プロローグ3 投稿者:モフ・ハイマニューバ 投稿日:05/09-14:12 No.475
前回のあらすじ
新八たちは後一時間しか生きられないらしい
ちょっとぉぉぉぉぉ!!アバウトすぎだよこれェェェェェ!!(新八)
プロローグ3
「ちょっとぉぉぉ!!それどういうことですか!?」
僕は部屋から去ろうとした沖田さんを必死に引き止めた。
すると沖田さんはなんでもないことのように
「なーに、毒が回ってとてつもなく苦しんで死ぬだけでさぁ。そう気にすることじゃありやせんって」と言う。
「いや!気にすることでしょ!?なに、僕たち何時毒なんて飲まされたの!!?」
「さっきのお茶、うまかったでしょ」
「あれのナカカァァァァ!!」
思えば最初からおかしかったんだ。あの沖田さんが普通のお茶なんか出すわけないんだよ。
「まずいぞ新八。このままじゃ……」
「ええ、このままじゃぼ「ジャンプの続きが読めねぇじゃねぇか」ってそれどころじゃねぇーよ!!このままじゃ死ぬんだよ!!ジャンプじゃなくてピンチなんだよ!!少しは真剣に考えろ!この駄目人間!!」
「こらー、銀ちゃんをいじめちゃ駄目アル。そんなこと言ったら傷ついちゃうヨ」
「銀ちゃん、小説だからって私の口調、真似しないでほしいアル」
神楽ちゃんが言った。っていうか銀さん、あんたこんなときになにやってんの!?そんなことしてる場合じゃないでしょ!!
「と、とにかく解毒剤はないんですか!?」
「協力してくれない奴にくれてやる解毒剤なんてあるんでしょうかね?」
「あんたホントに警察!?こんなん今時悪役でもやらねーよ」
「いざというとき鬼にもなれる、それが侍ってもんですぜ」
「知るかァァァ!!あんたの持論なんて知るかァァァァァ!!」
「そうアル、いっそ吐き出しちゃえばいいネ!」
「無理だよ!もう消化吸収されちゃってるよ!!そしてすぐに吐こうとするのやめてよね神楽ちゃん。一応女の子なんだから」
そこに銀さんが
「大丈夫だ新八、神楽、カルシウムを摂っていれば何でもうまく…」
「いくわけねーだろ!!」
「わーったよ、協力すりゃいんだろ協力すりゃーよー」
銀さんが観念して協力するように言うと沖田さんは
「別に俺はいいんですぜ、どっちでも」
と言う。どうやらこちらの反応を楽しんでいるみたいだ。
「ま、いいでしょ。んじゃ、解毒剤、渡しますね」
沖田さんはそう言うと、懐から解毒剤を出そうとする。
「あれ?」
がなかなか見つからないみたいだ。
「沖田さーん、早くしてくださいよ。あと二十分しかないんですよ」
そこに、
「おい総悟、なにやってんだ」
土方さんが現れた。
「いえ、ちょっとね。それより土方さん、俺の上着に入ってた瓶知りやせんか?」
「ああ、それならマヨネーズの材料にしちまったぞ。じゃあ早くし
ろよ、もう出来てんだからな」
土方さんはそう言い残し戻っていった。
「しまった、もう出来ちまってたとは…」
「沖田さん、そんなことより解毒剤は…」
「ああ、どうやら使われちまったみたいだ」
沖田さんはあっけらかんとそう言った。
すると銀さんが
「オイィィィィ!!どうすんだよ!じゃあ俺たちはこのまま死ぬしかねぇのか!?こんな本編とは一切関係ないところで!!冗談じゃねェよ、まだジャンプ読みきってねぇんだぞ!!」
と言った。駄目だ、この人完全に混乱している。
「大丈夫ですぜ、土方さんのマヨネーズを食えば何とかなりやすぜ」
それを聞いた銀さんは急いで走り出した。
「そうとわかればさっさと行くぜ!あばよ、お前ら」
間違いない、あいつは僕たちを見捨てる気だ。
神楽ちゃんもそう思ったのか僕たちは同時に走り出した。
厨房についてみると二人がマジバトルをしていた。
「テメェに食わせるマヨネーズなんかねぇよ。天パー」
「俺だって好きでこんなもん食うわけねぇだろ。冗談は目だけにしろー目だけにー」
「「てめぇはぜってーぶっ殺す!!」」
今すぐにでも殺し合いに発展しそうなところにさらに、
―ドガーン
「銀時!助けに来たぞ!!」
「ヅラー、お前どうしてこんなところにいんだ?」
「お前を助けに来たんだ。それと、ヅラじゃない」
桂さん登場。
「新二君、俺の台詞を盗らないでくれないか」
あ、すいません。でも桂さん、
「新二じゃない!新八だ ボケェ!!」
さらに、
「あら、新ちゃん。ここにいたのね」
姉上こと志村妙登場。
「姉上!何でこんなところに!?」
「貴方たちに差し入れを持っていこうと思って…」
そう言って姉上は持っていた重箱を開けた。
「姉上、これは何ですか?」
「新しく作ってみたゆで卵よ」
「ゆで卵は黒くありません」
そのとき、いくつもの出来事が重なった。
土方さんの
「この新型マヨネーズはお前らにはぜってー食わせねぇ!!」
桂さんの
「この新型爆弾でここを吹き飛ばす。その間に逃げろ、銀時!!」
いつのまにか来ていた近藤さんの
「お妙さーん、新発売のハーゲンダッツ持ってきましたー」
駆けつけてくれた沖田さんの
「新しい解毒剤ですぜ」
そして銀さんの
「オイィィィィ!買ったばかりのジャンプに何してくれてんだテメぇーらァァァァ!!」
科学的な根拠ゼロだがそれらのものが反応し、光りだして
―ズゴォォォォォォォォ
爆発した。
「ぷはぁっ」
目を覚ますと屯所はボロボロ。無事であること自体が奇跡みたいだ。
僕のほかに無事なのは…姉上、今姉上にぶっ飛ばされた近藤さん、土方さんと桂さん、瓦礫の下で何かを探している神楽ちゃんだ。
あれ?一人足りない…
「姉上、銀さんはどこですか?」
「あら、そう言えば見かけないわね」
まさか…
「神楽ちゃん!銀さん見かけなかった!?」
「銀ちゃんどこにも見かけなかった、今探してるところアル」
嘘だろ…
「ああ、そりゃ死んだな」
「縁起でもないこと言わないでください、土方さん!!―神楽ちゃ
ん、僕も手伝うよ」
そうだ、あの人がそう簡単に死ぬはずが…
「銀さーん!」「銀ちゃーん!」と呼びかけても返事がない。
「私も手伝うわ」の姉上の一言から桂さんと近藤さんも手伝ってく
れて、
土方さんも「ちっ」と舌打ちしながらも探してくれた。
銀さーん、銀ちゃーん、銀さーん、銀時ー、白髪ー、天パー、と何
度も呼ぶが一向に返事がない。
皆の表情からも諦めが見え始めている。
「ちっ」
「銀時……」
「新ちゃん、神楽ちゃん、あの人はもう……」
「うそだ!あの人がそう簡単に…そう簡単に……」
「まだ探すアル!きっと銀ちゃんなら生きてるネ!!」
まだ捜そうとしている僕たちを皆が止めようとしている。
「銀さーん!!!」「銀ちゃーん!!!」
辺りに僕たちの呼び声が響いた。
「ぎゃあぎゃあ、うるせぇんだよコノヤロー」