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第40話 決戦ナイトイマジン!すべての力をかけて!! 投稿者:仮面ライダーマンティス 投稿日:06/17-14:40 No.2555  

2002年2月14日午後6時・東京駅

帰宅ラッシュで多くの人間が利用していたこの駅は、ナイトイマジンの襲撃により大混乱に陥った。

「うえーーーん!おかあさーーーん!」

炎の中に閉じ込められひたすら母親の名前を叫ぶ少女、その炎の魔の手が少女に忍び寄ろうとしたその時!

「風花・風塵乱舞!!」

バアアア!

少女の周りに強い風が吹き荒れ、あたりの炎は一瞬にして消し飛んだ!

「さあ、僕の杖に乗ってください!」

そういって少女に手を差し伸べるのは少女より少し年上の杖に乗って浮いている少年

「お、お兄ちゃん魔法使いさんなの?」

「あはは・・みんなには内緒ですよ?」

・・・・・

そことは別の場所

「うおおおお~~~!」

ザアアア!

燃え盛る駅の中から子供を二人を担いで出てくる馬鹿力の少女アスナ!

「ふう、もう大丈夫よ!」

「すげーな嬢ちゃん!もうこれで5人目だぜ!」

アスナとともに逃げ遅れた子供などを助けようとしていたがたいのいい中年男性もその活躍には驚いていた。

「レスキューの人もこれだけ大きな駅だと手がまわらないしね。さあ、じゃんじゃん助けるわよお!」

そういってバケツに汲んだ水をかぶり飛び込んでゆくアスナ!
ネギと共に“自分にできること”を必死にやっていた。

(こっちは何とかするからアンタは絶対無事に戻ってきなさいよ良太郎!・・・ま、信じてるけどね)

今まさにこの炎の中で戦いを繰り広げている幼馴染の身を案じながら・・・

・・・・・

「ハハハハハッ!燃えろ!そして消えろ!この巨大な建築物と多くの人間の消滅こそ、我が未来に希望をもたらすのだ!」

駅内の奥、高笑いで破壊活動を続けるナイトイマジン、そこへ!

シュルルルルル・・・
シャッ!

「何っ!?」

ヒュン!

油断をしていたナイトイマジンの腕に持たれた剣に絡みつく糸!
そしてそのまま力を抜いていたナイトイマジンの腕からロングソードを“釣りあげる”!

「ハイ、まずは一匹ね♪」

「!! 貴様は電王か!?」

飛んでいった剣の先には余裕のしぐさをするロッドフォームが待ち構えていた。うまく不意をつき、相手の武器を取り上げるロッドフォームらしい作戦は見事に成功した。

「この暑い中ずいぶん楽しそうだけど、お前、僕に釣られてみる?」

「フン、あの時手も足も出なかった者が何をいまさら・・・釣られるのは貴様の方だ!」

突然の電王の登場に驚きつつも、前回のプラットフォームとの戦いで電王=たいしたことのない敵と認識していたナイトイマジン、剣は奪われたがかまうことはないと、素手で殴りかかろうとするが、

「釣竿もないのに僕を釣ろうなんて、100万年早いよお前、ハッ!」

ダン!

「グッ!」

ナイトイマジンの拳が届くより先に、はるかにリーチの長いその足でハイキックを食らわせ、その突撃を止める電王、そこから自分のもっとも得意な間合いで攻撃にでる!

シャッ!シャッ!
キン!キン!

しかし、ロッドによる攻撃は、ナイトイマジンの甲冑には効かない。

「フフ、どうやら条件はオア互い様のようだな。私の攻撃はお前に届かないが、お前の攻撃は私のこの装甲には無意味!」

ロッドフォームのパワー不足に勝機を感じ取るにナイトイマジン、このまま多少のダメージを覚悟で相手の懐に入れば、パワーでは上であろう自分に勝機があると思ったのだ。
しかし、そんな状況にもかかわらず電王は余裕のまま、

「なるほど、確かに鱗の硬い魚は趣味じゃないね・・・と、いうことで後よろしくキンちゃん♪」

ピッ、

<AX FORM>

パアア・・
カシャン
ファアアン・・・
ガシャン!

黄色のボタンを押し、アックスフォームへとチェンジする電王、敵が頑丈さを売りにインファイトで攻めてくるならこちらもインファイトにあわせればいい。ウラタロスのバトンはタローズ1のパワーファイターキンタロスにつなげられた!

パサアア・・

「俺の強さは・・」

ゴキッ!

「泣けるでぇ!」

カシャン
ヴィイイン!

無数の紙が舞い落ちる中、首をならし、デンガッシャーを組み替える電王、久々の出撃でキンタロスの気合も十分であった!

「泣くか・・・残念ながら私が泣くのは未来をかえることが成功するその時だけだ!ハアッ!」

長いリーチをほこるロッドがなくなり、むしろチャンスと感じ懐に飛び込もうとするナイトイマジン、だがその行動が仇となる。

「泣けるかどうかは・・俺の強さ見てからわかる!でえい!」

ガシャン!ガシャン!

「ぐわああ!バ、バカな・・私の装甲がこうもたやすく!?」

その豪腕で振るう斧をナイトイマジンの自慢の装甲に叩きつける電王!
先ほどまで傷ひとつなかったナイトイマジンの鎧はまた熊にスタボロになった。

ガシャーーーーン!

「ウグウッ!」

ドーーーン!

何発目かの斬撃をくらい吹き飛ぶナイトイマジン、すでにその鎧はズタボロであった。がここで思わぬ勝機をつかむ。

「クッ・・・あのパワー・・素手で太刀打ちできるレベルではない・・・ハッ!あれは・・・」

吹き飛ばされたところから立ち上がろうとするナイトイマジンの瞳に移ったもの、それは先ほどロッドフォームによって飛ばされたロングソードであった。

ガシッ!

「神よ、感謝します。」

そう言って剣を取り立ち上がるナイトイマジン!
そして、先ほどまで手も足も出なかった電王に向かってゆく!

「ハァ!」

シャキン!

「ムッ!」

キン!

ナイトイマジンの斬撃を受け止める電王だが、

「ハァッ!ハァッ!チェストーー!」

キン!キン!シャキン!

「グウ!」

すばやい斬撃を休むことなく連続で打ち込んでくるナイトイマジン!
パワーでは勝っている電王は、防いだ攻撃に対してはほぼノーダメージだが、受けきれない攻撃はモロに入ってしまう!

「ハハハ!運がなかったな。私に再び剣をとらせてしまうとは!貴様のパワーも先ほどの青い者の知恵もたいしたものだが両者に共通して欠けているもの・・・それはスピードだ!さすがにもうネタは残されていないだろう?この風のような斬撃を食らい倒れろ!!」

休むことのない攻撃を浴びせながら勝ち誇るナイトイマジン、だが、彼はまたしても電王の力を見くびっていた。

<この程度で“風”を語るとは・・・キンタ!>

ゴキ!

「フン、しゃあないな・・・後はたのむでえワカ!」

ピッ、

<SPEAR FORM>

カシャン
バサアア!
ファアアン
ガシャン!
パアアア・・・

桜色に輝くベルトと舞い散る桜吹雪!

「愛しき花を守るため、キンタに代わって悪を討つ!」

パワー最強のアックスフォームから最速のスピードを誇るスピアーフォームへとチェンジする電王

「まだあるのか、全く節操がないな・・・だが、誰であろうと我が剣技とスピードの前には無力!ハァ!」

ヒュッ!

「何っ!?」

アックスフォームを苦しめたすばやい斬撃をあっさりとよける電王

「やはりな・・・スピードも剣技も自慢するほどではござらん。お主のような者を“井の中の蛙大海を知らず”というのでござる。」

「なっ・・!」

「教えてやる・・・本当にすばやい攻撃・・技というのは・・」

ガシャン
ヴィイイン・・・

デンガッシャーを組み替える電王、そして・・・

「こういうのを言うんでござる!ハアアアっ!」

シュンシュンシュン!!

「はやっ・・・がああああ!」

まさに目にも留まらぬ速さでナイトイマジンを攻撃する電王、それもただ、早いというだけでなく、アックスフォームとの戦いで傷ついた部分を的確に斬りつける。
というのも、実際のところ、ロッドフォーム以上にパワー不足のスピアーフォームではナイトイマジンの装甲にダメージは与えられないのだ。
ロッドフォームで武器を取り上げ、アックスフォームで装甲に傷をつける。この二つの工程を経て、初めてスピアーフォームは今のような圧倒的優位に立てているのだ!!!

ズシャアアア・・・

怒涛の攻めにまたしても地にひれ伏すナイトイマジン、ここまでくるとさすがに勝てる要素も思いつかないが、それでも立ち上がるナイトイマジン

「ハァ・・ハァ・・負けてたまるか・・・私には・・過去を変え、未来を変える使命がある!裏切り者の集まりにまけはせーーーん!」

最後の力を振り絞り向かってゆくナイトイマジン!その姿を見据えた電王は静かにパスをベルトにかざす

<FULL CHAGE>

ギュィイイイン・・・

「裏切り者か・・・否定はせん、・・・が、しかし!」

「うおおおお!」

パサア!

翼を広げ、電王もまた低空飛行でナイトイマジンに向かってゆく!

「スピニングクロス!」

シャッ!シャッ!

「があああ!」

ナイトイマジンの胸に×の字の傷が刻まれる・・・

「過ぎ去ったもの・・“過去”を壊して未来に希望をいだく使命よりも、“過去が残した希望”・・その足跡を信じ、今を歩んでゆく殿の道の方が・・・拙者は好きでござるよ」

ドーーーーン!

「絶望の花を咲かせ・・・そして散れ」

爆発するナイトイマジン!

しかし・・・

「があ・・・まげて・・たまるか・・・じんで・・・」

その肉体はまだ、かろうじて残っている。たまに起こる、単純なイメージの暴走とも少し様子が違う・・・。

<あのイマジン・・なにか様子が変じゃない?>

様子の異変に気づく良太郎、そしてナイトイマジンは・・・

シュウウウン・・

「ガ・ガガ・・ガアアアア!!!」

「!! 等身大で・・暴走!?」

驚く電王、なんとナイトイマジンは巨大化することなく、暴走形態になったのだ!!アックスフォームによって引き裂かれた傷もスピニングクロスの傷もすべて消え、銀色に輝く甲冑はどす黒く変色、とげとげしい外装がつき、顔は馬のようになり、何より理性は全く感じ取れないかった。

「ほほおう!これは驚きました。イメージの暴走自体は珍しいことではありませんがそれが肉体を残したままでとは・・・彼の執念の賜物なのか、はたまたほかに要因はあるのか・・・巨大な暴走体を死によって生まれた巨人、ギガンデスと名づけるなら、あれはさしずめ生還者・・すさまじい憤怒を蓄えて戻ってきたリターナー・・不完全ではありますが、非常に興味深いですね~。」

暴走した馬のような怪人をリターナー・インディグネイション(憤怒)と名づける老紳士

「ガアアアア!」

バシッ!

「ウワッ!」

ダン!

本能のまま電王を殴り飛ばすインディグネイション、その姿にはもう、ナイトイマジンの面影は残っていない・・・

<ワカマルス、モモタロスと代わって!>

「なっ・・・拙者はまだ・・・・ハッ、そうか、さすがは殿!目には目を、ケダモノにはケダモノをでござるな!」

<い、いや・・・そういうわけじゃ・・・>

<誰がケダモノだ!いいからとっとと代われムッツリ!>

ピッ、

良太郎の要請のもと、三度交代する電王、強敵を相手に最後のバトンを託されるのは、全フォーム中でもっともバランスの良い、そして、なぜかもっとも頼りになる・・・

<SWORD FORM>

カシャン
ファアアン
ガシャン!

モモタロス=ソードフォームであったが・・・

「俺、参じょ・・「がああああ!」バシッ!ってぎゃああ~~」

名乗りを上げているところを殴る飛ばされる電王、もしかして人選ミス?

「テ、テメー!いくら前振りはねーって言ったって、いきなりはひど・・「うがあああ!」ってあぶねえ!」

ドゴーーーン!

吹き飛ばした電王に対し、さらにタックルを仕掛けようとするインディグネイション、それを間一髪でよける電王、もはや彼には電王も殺す以外は何も考えていない様子である。

「たく・・・取りを飾れるのはいいけどよ良太郎、あんなのどうやって倒すんだ?」

珍しく敵に対しグチをこぼすモモタロス、先ほどの攻撃を受けわかったこと、それはリターナーの圧倒的なパワー、膨張することなくギガンデス級の力を秘めたその力はハッキリいって手に余る。その力の差は最早、電王といえど人間とライオンくらいあるといっていいだろう。

<確かに・・・いつもはデンライナーでやっつけるようなのが相手・・・!・・そうだモモタロス!こんなのはどう?>

絶体絶命の状況の中、ある策を思いつく良太郎

「・・・なるほど、おもしれーじゃねーか良太郎!そんじゃ作戦開始だ!」

その作戦に賛成するモモタロス、すると電王は・・・

「やい、この馬面ヤロー!俺を倒したきゃここまでおいで~」

「うが・・?ガアアアア!」

インディグネイションを挑発し、その場を逃げ出したのだ。

・・・・・

「ハァ・・ハァ・・・へへ、追い込まれちまったなあ」

数分後、何を考えているのか逃げ出した電王は行き止まりに着き、完全に追い込まれているように見えた。

「ガアアアアア!」

壁でもう逃げられない電王に突撃しようとするインディグネイション!だが、まさにこのどうしようもならない状況こそ、逆転のチャンスだった!

「かかったな!これでも食らえーーーー!!!」

そう言って右に飛び突撃をよける電王、その時壁から・・・

ファアアアアアン!

「ガッッ!?」

ドゴーーーーーーン!!

デンライナーが現れた!

壁に向かっていたインディグネイションはまさに正面から激突!
そして、その質量の差から吹き飛んでしまった!

<やった!>

「やっりぃ~!見たか!これが良太郎考案の必殺技パート1だぜ!」

太刀打ちできないパワーならばこっちは大きさで勝負!
一見反則な良太郎の作戦は見事に大成功だった!

「ウガ・・ウガアア・・・」

吹き飛ばされながらも何とか立ち上がろうとするインディグネイション、しかし、明らかにダメージを受け、動きが鈍い

「よっしゃあ今だ!良太郎、久々に“アレ”でしめるぜ?」

ピッ、

<FULL CHAGE>

バチバチバチバチ・・・
ヴウウウン!

パスをかざしエネルギーをデンガッシャーに込める、しかし、それはスネークイマジンの戦いの時と同様、刀身は分離せず、変わりにスパークをしながら輝いていた。

「こいつは俺のとっておきだ!行くぜ、俺の“超”必殺技パート1!デエエエイ!」

シャキーーーーーン!

「グ・・グゲエエエエエ~~~~!!!」

ドゴーーーーーン!

動きが鈍っていたリターナーに炸裂する最強の必殺技!!
ダメージを受けているとはいえ、恐らくリターナーに効く唯一の技
にすべてをかけた電王は見事、強敵を打ち倒したのだった!!
それは、まさに、5人の知恵と力、すべてを結集させてつかんだ勝利といえよう。

・・・・・

一時間後・現代にむかうデンライナー内

「は~い、良太郎君、しみるえ~」

「あいたたた・・」

例によってボロボロの良太郎の顔に消毒液をつけるこのか、

「そういえばこのかと刹那さんはどこいってたの?」

ハナと共にデンライナーから降り、別行動をとっていたこのかにアスナが尋ねる。

「う~ん、帰ったら説明するわ」

・・・・・

2003年3月30日・病院内岩島の病室

「そっか・・・じゃああの怪物はもういないんだ。」

「うん、今回は本当にゴメンね。巻き込んじゃって・・・」

無事に戻り、約束どおり、状況を健たちに説明する良太郎、

「な~にいってんだよヒーロー!お前はなんもわるくねえ!つーかエライ!」

「そうだよ!野上君にはお礼こそあっても文句なんてないって」

申し訳なさそうにする良太郎に対し、逆に励ます友人たち、あんなことが会った後でも、彼らの良太郎に対する目は全く変わらなかった。
なぜなら、2年間つきあった彼らにとって良太郎はヒーローだろうとなんだろうと良太郎なのである。

コンコン

「良太郎君?霧乃ちゃんがお話があるんやて、ええ?」

病室をノックし、姿を現すこのか、良太郎は別室にいる霧乃のところに向かった。

・・・・・

霧乃の病室

「大体のことはさっき近衛さんと桜咲さんから聞いたんだ。野上君のことも・・・」

「うん・・もう、あの怪人は出てこないから。栗田さんも安心して」

「・・・野上君っていつもそうだよね・・自分が大変な目にあっても、そんな風に怪我しても・・・いつも勇気をだしてがんばる・・・ホントにスゴイよ・・・」

「栗田さん・・・?」

良太郎の顔を直視せずしゃべる霧乃、その手には小さな紙袋がにぎりめられていた。そして、彼女は、意を決して良太郎に目を向け、その紙袋を渡した。

「だから・・今度は私が勇気を出す・・野上君!一年とちょっとたっちゃったけど、コレ、受け取ってください!」

そう言って彼女が渡した袋の中身、それはあの日、霧乃がゴミ箱に捨てたバレンタインチョコであった。

・・・・・

同時刻・岩島の病室

「というわけで、ウチとせっちゃんはその日に霧乃ちゃんが捨てたチョコをさがしたんよ」

良太郎と交代で岩島の病室に入ったこのかたちはことの顛末を健たちに話していた。

「そういえば霧乃、あの日の夜結局渡せなかったって泣きながら電話してたっけ・・・確か『渡す前に結果が出たと・・野上君が送られてきたチョコをうれししそうに見ていた』って・・どういうこと?」

綾の質問にこのかは少し困った顔をして真相を話した。

「ああ・・それなんやけどな~、実はその日、愛理さんとウチともう一人の娘で良太郎君に義理チョコ贈ったんや、もちろん義理やってわかってるんやろうけど、そん中に良太郎君の好きな娘のチョコもはいとったのがよっぽどうれしかったんやな~」

「えっ!?じゃ・・じゃあ良太郎さんの意中の人と言うのは・・」

「アハハ、ウチも綾ちゃんの話きいて確信ができたわ・・・」

なんとなく乾いた笑い声のこのか、彼女の言う愛理とこのかとともに義理チョコを送った少女とは当然・・・

・・・・・

「はっくしょん!」

「アスナさん大丈夫ですか?」

お見舞いに行った良太郎たちのかわりにミルクディッパーで手伝いをするアスナとネギ

「うん・・・誰かが噂してんのかしら?・・・高畑先生だったらいいな~・・ハックション!」

・・・・・

霧乃の病室

「あの・・・ゴメン、すごく嬉しいんだけど・・・ゴメン」

今まで気づきもしなかった良き友人の一人に告白され、戸惑う良太郎
しかし、やはり思いは届かなかった。

「うん・・・わかってて言ったことだから気にしないで・・・あのときの野上君の顔見たら・・わかっちゃって・・それでこれも捨てちゃったんだけど・・・ずっと後悔してて・・・」

隠し続けていた胸のうちをすべてさらけ出す霧乃、その瞳には涙がこぼれていた。

「私ね・・・実は今、クラスの子に告白されて返事を待たせてるの・・・すごく素敵な子で、嬉しかった・・・けど心のどこかで、まだ吹っ切れなかった・・・。でも、今日、野上君にふってもらったおかげでやっと過去と決別できた・・・。言うね、よろしくお願いしますって。」

「うん、きっと栗田さんのことを大事にしてくれるよ・・・」

涙のあとに現れた笑顔を見て、良太郎は少し、救われた気分になる。

この日は少し、少女が大人になった瞬間であった。

・・・・・

帰り道

「でもよかったん?霧乃ちゃんってかわええのにもったいなかったんちゃう?」

「そうかも・・・でもやっぱり、そういう気持ちにはウソはつけないし・・・それに・・」

「それに、好きな女の子がおるから?誰やかわからんけど。ウチはやめた方がいいと思うけどな~、良太郎君って運ないし、弱いし、この先好きになってくれる女の子なんてもうおらんかもよ?」

ミルクデディッパーへと帰る道、このかは良太郎に対し、少し、意地悪な対応をし、彼を困らせていた。無論、刹那とこのかに自分の気持ちがバレたことは良太郎はしらない・・・。

「・・・・あはは、そうかも・・・でも、今はそれ以外にやらなきゃいけないこともいっぱいあるから・・・桜井さんのことも電王のことも、だから今は・・・もう少しこのまま・・・」

夜空の星を眺めながら懐中時計を握り締める良太郎

(ふ~ん、良太郎君のアホウ、ウチは徹底的に邪魔するもん!)
(良太郎さんがアスナさんを・・・)

今は恋とかは後回し、そう思っている良太郎とはまったく別のことを考えているこのかと刹那であった。

・・・・・

同じころ、このかと同じ気持ちを抱くVIP席の少女は・・・

キュッキュッ

「フフッ、完成・・・ちょび髭女子中学生・・・」

不適な笑みを浮かべ、油性マジックで写真に落書きをするフィリア・・・

「な、なあフィリア・・・いい加減その陰険な遊びやめろって・・・14歳のころの話だろ?大体あの人は・・・お前が知ってのとおり・・」

「またスリッパにされたいウィル?未来なんて関係ない、私は・・・若いころのパパをたぶらかすあのバカ女狐を許さない・・・フフ・・・」

(パ・パパねえ~、本当の親じゃねえとはいえ電王、アンタ絶対子育て失敗してるよ・・・)

・・・・・続く・・・・・

おまけ
【ちょっとだけ次回予告】

皆さんお待ちかね!あのやんちゃボーイがついにデンマギに光臨!
明日(予定)投稿にお見合い編に登場にダンサードラゴンの活躍にご期待ください!!

仮面ライダーDEN-O-MAGI 第41話 目覚めよその魂?ドラゴンダンサー登場!!!

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