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第44話 花嫁の奪還!炸裂ワイルドショット!! 投稿者:仮面ライダーマンティス 投稿日:06/28-23:56 No.2607  

麻帆良学園結婚式場――先程、リュウタロスがメチャクチャにしたお見合い会場の裏手にあるこの式場に先程モンキーイマジンに連れ去られたアーノルド・オクレールは縄で縛られていた。

てっきりもっと遠くのほうに逃げたとばかり思っていた学園長を始めとした魔法教師らにとっては正に“灯台下暗し”である。

「うう。アノ妖精サンハ、ナゼ僕ヲコンナトコロニ?」

バタン!

「待たせたな契約者! つれてきたぞ、お前の結婚相手をな!」

いまだにイマジンのことを妖精と思っているオクレール。そこへモンキーイマジンがこのかをつれて戻ってきた。

「オー!アナタハタシカ、コノカサーン?」

「ええと・・オクレールさん?」

攫われたこのかもまさか結婚式場に連れられ、そこにお見合い相手であるオクレールがいたことに驚く。
全く意図が分からない二人に対しモンキーイマジンは脅迫口調に言った。

「これでお膳立てはしてやった! さあ、とっとと愛の告白でもなんでもしろ契約者! 女はそれに有無も言わさずOKしろ! そうすればお前らを無傷で帰してやる」

気持ちなど関係なく愛の告白が受理される=結婚と結びつけたモンキーイマジン

「リアリー!? 誓いマース! コノカサーン! アイラ~ビュ!」

「よし次! 女、お前の返事を言え!」

助かりたいがために必死にモンキーイマジンの言うとおり精一杯の愛の告白をするオクレール。そのうそっぱちのラブコールに対し、このかの返答は・・・

「えーと・・・、ごめんなさい。ウチには好きな人がおるんでお付き合いできません」

「何ぃ~!?」

「コココココノカサ―――ン!? そんなこと言ったら妖精さんが・・・」

怒りの表情を顕にするモンキーイマジンに心底びびるオクレール。格好が悪い。しかし、状況的には自分達の身を守る為、あえて偽りの愛を受け止めるというのも間違った手段ではないのだが・・・

「ホンマにごめんなさい。でもウチやっぱこういうんでウソつくのは我慢できなくって・・・」

「このガキ! ウソでもいいんだからとっとと“はい”って言いやがれ!」

「イヤ! そんなん絶対言わへんもん! ウチはウチの好きな人を・・・良太郎君を絶対裏切るようなマネせん! 例え良太郎君がアスナのことが好きでも・・・良太郎君みたいに誠実になりたいんや!」

運も実力もなくても、常に自分の正義を持って誠実に生きる良太郎への敬意と憧れ、そして恋心がこのかにかつてない意地を張らせる。

「ウッキィー! 色気づいてんじゃねーぞクソガキ! ひっぱたかれてーのか・・・「ひっぱたかれんのはアンタよ! この変態ザルーーーー!」
“ドゴッ!”ゲッフウ!」

このかの胸倉を掴んで脅迫しようとするモンキーイマジンに対し、アスナキックが炸裂! 毎日のようにモモタロスたちをどついてるせいか、例え相手がイマジンでも微塵もびびっていないのはさすがである。
正義の味方バカレッドの強襲にモンキイマジンは10メートル吹き飛ばされた。

「アスナにせっちゃん!」

「OH! 今度は一体!?」

「お嬢様! ご無事ですか!?」
「このか! 遅れてごめん!」

急いでこのかのもとに駆け寄るアスナと刹那、彼女達にはオクレールが見えていない・・・

「ううん、二人ともグッドタイミングや!(アレより早かったら良太郎君のこと聞かれてもうたし・・・)」

このかの無事にほっと胸をなでおろす二人。しかしそこに吹き飛ばされたモンキーイマジンが立ち上がる。派手に吹き飛ばされはしたが、当然いくら常人には強力なアスナキックでもイマジンに対してはほぼノーダメージである。

「キキィ・・・よくも邪魔してくれたな・・・あの電王がココに来るまで恐らく30分弱・・・その前に邪魔者を消してやる!」

シャッ!

モンキーイマジンは棒を構え、アスナたちに飛び掛った!

「くっ! アスナさんは下がってください!」

キン!

刹那がその一撃を夕凪で受け止める!

「キィ! 人間が俺達に勝てるわけねえ!」

「ただの人間ならな! ハァ!」

出せる限りまで気の出力を上げ、モンキーイマジンと何とか鍔迫り合いをする刹那。5分ともたないくらい高出力のパワーを出すが、相手はイマジン。動きを読むことは出来てもそのパワーや強靭な肉体は上級の魔物の上を行く。

「(く・・・やはりイマジンには奥義を使わなければダメージを与えるは難しい・・・ここは・・・)アスナさん!お嬢様をつれてこの逃げてください!私が時間を稼ぎます!」

「そんな!」
「せっちゃん!」
(アレ? 皆さん私のことを忘れてマセーン?)

刹那の無茶に驚くアスナたち。

「大丈夫です。もう、お嬢様を悲しませるような無茶はしません・・・きっと良太郎さんがすぐ来てくれますから・・・」

刹那は笑顔をこのかに向ける。ヤマアラシイマジンの事件で良太郎に言われた言葉を胸に、刹那はモンキーイマジンの前に構える。
何があっても絶対に生き残ること、極力ケガをしないことを誓い、良太郎への信頼を胸に

「フン!特異点ならどんなに期待しても20分はこれん!諦めてそのガキをわたせ・・・“ブオオオンン!パリーーーン!”なっ!」

協会の中央のガラスの絵を割って飛び込んでくる白いバイク!

「良太郎さん!・・・って、」

「またあのイカレたガキンチョ!? 最悪じゃない!!!」

白き鳥を思わせるマシンにまたがった紫の龍を象った戦士の登場にアスナと刹那は寧ろ不安感が増した・・・

「リュウ君!」

「お待たせ、お姉ちゃん♪ 危ないからその人たちと一緒に外に出てて」

「えっ?」

「私たちのことも気遣ってんの?」

リュウタロスの意外な発言に驚くアスナと刹那。

「リュウ君は女の子にはやさしいんや。ね、リュウ君♪」

「うん!・・じゃあ逃げた後こいつ倒すから・・・」

刹那とこのかを担いで全速力で逃げたアスナを確認すると電王はモンキーイマジンの方を向いた。

「き・・きき貴様! どうやってあの包囲網から脱出した!? アレだけの数のコピーモンキーを・・・」

「全部やっつけちゃった」

「ぬあっ!・・・お、オレの半分の能力とは言え数十体のコピーモンキーを・・・」

なんでもないような口調で答える電王に対して、モンキーイマジンはそのあまりにも大きな実力差を痛感、そして悟ったのだ

勝てないと―――

「聞きたいことはそれだけ? じゃあ、もう倒していいよもね? 答えは聞かないけど・・」

ドゴドゴドゴーーン!

「ぎゃああ!」

結婚式場という閉鎖された。しかも木製でもろい空間で容赦のない爆撃のような弾丸を連射する電王!
ちなみにここには彼らのほかにもう一人・・・

ガタガタガタ・・・

「アア・・、カミサマホトケサーマ! もう二度と財産目当てでお見合いなんてシマセーン! だから私をここから生きて返してくださーい!!」

ドゴーーーン!

「ガアッ!」
「オカアサーーーーーン!」

・・・・・

ドゴーン!

「うわああ・・・すごい音が聞こえる・・・これ、賠償いくらぐらいになるんだろ・・・」

教会からすでに100メートル以上離れているにもかかわらず聞こえてくる凄まじい爆発音・・・ひとまず安心と呼べるところへ逃げたアスナたちであったが・・・!

「キキィ!」

(((!!)))

シュタ!

そこに一体のコピーモンキーが現れた!
どうやら自分がこのかを攫う際、万一オクレールが逃げた時のために用意した見張りらしい

「ウキ・・・おとなしくその女を渡せ!」

棒を構え要求するコピーモンキー、勿論刹那の答えは・・

「断る!ハアッ!」

刀で返事をする刹那!
先程同様激しいつばぜりあいになるが、今度は逆に刹那に分がある

(いける!パワーもスピードも本体の半分程度、この程度なら遅れを取ることはないし、斬岩剣でしとめられる・・・!)

優勢の状況に安堵し、一気に勝負を決めようと攻勢にはいる刹那、しかしそれはコピーモンキーの罠だった!

「きき! 言い忘れたが見張り役は二人だぜ?」

(!!)

「キキィ!」

コピーモンキーがそう言うと何処からともなくもう一体のコピーモンキーがアスナと彼女に担がれているこのかに向かって飛び掛ってきた!!

「ひゃっ!」
「このっ!」

とっさにこのかを庇おうとするアスナ、その時!

キン!

(((((!!!))))

モンキーイマジンの棒を受け止める二本の剣!
その持ち主はフィリア・・・正確にはリンディンが憑依した赤いアーマーとヘルメットを纏う剣士Lフィリアであった!

「私さんじょ~!な~んちゃって♪」

そう言って余裕でコピーモンキーの棒を弾き返すLフィリア、どうやら彼女にも刹那同様この程度の相手なら楽勝らしい

「アンタ・・・助けてくれるの?」

いつも自分達を嫌っていたフィリアの救済に意外といった表情をするアスナ

「もっちろん! 刹那、私はこっちを片付けるから、そっちいい?」

そんなアスナに笑顔で答えるフィリア・・・というかリンディン

「あ、はい、大丈夫です!」

「オッケイ!じゃあとっととやっちゃおう!てええい!」

「ハアアッ!」

ザシュン!ザシュン!

そう言ってお互い一対一でコピーモンキーに斬撃を浴びせるLフィリアと刹那!
もともと徒党を組んで初めて電王の相手が出来るコピーモンキーなど、刹那やそれ以上にも見える力を発揮するLフィリアの敵ではない!

「テイテイテイテ~~イ!」

「キキヤア!」

刃渡り50センチ短めの二本の剣で切りつけるLフィリア、その太刀筋は早く鋭いものであった。

「フィニーーッシュ!」

カシャン!
バチバチバチ・・・!

そう言って
二本の剣をハサミのような形に合わせるLフィリア、すると剣から赤い電撃がスパークする!

「全てを照らす紅き雷!クリムソンカッティーーーング!!」

ガシャ!
バチバチバチバチバチ!!

「うぎゃああああ!」

ザアアアア・・・

合体させた剣でコピーモンキーを挟み込む!
はさまれたコピーモンキーはその電撃に絶叫し、砂になった・・・。

「ブイ!」

一方コチラも・・・

「もらった!神鳴流奥義・・・雷鳴剣!」

ザシューーーン!

「ウギャアアアア~~~!」

ザアアア・・・・

こちらも雷を帯びた電光の奥義が炸裂!
最後のコピーモンキーも見事に撃退!

「あ~あ、楽しかった~。じゃ、戻るね~」

シュウウウウウン・・・

リンディンはそう言うと憑依を解く。すると服装も黒いゴスロリ服に変わり年も10歳になって先程のリンディンが憑依した時とはまさに別人の無愛想なフィリアに戻った。

「・・・怪我はないわね?」

「あっ・・・うん、ありがとフィリアちゃん・・・」

「た、助けてくれてありがとう・・・」

ピンチを救ってくれたばかりかこちたの心配までするフィリアにアスナたちはどう対応したら分からないといった状況である。
そんな二人に対し、フィリアは当然のようにこういった。

「別に、私が貴方達のことをキライなのと助けないのは関係ない、私の大好きなパパが言ってた『苦しむ人、悲しむ誰かがいて、その人に何かして上げられるならするだけだ。』って、だから私は、私に出来ることをやった。そんなの当然だし、それに『大切な人の大切な人はやっぱり大切な人だ』っとも言ってた・・・ムカつくけど、だからアンタたちも私には大切な人・・・」

「フィリアちゃん・・・・」

ぶっきらぼうにこたえるフィリア。その顔は少し赤くなっている。
例え相手が恋敵であれ、そんなことを有事に持ち込むほど、見た目と違い彼女は子供ではない。そして、サディスティックで嫉妬深いその性格の根本には彼女が愛する義父の教えがしっかりと根付いていた。
その義父との誓いの元、フィリアはアスナたちを守ったのだ。当然のように

「何よ・・・あんた結構かっこいいじゃない・・・こないだは親の顔が見てみたいとか思ったけど、アンタのパパっていうのもいい人なのね・・・」

このかに続き、アスナもそんなフィリアを見直し、少し彼女のことが好きになった。が・・・

「・・・・あっ、それともう一つ・・・お年寄りに優しくするのは基本だからね・・・」

ブチッ!

それも一瞬の間であった。

「誰が年寄りよ! このクソガキィ~!」

ギュムウウウゥ!

一触即発!
フィリアの余計な一言はアスナの怒りに火をつけた。互いに互いの頬を引っ張り合うアスナとフィリア。

「あばひゃんをおばひゃんって言ってニャにがわるいのおばしゃんん!(おばさんをおばさんって言って何が悪いのおばさん!)」

「にゃによこにょくしょひゃひ~!(何よこのクソガキ~!)」

まるで姉妹のようにケンカをする二人、

ドゴーーーーーン!!!

((!!))

そこへ爆音が再び鳴り響く!四人が一斉に教会を見ると建物は徐々に崩壊し・・・

ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・

観戦につぶれてしまった。そしてその激しい砂埃の中から元気に踊る陰とズタボロの影が姿を現した。

「キ・・・キ・ば、化物め・・・」

圧倒的な攻撃力の武器、コチラの攻撃を遊ぶようにかわし、重たいカウンターを決めてくる高い身体能力に加え、一切の迷いも躊躇もない悪魔のごとき性格にモンキーイマジンは激しく絶望した。

「それじゃあ、最後いくよ?」

ピッ、

<FULL CHAGE>

ギュウウイイイイン・・・

そして、その絶望に終止符を打つかのようにデンガッシャーにエネルギーが、両肩の竜の爪を模した装飾の玉から電撃が放たれ、銃口にはまるで全てを消してしまうかのような黒いエネルギーの球体が発生した。

「や・・・やめ・・「答えは聞いてない」」

カチッ
バシュウウン!

「ギヤアアア~~~!」

ドーーーーーーーン!

まさに問答無用に放たれた最強の一撃!
ワイルドショットを食らったモンキーイマジンは青白い閃光に包まれ爆発した!

・・・・・・

一時間後・デンライナー食堂車

ゴク

「うん、これ美味しい!」

ナオミの淹れたコーヒーを一気に飲み干す紫色のイマジン
背や体格はワカマルスと同じくらいで、どことなく悪魔とドラゴンが混ざり合った姿で無邪気な仕草を見せる彼こそ、リュウタロスである。

「ケッ!おいクソガキ!今回は好き勝手やってくれた見てーだが出てきた以上はそうもいかねー。今度良太郎を狙ったり勝手なことしやがったらソッコー追い出すからな!」

「そうでござる!いざとなったら殿にはチケット共有権があるでござる!」

「ん?チケットなら持ってるよ?はい」

「「なっ!?」」

いつまた良太郎の命を狙いかねないリュウタロスに対して脅かそうとするモモタロスとワカマルスであったが逆にリュウタロスの持つ無期限と書かれたチケットに驚かされる。
つまり、いくら危険でも現状、彼を追い出すことは出来ないのだ。

「それにしても・・・・ハァ・・・」

ずらりと並んだ5人のイマジンを見て、アスナは溜息をこぼす。
良太郎に直接憑いた者、後から憑いた者、慕うもの命を狙うもの、あまりにも個性的かつ、はた迷惑なこの集団に取り憑かれた哀れな幼馴染にアスナは同情した。

「すごいですよね~良太郎ちゃんって!春休みに入る前は3人だったのが気が付いたらもう5人ですもんね~なんかこうしてみると戦隊ヒーロー見たいですよね!電王戦隊タローレンジャーみたいな」

「わあ、かっこいいね!じゃあ僕、真ん中~!」

「いい加減にしやがれこのガキ! 真ん中は赤って相場が決まってんだよ!」

ナオミの言った一言に論点のずれた怒りをぶつけるモモタロスとまさに子供のリュウタロス、暗殺者というにはあまりにも幼稚で、しかし、その無垢さが逆に残酷さも時折見せる。

「あの・・・結局リュウタロスさんって良太郎さんのことをまだ狙ってるんですか?」

そんなリュウタロスに対し、生真面目なネギはどうしてもそのへんのことをハッキリさせたかった。

「うん、良太郎はいつか僕がやっつけるよ。でも今は、二人も優しいお姉ちゃんがそばにいてくれるから殺さない。だからやっつけるまでは僕が良太郎を守るんだ! けど、もし良太郎が二人を泣かせたらスグやっつけるけどね」

「愛理さんとこのかがストッパーってわけね・・・良太郎、これで一生あの二人には頭が上がらないわね・・・」

ひとまず殺されない安心感と共に、今後の良太郎の人生を考えるとまた溜息をつきたくなるアスナ彼の行く末が限りなく心配になる。

「あれ?そう言えばおねえちゃんと遼太郎は?」

話も終わり、リュウタロスの興味は愛するこのかお姉ちゃんに向けられた。

「ああ、ソレだったらぬらりひょ・・・あのおじいちゃんに呼ばれてたよ? 賠償がどうのって」

「「「「「賠償!?」」」」」

ウラタロスの言った一言に驚く一同、彼のいう賠償とは・・・

・・・・・

同時刻・学園長室

「うむ・・・わかった。すまんのう色々後始末を頼んで・・・」

そこでは電話で誰かと会話をする学園長と、その真向かいでシューンとうつむいている良太郎とその横で彼を心配そうに見つめるこのかと刹那がいた。

ガチャ

電話をきって顔を良太郎のほうへ向ける学園長

「呼び出しておいてすまんのう良太郎。さっきの電話じゃがタカミチからでのお。教会の瓦礫の中から救出されたアーノルド君じゃが“無事”骨折程度ですんだそうじゃ。じゃがまあその・・・父親のレイジーさんもそうなんじゃが今回の件・・・お主の新しい力が相当トラウマになってのう・・・強めの記憶消去を行ったせいで2,3日パーになるよじゃが・・・」

「・・・・すいません」

ただただ申し訳なさそうに謝る良太郎。タローズの暴走による後始末はいつものことだが、今回の物理的被害は過去最悪、まさにケタ違いであると言える。

「まあ、おぬしも悪気があるわけじゃないしのう・・・じゃが今回の一件での被害はちょ~っと見過ごせんのう。ちなみにお主が壊した施設の代金を合わせると・・・・」

パチパチパチパチ・・・

そろばんで計算を始める学園長

「合計で・・・・こんなもんじゃな!ホレ」

そう言って学園長は計算の結果を紙に書いて良太郎に見せた。

クラッ・・・

「ひゃあ!良太郎君(さん)!?」

その合計金額をみてめまいをおこす良太郎、その額は最早アスナの学費とか服を吹き飛ばしてしまったネギの服の弁償とかそういうレベルを軽く超えていた。なんというか・・・実に0が多い右から数えて・・・

「まあ、利息はつけんからじっくり働いて返すもよし、それ以外じゃにちょいと裏技があるぞい? 一括返済可能な方法としてこのかと結婚するというウルトラCの大技が」

「「ええっ!?」」

孫の気持ちを知ってか知らずか、突拍子もないことを言い出す学園長

「じゃってホラ、今回の件でそのリュウタロスとかいうのはこのかになついとるんじゃろ? つまりこのかは今後見合いも出来んということになる。責任はとってもらわんとな~。身内になるんじゃったら借金もないじゃろ?」

本気なのか冗談なのか・・・
どうやら学園長にとっては壊れた建物より孫の将来・・・・というか己の趣味のほうが重大らしい。その趣味を奪った良太郎に対しての意地悪といったところである。

「お、おじいちゃん!」

そんなとんでもないことを言い出す学園長に怒るこのか
正直、見合いがなくなるのは彼女にとって非情にありがたい話であるわけだし、今回の件で良太郎を責めるのはあんまりだと思っていたのだが・・・

「いや・・・その・・いくらなんでもそんなことで結婚なんて・・・」

プチッ・・・

その一言が誰にも悟られない小さな音でこのかの中の何かがキレた・・・しかし彼女はニッコリ笑っている・・・そして彼女は、良太郎を弁護する側から学園長側にまわった。

「確かに・・・リュウ君のせいでウチの人生メチャクチャやなあ・・・。そんなウチへの慰謝料込めて、良太郎君には近衛家で一生働いてもらおうかな~、そりゃあもう馬車馬のように・・・♪」

「ええええええっ!?」
「お、お嬢様!?」

微笑みながら恐ろしいことを言い出すこのか

先程の発言、良太郎にしてみれば

『自分が仕出かしてしまったことの償いにこのかちゃんを巻き込みたくない』

といいたかったのだが、このかには

『そんな理由で好きでもない娘と結婚なんてできない』

と聞こえてしまったのだ。

ああ、日本語って難しい・・・

「まあ、当人もそうこう言っとるし、とりあえず卒業したら近衛家の使用人で今はボディーガードじゃな。これからもこのかのことをよろしく頼むぞい?」

「げ、元気出してください良太郎さん! そ、その年で主食が決まるなんてラッキーじゃないですか・・・」

わりとノリノリの学園最強の魔法使いにして最高の権力者学園長とニッコリと微笑み続ける末恐ろしい竜使いの少女このか、この二人に追い詰められた良太郎には刹那のフォロー(?)も届かない・・・

5体のイマジンのとり憑かれ、フィリアといいこのかといい怒らせたら怖い少女にばかり愛され、挙句孫の代まで支払わなければならない借金をわずか14歳で背負った、憑いて憑いて憑きまくる不運な少年野上良太郎。彼のあわただしい学園生活はまだ春休みを終えたばかりである・・・。

「なんでこうなるの・・・?」

・・・・・続く・・・・・

おまけ
【デンマギファイル】
リンディン・・・フィリアと契約した二体のイマジンのうち一体でフィリアの思い描く『赤ずきん』のイメージで出来ているが現段階では一度も実体化したことがなく、フィリアのもつ女の子の人形に憑依して動いている。
イマジンとしてだけでなくフィリアとは魔法使いの仮契約しており、彼女がヌイグルミ形態で戦う時の二本の剣やLリンディンの際に使う剣はアーティファクトである(Lリンディンの服装が変わるのはカードのおまけ機能)その役目は典型的な前衛でその優れた反射神経と剣技で時にフィリアを守り、時に憑依して共に戦う。その反射速度はモモタロスにも匹敵するほど
性格は明るく天真爛漫、色恋より食べ物に興味がある好奇心旺盛な少女であまり深く物事を考えないがしかし反面、戦闘時の頭の回転は恐ろしく早く、明るさとは裏腹にどんな時でも的確に物事を判断できる。

リンディンはTWINSさんの送っていただいた仮面ライダー電姫の契約イマジンを採用いたしました。ありがとうございます。

仮面ライダーDEN-O-MAGI 第45話 新学期突入!噂の吸血鬼と鼻血男?

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