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第54話 懺悔の時間?ひき逃げと夢覗き 投稿者:仮面ライダーマンティス 投稿日:07/17-22:45 No.2703  

今回は前半と後半でネギと良太郎、二人の主役の各パートに別れております。

ネギパート

2003年4月13日月曜日午後3時30分・3-A教室

キーンコーンカーンコーン♪

「それじゃあ今日の授業はこれまです。皆さん気をつけて帰ってくださいね」

「「「「「はーい♪先生さよーならー!」」」」」

就業のチャイムが鳴り、元気に挨拶して一日の学業を終える生徒達、それぞれ部活やバイトなど、放課後の予定のために教室からでていく。

(う~ん・・・やっぱり今日もエヴァンジェリンさんたち登校してこなかったな・・・)

そんな様子をボーッとみながら、ネギは今日も体調が悪いと学校を休むエヴァと茶々丸のことを気に掛けていた。あの宣戦布告からなんだかんだで約一週間が過ぎ、はれてパートナーも見つかりしたものの、やはり、一度会って話がしてみたいと考えていたのだが、どうにもその機会すらない。

「よしっ!こうなったら・・・」

少し考え込んだ後、何かを決意したネギ。そして彼は、それから約30分後の4時4分4秒の時間を待って扉を開けた。

・・・・・・

午後4時10分・デンライナー食堂車

「あのチビの家に行くだ~!?正気かネギ!?」

「ハイ、やっぱり一度ゆっくり話し合って見たいと思うんです。」

ネギの考えていたこと、それは一度エヴァンジェリンと直接話し合って決闘なり話し合いなりで決着をつけようということだった。
そんなある種敵地にとびこむとも言えるネギの提案に耳を疑うモモタロス。

「ただ・・・、やっぱりひとりじゃ不安な面があるというか・・でもアスナさんたちも今日はバイトですからその・それでその・・・」

「おう!良くわかんねえけど俺でよければ助太刀・・・」

「ウラタロスさんについてきてもらいたくて!」

ガクッ!

頼られていると期待したのが見事外れがっくりするモモタロス、それにはわけがあった。

「その、エヴァンジェリンさんとうまく話し合いたいんですけど、美味く話し合い出来るかわからなくて・・・」

「なるほど、それで言葉の魔術師の僕にご指名ってわけね・・・いいかなハナさん?」

「・・・まあ、ネギ君のためだからしょうがないわね・・・・けどどうやってついてくの?フィリアちゃんは愛理さんのお店にいっちゃっていないわよ?」

「ああっ!だったらちょうどいいのがありますよ?ちょっとまってくださいね!」

そう言ってナオミはガサゴソと食堂車の棚からある物を引き出した。

「ジャーン!これならウラタロちゃんもキンタロちゃんも外に出られますよね~♪

・・・・・・

午後5時07分

「イヤ~、久々やな~一人の身体で外歩くんは!」

「まあ、確かにそうなんだけどさ・・・これっとちょっと女の子に声をかけるにはむいてないよね~」

大阪弁としゃべる象とぼやくペンギンの着ぐるみ、ネギと共にエヴァの家を目指す彼らこそ、ナオミが用意した着ぐるみの中に憑依ではなく詰め込まれたウラタロスとキンタロスであった。

「クスクス・・・」
「わ~!象さんとペンギンさんだ~!」

「あう・・ちょっと恥ずかしいような・・・」

10歳の子供が二体の着ぐるみときて町を歩いている姿というのは、何もしていなくても皆の関心をかってしまう。ネギはそんな状況を少し恥ずかしかったが、当初の目的通りエヴァンジェリン宅を目指した。

・・・・・・

午後5時30分・エヴァンジェリン宅

「わざわざマスターのためにお越しいただいてありがとうございます。ネギ先生に・・・・」

見舞いに来たというネギを警戒することなく屋敷に通した茶々丸、リビングで客人三人にお茶を出していたが、正直、ネギと一緒に来た二人が何者なのかかなり気になったいた。

「え・えーと・・・、エ・エヴァンジェリンさんに元気を出してもらおうと思ってきてもらった芸人の方なんです!」

「その通り、今売り出し中の若手コンビ“タローズ”で~す♪」

「・・・そうでした。わざわざありがとうございます。」

ネギの咄嗟の言い訳にあっという間に帳尻を合わせるウラタロス、気を使っているのかロボットゆえのボケか茶々丸もこれ以上は詮索をしなかった。

「しかし、エヴァが寝とるんじゃ俺らも如何しようもないなあ?」

「・・・あの、ネギ先生にタローズさん、申し訳ないのですが実は私、これからネコたちにエサをやりにいかなくていけなくて、良かったらソレまでの間マスターを見ていていただけないでしょうか?」

「えっ?僕らがですか!?」

「・・・はい、先生方にならお任せできる判断します。」

一応敵対関係にあるはずのネギと得体の知れない着ぐるみ男二人を何故か信じると判断し、出て行ってしまった。

・・・・・

エヴァンジェリンの部屋

「う~ん・・う~ん・・・」

「へえ、何百年も生きてる吸血鬼だっていってたけど、こうしてると寝顔は可愛いもんだね?」

「はい・・・、そもそも本来10歳の女の子だってタカミチは言ってたけどどうして吸血鬼なんかになったのか・・・」

なにかうなされながら眠るエヴァの寝顔を見ながら、改めて彼女の存在について考えるネギたち、元600万ドルの賞金首であるということはカモから聞いたが一体どんな悪事を行い、そもそもどういった経由でサウザントマスターに封印されたのかなど多くの謎が残っている。

「ハァ・・・ハァ・・・やめろサウザントマスター・・・」

「ん?どうやらネギ君のお父さんの夢みてるみたいだね?」

「父さんの?・・・ハッ!もしかしたら、夢見の魔法で何か分かるかも・・・!」

そう言って杖を出し唱えようとするネギ、だがすぐ躊躇してしまった。

「って、やっぱりこういうのはよくないですよね・・・茶々丸さんは僕達を信頼して任せてくれたのに、第一女の子の夢をのぞこうなんて・・・」

「フフ、そんなことないよネギ君、信頼は裏切るためにあるのさ♪」

紳士として、先生として、思いとどまろうとするネギに悪魔が囁きかける。

「えっ・・で、でも・・・」

「な~に、言わなきゃばれないって♪大体、これから釣ろうっていう相手のことをしるのは何かと有利になると思うよ?」

「そ・・そういわれれば・・・」

そうして言葉巧みに生真面目な少年をだまし、夢見の魔法に便乗するウラタロスとキンタロス、こうして3人はエヴァの夢を見ることになったのだが・・・・

・・・・・・

10分後

ズーン・・・

「あ、あれが父さん・・・」

エヴァの見た15年前の悪夢を見て、憧れていた父・サウザントマスターの戦いっぷりを見てショックを受けるネギ、英雄とまで歌われた彼のその戦いぶりはまるでウラタロスのようにインチキ臭く、モモタロスのように強引で力任せであったのだ

「う~ん、僕は結構好きだな~、自分の手の内をほとんど見せずに適当かつ効果覿面の攻撃で強敵をこけにして倒すなんてなかなか」

「しかしこのチビかれこれ15年も好きやった男のことまっとるんやな~」

などと、思い思いの感想を呟く三人、しかしここで彼らは気付いていなかった・・・

「オイ・・・貴様らまさか人の夢を見たのか・・・?」

「「「へ・・?」」」

エヴァがとっくに目が覚めていたことに・・・

「出てけーーーーー!つーかそこの二人は何者だああああ!?」

「うわああああん!ごめんなさーーーーい!」
「俺か?俺の強さは・・・「はーいキンちゃん、今日はおとなしく退散するよ!それじゃお大事にエヴァちゃん♪」」

一人マイペースなキンタロスをつれ、全速力でその場を去るネギたちであった。

「全く・・・!・・・ん?これは?」

起こり終わった後気が付いたが先程まで汗をかいていたはずの自分の服が着替えられ、氷枕も新しいのに帰られているのに気が付いたエヴァ、彼らが自分の夢を除くまで、看病してくれたのに気が付いた。

「・・・・フン、どうせ明日には計画を決行するんだ。一日くらい授業に出てやるか・・・」

・・・・・

良太郎パート

午後5時10分
良太郎は姉に頼まれた買い物を済ませ、ミルクディッパーに向かっていた。ちなみに今日はアスナたちもバイトの日である。

「う~ん、30分くらいで終わる買い物だったのにどうして1時間も掛かったんだろう?とにかく急がないと」

そう言って買い物袋を持って店へと急ぐ良太郎、だが、彼の場合焦って注意をおろそかにするとロクなことがない。よしんば遅刻したとしても、それはある意味毎度のこと、彼の回りの人間で彼が何かに遅れて起こる人間などまずいない。

そんなかれから数百メートル離れた場所で中等部の制服を着た生徒が一人、初等部の女の子を肩車して全速力で走っていた。

「ヤッバー!まずいよまずよ!このままじゃ完全に掃除の遅刻だ!ああ、またシスターシャークティーに・・・こうなったら飛ばすよココネ!しっかり捕まってね!かそくそーち!!」

ギュン!

そう言うと彼女のはいてるスニーカーが一瞬魔力を灯す、するとその女子生徒は、驚くべきスピードで走り出した!それこそ自動車並みの脚力を誇るアスナ異常のスピードで!

ダダダダダダダダダダッ!

「うおおおお!どいたどいたあ!美空様のお通りだよ~!」

といいつつ、実際には人気はなく(だからこそこのスピードを出せるのだが)少し油断をしていた彼女にいや正確には彼女の向かう先にある曲がり角を歩いている良太郎に“いつもの”悲劇が訪れる

「えーと・・近道近道・・・」

「っとお!あぶなーーー」

「えっ?“ドゴーーーーン!”ひゃあああ~~~~!!!」

ピューーーン!
ドサッ!

お互いの存在に気付いたころには時既に遅く、良太郎は自足数十キロで突っ走る女子中学生に跳ねられてしまった!!

「なんでこうなるの・・・?」

ガクッ

「うわあああ!やっべー!どうしよう!?人はねちゃったよ私!?ってコレ良太郎君!?」

中学生の身で人をはねてしまったことに動転するもはねた相手に気が付く少女、なぜなら彼女は良太郎のクラスメイト春日美空だった。

「美空知り合い?」

そして彼女に乗っているのは、美空のマスターであるココネ、二人ともこの学校にいる魔法生徒の一人である。

「うん、あんま話したことないんだけどね・・・にしても運がないとかいってたけどまさかここまでとはねえ・・さてどうしようか?」

かろうじてピクピクしている良太郎を目の前に美空の目の前にはギャルゲーのような選択肢があった。

1、近くにある教会にいって介抱する。
2、救急車を呼ぶ
3、逃げる!

世のため人のために戦う魔法使いとして、神を信じるクリスチャンとして、クラスメイトして、彼女が選んだ道それは!

「ま・生きてるみたいだし、顔も見られてないし、良太郎君だし、大丈夫だよね?つーわけでここは3を選択・・・さいなら~」

己の保身と遅刻を避けるため、あえて非情な道を選ぶんだのであった・・・

シュウウウン・・・

「追い待てコラ!」

(ギクッ!)

そんなひき逃げよろしくで立ち去ろうと美空たちを呼び止めるのは、仲間はずれや最近の出番の少なさにストレスたまり気味のこのお方であった!

「俺、参上!」

「あ、あれえ~?良太郎君思ったより元気そうじゃん・・・?いや~私も急いで誰か人を予防としてたんだよ?うん、いやまじだから・・」

(この人の中身・・・変わった)

汗をだくだくにかきながら必死に言い訳をする美空、ココネはそんな彼女をにらみつける良太郎の異常さに気が付く

「寝ぼけたこといってんじゃねーぞタコ!全部聞こえてたんだよ!人のことひいといてそのままにげるたあどういうことだ・・「何女の子に喧嘩売ってんのよこのバカ!」“スパーン!”あいたああ!」

シュウウウン・・・

「ったく、例によって帰りが遅いから探しに来たと思ったら・・ってあれ?美空ちゃん?」

「アスナ!っていうか今の?」

シュウウウン・・

「いってーなこのクマパン女!言っとくけどな、悪いのはコイツラなんだぞ?それを一方的に殴りやがってひでーじゃねーか!」

「??? もしかして良太郎君って学校でおとなしいけど地はこんなキャラ?」

アスナのハリセンで一度は飛ばされたもののめげずに再憑依するモモタロス、美空は一瞬見えた赤い鬼やアスナのハリセンなども含め、何が何だか混乱していた。

「オヤオヤ?随分襲いと思って心配しましたが、何かあったのですか美空君?」

「あっ!シンフォニー神父」

言い争いをするM良太郎とアスナたちの前に、美空が神父と呼ぶ聴診の男が現れた。ヨーロッパ系のさわやかな顔立ちで年齢は30前後、優しそうな微笑が好印象のまさに神父のような格好をした青年だ

「神父?なんだかわからねーけどそこのガキの知り合いか!?」

「ええ、美空君がまた何かしてしまいましたか?」

「あっ、いやーその・・・大したことじゃ・・」

「大したこと大有りだバカヤロー!こっちはてめーんとこのガキにはねられて吹っ飛んだんだよ!」

美空への怒りをそのままシンフォニー神父にぶつけるM良太郎、この場合美空に過失があるのだが、そのさまは町で肩がぶつかったと因縁をつけるチンピラと変わらない様子であった。

「それはそれは・・・申し訳ありませんでした。もしよければここの近くの教会で手当てをかねて詳しい話を聞きます。よろしかったら、何もありませんがお茶とケーキくらいなら・・・」

「なにがもしよかったらだ!大体ケーキごときで・・・ん?ケーキ?」

神父の心からのお詫びも聞かず怒こりっぱなしのM良太郎だったが“ケーキ”という単語に反応した。

「ええ、もらい物なのですがなんでも一日20食限定の有名店のイチゴのショートケーキだとか・・・」

「イチゴの!?・・・オホン!ま・まあ、そこまで言うんなら許してやらねえこともねえが・・・」

本人は精一杯やせ我慢をしているが彼がイチゴのショートケーキにつられたのは一目両全である。というのも、実はモモタロスはイチゴのショートケーキはプリンと同じくらい大好物であり、上に乗っているイチゴは最後に食べる・・・などという乙女のような食べ方をするほど愛していた。しかし、残念ながら食堂車おメニューにはケーキがなく、かれにとってはこちらにきてはじめてのチャンスといえたのだ。

「フフフ、寛大なお心に感謝します。ではこちらへ」

そうしてM良太郎とアスナは神父に連れられ歩いて5分ほどの境界へと案内された。

・・・・・・

教会内・給湯室

「へえ~、教会って始めてはいるけどこういうところは案外普通なんだ・・・」

「まねー、っていうか良太郎君の筋肉すごっ!おまけにやたら生傷おおくてなんか北○の拳みたい!」

テーブルに座りながらまじまじとまわりをみるアスナと一応良太郎の手当てをしようとする美空、上着を脱いだ彼の身体はモモタロスが憑依したことにより筋肉がぎゅっと引き締まっていたたくましいものでついでに良太郎の普段の行いからくる生傷が、映画に出てくるような肉体を象徴していた。

「いちちち・・しみるなおい・・・ソレよりケーキはまだなのかよ?」

消毒液がしみながらもケーキを今か今か待ち続けるM良太郎。そこへ神父がケーキと人数分のコーヒーを持ってきて現れた。

「お待たせしました。数はありますからそちら美空君のお友達もよろしかったら

「えっ、ありがとうございます。」

「わーい!ケーキだケーキだ♪」

礼儀正しくお礼をいうアスナと最早ケーキしか眼中にないM良太郎、こうしているとヤンチャな弟とそれを抑える姐のようにも見える。

・・・・・

「プハー、コーヒーはイマイチだったがケーキはなかなかだったぜ神父さんよお」

神父からもらった分も含め計3個のケーキを平らげ満足そうにするM良太郎、ちなみにイマイチといったコーヒーについてはウマイの基準がナオミの淹れた謎のコーヒーをかたる液体であるためで、実際はわりとおいしかった。

「それは何よりです。・・・ところで美空君?いくら人気のないところとはいえ街中で魔法を使ったり、あまつさえそれで人に害を及ぼすなど本来はあってはならないことですよ?」

「ご・・ごめんなさい・・」

「・・・・うむ、まあ幸い野上さんも神楽坂さんも魔法のことは承知のようですし、寛大なお心で許してくれるそうですからお二人に感謝しなさい」

「おおよ!感謝しろよ?」

寛大の意味も分からず偉そうにするM良太郎、というかこの場合、本来許すのは只今気絶中の良太郎なのだが・・・

「にしてもアスナはまあ一緒に住んでるからなんとなくそうなんじゃないかと思ったけど良太郎君までねえ・・・ていうかそれが素なの?」

改めてチンピラ臭がただよう普段とはまるで別人の良太郎を見つめる美空

「ああ、まあこいつはこうして・・・」
説明するのが面倒といった感じでハリセンを取り出すアスナ狙うのは無論

パシーン!

「あいたー!“シュウウウン・・・”うう、痛いよアスナちゃん・・」

「戻った!?なんかよくわかんないけどTVのチャンネルみたいだね」

「まあね・・・でも美空ちゃんが魔法使いだった方が私は驚きよ、ていうか美空ちゃんもネギみたいにマギなんちゃらを目指してるの?」

「アハハハ、んなわきゃないじゃん!まあ家の場合親が色々うるさくて仕方なくーって感じなんだよね~」

「美空君?」

「あっ、いやいや、冗談ですラズウェル神父!」

ついついもらしてしまったやる気の欠片も態度を注意するラズウェル・シンフォニー神父、アスナと良太郎はネギとはまるで真逆の彼女を見て魔法使いもいろいろなんだな~としみじみ思った。

「フッ、まあいいでしょう。“目標”も“懺悔”も人に教わるものではありませんからね・・・・」

「懺悔って・・・反省することですか?」

あまり聞きなれない言葉に疑問を浮かべる良太郎、そんな彼にラズウェル神父はニコリと微笑み、懺悔室を指差した。

「そこにある懺悔室で悩める者や強く後悔・反省しているものの言葉に耳を傾けるのも私の仕事の一つなんです。人間、誰かにそれを打ち明けるだけで存外心が軽くなるものなんですよ?何を聞いても私達は決して外でしゃべりませんしね」

「・・・悩みを聞く・・立派なお仕事ですね」

「いやいや、これでも結構しんどいと思うこともあるんですよ?人の暗い部分を見ることがありますし、何より・・・情けない話ですが、時々、悩みを打ち明けに来る人が羨ましく思うときもあるんです。人の咎を聞き、許すのが聖職者、では聖職者の咎は誰が許すのか・・・とね・・・」

「・・・神父さん?」

表面上は笑顔だが、その裏にどこかかげりを感じる良太郎、しかしそれ以上のことは聞くことが出来なかった。

・・・・・

「それじゃあごちそうさまでした神父さん。ホラいくよ良太郎!すっかり忘れてたけど今お店このかたちだけなんだから!」

「ま、待って~!」

「気をつけて帰ってくださいねー・・・ふふ、元気な子供たちだ」

良太郎たちも帰り、美空とココネも頼まれたお使いに出かけ、協会には神父が唯一人残されていた。

(・・・・私は、なぜあんなことを彼らにはなしてしまったんだろう・・・)

自分と良く似た中年男性の写真が入ったロケットペンダントを見つめながら考え込むラズウェル、それは彼自身の罪の明石でもあった。

「それはアナタが無意識のうちに彼に助けを求めたかもしれませんよ?ラズウェル・シンフォニー神父?」

そんな静寂に包まれた教会に、一人の男の声が響く

「!! 誰ですか!?」

穏やかではあるが言い知れぬプレッシャーを感じずにはいられない声に緊張を走らせるラズウェル、そんな彼を怖がらせまいと思ったのか、声の主は姿を現した。

「これはこれは驚かせて申し訳ありませんラズウェル神父、いやはややはり魔法使いの方だけあって私のようなやからに対しては良い感をお持ちだ!」

「! 魔法のことがごぞんじなのですか?」

「ああ、申し送れましたな。私、仲間内から仲介人・・ブローカーと呼ばれるている者です。実はアナタに素敵な提案をもってきました。」

「提案?」

笑顔の中に潜む恐ろしい本性をヒシヒシと感じながら、話を聞くラズウェル老紳士=ブローカーは変わらぬ穏やかな笑顔で話を続けた。

「ええ、日ごろ迷える子羊のために頑張るあなたへの神様からのささやかな贈り物、アナタの咎・・捕らえ続ける鎖を断ち切って差し上げますよ。あなたの父上の敵エヴァンジェリン・A・K・マグダウェルという鎖をね?」

(!!)

その名前を聞いて凍りつくラズウェル

「フフ、代償はたった一つ、あなたの“絶望”がたっぷりつまった過去・・・安いものでしょう?」

持ちかけられた提案は神の導きか悪魔の囁きか・・・

・・・・・続く・・・・・

おまけ
【デンマギ情報】
ダックイマジン・・・2003年の現代にやってきた未来人のエネルギー体がアルベール・カモミールが思い描く鴨がネギしょってやってくる』ということわざから鴨をイメージしてこの世に現出した姿、カモの山のような下着がほしいという願いを叶え、過去へ飛ぶことを目的としている?
長ネギのような形をした剣を武器にした接近戦が得意で、ソードフォームと渡り合うほどの高い格闘能力をもっている。また、時速70キロ程度だが空を飛ぶことが可能
なんだか男らしい口調と渋い声をしているが実は真性の変態で、いつの間にか目的のための手段でである下着集めが目的にすりかわってしまい、過去へ飛んでも下着のことばかり考えていたところ電王と交戦、最後まで下着への執着を捨てなかったことが源信でデンライダーキックを食らい爆死した哀れなくらいアホなイマジンであった。

Mrゴールドさんアイデアありがとうございます!

仮面ライダーDEN-O-MAGI 第55話 天使の囁き。憎しみが心を満たす時<

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