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第27話 外道ヤマアラシイマジン!デンライナーでの攻防 投稿者:仮面ライダーマンティス 投稿日:05/19-19:50 No.2438
食堂車内
「それで、この後のことなんだけど、問題はあのイマジンの契約内容よね・・・。ネギ君やアスナちゃんはあのイマジンがこのかちゃんに憑いた時一緒にいたのよね?契約の内容わかる?」
「う~ん・・・、小声だったけど、多分、『刹那さんと昔みたいに仲良くしたい』だったかな?」
「えっ・・」
ポツリと囁いた程度の声でイマイチよく聞き取れなかったが、アスナにはそれが状況的に見て最も妥当な願いに思えた。
「多分そうなんじゃないかな?僕もそんな気がする。」
その場にいなかった良太郎にも何故かアスナの言ったことが正解のような気がした。
自分の知っている幼馴染のこのかなら例え、そっけなくされても、きっともう一度仲良くしたいと考えるだろうから。と、
「お嬢様が・・・」
「でも、だとしたら少なくともこのかちゃんと刹那ちゃんがここにいる限り、契約は無理ね。パスがないと例えイマジンでもデンライナーに入ってくるのは不可能だし。二人にはここにいてもらってその間に良太郎とモモが学園の先生と協力してあのイマジンを倒す。これでいきましょう!」
と手短に作戦をたてるハナ、確かに本来、これが最も最善の策であった。
しかし、この時、既にヤマアラシイマジンがデンライナーに忍び込み、今まさにこのかを狙っているとは普段からイマジンの匂いに人一倍敏感なモモタロスや気配などを感知する師からの強いワカマルスも気付いていなかった。ただ一人を除いて・・・
<----ないとーーーがーーーーよ!>
「!、あれ・・、モモタロス、今僕の頭の中で何か言った?」
突然、いつも外にいる時、モモタロスたちと会話するような心に直接伝わるような声がしたき駕する良太郎
「?、この中にいんのにそんなことする必要ねーだろ。空耳かなんかじゃねーか?」
「そうかな・・・」
しかし、この場にいるイマジンには誰も心当たりが無いらしく、良太郎も空耳と思うようにした。が、やはりその声はどんどん大きく、鮮明になってきた!
<早く行かないとこのかお姉ちゃんが殺されちゃうよ!>
「!!、・・・やっぱり聞こえる。行かなきゃ!」
「えっ?ちょっと良太郎さん!?」
やはり聞こえてくる声は気のせいではない。
何故かそう確信した良太郎はわき目も振らず医務車両へ向かった!
・・・・・
「・・・・ん・・う~ん・・・アレ・・・ウチ・・」
眠りから目覚めるこのか、最初の数秒は思考が働かず、ボーッとするがやがて目の前にいる恐ろしい異形に気が付く。
「お目覚めですか?」
「えっ・・ひゃ・・ガバッ!・・んー!んー!」
ヤマアラシイマジンに気付き思わず悲鳴を上げようとしたこのかの口を無理矢理閉じる!
「ひひ、今はまだ気付かれるわけには行かないんですよ・・・
さて、上手く忍び込めましたがこの後どうするか・・・最初はこの娘の前であの女を血みどろにすればお互い寄り添い、友情が取り戻される。と思いましたが今となってはあの女を殺すのは難しい・・・というか取り戻すも何もそもそも、二人の間の友情はなんら変わっていない様子ですし、このままですでに契約は完了も同然・・・しかし、それではおもしろくありませんね~。まだ、誰も恐怖顔を歪ませていないというのに・・」
このかの口を押さえつけながら一人黙々と今後の計画を考えるヤマアラシイマジン、その思案の中では、比較的容易に叶う契約よりむしろ、どうすればこのかや刹那、それに自分の邪魔をしたワカマルスや良太郎を苦しめられるかというものであった。
「んーー!んーーー!」
目の前で恐ろしい考えを張り巡らせながらニタニタと笑うヤマアラシイマジンにこのかは恐怖し、涙を流した。
「おや?これはこれは、なかなかいい顔をしますねお嬢さん。美しい顔を恐怖で歪ませたすばらしい表情だ。・・・そうだ、いい事を思いつきましたよ。まずはアナタのその顔に、私の針で穴を開け、血みどろになった姿のアナタをあの女の前に差し出す。するとあの女は当然あなたにすがりつき、守れなかった無力さから必死に許しをこい、そして、傷つけられたあなたから一生はなれない・・・。良かったですね~。これであなた方の友情は永遠だ。」
「んんーーーーー!!」
よりいっそう恐怖するこのかに針をゆっくり近づけるヤマアラシイマジン。過去にも勝手な解釈で望みを強引にかなえようとしたイマジンはいたが、彼の場合はそれとは明らかに違う。まるで、人の心や体を傷つけることを楽しんでいるようである。
(助けて!良太郎君!アスナ!ネギ君!せっちゃんーーー!!)
針がこのかの顔に突き刺されそうになったその時!
ガシッ!
「!!、特異点!」
ヤマアラシイマジンの針を持つ手を掴む良太郎!
ギロ!
(!!)
バシッ!
「グヘッ!」
何も言わず、ただ無言でヤマアラシイマジンを睨みつけ、そして、誰も憑依していないにもかかわらず凄まじいパワーでヤマアラシイマジンの顔面を殴りとばす良太郎。そんな彼の顔には珍しく怒りがあらわになっていた!
「良太郎君!」
ヒシッ
恐怖から開放され、思わず良太郎に抱きつくこのか、今この瞬間はこの頼りない青年はこのかにとって世界中の誰よりもヒーローに見えた(いや、実際ヒーローなんだけど・・・)このかの恐怖を感じ取った良太郎もそんな彼女を優しく抱き寄せた。
「もう、大丈夫だから」
その口からはこのかを慰める優しい言葉が、そして、その瞳からは彼女に怖い思いをされ、あまつさえそれを楽しんでいたヤマアラシイマジンに対する。怒りが溢れていた。
「ちょっと、良太郎。一体どうしたって・・・ってイマジン!?」
「どうしてここに!?」
突然後続車両に向かった良太郎を追いかけてアスナたちもやってきた。
「お嬢様!!」
一目散に良太郎に抱きしめられたこのかの元へ向かう刹那
「お主、一体姫に何をしたでござる?」
静かに怒りを燃やし剣を構えるワカマルス、その心の内は、ヤマアラシイマジンへの、そして、彼の乗車に気が付かなかった自分自身への怒りに満ちていた。
このかを抱きしめる刹那もまた同様の感情を抱いていた。
「せっちゃん。ウチ、もうダメかと思ったときなあって思ったとき色んな人の顔が浮かんだんよ・・・そんなかにはせっちゃんもいた・・」
このかが死を覚悟した瞬間に感じたもの、それは、何よりも刹那との関係がこのままで終わってしまうことへの恐怖だった。
「お嬢様・・・」
「せっちゃん・・ウチがなんか悪いことをしたんなら謝るから・・・だから・・ずっと一緒にいてえな・・」
そんなこのかの言葉に刹那もまた大粒の涙を流す
「このちゃん!・・・うん、ウチも約束する。もう二度とこのちゃんからはなれへん!ずっとそばにいて、いつもすぐそばでこのちゃんを守り続ける!」
そう言って抱きしめあう刹那とこのか、きっかけこそイマジンの卑劣な策謀であったが、二人の友情は今、完全によみがえった。
「いや~、素晴らしい!私も頑張った甲斐がありましたよ。コレで契約完了ですね?」
と、そんな二人の間に無粋な輩が割ってはいる。
「ふざけておるのか貴様?完了も何もお主は過去へなどゆけん!この場で斬られるのだからな!」
「人ん家で随分と好き勝手やってくれたじゃねーか!覚悟しな!」
ヤマアラシイマジンの前に対峙するモモタロスとワカマルス、しかし、なぜかヤマアラシイマジンは依然として笑みを浮かべている。
「キヒヒ、いいえ、生かせてもらいますよ・・・こうやってね!」
パシュパシュパシュパシュ!
針攻撃を放つヤマアラシイマジン!
しかし、そのターゲットはモモタロスたちではなく・・・
「ひゃあ!」
「お嬢様!」
「姫!」
ドスッ!
「うっ・・・!」
「くっ!」
「ワカマルス!」
「せっちゃん!」
このかに向けられた卑劣な針は、ヤマアラシイマジンの狙い通り、ワカマルスの足と刹那の肩を貫いた。
「ヒヒ、これで厄介な高速移動は使えませんし、残る敵は特異点だけ、決着は過去でつけましょうか。」
シュッ
ガチャン!
刹那たちが攻撃を受け、一同が動揺した一瞬の隙をつき、個のかの体からタイムスリップするヤマアラシイマジン
扉の向こうへ行く直前、こんな捨て台詞をはいていった。
「ああ、そうそう、先ほどの仕返しに少々面白い趣向を用意しておきました。過去へ飛んだらまっさきにそこにいる二人を真っ先に串刺しにして差し上げますよ。クヒ、クヒヒヒヒ!精々残り僅かで消えてしまう命と友情、大事にしてくださいね。」
シュウウウン・・・
「まさかデンライナーの中から行くなんて・・・」
ヴウウン・・・
このかにライダーチケットを沿えて、効果を発動させるハナ
「1995年3月15日・・・この日に心当たりは?」
「それって・・・多分、ウチが麻帆良に通うために京都から出て行った日やな。」
その日は、このかにとって少し後悔の残る日だった。
数日前に溺れて以来、剣の稽古が忙しくなってあえなくなっていた刹那に最後のお別れを言えずに京都を後にした。日であったのだ・・・。
「あんにゃろ~舐めたことばっかしやがって!おい良太郎!俺たちもとっととアイツを追いかけるぞ!」
あまりにも卑劣なヤマアラシイマジンにスコーピオンイマジン以来の激しい怒りを抱くモモタロス!そして、それは良太郎も含めこの場にいる誰もが思っていた共通の気持ちだった。
「うん、アスナちゃんやハナさんはここで刹那さんとワカマルスを手当てしてあげて、」
「オッケー!」
「アッ!僕もやります。コレくらいのキズだと治すことは難しくてもなんとか痛みを和らげることくらいは・・・」
「お願い・・・いくよモモタロス!」
カシャーン
「変身!」
ピッ、
<SWORD FORM>
シュウウン・・・
良太郎の目の前でモモタロスは姿を消し、体に入ってくる。
カシャン
「俺、参上!」
そう言って電王は一番先頭の車両へ走り出した。
カシャン
ギュウイイイィンーーー
先ほど発行されたばかりのチケットを装填して起動、1994年へと向かった!
・・・・・
1995年3月15日・京都駅前付近
このかはこの時、お屋敷の人が車で京都駅まで連れて行く最中であった。
「もうスグ駅に着きますよお嬢様、気分は悪くないですか?」
「うん、全然平気や・・・」
元気の無い返事をするこのか、使用人たちも心配はするものの、大方、生まれ故郷を離れることや、仕事で見送りにこれない父のことを思っているのだと考えていたがそうではなかった。
(せっちゃんとちゃんとお別れでけへんかったな・・・)
ザアアア・・・
「!、ひゃっ!」
「うわあああーーー!」
ガシャーーーン!
突然車内に現れたヤマアラシイマジンに車内は混乱!
車を制御を失い、壁に激突し、運転手などは気を失ってしまった。
タッタッタッタ・・
そんな中なんとか車から降りたこのかはどうゆうわけか自分を狙ってくる怪物から逃げるため必死に走った!
「ヒヒヒヒ、やはり、狩りは邪魔者がいないところで逃げるものを狙うに限りますね~。では、遊びましょうかお嬢さん?」
パシュパシュパシュ!
「きゃあ!」
逃げ惑うこのかがわざと避けられるか避けられないかというギリギリのスピードで針を放ち、恐怖に震えるこのかをみて楽しむヤマアラシイマジン
ファアアアアンーーー
ブオオオオン!
そこへデンライナーが現れた!
キィ!
「よお!待たせたなー!」
マジンデンバードで降りてきた電王!
「フフフ、もう少し後でも良かったんですがね~」
そう言って、槍を構えるヤマアラシイマジン
「そう言うなって、ガキを狙うより俺と戦うほうが楽しいぜ?」
「気が会いませんね~、私は弱いものを一方的に串刺しにする方が興奮するのですが・・・」
「ほ~お、どうやらテメーとはトコトン趣味が合わねーようだな?」
「ええ、全く」
あふれ出る怒りをあえて押さえ、親しげに語りかける電王、ヤマアラシイマジンもそれと同じ心境のようである。
互いに武器を構える両者。
「あ、あの・・・お兄ちゃんは、ヒーローさんなん?」
突然の事態に戸惑いながらも自分を助けてくれたらしいヒーローのそばに駆け寄るこのか
「ああ?・・まーな、アイツはこれから俺にぶっ倒される怪人で俺様はそれをカッコよくやっつけるヒーロー・・そんでもってお前の未来のダチさ!」
そう言ってこのかの頭を優しく撫でる電王
「未来の?」
「ああ、まあ、細かいことは気にすんな!アイツは俺がぶっ飛ばすからお前はどっかに隠れてなこのか」
そう言ってこのかをにがす電王、そしてデンガッシャーを構え、ヤマアラシイマジンの方を向く
「クフフフ、まあ、楽しみは後にとって起きましょうか・・・まずはあなたから串刺しにして差し上げますよ電王!」
パシュパシュパシュパシュ!
「テイテイテイテイテエーーーイ!」
キンキンキンキンキンキン!
放たれた針をその優れた反射神経と動きですべて弾いた電王
「こんな技俺には通じねえ!男だったらたまにはその槍で攻撃してきやがれってんだ!行くぜ行くぜ行くぜーーー!」
そう言ってヤマアラシイマジンに接近戦を挑む電王!
・・・・・
同時刻・デンライナー内
パアアア・・
治癒魔法の光を刹那の肩にあてるネギ
「どうですか?」
「ええ、大分楽になりました・・・つっ!」
「やっぱりネギ君の魔法とココの設備じゃ応急処置が限界みたいね・・・」
手当てを受ける刹那とワカマルス。本人達は勤めて平気なフリをしているが、やはりダメージは軽くないようであった。
「いや、拙者たちのことは心配無用でござる。それより良太郎殿やこの時代に姫が心配でござる。ハナどのたちはそちらへ・・・我々も少し休みたいので・・・」
「そう?わかったわ。じゃあこのかはここに残って看ててあげて、私らは良太郎たちが戦いに集中できるように、ちっちゃいこのかを迎えに行くから。」
そう言ってデンライナーから降りるアスナとネギとハナ、車両には、このかだけが残った。
「せっちゃんにワカちゃん大丈夫?なんかウチにできることとかあらへん?」
心配そうな顔をするこのか、自分のために怪我をした二人に心を痛めていた。自分もネギのようにせめて二人の痛みを和らげることができたらと己の無力さをかんじながら。
「・・・。大丈夫ですよお嬢様・・すいませんが、少しコチラへ」
「うん?どなしたんせっちゃん?」
そんなこのかを看て刹那はあることを考えた。このかを手招きし、
「・・・・お許しを」
トン
「へっ?」
ドサッ
このかの首の辺りを軽く叩き、脳震盪をおこして気絶させた刹那
そして、このかを自分が寝ていたベッドに寝かせ夕凪を持った。
「その体で行くのか?」
「ああ、お嬢様をお守りするのが私の使命、例えどんな時代でもそれは変わりはしない。」
「やれやれ・・・頑固な契約者でござるな」
そう言ってワカマルスもまた立ち上がり剣をとった。
「クス、そういうお前もさっきからずっと出るチャンスをうかがっていたように見えたぞ?」
「生憎拙者も頑固でな、それにお主の使命が姫を守ることなら、拙者の使命はこの世界を守ること、こんなところで寝ているわけにはゆかんでござる。」
そう言って互いに互いのことを認め合う似たもの同士二人の剣士、守るものを目の前にして、休むことなど彼らにはできないのであった。
「フフ、では行くかワカマルス!」
「応よ我が契約者刹那殿!」
そうして二人もまた戦地へ向かっていった。
・・・続く・・・
おまけ
【デンマギファイル】
DEN-Oベルト・・・良太郎を電王へと変身させるための変身ツール。良太郎がパスを手にして戦いを決意すると、現れる。
チャクラと呼ばれる人の体の中に眠るエネルギーを実体化させ、良太郎の体を包み込み電王へと変身させ、さらにフォームチェンジスイッチを押すことで契約したイマジンの力をその体に纏うことができる。
以下は本作品のオリジナル設定
概念としては本作品においてはチャクラは気と同じところにあると位置し、自身のオーラのみを纏った姿プラットフォームはいわば気による肉体強化、また、M良太郎などのイマジン憑依時の良太郎は外部からのエネルギーによって強くなるため魔力強化に近い位置に属し、ソードフォームなどの双方の力を使うのはある種の魔力と気の合成と同じ効果があるという設定で、つまり、本作品における電王は“未来の科学によって特殊な人間(特異点)をカンカ法によって強化した戦士”ということになる。
また、本作品のベルトはTV版よりあらかじめスイッチが多いということになっている。
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