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第31話 敗れる疾風、ガラスのカラス!? 投稿者:仮面ライダーマンティス 投稿日:05/30-23:03 No.2479  

世界樹広場近郊で戦闘を開始する電王とフォックスイマジン
ソレを見守る楓と史伽

ヒュン!ヒュン!

「チッ、俺のこの動きについてこれるたあやるじゃねえか!」

俊敏な動きで電王に襲い掛かるフォックスイマジン!
その速度はかなりのものであったが・・・

「この動き?その程度でスピード自慢とはいわんでござるよな?」

その素早い攻撃をことごとくよけける電王

(うむ、双方なかなかの速度でござるが、これは良太郎殿に分があるでござるな)

二人の戦いを観察し、双方の戦闘能力を分析する楓、彼女の目から見ても、スピードにおいては電王に軍配があがる。

「チッ!なめたことを・・・ならこいつでどうだ!」

シュウウウン!

「!!、狐の怪人が分身したです!」

「む!」

「「ハッハー!いくらテメーが早くても、流石に二人になった素早い俺様の攻撃は完全には避けられまい!」」

分離し、左右から電王を襲い掛かるフォックスイマジン!

「確かに・・・ならば避けるのはやめでござる。ハアッ!」

シュンシュン!

「「グワー!」」

襲い掛かった瞬間!電王は一瞬でデンガッシャーを組み上げ、尋常ではないスピードで、二体のフォックスイマジンは同時に斬り裂いた!

「確かに二つの攻撃をよけるよりは二つ同時に攻撃するほうが手っ取り早いでござる。」

シュウウン・・・

「ち、ちくしょ~・・・」

ダメージを受け片方の分身が消えるフォックスイマジン
自慢のスピードで完全に遅れを取っただけでなく奥の手の分身まで破られ、屈辱を感じると共に、自身の命の危機を感じていた。

「すごいですすごいです!良太郎君メチャクチャ強いです!」

「勝負あったでござるな。あの一瞬の動き、拙者でも完全には追いきれなかったでござるよ。」

(くそっ!なにか上手くこの場を逃げる方法はねーのか?このままじゃ・・・)

<---を狙いなさい>

(!、だ、誰だ!?)

絶対絶命の危機に晒されるフォックスイマジンの脳にないものかの声が響いた!

<今は私の正体などさして重要ではないでしょう?あなた方の味方とだけ言っておきましょうか。ソレよりいいですか?うまく彼の目を盗み、分身でーーーをねらいなさい。そうすれば・・・>

・・・・・

同時刻

「ここか、怪物が現れたと連絡が入った場所は?」

「ああ、仮面の男・・・良太郎さんと戦っているらしいから問題はないと思うが」

フォックスイマジンの出現を聞き、現場に最も近い場所にいたことから刹那と真名がすでに近くまで急行していた。
ちなみに現在周囲には、非戦闘員の魔法先生により人払いの魔法がかけられている。

「ひゃあああ~~~~~!」

「!!、今の悲鳴はまさか!?」
「急ぐぞ!」

現場に向かう最中聞こえた絹を裂くような声!
もしや戦闘中の良太郎の身になにかが!?
そう思い急ぐ刹那と真名、彼女たちが見たものは・・・・

ダクダクダク・・・・

「ひゃあ~~~~」

自らの鼻血でできた血だまりに沈むW良太郎だった。
その周りには史伽と、

「おおっ、刹那に真名!ちょうど良かった。上着を貸しくれぬか?」

服を破かれた楓がいた。

「狐の怪人がでてきて良太郎君が変身して戦ったですけど、怪物が楓姉の方に襲い掛かってきて服を破いたら鼻血ふいて倒れちゃったんです~。」

「うう、無念でごじゃりゅう~~・・・」

シュウウン・・・

そう言って憑依を解くワカマルス

「・・・・・今のがこないだお前に憑いたとかいうやつか?」

「・・・ああ、すみません良太郎さん。大丈夫ですか?」

「う~ん、なんとか・・・でも、イマジンを逃がしちゃって・・・」

鼻血を拭い、鼻にティッシュつめる良太郎、前回以上に大量の鼻血を出したせいか、顔色が目に見えて悪い。立ち上がろうとしても、すぐに倒れそうになる。

「無茶しないでください。龍宮、ひとまずココから近いお姉さんの店にお運びしよう。楓と鳴滝さん、すまないが事情をきかせてもらえないか?」

そう言って刹那と真名で良太郎を担ぎ、ミルクディッパーへと向かった。

・・・・・

ガクッ!

(チッ!あの糸目の女!咄嗟にこんなもん体に打ち込みやがって!)

カラン

痛みに耐えながら、自らの体に刺さった手裏剣を抜くフォックスイマジン

(・・・おまけに特異点か、まあ、願いはガキを連れてくることだし、少し休んで体力をとりもしたら慎重に探し出すか。)

・・・・・

10分後・カフェミルクディッパー

「は~い、ブレンドお待たせしました~。」

「愛理さ~ん、こっちもコーヒーおかわりいいですか?」

「愛理さ~ん、今度もし宜しかったら僕と・・・」
「テメー!何抜け駆け・・・じゃなくて愛理さん、イヤ、愛理様の邪魔をしてんだ!」

店内は春休みということもあり、いつも以上に多くのお客でにぎわっていた。ただし、ココをライブラリ=図書館として利用するものはあまりにも少なかったが・・・

「いやいや~、今日も凄まじいね~愛理さんの店は」

「女子校エリアだというのにココまで男性が集まる場所は他に無いでしょうね。のどか、大丈夫ですか?」

そんな中店のはじの席で星の本を読みながら店の異様さを眺めるハルナ、夕映、のどかの三人、夕映は元来男の人が苦手なのどかを気遣っていた。

「うん、大丈夫、ところでパル、どうして学級新聞なんてよんでるの?」

ふと目をやるとハルナの手には朝倉が所属する新聞部が発行する“麻帆良タイムス”があった。

「また、電王とかいうののことがのってるですか?」

「またまたあ~、あんただってこういうのキライじゃないくせに~、ていうか作り物とかじゃない現実に現れたヒーローだよ!?興味持たないほうがおかしいでしょ!」

好奇心の塊のような少女、ハルナはキラキラと目を輝かせ語った。
まあ、実際、彼女に限らず、根拠の無いことならともかく実際二度ほど電王を目撃し、本物と認識した夕映やのどかも気持ちはあったのだが・・・。

「でも、一体誰なんだろうね?なんだか少し乱暴そうな感じだったけど・・・」

「大体、学年末試験の前、良太郎さんがこっちに戻ってから出始めましたよね?」

「まさか!良太郎っちが!?」

「いや、ありえないでしょうそれは」

「そうだよ~。声とかも全然違うし」

「アハッハッハ!冗談冗談!まあそれにしてもその電王を初め、最近学園内では謎の面白人間が続出してんだって!ホラ」

そう言ってハルナは新聞をテーブルに置き記事を見せた。
記事には『今、不良からデスメガネの次に恐れられる謎の男、紅い瞳悪魔』やら『夜のみ姿を現し、生徒やその保護者すら惑わす謎の伊達男、通称良様』やら『学園には怪物が潜伏?ひん曲がる電柱』などという記事が載せられていた。
それが全て、ある一人の身近な男が行ったこととは、記事を読む三人はゆめにも思わなかった。

カラン♪

「いらっしゃ・・良ちゃん!どうしたのその顔!?」

店の中に帰ってきた良太郎たちの顔を見て駆け寄る愛理とハルナたち

「あ~あ、コリャまたいつものことながら・・・ていうか桜咲さんや長瀬さんも一緒なんだ。」
「今日はどうしたですか?また飛んできたボールがぶつかってですか?」
「それとも階段から転んだとか?」

「ああ、その・・・偶然そこであいまして・・・」

刹那が咄嗟に取り繕おうとする。ちなみにココへ戻る最中にて史伽たちには魔法関係を抜きにした一通りの説明がなされているため、口裏はあっている。

「そうなの~、良ちゃん平気?」

「う~ん、大じょ・・・シュウウン、ああ、もうダメだよ姉さ~ん」

そう言って突如愛理の体にもたれかかる良太郎・・・いや、

「げっ、ウラタロス・・・」

「また、新しいの・・・病院にいたやつか?」

「あらあら~、少し休まないとね」

「うん、でも今は動くのもつらいから、しばらく姉さんの腕の中で・・「何弟の体で愛理さんをくどいてんのよこのスケベ亀ーーー!」ゲフッ!」

横から現れたアスナのキックにより吹き飛ぶU良太郎

「ウオッ!アスナ、何処から入ってきたのよ!?」

「あっ、せっちゃんおはよ~」

「お嬢様!」

「あ~ん~た~ね~、食堂車にいたら突然ワカマルスが鼻血拭いて戻ってきて、心配で探し回ってた隙に良太郎の体を使うなんて!スグのっとられる良太郎も良太郎よ!」

ビシビシビシビシビ!

そう叫びながら、倒れたU良太郎の胸倉を掴み往復ビンタをするアスナ

「ブブブブブッ!」

「アスナアスナ!それ身体は良太郎君やで!?」

「かまやしないわよ!半分はコイツの監督不行き届きなんだから!それになんか見ててイライラすんのよ。このバカがヘラヘラして女口説いてるの見ると!!」

シュウウウウン・・・

一頻りビンタを終えるとウラタロスの憑依は解除された。

「ちょっとアスナどうしたのよ?痴話げんか?うわっ!良太郎っちなんかもう死体みたいになってるよ・・・」

「アスナちゃん、ウチの良ちゃんがまたなにかやっちゃったの?」

・・・・・

デンライナー内

「このエロ亀!!」

バシッ!

「あたたた・・、戻ってきたら今度はハナさん!?」

アスナのビンタから逃げるため脱出したウラタロスに待ち受けていたハナのキック、まさに中から外への二段構えである。

「とにかく!何度も何度も言うけどイマジンと戦う時以外に良太郎の身体を使うのは禁止!後、ワカマルスがこんなんだしキンタロスは寝てるしだから、イマジンが出たらあんたが戦うのよ!」

ぐごおおお!と、いつものようにいびきをかきながら眠るキンタロスと目をぐるぐる回しながら眠るワカマルスを指差すハナ

「ええ~?あんまり気乗りしないんだけどな~、ハアッ、こういうメンドクサイ時に限って先輩は家出しちゃうんだもんな~」

心の其処からメンドくさがるウラタロス

「でも~、確かにモモちゃんがいないと寂しいですよね~。この電車もいつもより広く感じちゃうし・・・」

「いや、○比家じゃあるまいし・・・、まあ、あいつがいればイマジンも見つけやすいってのは認めるけど・・・ったくあのバカ!変えてきたらとっちめてやんないとね!」

の○太君のようなことをいうナオミに突っ込みを入れつつ、モモタロスの有用性をしぶしぶ認めるハナ、普段の扱いはぞんざいだが、残されたパンチラで戦闘不能になるガラスのエースと気まぐれなエロ亀に冬眠熊を見ながら、溜息をこぼしていた・・・。

・・・・・

ミルクディッパー内

「・・・なるほどね、状況を整理するわよ。まず、史伽ちゃんはプリンで風香ちゃんと喧嘩して家出、ソレを探している最中にイマジンに無理矢理契約、あいつは風香ちゃんを狙っていると」

「あうぅ、」

自分の所為で姉が危険に晒されたと知り、落ち込む史伽

「アスナ殿、あの時は別に史伽殿には過失は・・・」

「わかってる。あいつらいつも勝手に望みを聞いて行動しちゃうのよ。で、次は良太郎ね。アンタは同じくプリンで家出したバカモモを捜索中、例によってイマジンと遭遇したってわけね?そういえば一緒にいたネギは?」

「うん、途中で分かれたから、多分今は他の先生たちと一緒に風香ちゃんを探してると思う。」

「・・・・プリンで家出って、二人とも凄まじく馬鹿げた理由でいえでしたな・・・モモタロスってのは私らが初めてあったやつだろう?良太郎の身体に憑いているのはそんなんばっかか・・・」

そのあまりのくだらなさと、鼻血で倒れた奴と、勝手に出てきてナンパをする奴を思い出し、真名は良太郎を哀れむような目で見た。

「ねえねえ!皆さっきからなんの話してんの?」

「いっ!パル!べ、別になんでもないわよ!」

話に首を突っ込んできたハルナに慌てるアスナ、マズイ、何があってもハルナと朝倉にだけはばらしてはいけない。アスナはとにかくソレだけを考え全力で話を逸らそうとした。

「あ、あれ~、そ、そういえば愛理さんはどこいっちゃったのかな~?」

「ああ、それでしたら先ほど『良ちゃんが貧血気味だからレバーでも買ってくるわね』といってでかけましたが」

「出かけたって・・・今、バリバリお客さんいるえ!?」

時間は午前11時、先ほど述べたが、時期的にも時間的にも大変混雑していたりする。

「愛理さんは、『少し良ちゃんにお願いする』といってましたが・・」

「わ、わかった・・・ちょっとだけなら・・・わっ!」

立ち上がろうとして足元のバランスを崩し、倒れそうになる良太郎、慌てて刹那とそれを抑える。

「無茶ですよ良太郎さん!そんな身体じゃ」

「ったく、しょうがないわね~。私らがやってあげるからアンタは少し休んでなさい!」

そう言ってエプロンをつけ、カウンターに入るアスナ

「えっ?アスナアンタ、たしかロクに料理も出来ないんじゃ・・・」

「大丈夫だって!前に何度か臨時収入がほしい時、ここで働いたこともあるし、ただ愛理さんほど仕事が早くないから、接客の方はこのか頼める?」

「了解や」

「お嬢様が働く出したら私も」

「なんだか楽しそうだね~、よっしゃ、私らもたまには手伝うか。愛理さんにはいつもサービスしてもらってるし!」

「そうですね、では私とのどかはカップを洗うです。」

「がんばりま~す。」

「このノリだと私らも手伝わなければならないようだな。ま、ツケにしておいてやるよ。」

「あいあい」

そう言ってアスナに続き、次々にエプロンをつけ仕事に取り掛かる3-Aのクラスメイトたち、良太郎は感謝しつつ、やっぱり悪いよ。と言うも、『アンタは黙って休んでなさい!』と強引に店のはじに追いやられるのだった。

・・・・・

その一時間後・世界樹広場

「う~ん、一体風香さんどこにいっちゃったんだろう・・・」

ネギは他の魔法先生たちとともに別れて風香に捜索に当たっていた。

「「アッハッハッハ!」」

「ん?この声は」

捜索が難航してるとき、ふとネギの耳には聞き覚えのある声が聞こえた。急いで其処に向かうネギ、そこには

「あっはっはっは!そのギャグ最高!モモタロスってばセンスある~!」

「オメーも大したもんだぜ?この高度なシャレがわかるやつは俺の周りにはいねーからな!」

探していた人物、モモタロスとと風香が和気藹々とおしゃべりしている姿だった・・・

ズシャアアア!

「あっ!ネギ先生」
「ネギ!」

そのあまりにもシュールな光景に思わず派手にこけるネギであった。

「あれ?モモタロスはネギ先生のこと知ってんの?ねえねえ、ネギ先生!この子良太郎が家で飼ってるペットなだってさ!いや~、最初はびっくりしたけど話してみたら凄くおもしろくてさ!」

「ペットじゃねえ!それよりネギ!なんでオメーがここにいんだよ!ああ!さては俺の必要性にあいつらも気付いて総出で探してるんだな!そうだろおい?」

モモタロスの顔には手紙には探すなとかいてあったにもかかわらず明らかに期待が込められていた。

「い、いえ・・・僕と良太郎さんはそうなんですけど・・・他の人は・・ほっとけって・・」

だが、正直者の少年は、そんなありえない期待を抱いたモモタロスにつらい現実をつきつけたりした・・・。

「あいつら~!」

「そ、そんなことより早く戻りましょう!実は今イマジ「「イヤだ!」」って、ええっ!?」

「んな薄情な奴らのところになんてもどりたくないね!大体良太郎の・・・」
「僕もヤダね!史伽や楓姉のところには戻らないよ!それに・・・」

「「プリンをバカにしたことは許せないんだよーーー!!!」」

二人の声が見事に重なり合う!
この実に大人気ないバカな年上二人のバカな主張に、ネギはあいた口もふさがらず、しばし、そのあまりにくだらなさという衝撃に言葉を失った・・・。

・・・・・

同時刻・ミルクディッパー内

「ありがとうございました~」

店内は滞りなく営業していた。
店の最大の魅力である愛理がいなくなり一時は帰ろうとしたお役もいたが、可愛いアルバイトたちに普段とは違う魅力を感じたのか、全体としては相変わらずの盛況だった。

「新しいバイトの娘かな~、愛理さんが一番ダケドこっちの娘もなかなか・・・」
「く~!そこらのメイド喫茶とは比べ物にならないな!貯金はたいてでも毎日通おう!」

などと言った感じである。
ちなみに仕事の割り当ては、コーヒーはアスナが淹れ、このか、刹那、ハルナが接客、のどかと夕映は洗い物、真名はレジ、史伽と楓はライブラリの整理と店内の清掃を行っていた。
ほとんどがバイト初体験ということもあり、正直、作業効率は早いとはいえないが、そこは人数とそのバイタリティでカバーといったかんじであった。

「う~む、スゴイ盛況でござるな~、そういえば良太郎殿?そちらの望遠鏡は掃除しなくて良いのでござるな?」

一頻り掃除を終えた楓は、店の中心に置かれた珍しい形の望遠鏡に目を向けた。

「うん、それの掃除はちょっと理由があって、いつも僕がやることにしてるから・・・」

と、少し切なげな表情をみせる良太郎、その顔の“理由”を知っている。アスナとこのか、そして図書館探検部の三人は、そんな良太郎をそっと見守り、理由を知らない刹那は、そんな悲しそうな顔の良太郎を心配した。
そんな時、事件が起こった。

「おいお~い!ここは喫茶店の癖にナポリタンもおいてね~のかオイ!?」
「なめてるとしかいいようがないっすよね~兄貴ぃ、しかも口説こうとした評判の美人店長はいねーしよ!」
「ですよね~、それとも何、やたらかわいい娘いるけどおさわりありとか?」

知性の欠片もないいちゃもんをつけ、注文を聞きに来たこのかに絡む、客三人、彼らはこの後、とてつもなく悲惨な目に遭う。

「あ、あの~それくらいにしてくれませんか~」

「ああん?こっちはナポリタンが食えなくていらだってんだよ!へへ、まあお嬢ちゃんがこっちで俺たちとあそんでくれたら・・ザシュ!・・えっ?ザシュって・・・ぎゃあ~~~~!俺の自慢のリーゼントがあああああああ!」

「せっちゃん!」

強引にこのかを引っ張ろうとしたリーダー格と思われる男のリーゼントをスッパリと斬り裂いた刹那、その顔は殺意に満ち溢れていた。

「貴様ら・・・、そのお方に指一本でも触れてみろ。今度はそのフランスパンみたいな頭じゃなく、スカスカの脳みそを斬るぞ?」

「てめー!刀なんてもってなにを「暴力はいけないでござるよ刹那」ってあいたたたた!」

反撃に出ようとした子分らしき男の腕を捻る楓

「ち、ちくしょおおお!俺の自慢のリーゼントを~、てめーらもう“泣いたって”許さねえからな!」

シャキン!

そう言ってキレた元リーゼント男は折りたたみ式のナイフを出した!

「きゃああ!」

「ヤバッ!」

「だ、だよね、流石にアレは、警察に電話・・・」

悲鳴を上げるのどかに、危険を危惧するアスナ、それに同意するハルナだったが、アスナの言う危険の意味は、二人とは少し違っていた。
そう、愚かな元リーゼント男はNGワードを言ってしまったのだ・・・。

シュウウウン

「泣けるでえ!」

横になって眠っていた良太郎が突如元気に起き上がる!

「やっぱり・・・」

呆れるアスナ、内心不良に同情した。

「誰や俺の強さを見たいんは?」

「キンちゃ・・・良太郎君!」

「おい・・・、アレもまさか」

「ああ、キンタロスだ・・・」

「あれ?良太郎っちなんか髪の毛のびてない?」

「そんなことより止めないと!」

不良のほうに向かうK良太郎を心配する図書館探検部の三人、だが、彼女たち以外の良太郎の正体を知るアスナたちは、むしろ不良の方を心配した。

「んだテメーは!ひっこんでろ!」

そう言ってナイフをK良太郎の鼻先に突きつける元リーゼントであったが・・・

「なんやお前、こないなもん店で振り回したら危ないやろ。しまっとき」

パキン!

折りたたもうとしてあっさり折れるナイフ・・・

「ぎゃあああ!俺様の自慢のナイフがポッキーみたいに折れたあああああ!」

「あ、あれ?なんで壊れたん?」

「てめえええええ!もうぜってえゆるさねえ!死ねええ~~~!」

完全にキレ、拳を突き出す不良!だが、

「どすこい!」

ガシャーーーーーン!

「ぎゃあああああああ!」

不良の拳K良太郎の顔面に当たるより早く、K良太郎の張り手が不良の腹にあたり、不良は窓から飛ばされてしまった。

「ああ!あかん!また壊してもうた!」

「兄貴ーーー!」

飛び出した元リーゼントを追いかけようと店を出ようとする子分二人だが、悲劇はまだ終わらない。

「まて、お前ら勘定がまだだぞ、5万円だ」

鬼より怖いスナイパーレジ係がいた。

「たけーよ!つーか俺らまだなんも注文してねーし!」

「割れたガラス代だ。あと迷惑料」

「割ったのはてめーんとこのあの化物だろ!?」

あまりにも理不尽な要求に異議を唱える不良たちだ、すぐに黙ることになる。

「ふー・・、心配しなくてもツリはこいつでたっぷり払ってやるぞ?弾丸(こいつ)でな」

そう言って子分の額に銃をつきつけたのだ。

「ひいいいぃ!払いますから~!」

そう言って不良たちは財布の中から5万円を出し、店の外で気絶していた血みどろの兄貴を連れ、逃げるように帰っていった・・・。

シュウウウン・・・・

「ああ、今度は店が~」

嵐が過ぎ去った後のような光景を見てショックを受ける良太郎、イマジンが4体もついている彼には文字通り休んでいる暇さえないのだ。

「ちょっとちょっと!良太郎っち今なにやったの!?すんごい力であの不良吹き飛ばしたけど!?」

「というか、ナイフもマッチ棒のように折りましたよね?」

良太郎の豹変に興味津々のハルナと夕映、マズいところを見られてしまった・・・。

カラン♪

「ただいま~、アラ?ごめんね~皆、もしかしてお店手伝ってくれたの?」

と、そこへ愛理が両手一杯にビニール袋を持って店に戻ってきた。
ちなみに能天気な彼女はまだ、割れた窓には気付いていない。

「あ、あー!愛理さん!いいんですよ別に!そ、それよりもその袋なんですかあ?」

これをチャンスと思い、必死に話題を良太郎から逸らそうとするアスナ

「(う~ん、怪しい・・・けど、どうやら簡単には口を割りそうにないし、ココは油断させて良太郎っちの様子をみよかな?)あ~、なんかたくさんありますね~」

アスナがなにか隠しているのを見抜いたハルナ、しかし、あえて、ここで真相を究明するよりも、じっくりと良太郎を観察したほうが良いと判断し、アスナの話にのかったのだった。

「レバーよ。やっぱり貧血の時はコレよね~、それでお肉屋さんにそのこと話したら“今日も”いっぱいサービスしてもらっちゃった。本当、ここの商店街の人はサービスしてくれるわよね~」

その原因が己の魅力だともしらずに喜ぶ愛理、一方良太郎はそんな姉の魅力によって大量に購入された山盛りのレバーを見て、一層顔色を青くするのであった。

・・・・・・

同時刻・再び世界樹広場

「ですか~二人ともいい加減かえりましょうよ~」

「「イ・ヤ・だ!」」

ネギの説得にも耳を傾けないモモタロスと風香、

「も~う、わかりました!そんなにプリンが食べたいなら僕が奢りますから~!」

「「えっ!?」」

その魅力的な提案に一瞬心を開きかける二人、だが、

「バ、ババババカにすんじゃねえ!」
「そ、そそっそうだよ!僕らは別にプリンがほしくてすこうしてるわけはないんだ!プリンを軽視した奴ら怒ってんだよ!」

と、わけのわからない意地をはり続ける。
徒党を組んだバカは一人の天才より強かったのえあった。
そこへ、ネギが心配した最悪の事態が起きた!

ザアアアア!

「見つけたぞガキ。さあ、ちょっと来てもらうぜえ」

フォックスイマジンが現れた!

「わああ!」

「ヤロー!ネギ、風香をつれて逃げろ!俺が相手だアア!」

そう言って勢いよくフォックスイマジンに立ち向かおうとするモモタロスだが・・・・

「うぜえんだよ!」

ザアアアアア!

一蹴・・・
文字通り一撃で蹴散らされてしまった・・・。
だが、その衝撃で砂埃が立ち

「今です!逃げましょう風香さん!」

ネギが手を引いて、うまくこの場を脱出した風香、モモタロスもそうそうにこの場を離れていた。

「チッ!逃がすかよ!」

・・・・・・

数分後・中等部校舎体育館倉庫

「ハァ・・・ハァ・・・ココまで来ればひとまず」

「おいネギ!どういうこった?なんであのイマジンがコイツをねらってんだよ!?」

「僕を!?」

当然の襲撃に混乱するモモタロスと風香
だが、状況はそんな彼らの質問に答える間も与えなかった。

「どこだガキども!隠れても無駄だぞ!におい大体の場所はわかるからなあ!3分やる!それ以上かくれんぼを決めこむってんならこの倉庫ごと燃やすぞ?」

フォックスイマジンがすでに近くまできていのだ。

「ど・どうしようネギ先生・・・」

ネギにしがみつき震える風香

「だ、大丈夫です風香さん・・・な、なんとかしますから・・・」

そんな風香を必死に安心させようとするネギ、自身も恐怖から震えだしそうになるのを必死に押さえ込んでいる様子だった。
そして、そんな二人に対し、何も出来ないことをはがゆく感じるモモタロスは・・・・

(~~~~、だあもう!あいつよぶのは癪だがしかたねえ!)

シュウウン・・・

心の中で相叫びながら、モモタロスの頭上にあった己の下半身を、ある場所に送った。

・・・・・・

同時刻・再びミルクディッパー

「うっぷ・・・ご、ごちそうさま・・・」

愛理の料理した山盛りのレバーを涙目になりながらも完食した良太郎、そのあまりの気持ち悪さから、むしろ顔色はより一層悪くなっていた。そんな時、

シュウウウン・・・

スタッ

「あ、あれ?」

本人の意思とは別に突如立ち上がる良太郎の足、そして、そおの足はそのまま回れ右をし、店の外に向かっていった。

「えっ?えっ?ええええ~~っ!?」

良太郎の意思を全く無視し、突然、良太郎の下半身がある場所に向かって走り出したのだ!

「えっ?ちょっ!どこいくのよ良太郎!?」

「僕にもわからない~~~~!」

そう言って、良太郎は猛スピードで店を後にしたのだった。

「やっぱりレバーが聞いたのかしら~?良ちゃんったらあんなに元気に走り出して」

それをのーてんきに見守る姉、アスナは詳しいことは分からないまでも多分、良太郎がまたきっと、ロクでもないめに会わないんだろうな~という、確信のような予感を胸にしていた・・・。

果たして良太郎は間に合うのか?

「た~す~け~て~」

というか無事に現場まで辿り着けるのか!?

・・・続く・・・

おまけ 
【デンマギファイル】
ヤマアラシイマジン・・・2003年にやってきた未来人のエネルギー体がこのかの思い描くヤマアラシのイメージによってこの世に現出した姿。このかの『刹那と昔みたいに仲良くなりたい』という望みをかなえ、過去に飛ぶことを目的としている。
その性格は残忍で狡猾、イマジンの使命以上に人、特に女性が苦しむ姿を見ることに快感を感じる性癖で、契約者であるこのかにさえ幾度となくその針をむけた。また、一見冷静だが、ひとたびキレると手に負えない性格に豹変する。
その、残忍さと狡猾さでデンライナーに進入したり、ワカマルスを追い詰めるも、最期はスピアーフォームのスピニングカットを受けて爆発、ギガンテスグランドになった。

仮面ライダーDEN-O-MAGI 第32話 クライマックスを決めるその時まで・・・

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