・うん、でも何がなんだか・・・」

「さっきのって多分魔法関係だと思うんですけど僕にもよくわかりません。」

「えっ!?魔法?それに君は・・・?」

アスナに心配されながらも、ネギの言葉に少し驚きながらも知らない子供であることに気づき、思わずそっちの方を聞いてしまう良太郎。

「ああ、コイツはネギ。今ウチの部屋で居候してる私らの先生で魔法使いなのよ」

「はじめまして。」

「ハ・ハァ・・」

ペコりとお辞儀をするネギ、良太郎もとりあえず頭を下げる。
この時、魔法という単語を忘れてしまう。というのも、アスナの部屋に居候というのが気になったからなのだが・・・

「ってめー何しやがる!このクマパン女!!」

と、何事も無かったように鬼、怒鳴りながら、アスナに迫っていた。

「わっ!生き返った~~!」

「そいつらは簡単にはきえないよ!」

驚くアスナ、そんな時、聞こえてきた声にみんなが顔を向ける。そこにいたのは一人の少女だった。
先程、階段付近で『ある物』を探していた少女が、どこか強いまなざしで歩いてくる。

「君は・・・?」

良太郎は問いかけるが、少女は何も言わず近づき、マジマジと顔を見る。その様子をアスナはどこか面白くなさそうに見ていたが。

「ようやく見つけた・・・“特異点”・・・君ならなれる“電王”に!!」

「えっ?でんおう・・??」

「特異点だあぁ!?最悪じゃねえかぁあ!!」

少女が良太郎を見つめたまま、そんなことを漏らす。良太郎はその意味が分からずきょとんとし、鬼は何かやってしまったかのように騒いでいた。

「ちょっとちょっと!さっきから何勝手に盛り上がってんの!ていうか何なのよアンタたち!!」

何が何だかわからないこともあり、怒り出すアスナ

「あっ!ごめんなさい。説明するから。」

少女の方は意外と素直に謝り、状況を説明しようとするがそこへ!

「なるほど、特異点か・・・潰させてもらうぞ!!」

「え?」

突然聞こえてきた声に良太郎が顔を向けると、そこには異形のものがいた。先程夕映の前に現れたライオンを思わせる怪人。
ただ、違うとすれば、身体は砂でなくちゃんと実体を持っており、上半身と下半身も正しい位置にあるということ

「危ない!」

ドン!

「わあっ!」

ズシャアアアン!

走り出す怪人を見て、とっさに良太郎を押しだす少女!振り向くと良太郎のいた場所には爪あとのようなもの残っていた。

「なに・・これ・・・?」

「ああんもう!次から次へと一体なんなのよお~~~!!」

いきなり教われて混乱する良太郎。それはアスナも同じで騒ぎ出している。

「ちっ!人の契約者殺されてたまるかあああ!!」

怒ったように鬼は怪人にむかって突っ走っていくが・・・

「邪魔だ!」

バシッ!

ズシャアアアア

あっさり蹴散らされてしまった・・・。

「ヨワッ!」

「ま・魔物!?くっ・・・ラステル・、ア・スキル・マギステル・・・魔法の射手!戒めの5矢!!」

バシュウウン!

鬼の弱さに思わずツッコムアスナ。その間に危ないと感じたネギが魔法を放ち、怪人はその力で動けなくなった。

「己・・“この時代”の西洋魔術師か・・・?」

忌々しそうにぼやきながらも、何とか逃れようとする怪人。アスナはネギの行動に喜び、良太郎は初めて見る魔法に驚いていた。

「ナイスネギ!」
「い・今の何!?」

カタン

(!! あのパスは!」

その時、少女は良太郎のポケットから拾ったケースが落ちるのを見つけ、驚いていた。それはまさに、自分が必死に探していたものだったのだ!

「これで十何秒かは動けないはずです!今の内にーー」

「ええ!戦うのよ、変身して!」

逃げましょう。ネギがそう言おうとした時、少女はケースを拾い、良太郎に渡しながらそんなことを言い出す。

「ええっ!?」

「ちょっと!なにいってんですか!?できるわけないでしょ良太郎に!ていうか変身って何よ!?」

少女の言葉に良太郎は驚き、アスナは慌てて止めようとする。力にしても姿にしても、怪人は明らかに異常だ。
その怪人を、どう考えてもひ弱な良太郎に倒せるわけがない。

「大丈夫よ!それをもって変身って言って!!」

「えっと・・・コレを?」

少女が押し付けるようにケースを持たせながら、良太郎に迫る。良太郎はといえば、何が何だか分からず戸惑っていたが。

パリーン!

「ああ、呪文の効果が・・」

「ずいぶんと小癪なマネをしてくれたがもう同じ手は食わんぞ!まとめて死ね!!」

「ほら!早く!」

魔法が破られたことにネギが思わず身を引いてしまい、破った怪人は襲いかかろうとした!
それでも少女は良太郎を行動させようと叫びーーー

「へ・・・へ・・変身!!」

シュウウウン!

それに負けた形で良太郎が叫ぶと、腹部にベルトが現れた!

「えっ・・・?これって・・?」

「もう!早くしなさい!」

思いもしない現象に良太郎は戸惑い、それにイラついたのか、少女が慌ててベルトを装着させる。
付けられたベルトを戸惑った様子で見ている良太郎。その時、バックル部分にある装置の直ぐ上を、持っていた装置が通った時だった。

ピッ

パシュウウン!

光の粒子が良太郎の体を包んだかと思うとその姿は黒いフィットスーツが包まれ、顔はその全体を覆うかのようにヘルメットに装着されていた。

「「!!!」」

まさに言葉どおりの変身に驚くネギとアスナ!というか、本当に変身するとは考えてもいなかったので、当然の反応なのだが。

「えっ?えっ?ええええっ??なにコレ???」

当の本人が一番びっくりしていたりする。まあ、本人もこんなことになるとは思っていなかったのだから当然だろう。

「ぼーっとしてないで!来るよ!」

「ガアアア!」

と変身した良太郎に突っ込んでゆく怪人!

「ホ・ホントに変身しちゃった・・・アスナさんもしかしてこの人・・今朝テレビでやっていたみたいな日本にたくさんいるという変身ヒーローなんじゃ・・・」

戸惑いながらも興奮した感じのネギ。
まだ10歳の上に、日本に来てまだ10日ほどのネギはサムライ・ニンジャと同じ要領でちょっと日本文化を誤解していたりする意見だった。

「嘘でしょ!?あの泣き虫が・・・」

予期せぬ良太郎の変身にアスナも呆然と見ていた。それもあってもしかしてどうにかなるんじゃ・・・と思ったのだがーー

ドシーーン!

「わあああ~~~」

「「へっ?」」

怪人のタックルにあっさり吹き飛ぶヒーローこと良太郎・・・あまりにあっさりすぎて、アスナとネギは思わず声が出てしまった。

「わああ~~」

そしてあっさり逃げ出す良太郎・・・

「「・・・・・」」

固まるネギとアスナ・・・

「ちょっと!戦ってよ!」

「そんなこと言われても~~~」

少女に怒鳴られ、泣きそうな声を出しながら必死に逃げようとする良太郎。というか、彼は今までケンカすらロクにしたことがない。
そんな彼が戦えといわれて直ぐに出来るわけがない。その上、わけのわからない状況が混乱に拍車をかけている。
その良太郎に怪人は容赦なく追いかけてくる!

「逃がすか!」

ザッ!

強靭な脚力であっさり良太郎の前に立つ怪人

ガサッ

「わ・わあああ!」

バシッバシッ!

とっさに近くに落ちていた箒で攻撃するもまるで歯が立たない・・・

「きかない~~}

「フン!」

怪人はその豪腕で泣きそうな良太郎を投げ飛ばす!

ガシャアアン!

「「・・・・・」」

ガラクタの中に突っ込む形で倒れていく良太郎を見ながら、まだ開いた口がふさがらないアスナたち・・・
そう、変身したはいいもののかれは“このまま”の状態ではまさに“史上最弱のヒーロー”だったのだ!!

「あいたたた・・・」

<オイ!オレと変われ!お前は引っ込め!!>

痛がりながら立ち上がろうとする良太郎の中で声が響いてくる。それは先程の鬼の声だった。

<ア・アレ?キミまだいたの?それに変わるってどうやって??>

<オレが知るか!>

「そんな~~~」

「ベルトの赤いボタンをおしてぇーーー!!」

「!」

鬼の言葉になきそうになる良太郎、そんな彼らの心の会話を知ってか知らずか少女が叫んだ!

「えっと・・ボタン・・ボタン・・」

カチッ

パアァ!

良太郎がベルトの赤いボタンを押すと、音楽のような電子音が響くと共にバックル部のライトに赤い光が灯る。

ピッ!

そして、良太郎は何となくだが、変身したときと同様にパスをタッチしーー

<SWORD FOAM>

ガシャン!ガシャン!

現れた赤いアーマーと桃の形をした仮面が現れ金属音を響かせながら良太郎に装着されてゆく!

「! アスナさん!あれを見てください!」

「変わった?」

指を指すネギの言葉にアスナは、ソレを見て思ったことをそのまま漏らしていた。
先ほどまで脆弱だったボディに痩躯がくわえられホンモノのヒーローのような姿になった良太郎!!

「俺ーー」

親指で自らを指す良太郎、だがその声は良太郎のものではなく、鬼のものであった。

「再び参上!」

「ガアアア!」

そんな変化はお構いなしにつっこうんくる怪人!!

だが、

カシャン!カシャン!

ヴゥウン!

良太郎が腰についた4つのパーツをくみ上げると先端から赤い刃が出現し剣になりーー

「うおりゃ!」

シャキーーーン!!

飛び掛ってきた怪人に、その刃を叩きつけた!!!

「グワッ!」

切り付けられ倒れるように、ダメージにひるむライオン怪人!
だが、直ぐに起き上がって良太郎を睨んだ

「貴様何を考えている!よりにもよって特異点に力を貸すなど・・・われらの使命を忘れたのか!?」

怪人は良太郎にではなく、鬼に問いかけるように叫んでいた。どうやら気付いていたようだ。

「そんなもの最初っから覚えてねえ!さっきはヘコんだがよく考えたらコッチのほうが面白そうだぜ。ていうーか、俺はこーゆうのがやりたくて来たんだ!相手が誰だろーがここが何処だろーがカンケーねえ!!!」

そんな疑問に対し、鬼は剣を向けながら清清しいほど自分勝手な意見を言い放つ!

「フン・・バカが・・・」

説得を諦め、再び戦闘態勢にはいる怪人、
ここでコイツをつぶさないと、自分とそれに続く多くの“同士”にとって大きなマイナスになることがわかっていたのだ!

「言っとくが、俺は最初っからクライマックスだぜぇーー!!」

まるで今までの鬱憤を晴らすかのように、鬼は自ら怪人に向かっていき、

「行くぜ行くぜ行くぜぇーーー!!」

シャキーン!シャキーン!

「ぐおおお!?」

ただ力任せに振り回される剣。鬼の動きには型とかそういうのは見られず、ただ暴れているような印象を受ける。
それでも剣は確実に怪人を切り裂き。怯ませていた。

「すごい・・・圧倒している・・・!」

先ほどまでの劣勢が嘘のように敵を追い詰めていく鬼の姿に、アスナはまるで信じられないかのように呟いていた。

シャキーン!

「グワアア!」

何発目かの斬撃を受けライオン怪人は吹き飛び、地面を転がるように倒れた。

「さてと・・そろそろ締めとさせてもらうぜ?」

そう言うとヒーローは三度パスをベルトにたっちさせーー

<FULL CHARGE>

ギュゥイイイン!

電子音と共にベルトからの赤いエネルギーが鬼の持つ赤い剣に流れこんでゆく!

「行くぜ・・・俺の必殺技パート2!」

カシャーン!

剣を自らの前に立てるように構え、鬼がそう言い放つと、ブレード部分がが分離し上空で回転を始めた!

「でやあああ!」

ザシュウウウン!
ザシュウウウン!!

鬼が剣を振り回すとそれと連動して離れた高速回転するブレードが勢い良く落下し、袈裟斬りのように怪人を切り裂き、さらに垂直に切り裂いた!

「ぐわあああ!」

ドゴーーーン!!

強烈な斬撃を受け、怪人は悲鳴と共に爆発した!!

「やった!やりましたよアスナさん!!良太郎さんが勝ったんです!」

「う・・うん」

喜ぶネギだが、アスナは目の前に起きたことについていけず、呆然としたままだった。

カシャン!

「決まった!」

そんな中、分離したブレードが元に戻ると鬼はポーズを決め、

シュウウン!

鬼が体から離れると同時に変身が解除され、良太郎はへたりこんでしまう。

「怖かった~」


「今のが“電王”、ずっとなれる人さがしてたんだよね・・・」

戦いの恐怖から解放され、思わず一言漏れる良太郎に、少女は歩み寄りながらそんなことを言い出す。

「一緒に行こう!未来からの侵略者がもうそこまできてる!時刻の運行を守らなきゃ!!」

「えっ?」

少女の言葉の意味が分からず戸惑う良太郎に、少女は手を差し出す。その時だった。

ファアアアアン!!!

「「「で・・・電車ぁ!!?」」」

驚く良太郎・ネギ・アスナ!得体の知れない怪人の次は今度は何処からともなく電車が現れたのだ!!無論先ほどまでここにはレールすらなかった。まるで地面から生えたように現れ、その上を電車が走ってきたのだ。

「とりあえず乗って!」

少女に手を引っ張られ電車に乗り込む良太郎

「もう・・・倒れる力もない・・・」

ある種、諦めの境地に入ったらしく、呆然と電車の中を見ている。

「あっ!ちょっと私も行く!」
「あっ、待ってくださいよアスナさ~ん!」

それを見て、慌てて乗り込むアスナとネギ

プシュウーーーン!

彼らを乗せた列車は再び動き出しまたそれがはじめからなかったかのように消えていった・・・。

良太郎たちが電車に乗った直後ーーー

ザアアア・・・

「ハァ・・・ハァ・・・チッ!特異点・・・電王か。厄介な奴が出てきたものだ・・・ここは一刻も早くあの女の望みを叶え、過去に行かねば・・・!」

どこか忌々しげに声を漏らしながら、怪人は何処かへといってしまうのだった。

これから始まるのは“世界一ついてないが誰よりも心の優しいヒーロー”の物語。
後に魔法界に名を残すことになる少年と決して表にですことない二人の英雄とその仲間の物語・・・
過去・現在そして未来ーーー繋がっていくかけがえのない世界の記憶を守る為、良太郎の奇妙な冒険が今始まるのだった!

・・・続く・・・

仮面ライダーDEN-O-MAGI 第4話 戦いの始まり、僕にできることを!

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