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第12話 二つの声(思い)が重なる時 投稿者:仮面ライダーマンティス 投稿日:04/19-23:07 No.2296
ファアアアアン!
本来のダイヤを変更して時の砂漠を走るデンライナー
目的はただ一つ、時の運行を乱すものイマジンの追跡!
「確かチケットには昨年の4月って書いてあったから憑くまで20分くらいかな・・・」
2003年の時間に合わせた腕時計をハナ、現在8時12分、往復の時間を考えてもネギたちの命のタイムリミットまで時間がない
(イライライラ・・・)
早くつかないかとイライラするモモタロス
(コレが・・時間航行の電車・・・?)
食堂車内や外の風景を眺める刹那、どうやら彼女のイメージしていたものとは少し違うらしくあっけに取られていた。
「モモタロス落ち着いたら・・・うっ・・」
「!、ちょっと良太郎大丈夫?」
クラッと立ちくらみををする良太郎
「うん・・・つくまで座ってれば・・・」
そういって食堂車のイスに腰をかける良太郎、本人の言葉とは裏腹にその様子は疲労とダメージが蓄積されているようだった。
「大丈夫ですか良太郎さん?」
「やっぱりさっきのイマジンとの戦いで相当ダメージ受けたみたいね・・・良太郎の身体自体はふつうの中学生なんだし無理ないけど・・・」
心配そうにする刹那とハナ
「さっきの話だと変身している間はあっちの・・・」
イライラしているモモタロスにチラリと目をやる刹那
「うん、モモタロスが戦ってるのこないだ貴方達に怪我をさせたのもあのバカモモなの・・・だから良太郎のこと怒らないであげてくれるかな?」
「そんな・・・怒るも何も、良太郎さんは全く悪くないじゃないですか!」
「ううん、あの時気を失っててモモタロスをとめられなかったのは僕だし・・・黙っててゴメン・・・」
頭を下げる良太郎
「・・・一つ聞いていいですか?良太郎さんはどうしてその・・電王として戦うんですか?こないだまで魔法のことも知らなかった一般人のようですしあの鬼・・モモタロスさんに憑りつかれたりしてまであの怪人たちと戦うなんて・・・怖くないんですか?」
疑問をぶつける刹那、長い間裏の世界で戦ってきた刹那には不思議だったのだ。良太郎のように心優しく、争いを好まさそうな人間が自分に何の見返りも無く得体の知れないものと戦い、時という得体の知れないものを守るため自ら動いているのが・・・それもときにわけのわからない鬼(モモタロス)に身体をのっとられながら、自分の生活すらままならない不運人生を送りながら・・・
「う~ん・・・正直自分でもよくわかんないんだ・・・」
「・・・へっ・・・?」
だがそんな深い疑問に対し良太郎は逆に自分自身に首をかしげる・・・
「僕が特異点ていうのだからっていうのもあるし・・・巻き込まれるのにはなれちゃってるから・・・かな?」
「は・はぁ・・?(やっぱり分からない人だな・・・)」
良太郎の大物何だかバカなんだか分からない態度のますます疑問が膨らむ刹那、彼女の中で良太郎という人間がどういう人間なのか混乱する・・・・。
「けど・・・・」
・・・・・・
2002年4月16日・松下のマンション内
「ひひ・・・やっぱりここのクラスはレベルがたかいな~ひひ、絶対来年は担任になってやる・・」
松下は自室にていやらしい顔をしながら彼の隠れた趣味・・・盗撮した女子生徒の写真を眺めていた。この日は彼が始めて麻帆良に赴任してきた日で2-A女子のクラス名簿を見てひどく気に入った日でもあった。
ザザアーーー・・・
シュウウン!
「ウッ!」
ガクッ!
そんな松下の身体から大量の砂が零れ落ちスコーピオンイマジンが実体化!松下はその場で気を失う
「フン!」
ガシャーーーーン!
スコーピオンイマジンはまず肩慣らしがてらに松下の部屋で軽く暴れ、彼の持つ盗撮画像満載のパソコン、秘蔵の美少女フィギアなどこわした。
非常にどうでもいいことだが現代では松下の部屋のものが次々に消滅するといった現象が起こった。
「ハッ!」
スターン
ベランダから飛び降り外に出るスコーピオンイマジン、暴れだそうとしたその瞬間!
ファアアアアン!
「何!」
眼前に現れるデンライナー!
そしてそこからおりる一人の少年が!
「いくよモモタロス!」
<おおっ!いつでもきな!>
カシャーン
「・・・作戦通り、絶対勝とう・・・!」
<たりめーだ!!!>
ベルトを装填しパスを構える良太郎
「<変身!!>」
ピッ!
<SWORD FORM>
カシャーン!
「俺、参上!!」
いつも以上に気合をこめ変身した電王!!
「フン!誰かと思えば死に底ない負け犬か」
そういって余裕の表情をみせるスコーピオンイマジン
先の戦いで勝利しているだけあり、自信に満ち溢れた様子である。
「誰が負け犬だコラ!こっちは人の仲・・・///イヤ・・その・・///そう!子分だ!人の子分に手ぇだされて頭にきてんだ!俺の怒りもやる気もとっくの昔にクライマックスだぜ!!!」
カシャン!
ヴウウウン・・・
デンガッシャーを構える電王
「行くぜ行くぜ行くぜーーー!!」
スコーピオンイマジンとの再戦が始まった!
チチチチチ・・・・
「・・・・・」
その様子をみる謎の懐中時計の男、そして
(さて、一度敗れた相手にどう挑むのか見せてもらいましょうか特異点君・・・)
謎の老紳士がいた。
「でやあああーーーー!」
カン!カン!カン!
以前と変わることなく闇雲に剣を叩きつける電王
スコーピオンイマジンもまたそれをことごとく盾で弾く
「すごーい!なんかモモちゃん、いつも以上に気合がはいちゃってますね~」
「うん、きっと良太郎の方もコレまでに無いくらいこの戦いに集中してるからだと思うけど・・・」
デンライナー内から戦闘の様子を見るハナとナオミ
(ここまでは作戦通り・・・後の問題は良太郎の身体なんだけど・・・)
時の運行、そしてネギとアスナの命がかかった戦いをじっとみまもるハナ、彼女の言う作戦とは・・・?
カン!カン!
「フン!進歩の無い奴だ・・・貴様の攻撃など私には通じんということがまだ分からんのか!」
バン!
「うおっ!」
あの時と同じように盾による打撃をうけ吹き飛ぶ電王!
(・・・・おやおや、なにか策があるのかと思ってみれば・・それに特異点の方も見たところ知も力も持ち合わせていないただの少年、そしてそれに取り付いた貧困なイメージをかたどりし猪突猛進のイマジン・・・やはり“彼”のように私を満足させるにはいたりませんね・・・)
電王に失望したかのよう背を向けその場を立ち去ろうとする老紳士
だが、
「へへ・・・きかねえなあ。そんなヘナちょこ攻撃なんざ」
「何!?」
以前と違い吹き飛ばされてもすぐにそして余裕“そうな”口調で立ち上がる電王
ちなみに彼らの心内は・・・・
(ちっくしょー!めちゃくちゃ痛ー!おい良太郎、今んとこ二人の意識でどうにか動いてられっけど頼むから気ぃぬくなよ?)
実際のところはやせ我慢でいっぱいいっぱいだった・・・
<うん・・・正直いってすごく痛いけど・・・だけど・・・>
良太郎の脳裏には今この瞬間苦しむアスナやネギがうかぶ
<僕が今、痛い思いをすれば・・・僕ががんばればアスナちゃんたちが助かるなら・・いくらでも我慢する!>
(それでこそ俺の契約者だぜ!)
大事な人を守るため、今と未来を生きる二人の男の思いは過去の世界一つになった!
「くくく、見え透いたハッタリだな!」
「ハッタリ?おいおい本気でいってんのか~?お前のへなちょこ攻撃じゃ虫だってころせねえぜ。っていうかさっきの戦いだってぶっちゃけるとあんまりヌルイ攻撃なんで途中で寝ちまっただよね~」
目一杯のやせ我慢で余裕を見せスコーピオンイマジンを挑発する電王
「なにぃ~~!」
バカにされ怒りをあらわにするスコーピオンイマジン
「そのぶんじゃあネギたちにうった毒ってのもせいぜい痒くなる程度なんじゃね~の~?なんならためしに打ってみるかおい?」
そういってノーガードの姿勢をとる電王
「そんなに言うなら喰らって後悔するがいい!あのガキたちどうよう像んぶんに苦しんでな!」
シャッ!
そういって毒の鞭を電王にむけるスコーピオンイマジン!
「今だチャンバラ女!」
「はああああ!」
スパーン!
「何!?」
その瞬間!
電王とスコーピオンイマジンの間を駆け抜けた刹那が鞭の先端にある毒針を切り取った!
ガシッ!
切り裂いた毒針を摑みスコーピオンイマジンから距離をとる刹那
「貴様の自慢の毒もらいうけるぞ!」
そう言ってデンライナーの中駆け込んだ。
「き・貴様最初からあれが目的だったのか!?」
「へへ、まあなあそこまで言われりゃお前だって毒を使うだろうって寸法さ、やーい、ひっかかってやんの!だっさ~」
おしりぺんぺんのポーズをとる電王
目論みがうまくいき実にうれしそうである。
「これで遠慮なくテメーをぶっとばせるってもんだぜ!」
「ぐぐ、・・・フン、忘れたのか?結局貴様の必殺技とやらは私には通じん、毒を封じた所で私にはまだこの無敵の盾があるからなあ!」
怒りをなんとか押さえ込み再び余裕の表情を見せるスコーピオンイマジン
しかし
「ハッ!俺がなんの対策も考えてねーって思ったのか?ココに出る途中電車の中で密かに思いついた新必殺技を見せてやる!」
ピッ
<FULL CHAGE>
ギュウイイイン・・・
通常通りベルトからデンガッシャーにエネルギーが蓄えられてゆく
「何が新必殺技だ!前となんらかわらんではないか!」
「へへ・・・まあ見てろって」
ヴゥウウウン・・・・
バチバチバチバチ・・・
(ほう!)
老紳士は関心を抱く
デンガッシャーはフルチャージをしたにもかかわらず未だその刀身は本体からはなれずそのかわりに赤く輝きスパークを起こしていたのだ。
「フフン、なるほどな・・そうすることによって余分なエネルギーの放出をなくし至近距離で放つことでさらに威力を高めるという寸法だな?だが貴様大丈夫か?そんな無茶なことをして」
バチバチバチ・・・
そう、本来システムにない技を使うのは電王の肉体=良太郎の身体にも負荷がかかるのだ。
「ぐぐ・・・、」
ダメージに加え追加された負荷に苦しむ電王
「全く愚かな奴だ・・・本来の使命もわすれ特異点に力を貸すなどそんなあのガキを救いたいか?」
挑発するスコーピオンイマジンだがそれがあだとなる。
「ったりめーだ!言った筈だぜ、テメーに対する俺の怒りはとっくの昔にクライマックスだってな!行くぜ良太郎!!」
<うん!>
「<うおおおーーーーー!!!>」
思いを込めた紅刃をもち向かってゆく電王!
「そんな付け焼き刃がきくとおもうかあ!」
スコーピオンイマジンも防御の構えを取る!
「喰らえ!俺の超必殺技パート1!!」
ザシューーーン!!!
「ぐわあああーーー!」
炸裂した俺の超必殺技=エクストリームスラッシュ0(ゼロ)!
スコーピオンイマジンの身体を盾ごと見事に斬り裂いた!
<やった・・・!>
「決まったぜ!へへ・・・、」
勝利の余韻にひたる二人・・・だが、
「ぐ・ぐぐ・・・ぐわああああ!」
「何!?」
「グギャアアアアーーー!」
なんと!
倒されたイマジンはいつものように爆発することなく巨大な羽虫のような姿になった!
「ハナさんこれは!?」
「イメージが暴走したんだ!気をつけて!」
「ぐぎゃああーーーー!」
バババババババババッ!
ドガーーン!
巨大な羽虫=ギガンテスインセクトは不気味な羽音をたて空に飛び上がり、その巨体であたりの建物を次々に破壊しながら移動を始めた!
「あの野郎・・・!人の渾身の必殺技を喰らっといていきてるたあどういう了見だ!」
別のことで怒るモモタロス、かっこよく相手を倒すのが信条の彼にとって決め技で敵を仕損じるのは非常に面白くないのだ!
<そんなことどうでもいいよ!どうするのアレ?>
「慌てんなって、でかいもんにはでかいもんだ!」
そういってデンライナーの先頭車両に搭乗する電王
カチ、
コックピットであるマシンデンバードに搭乗右ハンドルについたボタンを押す。
<これで戦うの?>
カシャン
ファアン!
デンライナーは食堂車などが詰まれた後方の車両を切り離し一号車から四号車だけで走り出した!
「グギャアアアーーー!」
プシュプシュプシュ!
デンライナーの存在に気付きサソリの名残か尻尾から毒針を発射する
ギガンテスインセクト!
「チッ!」
キイイィイイイ・・・
マシンデンバードのハンドルを右に切ることでデンライナーゴウカの前方に右向きのレールが出現しそのまま回避する!
「武器の一つでもつんであんだろ?何でもいいから出てきやがれ!」
カチ、カチ!
<ええ~~っ!?そんな適当でいいの1?>
と適当にボタンを押す電王、だがなかなかどうしていい勘をしていた。
カシャン!
ウォン!キィ!ギィー!
デンライナーゴウカの武器システムが起動!
一号車からは四連装の大砲“ゴウカノン”、二号車は犬の顔のような形のミサイル発射台“ドギーランチャー”が、三号車には巨大な球体の爆弾“モンキーボマー”が、そして四号車からは小型のトリのようなメカ“バーディーミサイル”が出現した!
「なんでもいい!全部ぶち込め!」
カチッ!
ダダダダダダダッ!
バンバンバン!
ヒュッ!ヒュッ!
バシューン!
ババババババッ!
空を舞うギガンテスインセクトに向けてゴウカの武装は一斉射撃された!!!
スパーン!スパーン!
バシューン!
ドギーランチャーから繰り出される威嚇ミサイルとバーディーミサイルの鋭い刃のような羽でにより身体を引き裂かれ機動性が大幅にさがるギガンテスインセクト!
ダダダダダダ!
ヒュッヒュッ!
そこにフリーエネルギーとよばれる破壊エネルギーの光弾とエネルギーの塊の爆弾が雨あられのように打ち込まれる!!
「グギャ・・グギャアアア~~~~!!!!」
断末魔の叫びを上げながらギガンテスインセクトは消滅した!
・・・・・
2003年2月11日午後10時7分・学園内中央病院
「学園長、科学面呪術面その両方のにおいてもすぐに抗体を作れる準備は万端です!あとは・・・」
白衣に身を包んだ中年のドクターが知らせる。
「うむご苦労、あとは信じるしかないのう・・・」
「進行具合から察するにタイムリミットは・・・遅くともあと三十分くらいかと・・・」
と、そこへ
ファアアアン!
「な・なにごとだ!?」
突然病院内に列車が通過する音が聞こえ慌てる医療スタッフ
タッタッタッタ!
続いて聞こえたのは深夜の病院に響く廊下を駆ける足音
バタン!
「またせたなジイさん!これでいいんだろ?」
そういって学園長に毒針を果たすのはもちろんM良太郎である!
「良太郎!・・・うむ!よくぞ・・・よくぞ間に合った!」
言葉どおり見事に間に合った良太郎に学園長は深くお礼を述べた・・・。
・・・・・
2003年2月12日午前7時
「う・・・ううん・・・」
病院のベッドの上でゆっくりと目を覚ますアスナ
「あっ、気がついたんアスナ?」
目の前にはこのかがいた。
「このか・・・?あれ私イマジンに・・・そうだ!私!良太郎は!?
」
あわてて身を起こすアスナ
「ああ、ダメやて!お医者さんの話やと二、三日は寝てなあかんていわれとるんやで?ネギ君もまだ寝とるし、心配せえへんでも良太郎君ならほら」
「スー・・・スー・・・」
このかがさした先には病室のイスに座り静かに寝息を立て熟睡する良太郎がいた。
「良太郎君なあ、アスナたちがあの怪物に襲われて倒れたときスゴイ剣幕でアスナとネギ君のこと運んでそのあとウチがもう助からへんかもって思うとったらまた怒って『俺が何とかする』みたいなことゆうてホンマに薬もってきたんよ?」
(スゴイ剣幕ってことはモモが?・・・フーン・・・」
・・・・・
「グゴオオオオーーー!」
同時刻、モモタロスもまた疲れ果て爆睡していた。
・・・・・
「でもウチびっくりやわ~、良太郎君が仮面のヒーローさんやったなんて!アスナは何でしっとんたん?」
「うん・・まあ色々ね・・・」
「う~ん・・・」
「あっ、ネギ君も起きた?」
その後二人とも特に後遺症も無く三日後無事に退院した。
(ふふ、ホンマにありがとうな良太郎君♪)
(また助けられちゃったかな?良太郎、モモタロス!)
病室のイスで眠る良太郎には毛布とと彼女達の背一杯の感謝のねんがこめられた。
(・・・よかったですねお嬢様。・・・本当に)
一階であるアスナたちの病室の様子を外からそっと見ていた刹那はネギとアスナが無事だったこと、そして何よりこのかに笑顔が戻ったことに安心しその場を立ち去った。
「昨日は大変だったようだな?」
「龍宮か」
帰路に着く刹那を呼び止めたのは真名だった。
「今日の明け方学園長からの緊急召集があってな、『本校の魔法生徒および先生は本日から未来からの侵略者イマジンと戦う仮面の戦士電王を全面的にバックアップする』とのお達しだ。正直始聞いたときは泡食ったがお前は一緒に戦ったんだろ?どんなやつだった?」
「正体は知らされてないのか?」
「ああ、私らは情報の収集と漏洩防止がメインらしいからね。ヘタにばれないよう正体をしってるのはお前と学園長ほか数名らしい」
「そうか・・・電王は・・・とても強い人だ。そして・・・心から守るべき価値のあるとてもやさしい人・・・」
「強いのに守るべき・・・?よくわからんな・・・」
刹那の言葉に首をかしげる真名
「クスッ、・・・ああ、全く持ってよく分からない人さ」
刹那の脳裏には昨晩デンライナーで過去に向かう途中の良太郎の言葉がよみがえる。
『・・・・けど、最近ちょっとだけ思うんだ。時の運行とかそういうものの大切さは大きすぎてよく分からないけど僕が電王になればイマジンのアスナちゃんたちみたいにイマジンに襲われる人を助けたり夕映ちゃんみたいに無理矢理望みをかなえられた人を助けたり・・色々な人ががんばってるこの世界の思い出とかを守ることができるなら僕は・・・電王になりたいなって・・・怖いけど戦いたいなって・・・』
(守りたいものが二つになってしまったな・・・良太郎さん・・・アナタが皆を守るなら私はアナタを守ります・・・この命に代えても!)
友情や恋ではなく守りたい、共の戦ってゆきたい、刹那の中で良太郎の・・電王への気持ちは“ゆるぎない信頼”へと変わったのだった!
・・・・・
同時刻・松下のアパート
「くそ!くそ!どうなってんだよ!?あのガキは死んでないし部屋のものはなくなるし!なんで・・・なんで僕ばっかこんな目に遭うんだよ!?」
バン!
すべて自ら引き起こしたことにもかかわらず松下はあたりのものに八つ当たりする。昨晩のモモタロスの怒りも良太郎のかけた優しさも彼のゆがんだ心には届かなかったようだ・・・
「おやおや・・・これは酷いですな・・」
そこに現れたのは老紳士だった
「ア・アンタ・・・どういうことだよ!?なんであのガキは死んでないんだよ!?なんで僕のコレクションが・・・」
八つ当たりの矛先を老紳士に向ける松下
しかし、老紳士はいつもとかわらぬ笑顔でこう言い放った。
「フフフ、それはひとえにアナタのイメージが貧弱だっただけですよ?まあ、コッチにきて最初に見つけたのにしてはなかなかでしたがね?それと部屋のものについては残念ですが私の感知するところではございません。それより本日はちょっとした後処理にうかがいました。」
「そ・そんな・・・礼はいらないって・・・」
「ええ、そうではなくてあなたから今回の一件、イマジンに関する記憶をけさせていただきます。なにぶん今の段階で私の存在が魔法使い諸君や電王に知られるのはさけたいもので・・・」
そういってゆっくりと腕をちかづける老紳士・・・・
「ぎゃああああああああああ!!!」
・・・・・・
「・・・・・・・・・・ボクハ・・・ダレ・・・・」
色々なものが消滅した松下の部屋、そしてその部屋の主たる松下もまたからっぽになってしまった。
数日後魔法先生に発見され治療を施しても彼の心が戻ることは生涯なかったという・・・・。
「いやあ~失敗してしまいましたね~記憶だけを消すつもり“うっかり”人として色々大事なものもけしてしまいました。まあもともと人としてアレな方でしたしよしとしましょうか。」
まるで『お醤油を切らしてるのを忘れてた』程度の口調の老紳士
(それにしても・・・フフフ、野上良太郎君ですか・・・なかなか面白い少年だ。弱さの中に強さを感じるし“彼”とはまた違う魅力がある気に入りましたよ)
果たして彼の正体とは?
・・・続く・・・
おまけ
【デンマギファイル】
エクストリームスラッシュ0(ゼロ)・・・エクストリームスラッシュの通じない敵に対しモモタロスが編み出した超必殺技パート1。本作オリジナル技
フルチャージ語も刀身をデンガッシャーにとどめることで刀身に過剰なエネルギーが集中、その膨大なエネルギーを直接斬りつけることによって打ち込む技で威力だけなら通常のエクストリームスラッシュの数倍に上る。反面、あふれ出すエネルギーによって電王自身もダメージを受けるためモモタロス・良太郎ともに絶大な負荷がかかる。また、そんな状態で直接斬りつけなければならない分非常にリスキーな技でもある。
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