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第53話 全てを守る刃!炸裂スピニングクレセント!! 投稿者:仮面ライダーマンティス 投稿日:07/16-23:18 No.2695  

4月13日日曜日午前10時15分・学園都市商店街

「ハハッ、いるいる!」

先程イマジンと契約した卓也はなぜか両腕の包帯を外し、何かが入った紙袋をもって、休日の中買い物やデートを楽しむ学生達を見て、ニヤニヤと笑っていた。

「あれ?先輩じゃないっすか!」

「包帯はもういいんすか?」

そこに現れたのは、昨日を卓也と共に行動し、同じく肩を外され揃って両腕が使えなくなっている後輩二人が現れた。卓也はなぜか、一瞬彼らのことが分からないような表情をしたがすぐに微笑み返し、

「よお」

挨拶をした。

「しかし昨日は災難だったっすよね?あのがきが教師にチクってたらもうしばらく狩りなんてできねえっすもんね?」

「狩りね・・・実はこれから“最高の狩り”をはじめるんだけどさあ、お前らも参加する?」

卓也は笑みを一層強くする

「マジッすか?でも今から山に行くのは・・・」

「ここでやんのさ・・・後、お前らは狩るほうじゃない狩られるほうだ」

ガサッ

「えっ?」
「先輩それって・・・」

そう言って紙袋から出されたものはトカレフと呼ばれる、主にや○ざなどが使うような密輸入の銃であった。卓也は以前、危ない友人から買ったのを後輩に自慢していたから良く覚えていた。

「バーン!」

バーーーーン!

そう言って放たれた銃は後輩二人の間を通り、人通りの激しい道の真ん中の地面に当たった!

「「「「「う・・・うわあああああ!!!」」」」」

銃声の後、しばしの間沈黙があったが、地面に開いた穴と銃声の先にある拳銃を持ったイカれた目をした男の存在により、辺りにいた人たちや後輩は皆悲鳴をあげにげだした。

「ハハハハハハア!ほ~ら、最高の狩りを始めるぜえ~?」

ザアアアア・・・・

そう言って逃げ惑う人たちを追いかける卓也の身体からは砂が零れ落ちていた。

・・・・・

学園長室

「なんと!ソレは本当か明石君!?」

謎の乱射魔が現れたという情報はすぐさま学園長室まで届いた。

「ハイ、既に重傷者が5名、そのうち1名が腹部を打たれて危険な状態です。現在動ける魔法生徒が住民の避難や男の捕獲のため、現場に向かってもらっていますが、一つ気になる情報が・・・その男の身体から砂が落ちていると・・・」

「砂じゃと!?・・・明石君、現場に向かった魔法生徒の中で、犯人の捕獲を担当するのは誰じゃ?」

砂という言葉に引っかかり・・・いや、核心を含む不安を感じる学園長、同じくイマジンについての説明を受けた明石教授もやはりと感じ、ファイルを見せた。

「僕も出来れば高畑先生クラスにいってもらいたかったのですが、現在出張中で、高音君とそのパートナーの佐倉君という生徒に向かってもらっています。二人とも唯の銃をもっているだけの素人にならまず遅れは取らないと思うのですが・・・」

「うむ・・・ワシはこれから電王に連絡を入れるから現場の者には、一般生徒の非難がすんだら必要以上に近づかないようよびかけてくれ!」

「ハッ!」

・・・・・

数分後・商店街は先程の騒ぎがウソのように人っ子一人いない状況になっていた。

「なんだ~?もういなくなっちまったのかよ?殺さなきゃ契約完了しねえのに少し遊びすぎちまったか?ひゃはあ!」

<た、頼む!もうやめてくれ!こんなの望んでねえ・・人殺しになんてなりたくないよ~!>

「あ~ん?テメーが望んだんだろ?最高の狩りがしたいって、やっぱ何考えてるかわかんねえ動物より人間のほうがエキサイトするってもんだ!まっ、どの道お前はオレをしめだせねーんだ。自分の手で獲物が打たれる感触、せいぜい楽しみな!」

嫌がる卓也を無理矢理支配(憑依)してあやつるイマジン、基本的に特異点でもない限り、憑依から逃れる術はないのだ。
そんな彼らを建物の屋上から監視する二人の影があった。

「あの男が乱射魔・・・許せません!」

「でもお姉さま、あの男には例のイマジンが突いている可能性があるので、電王さんがくるまでは監視をしろと・・・」

笑みを浮かべながら獲物を探し回る卓也に怒りを顕にする金髪の少女高音・D・グットマン、その彼女をなだめるのは彼女のパートナー佐倉愛衣である。

「何が電王ですか!あんな素性も知れないような人物・・・それに今目の前で力なき人々を苦しめた男がいるのに見ているだけなどできません!愛衣、あなたはここから援護しなさい。」

「は、はいお姉さま!」

愛衣の意見にも耳を傾けず、戦いを挑もうとする高音、彼女の魔法使いとしての誇りと、強すぎる正義感が裏目に出る結果となった。

「そこの悪党おまちなさい!」

「ああ?」

獲物を探し歩き回る卓也を後ろから呼び止める高音、っけだるそうに振り返るとそこには、近接戦闘最強形態“黒衣の夜想曲”を纏った彼女がいた!

「なんだあ?出る時間30分くらい間違えてんじゃねえか嬢ちゃん?スーパー○ーロータイムの後に出たほうがちびっ子と一部の大きなお友達に受けると思うぜ?」

現れたバリバリの魔法少女に若干危険なツッコミを入れる卓也、ちなみに作者も彼も8時半の番組を知らないのでイメージです。

「何をわけのわからないことわ!とにかくとっとと武器を捨て降伏しなさい。この正義の使途、高音・D・グッドマンが来たからにはもう好きにさせませんよ?」

「おおそうかいそうか、要するになんだ?世のため人のため、俺様の契約を邪魔するってわけか・・・ちょうどいいや、んじゃお前をオレが過去へ飛ぶためのいけにえになってもらおうか?」

ザアアアアアア・・・・!

(!!)

突如卓也が倒れると同時に彼から零れ落ちる砂が実体化するのに驚く高音、砂を拳銃を思わせる黒光りする勤続のようなボディと機械的な見た目、何より一番目立つのは右手がガトリングガン、左手がレーザー砲のようになっている両腕、全体に卓也の銃火器に対するあこがれが滲み出した。ダブルアームイマジンが誕生した!

「お前魔法使いかなんかだろ?だったらまずこっちの状態で痛めつけて動けなくしてからだ、いくぜえ~?」

バララララララララ!

「クッ!」

ダダダダダッ!

そう言って高音に向かい右手と一体になったガトリングを撃つダブルアームイマジン、通常の弾丸よりも強力なものだったが影によって
高音もなんとかもち答えた。

「やるね~、そうじゃなきゃおもしろくねーぜ!」

・・・・・

同時刻・山奥にて

「しくしくしくしく・・・・」

全開のおまけで衝撃的オチを迎えた良太郎は朝食にも手をつけず、川のほとりで体育ずわりをして泣いていた。

「ありゃりゃ、まだおちこんどるな良太郎君」

「やはりアスナさんの目の前・・というのもショックだったんでしょうね・・・」

「あの~、僕一体なにやっちゃったんですか?」

「知らなくていい!」

近づきにくそうな雰囲気にひそひそと話をするアスナたち

「全くしょうがない。僕がなぐさめてきてあげるよ。」

そこへ、昨晩からペンギンのヌイグルミに憑依させられたウラタロスが落ち込む良太郎に近づく

「元気だしなよ良太郎」

「ウラタロス・・・」

「良太郎の身体でって話なら、ファーストキスはとっくの昔に僕がつかっちゃったからさ♪」

「・・・・うわあああ~~~ん!」

「余計泣かせてどうするのよバカ!」

ガン!

「あいた~」

10歳の少年に唇を奪われたばかりか、うすうす感づいてはいたが、やっぱり女の子ととっくにそういうことをしていたという事実に更にへこむ良太郎

「もういい・・・次は私が良太郎を慰める・・・」

そう言って名乗りを上げたのは、彼をこよなく愛するフィリアであった。

「オッ、今度はフィリアちゃんやな。・・・なんや落ち込む良太郎君に近づいても話してへんけど・・・?」

「な、なんか顔を近づけてませんか・・・?」

慰めるといって近づいて良太郎の真正面に座り込むもなにも話さないフィリア、と思ったら、なんと良太郎の顔を抑え、顔を近づけて行き・・・

「ってアンタもなにやってんのよーー!」

ゲシゥ!

「ブッ!」

良太郎にキスしようとするフィリアにキックを食らわすアスナ!
吹き飛ばされた後、フィリアは恨めしそうにアスナを見ていった。

「痛い・・・口直ししようとしただけなのに・・・!」

「何が口直しよマセガキ!」

「ふ、二人とも落ち着いて、僕はもう平気だから・・・アスナちゃんもフィリアちゃんをけっちゃ可哀想だよ。大丈夫?」

二人の争いに落ち込んでいられないと立ち直る良太郎、アスナに蹴られたフィリアのオデコをさすると彼女は顔を赤く染めて喜んだ。

「僕のこと慰めようとしてくれたんだよね?ありがとう」

「・・・・うん」

(このガキ~~!)

形はどうあれ立ち直る良太郎、しかしアスナはやはり納得できない様子であったというか、以前としてフィリアの本性に気付かない良太郎がなんだか非情に腹立たしかった。

ファアアアアアン!

「良太郎!」

「ハナさん!」

「おお!本当に列車でござるな~」

と、そこへ無人のはずのテントから出てくるハナがいた。なにぶん扉と呼べるものは山の中にはこれしかない
テントの内側にはデンライナーがスタンバイしている。

「イマジンが町に出たの!直ぐ来て!」

「分かった!・・・行こうワカマルス」

「御意!」

「なにぃ~?ちょいまて良太郎!最近俺出番ねーんだ。俺にやらせろって・・・この身体からでられねえ!」

フィリアの強制憑依によってぬいぐるみから出られない不憫なモモタロス、そうこうして入間に良太郎はW良太郎になり、アスナたちと乗り込もうとした。

「なにやら大変そうでござるが、がんばるでござるよワカマルス」

「楓殿・・・色々ありがとうでござる」

身に沁みるアドバイスをくれた楓にお礼をいいデンライナーは走り出した。

「フフフ、良太郎にワカマルス、それにネギ坊主たちか・・拙者ももう少し修行をがんばらねばな・・」

温かく見守る父のような視線で見送る楓であった。

・・・・・・

ダダダダダダダッ!

「ハハーッ!随分持つじゃねえか!すげえな魔法ってよお?」

(くっ・・・!この私が防戦一方なんて・・)

やむことのないガトリングガンのの嵐に避けながらも防ぐという完全な防戦一方の戦いを虐げられる高音

「お姉さま!今援護しますメイプル・ネイプル・アラモートーーー」

そう言って今まで屋上などに隠れて魔法の射手で援護をしていた愛衣が身を乗り出して姿を現す。
魔法の射手程度ではイマジンには対抗できないと判断したらしく、詠唱に時間も集中力もかかる大きな呪文を放とうとしたらしい。

「あん?そういえばさっきからちょろちょろと遠くから攻撃してきたのがいたなあ!テメーにゃこいつをくれてやるぜ!1」

「!! まずい!愛衣!逃げなさい!」

そう言って今まで使わなかった左腕と一体になっているレーザーの照準を愛衣に向けるダブルアームイマジン、高音も呼び止めようとするのだが、距離が離れているためまだ自分は気付かれていないと思っているのとよほど強力な魔法を撃ちたいのか、集中しきっていてまわりが見えていなかったのだ。

「消えな!」

バシュウウーーーーン!

「愛衣!」

ドゴーーーン!

赤い光線が一直線に愛衣へと駆け抜ける!

シュウウウウ・・・

「!! お姉さま!」

「あん?」

しかし、愛衣は無傷であった・・・彼女のことをとっさに庇おうと、レーザーを受けた高音によって

「愛衣・・・逃げて・・・」

シュウウウン・・・

攻撃を防ぐことにすべての魔力を使い果たし、黒衣が消えてハダカで倒れる高音

「ハッハー!なける展開だな~、んんじゃま、そのけなげさに免じて名誉ある俺の契約完了はお前でおこなってやるよ!おい契約者!とっとと起きてその銃でそこの裸のねーちゃんを殺しな!」

そう言ってダブルアームイマジンは目の前で起きている出来事に怯えきっていた卓也を呼び出す。

「そ・・そんな・・・・俺が人殺しなんて・・・」

「できねえなら俺がお前を殺すぜ?」

「ヒィ!」

無論そんなことは出来ないが、それをしらない卓也は完全に恐怖し、本来なら痛くて銃などとてももてない腕でトカレフを握り締め高音に狙いを定めた。

「や、やめてーーー!」

「おっと!うごくんじゃねえぞ?」

銃を突きつけ愛衣を威嚇するダブルアームイマジン

「ゆ・・許してくれ・・・俺のせいじゃないんだよ・・・」

ガタガタと手を震わせながら高音に向けられた銃の引き金を引こうとする卓也、そしてその引き金が引かれた瞬間!

バキューン!

シュン!

「いやああ!」

「ハハッ!契約完りょ・・・ん?」

ほぼゼロ距離から放たれた銃に契約完了を確信したが、そこには高音はいなく、地面に穴が開いただけであった。

「あ・・・あなたは・・・?」

「もう大丈夫でござるよ?女の身でよくがんばってでござるな」

死を覚悟した次の瞬間、自分を抱きしめ、瞬動によって自分を救った恐らく自分より年下の少年に尋ねる高音、それはもちろんW虜多雨老である。

「遅くなってすまんでござるな・・・それよりお主、これをかぶるでござる」

バサッ

「あ・・・、ああありがとうございます!」

そう言ってきていた上着を脱いで高音に渡すW良太郎、ここでようやく自分がハダカであることを思い出した高音は顔を真っ赤にして服を受け取った。

<ワカマルス、鼻血は大丈夫なの?>

「心配無用でござる・・・なすべきことが目の前にある今のこの時、己の弱さなどにかまってるひまはござらん!!」

己の弱さを認め、受け入れて上でなすべきことのためにそれを飲み込む、楓の言葉が今この瞬間W良太郎をつよくする!!

(ドキッ!い、今のは一体!?9

目の前の年下の少年の優しく紳士的な振る舞いと悪を目の前にする勇壮な瞳と鋭く整った顔立ちに見とれる高音
そしてW良太郎はそんな彼女達が見ている前でパスをかざし、ダブルアームイマジンに言った。

「そこの外道、そういうことだ。お主もお主の思いを貫きたくば拙者を倒してから行くのだな」

「ハハハ、あんたが噂の電王様か?仰いできて光栄だが、生憎そうもいかねーんだ。だって俺、派手にやりたいほう題するのはすきだけど戦いってキライなんだよね~っつーわけで」

シュウウウン!

そう言ってダブルアームイマジンは近くにいた契約者・卓也に憑依した。

「うわああ!・・・・へへ、どうだ?」

卓也に憑依し、もっていたトカレフを自らのこめかみにつきつけるダブルアームイマジン

「ヘタな脅しでござるな・・・ソ奴が死ねばお主も死ぬでござるぞ?」

「へへ、だからってアンタは手を出せない・・・悪いな、情報はキッチリ届いてんだよ!ヒーローはつらいね~?ちなみに、あんたが多少俺のこといたぶっても簡単に憑依はとかねーぜ?」

「・・・・・」

睨みつけながらも確かに身動きが取れないW良太郎、相手昨日、遊び半分で命を奪った外道だが、命には帰られない、ただの人間や不意をついてなら打つより早く銃を奪い取れるが、人間とは比べ物にならない反射神経をもつイマジン相手となると正直、微妙なことになってしまい、賭けで命を奪えない・・・・

・・・・・

デンライナー食堂車内

「オイオイオイ!なんかやばいことになってるぞ!」

「あのイマジンなかなか計算高いね」

「どどどどうしましょうアスナさん!?」

戦闘すらできないピンチにあわてるモモタロスとネギ、実際問題、イマジンが卓也の身体から出てこなければ手のうちようがない。
例え刹那やネギが救援に行ってもどうしようもない

「・・・・・方法ならある」

「「「「「!!!」」」」」

そんな絶望的な状況にフィリアが言い放つ

「エロイタチ、籠からでて魔法陣を引きなさい」

「ハッ?こんなとき何言って・・「いいから早くしなさいの○いもどき!3秒でやらないとその白い皮はぐわよ?」はいいっ!」

フィリアの恐ろしい視線に凍りつくカモ、良太郎に感じたものとはまるで逆の圧倒的強者のニオイがプンプンした。

パアアアア

2秒弱の超高速で魔法陣を書き上げるカモ

「これって仮契約とかいう・・・?」

この状況で何故に仮契約?首を傾げるアスナ、しかしそんな彼女の疑問にフィリアは話をする。

「アスナ・・・ネギ、アンタたちに今から仮契約をしてもらう。」

「「えええっ!?こんなときに何で!?」」

「・・・・理由は一つ、仮契約によってアスナが持つアーティファクト・・・それが必要」

「あーて・・・ふぁくと?」

「従者に与えられる武器のことか!しかしなんでお嬢ちゃんが姉さんのアーティファクトを?」

「・・・・この目で見たことがあるから・・・それより今は早くやりなさい」

「で・・でもいきなりキスなんて・・・」

緊急事態とはいえ、英国紳士として生徒へのキスに躊躇するネギ

「や・・やろうネギ!良太郎たちのためだし、緊急事態ならしょうがない!」

しかし、事態をそうもいってられない、ネギより少し早く、そのことを感じたアスナは頬を赤くしながらも思い切りよくネギの唇に唇を重ねる。

チュ、

パアアアアア!

「っしゃあ!契約完了です!」

二人がキスをした瞬間眩い光が包み込みカードが現れた!

「わあああ!なんやかっこええな~!」

「姉さん、そのカードを持ってアデアットと言って下さい!」

「あ、アデアット?」

パアアア!

・・・・・・・

「はは、さ~てと、んじゃま取りあえずそのパスをこっちになげてもらおうか?変身されるのが一番面倒だしーーー」

うまくこの場を脱出しようと交渉を始める卓也、その時!

「ラステル・マ・スキル・マギステル、風邪の精霊29人、縛鎖となって敵を捕らえろ。“魔法の射手・戒めの29矢”!」

パシィィイイイン!!

「なにっ!?」

ネギによって放たれた29本の魔法の矢が卓也を縛りつける!さらに

「今ですアスナさん!」

「ハアアアアッ!」

なぜかハリセンを持ったアスナが卓也に目掛けて突っ走ってくる。その速さは契約により、いつもの数段早くなっていた!

スパーーーン!

「ナッ!?」

シュウウウン・・・

縛られ動けなくなっている卓也の頭にハリセンをたたきつけるアスナ!するとダブルアームイマジンは卓也の身体から強制的に外に出された!

「スゴッ!やるじゃん私!」

「スゴイ・・・アスナさんもそうだけどあのハリセン・・・」

「ハマノツルギ・・・本来は召喚された悪魔なんかを強制送還させるためのきわめて強力な魔法具・・・」

「な、あんでだ!?どうして離れちまったんだ!?とにかくもう一度・・・「そうは行かないぞ?」なっ!」

事態が飲み込めないながらなんとか再び卓也に憑こうとするダブルアームイマジンだったが既に卓也は刹那とフィリアに抑えられていた。

<皆!>

「あれはネギ先生とその生徒!?一体どういう・・・」

思いがけない助っ人達に驚く良太郎たち

「えへへ、初めてあんたたちにまともな手伝いができたわね良太郎!さっ!もう余計なことはさせないからとっととそいつ倒しなさい!」

「かたじけないでござるアスナ殿!!変身!」

ピッ、

<SPEAR FORM>

カシャン
ファアアアアン
ガシャン!
パサアアア、

桜色に輝くベルトにパスをセタッチ、白い装甲と桜色の布パーツをその身に包み、美しき戦士は変身した!

「あ、あの方が・・・電・・王・・?」

目の前で起きる出来事に目を疑う高音、そこには、先程まで得たいが知れないと思っていた戦士が自分を守る為戦おうとする姿があったのだ。

「主に代わって悪を討つ!スピアーフォーム推・参!」

カシャン!
ヴィイイン

「これでもう小細工はナシでござる。尋常に勝負せい!」

スピアーモードに組み上げたデンガッシャーをかざし、ダブルアームイマジンを誘う電王、その立ち姿には自信と仲間への信頼と誇りがあった。

「はあ・・・まあ、ココまでされたらしょうねえな・・・だが、やるからには派手に死んでもらうぜひゃはーー!」

ダダダダダダダダッ!

まだ電王と20メートルほど距離があるのを幸いにガトリングを打ちまくるダブルアームイマジン!

シュン!

「何処を狙っているでござるか?」

「!!!」

しかし、気がつくと電王はすでに自分の後ろにいた。
変身した彼の前には飛び道具など何の役にも立たない。

「さて、コッチの番でござるな?」

「う・・うわああ~~!」

ヒュン!
シュン!シュン!ザシューーーン!!

一瞬で背後を取られた恐怖から、ガトリングの腹で思い切り殴ろうとするダブルアームイマジン、しかしそんな大振りな攻撃など当然あっさりよけ、舞うように華麗な槍捌きでダブルアームイマジンを切りつける電王!

(はっはは・・なんだよコイツ・・・強くカッコよくて・・ったくむかつくぜ・・・それに比べて、なんだよ俺、かっこわる・・)

その鮮やかな攻撃に痛みよりも美しさに対する嫉妬と自分のかっこわるさをかんじるダブルアームイマジン

ガッ!
ザアアアーーー!

何発かの斬撃の後、強烈な突きを食らわせてダブルアームイマジンを吹き飛ばす電王、必殺のスピニングカットをきめる間合いである。

「終わりでござる・・」

「ふ・・・・フハハハハハハ!」

(!)

パスをベルトにかざそうとしたその時、突然笑い出すダブルアームイマジン、その笑い声はごこか異常で不気味さがあった。

「ハハハ・・・まいったぜ大将!どうやら俺は過去に跳ぶこともできずアンタにたおされるらしい・・・まったくこんな派手ななりしてはずかしいなおう?」

「降参・・・ということでござるか?」

「おっと勘違いすんな?確かにやられるのは覚悟した・・・だが、往生際よく死ぬってのは俺の主義に反するんだ。何事も派手に豪快に、やられるんならやられるんでデッカイ爪あと残してやろうってな!」

ガシャン!

そう言って左腕のレーザーを構えるダブルアームイマジン、するとレーザーは砲門が展開し、先程よりはるかに大きなエネルギーを貯めてゆき、電王の真正面に照準を定めた。

「へへ、俺の切り札・・・ちいとばかし速度はおそいが強烈な一撃・・・そう、アンタの後ろにあるチャチな商店街なんて吹き飛ばしちまうようなな!!」

(!!)

その言葉に思わず今いる場所を確認する電王、確かに自分は今商店街を背に戦っていた。しかもこの場所には見覚えがあった。

「聞いたぜ?アンタは以前もここで戦ってあたりをめちゃくちゃにしたんだろ?やっとなおったってのにまた自分達の戦いで壊れるなんてひにくだよなあ?つまり俺が今から放つ一撃は物理的にだけじゃなくお前の心にもでっかい爪あとを残すってわけだ・・・へへ、悪くねーな!」

キュウウウウイイイイン・・・・!

もう既にチャージが完了したレーザーを構え今正に放とうとするするダブルアームイマジン、彼のその死を覚悟した行動ははったりではないようだ。

<ワカマルス!>

「分かってるでござる殿・・・・もう、奪わせはせん!」

<FULL CHAGE>

ギュィイイイン!

パサアア!

ベルトから桜色のエネルギーが充電され、同じく桜色の翼が広がる

「ハハハ、いいぜやれよ!けどその槍が俺の身体に届くよりレーザーが商店街をぶっ壊すけどな!何かを犠牲にして勝つなんざ哀愁漂うヒーローらしくていいじゃねえか!!」

と、挑発をするダブルアームイマジン、しかし電王はその場を動こうとはしなかった。
ただ、静かにデンガッシャーを構えている

「犠牲・・・?そんなものだしはせん!拙者は殿と戦うと決めた時、この胸に誓ったでござるよ。愛するもの、愛するものの愛するもの・・自身を含めたずべてを守り抜くとな!!!だから拙者はお主の一撃、真っ向から受け、見事守りきってやるでござる!!!」

それは良太郎から貰った正義・・・
一度は守れなかったこの商店街とそれでも自分に感謝してくれた人たちへの誓い・・・
そして、自分を助けてくれたアスナたちや高音、さらにココへ来る上で強さと弱さについて教えてくれた楓のため、彼は全てを守り抜く!!

「ハハハハ・・・カッコいいこといってんじゃねーぞこのタコ!命すら捨てた俺の一撃、なめんじゃねえ!!」

ドキュウーーーーーーーン!!!

怒りと執念を込めたダブルアームイマジンの一撃が放たれる!!

「命を捨てた・・・お主は何も見えていなかった昔の拙者や刹那に似ているでござる・・・・だが、それは間違い!己の命であれなんであれ捨てたものは背負ったものに勝てるわけがござらん!!」

バチバチバチバチ!

向かってくる赤い光に咆哮する電王!その時デンガッシャーの刃の部分が桜色に強く輝く!

「(自身のエネルギーをうまくコントロールし、刃に乗せて放つ)受けてみよ!これが山ごもりで編み出した拙者の新必殺技だ!スピニングクレセント!!」

ザシュウウウウウウ!!

そう言って構えたデンガッシャーを思い切り振る電王、するとその刃先から三日月の形をした桜色のエネルギーの刃が飛び出した!

「あれはまさか斬空閃!?」

電王が放った技に驚く刹那、確かに昨日、刹那はW良太郎の前で木の実をとるために幾度となく間近で見せたし、コツも聞かれたので答えたが、まさか一朝一夕で会得するとは信じられなかった。

シュウウウウウン!

「バカな!」

真正面に放たれた斬撃はそのままレーザーを切り裂いて真っ直ぐダブルアームイマジンに向かい、そして!

スパーーーーーン!

「絶望の花を咲かせ、散れ」

「ち・・・くしょう!・・さいごまで派手に・・決めやがって・・気に・・いらね・・」

ドゴーーーーーン!

身体を引き裂かれ爆発するダブルアームイマジン、彼の胸には敗れたことよりレーザーを切り裂いて人気のない方向に散し、本当に全てを守り抜いた電王に対する嫉妬と羨望の心が残ったという・・・

・・・・・・

デンライナー食堂車

「は~い、皆さんお疲れ様~!コーヒーで~す♪」

そう言って15杯のコーヒーを用意するナオミ、あの後、色々見られた高音と愛衣をごまかすのは難しそうなので、ひとまずデンライナーに乗って少し一服して帰ろうという話になったのだ。

「でも、今回は本当にみんなありがとう。アスナちゃんのハリセンがなかったら如何することも出来なかったよ」

「ハハハ、そう?」

良太郎の素直な感謝の言葉に照れるアスナ、正直、いつも命がけで戦う良太郎を初めて守るという形で戦えたのがうれしかったようであった。ちなみに良太郎は仮契約=キスという事実を知らないでいた。

「兄貴の方もなんだかんだで姉さんにパートナーになってもらってよかったすね!しかも化物が憑依した相手に突っ込んで言ってはたくなんざ大したもんすよ!」

「そうだね、・・・アスナさん、ご迷惑かもしれませんが、取りあえずエヴァンジェリンさんのkとが終わるまで・・・」

「わーかてるって!まかえなさいネギ♪」

(フン、すぐ調子に乗る単純なオバサン・・・それにこの後何人とも契約するエロ魔法使い・・・)

自信満々のアスナとパートナーが出来たことに喜ぶネギを冷ややかな瞳で見つめるフィリア、彼女の知る未来の彼らは一体どうなるのだろうか?

「でも今回のワカちゃんはカッコよかったな~、鼻血もださんかったしな~」

「そうだね。最大の弱点がこれで克服・・ってどうかしたのワカマルス?」

今回、ハダカを見たにもかかわらず華麗にカッコよく戦い抜いたワカマルスを誉める良太郎とこのかだったが、ここでワカマルスがさっきから全然会話していないのに気がついた。気になって良太郎が顔を近づけたその時!

ブシュウウウウウ!

「ギャ~~~目が~~~~!」

ポタポタポタ・・・・

まるで決壊したダムの様に鼻血を噴出すワカマルス、顔を近づけていた良太郎は目にモロに血が入り、さらに服が真っ赤になった。

「う・・・うひゅうう~~」

バタッ!

「ひゃあ!ワカちゃんが!」

「な・なんで?まさか・・・」

血を噴出した後、その場に倒れこむワカマルス

「うう、不覚・・・先程の戦闘を思い出したら・・・つい」

「ついってあんた・・・思い出し鼻血!?」

「克服は当分割きになりそうですね・・・」

楓の助言によって戦闘中などに鼻血は出ないようになったものの、やはり克服にははるか遠いワカマルスであった。
彼の苦難の日々はまだ続く・・・・

・・・・・

その夜・ウルスラ高等学校の女子寮にて、一人の少女が男物の上着を見て、溜息をついていた。

「はあ・・・、あの電王と思われる人にあってからとまることのないこの不思議な気持ち・・・これは一体?」

気絶すると服が消える通称“脱げ女”と直ぐに鼻血を吹く“ムッツリカラス”出会ってはいけない二人は出会い。そしてあまつさえ、片方はまさに禁断の恋に目覚めつつあったのだった・・・

・・・・・・続く・・・・・

おまけ
【イマジン?悪霊??モモタロス】

デンライナーから戻ってきた夜、アスナたちの部屋に集まった良太郎たちはカモから改めてアスナのカードの説明を聞いていた。

「まあ、ざっと使い方はこんなもんかな?まあ姐さんのハリセンはまた別の奴と契約したらそれぞれ違うもんがでる、本人限定のスペシャルアイテムってわけだ。フィリアさまの話じゃ悪魔や鬼に対しちゃ無敵といえるぶきだな~」

「そんなにすごいのこのハリセン?」

「すごいなんてものじゃありませんよアスナさん!」

見た目の成果イマイチハマノツルギの凄さが分からないアスナにその凄さを語る刹那、以前から魔物と戦った経験のある彼女には、その力がどれほどすごいかこの中の誰よりも分かっていた。

「ふ~ん、でもこれで叩いたら出て行くってことは・・・モモタロスたちも悪霊ってことかな?」

シュウウウウン!

「誰が悪霊だこのクマパン女!ちょっと武器貰ったからって調子にのってんじゃ「だから勝手に良太郎の身体つかうなっつーの!」“スパーン!”あいたーーー!」

シュウウウウン・・・・

「うわっ!やっぱ便利かも!」

出てきたモモタロスを瞬時に締め出すハリセンの能力をあらためて実感するアスナ、もっとも扱いとして武器というよりは次々に人格が入れ替わる良太郎へのツッコミ用ではあるが・・・・

「これさえあればバカモモたちも一発退場ね!良太郎、安心しなさい!」

「イテテテテ・・・でも結局僕が一番痛いんだよね?」

スチール製のハリセンによって出来たたんこぶをすする良太郎、結局今までとあまり変わりないような・・・と感じるのだった。

仮面ライダーDEN-O-MAGI 第54話 懺悔の時間?ひき逃げと夢覗き<

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