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その7 『一つの結果・嵐(?)の前兆(テスト編、終話』 投稿者:M・Tミゲ 投稿日:03/25-01:11 No.2171  

「……ちょっと、やり過ぎたか?」

目の前に広がる光景に、腰に手を当ててそんな事をぼやきやがる忍者さま。

階段は吹き飛び、壁は砕け、エレベーターは技の余波により完全に扉が拉げ、内部の機械が火花を散らしているのが見える。
コレだけの被害を出して、ちょっとと言い張りやがりますか? 

「ん~…こんな場合に言う言葉は……ああ、そうだ。」

足場が無くなっているので、無事な壁に張り付きつつ腕組みをし何やら考えるナルト。
何やら思いつき、そして……


「『ヤレヤレだぜ』、だってばよ。」


そんな事を言葉を、つぶやいた。




魔法先生ネギま

~麻帆良忍風帖だってばよ!!~

<その7>一つの結果・嵐(?)の前兆(テスト編、終話)




時間は過ぎ、月曜日の夜。

「いたたたっ……全く、じじいに虐待じゃよ。」

体を包帯で覆った近右衛門が、学園長室でテストの採点をしつつそんな独り言を吐く。
自業自得なのだから、同情の余地は無いだが。

「にして強いのう……あのゴーレムが一瞬で、しかも一撃で破壊されるとは思いもよらなんだわい。」

思い出すのは傀儡を通しての先の戦闘……いや、戦闘というのも図々しい一方的な破壊。
一撃で破壊された、あの石工のゴーレムを、局部においてもそれよりも硬い物質で構成されたゴーレムが、仮も魔法の産物が、一撃で、成す術無く、その巨体を砕き飛ばされた。

思い出しただけで震えが来る。
あの時のナルトの瞳、気配、空気、言葉、その全てに恐怖を感じた。

「……いくら何でも、ありゃ反則じゃろて。」

静かだった、攻撃の瞬間すら静謐に成されたいた。

「よもや攻撃の瞬間、その刹那さえ殺気を発さぬとは……抑えてアレじから、箍を外したらどうなるのかのう?」

“抑えられた”静かさ、それが出来る人間程恐い者はいない。
殺気を抑え、闘気を抑え、静かに、冷静に、それでいて平常時と同じ様に戦える存在。
普通は余程修練を積んだ者と言えど、攻勢に出る瞬間、攻撃を放つ瞬間には自然と『殺気』や『闘気』と呼ばれる物が出てしまうものだ。

特にナルトのように、普段の性格から察する事が出来る位の明らかな 『動』 のタイプの者なら直の事。

「性格は疑いようも無いほど真っ直ぐで、実力がアレじゃからこれ程信頼に足りる人物は居ないじゃろうなぁ……ワシ、結構な掘り出し物拾ったかも。」

性格に関しては全く持って疑う余地は無い、そんな事は彼に会って数時間で分かった。
真っ直ぐで眩しい程に力強いく、そして疑いようが無いほど愛すべき大馬鹿者だと言うことが。(ちょっと失礼だが。)
演技と言うことも考えられるが、それは余りに無理がある様に思える。

後は実力の面、コレだけは実際に見ないと量りきれない、故に試したがそれも全くの杞憂に終わった。

「しかし、ちとやり過ぎじゃよナルト君。老骨に全力向ける事も無いじゃろうに。」

「いや、ぶっちゃけかなり手加減したんだけど……近衛のじーちゃん意外に弱いのな。」

「あれで手加減しっとんかい!! つくづく規格外じゃのう……ってナルト君?」

「おっす!」

何時の間にやら、学園長室の窓にナルトがちょこんと腰をかけていた。

「何時の間に戻って来たんじゃ? あそこからだと、エレベータが無い限り回り道で三日は掛かるんじゃが…。」

非常用のエレベータが破壊されたのは、近右衛門も確認済みである。
故に、戻って来るには三日は掛かる迷宮を通らなければならいなのだが。

「っへ? あ、いや、普通に壁登って来たら数時間位で済んだってばよ?」

「壁を……登って?」

捕まる窪みすらない壁を、登って来た言われても納得出来ない。

「そ。チャクラを使って、壁に吸着して駆け上がって来たんだってばよ。」

「…………君に、一々ツッコンンでも仕方ないのかのう。」

少しづつ、悟って来たのが寂しい近右衛門だった。

「でも昨日の夜の修行とかもあって結構チャクラ使っちまったから、流石に眠くなって登りきった場所で熟睡。んでようやく起きて、ここに戻って来たんだってばよ。」

苦労したー、と言う風に言ってくるナルト。
そんなナルトに、近右衛門は大きな溜息をつく。

「んで、近衛のじっちゃんは一体何してるんだ?……そんな包帯グルグル巻きの格好で?」

「……テストの採点じゃよ 。(誰のせいだと思っとるんじゃ!!)」

自覚が無いナルトが、図々しくそんな事を聞いてくる。
その言葉に、近右衛門の溜息がさらに深まった。

「テストの採点って……ひょっとして~、もうテスト終わっちゃてたりする?」

「とっくじゃよ。」

嫌なの予感がすると言う顔のナルトの問いに、近右衛門は間を置かずにサラッと答えた。

「…………しくじったてばよ。」

がっくりと、残念そうに項垂れるナルト、。

「なにがじゃ?」

余りのナルトの落胆振りを見て、不思議そうに問いかける。

「『全員がテスト受けてる間に、久々に悪戯でも仕掛けようかな~♪』ってイロイロ準備してたのに……。」

『聞かなきゃ良かった』
近右衛門はナルトのその発言を聞いた瞬間、心底そう思った。

「何考えとるんじゃ、教師が生徒の悪戯などと……」

流石に憮然とした調子で、小さく呟くように言う。

(前言撤回じゃ。掘り出し物かどうかは、ちょっと保留じゃな……。)

悔しそうに「ちっくしょーーーー!」っと地団駄踏むナルトを見て、そのその評価をちょっと下げる近右衛門だった。
一体、何を準備していたのだろうか?

何はともあれ。

合掌?



月日は流れ (と言うほど時は過ぎてはいないが) 本日はテストのクラス成績発表会。

校舎玄関ホールには、結果を待ち望む生徒達のかたまりが出来。
そして学園内のいたる所でも放送機器より流れる結果を、ソワソワと落ち着かず待つ生徒の姿が見受けられる。

当然、その中には2-Aの生徒達の姿もある。
既に彼女達は、テストの結果次第に置いてはネギのクビが掛かっている事知っている。
故にだろう、周りの生徒達の中でも彼女達は一際落ち着きが無い。


順は進み、そしていよいよ時は来る。


『―――――では、第2学年のクラス成績を良い順に発表致します。』

2-Aの生徒達、特にバカレンジャー達の間に緊張が走る。

『第一位、2年えー……』


一瞬、生徒達の顔が期待に彩られ。


『2年F組! 平均点80.8点!!』

そして落胆。

『第二位、2年えー…』


次こそは! そう念じながらも再び期待の色を浮べる生徒達。


『S組! 平均点79.8点!!』

そして、再び落胆。
現実は、思ったよりもシビアである事を思い知らされる。
(と言うよりこの発表員、狙って言ってない?)


その後も告げられていく発表に、食いつく様に聞き入り彼女達。
それでも、中々2-Aの名前は呼ばれ無い。
焦りを積もらしていきながらも、望を捨てずに言葉を待ち続ける。
そして、とうとう。


『次は下から二番目、ブービー賞のです。』

結局2-Aはこれまで呼ばれ無かった、つまり実質ここが最後のチャンス。
生徒達の顔が、緊張で強張っている。

『えーと……』

流石のネギも、緊張のせいで動悸が速くなる。

『これは……』

例えるなら、正に運命に一瞬。


しかし、現時とはかくも厳しいくそして無情である。


『2-Kですね。平均点69.5点。次回がんばってくださいねー』

その瞬間、2-A、特にバカレンジャー達の姿がまるで白く、まるで燃え尽きた灰の如く真っ白となる。
何処かのボクサー張りの白さ、今にも彼の“あの”名台詞が聞こえてきそうだ。

「「「「「……さ、最下位確定~~~~~~~~~~~!!!?」」」」」

茫然自失、それでいて悲痛な叫びが響く。

ショックに呆ける2-Aの生徒達、そんな中。

誰もが真っ白、誰もが「萌えたよ、萌え尽きた……」(誤字にあらず?)状態。


「……」


そんな中、自失からいち早く立ち直ったネギは、ゆっくりとそして気付かれぬようにそっと校舎から抜け出していった。





一人、トボトボと荷物を抱えてあるくネギ。


「ぐすっ……」


微妙にべそをかきながらも、それでもしっかりとした歩調でその道を歩く。
途中、何かに後ろ引かれる様に一度だけ来た道を振り返るも、それでも直ぐ振り払うように首を振り前を向き歩き続ける。

理由は単純、『失敗は帰還』、ただそれだけの事。
それはネギも納得してでの事……しかしその表情が“悲しさ”“寂しさ”“悔しさ”に彩らている。
まぁ、それも仕方なき事ではあるが……。

「子供一枚、新宿まで。」


「何所に行くんだ、ネギ?」


駅に着き、切符を買おうとしたネギ。
そのネギの後ろから、行き成り男の声が届く。

「?……あ、ナルト先生。」


振り返ると其処には、何時の間に来たのか自動改札機の上にちょこんと座り、何やら漫画本を読むナルトの姿があった。


「そんな荷物持って、そんな今にも泣きそうな顔して、何所に行くつもりなんだてばよネギ?」

本から目を離さずどこか飄々とした口調で、ナルトはネギに問い掛ける。

「何所って……帰るんです。もう、僕は先生じゃ無くなっちゃいましたから……ここには居れません。だから、帰らないと。」

寂しそうに、それでいて悲しそうにその問いに答えるネギ。

「ふーん、んで何所に帰るんだ?」

そんなネギの様子を横目にナルトは、口調を変えず表情を崩さずただ本のページをめくりながらさらに聞き続ける。

「故郷に……ですよ。修行は失敗しちゃったから、故郷のウェールズに帰らないと……。」

「…………」

直も悲しそうに答えるネギ。
その答えにナルトは黙し、ただパラパラと本のページをめくる。

「……それじゃ、ナルト先生。短い間でしたけど、楽しかったです。…………皆にも、そう伝えてください。」

ネギの別れの言葉。

「嫌だ、断る。」

だがその言葉にナルトは間一髪入れず否定の言葉を返した。

「……へっ?」

「どうも今一、納得できねぇだよな~……まず、何でネギが故郷に帰らなくちゃなんねぇんだ?」

本を読みながら言うナルトの言葉、その言葉は問い掛けると言うよりは詰め寄ると言った感を受ける。

「そ、それはテストで僕が、最下位脱出させる事が出来なかったから……。」

聞き様によっては他者の、生徒達のせいにしてるようにも聞こえる言葉。

だが今のネギの口調では、完全に自分を責めていると分かってしまう。


それは力の無さを呪う、足りない力を悔やむ、及ばぬ力に嘆く、至らぬ自分を鞭打つ卑下の響き。


「最終課題ってやつのか?……んでもあれに書かれていたのは、『期末テストで最下位脱出できたら、正式な先生にしてあげる』 であって脱出できなかったら如何するかは、特に書かれて無かったってばよ?」

「…………えっ?」

「詰まりこれからネギがどうなるか、辞めさせられるのかそれとも続ける事が出来るのか、近衛のじっちゃんに聞いてみないと事は未だ判らなねぇんじゃ無いかって事。」

口調は変えず、態度もそのまま、本を読んでいる事も変わらない。

「え? え、でも……。」

ナルトの言っている事は屁理屈だ。
ネギ本来の目標は、マギステル・マギ(立派な魔法使い)になる事で教師をするのはその修行の課題の為であり、言わば“過程”であり“結果”ではない。
故にその課題、つまり『日本で教師をやる』が出来ないもしくは続けられない場合は、修行課題は失敗した事となり故郷へと帰還しなければならない。


それでもその言葉に、在らぬ希望がネギによぎる。    


(諦めなくて……いい?)


その希望をネギは、頭を振り必死に追い払う。
そんな無茶な理屈に縋ろうとする自分を、必死に諌める。

「まぁ、そんな御託は置いとくとしてもだ……」

チラリと、横目に視線をネギへと向けるナルト。


「結局、ネギ自身は如何したいんだ?」


「……」

えれに答えられす、俯くネギ。


「このまま帰りたいのか、それとも本当のは残りたいのかどっちなんだ?」


意地の悪い問いかけ。


「詳しくは知らないけど、けどネギには何かやりたい事が、なりたい物があるからこうして此処で先生やってるんだろ?」


答えなんて分かり切ってる。


「本当に、それを諦めて帰りたいって言うんだったら何も言わない。所詮それまでだってばよ…………んでも、もし、もし本当は未だ帰りたくない、諦めたくないって言うんだったら―――――」


否、分かり切ってるからこそ。



「――――――俺はネギを気に入ってるから、何とかしてやるってばよ?」



ナルトは、こんな事を告げるのだろ。



「んでネギ、本当はどうしたんだ?」

「……」

「黙ってたって分かんねぇぞ。ほら、ちゃんと自分の言葉で、自分の意志で言ってみろってばよ。」

「……」

「ああ言っとくけど、お前が自分の口から本当の答えを言うまで、俺はお前を行かせる気は無ぇからな。」

「…………」


しばしの沈黙を保つネギ、騒がしい駅、喧騒の中、そんな中で静寂、そして俯いて黙するネギ。


「…………帰りたくないです」

時間にして数分か、それとも数秒の事だったか、小さなネギの声が漏れる
呟くように、俯き搾り出すように細い声でネギは言葉を紡ぐ。

「帰りたくない……諦めたくないです…………嫌です……僕……。」

ポツポツと、途切れながらも紡がれる言葉。
途切れ、途切れの言葉は段々とその音量を増していく。

「……帰りたくないです! 諦めたくなんかないですっっ!!」

強い言葉、意志の篭った声。

少年の『本音』にナルトは、読んでいた本をパタンと閉じて満足そうに頷き立ち上がる。

「よし、よし。」

ヒョイッ、と改札機の上から飛び降りて、尚も満足そうに云々と何度も頷く。

「それでいいんだって……たっく、水臭いってばよ~ネギぃ。何も言わずに出て行こうとするわ、出て行きたく無いのに助けすら求めねぇわ。お前はもうちっと周りに甘えろってーの!」

そう言いナルトは、笑いながらネギの頭を軽く小突く。

そしてその手でクシャっと、ネギの頭を撫でた。

「ネギーーーッッッ!!」

「お、来た来た。」

二人の耳に少女の声、それに伴って此方に駆けて来る足音が聞こえる。

「あ、アスナさん……。」

少女、神楽坂明日菜が走ってくるのがネギの目に映った。

「おらネギ、行って来い!」

「わっっ!!?」

ネギの背をナルトは、叩くように押し出す。
意外に強い力で押し出され、体勢を少々崩しつつネギはその身を明日菜方へと進めさせられた。


ふらふらと近寄って行くネギ、走り寄ってくる明日菜。
さらにその後ろに急ぎ駆けて来る7つの影、他のバカレンジャー+3。
それらを見つめナルトは、何時もの明るい笑顔と異なる穏やかなそして暖かい微笑を浮かべる。

「……ネギ、お前は幸せ者なんだぜ? 気付いて無いかも知れねぇけど、それだけの奴等に慕われて、心配されて……それって気付き難い事だけど、本当に幸せな事なんだぞ? 何せ『独り』じゃ無いんだからな。」

静かに、それでいて優しく独り呟くナルト。


「だから、そんなお前が、そこまで想われてるお前が“先生”を辞めるべきじゃ無いってば。辞めて、誰か一人でも悲しんでくれる生徒いる内は……辞めるべきじゃ無いんだってばよ。」


穏やかな口調、暖かな雰囲気。
普段の彼とはまた違った、何所か父親を……いや“優しい兄”を思わせる瞳でネギと、その生徒達を見る。

「なぁ、近右衛門のじーちゃん。」

行き成り口調の何時ものに戻し、首だけ軽く捻りその方向を見る。

「フォフォフォフォ、やはり流石じゃな。あっさり気付かれたのう。」

ナルトの言葉に、ヒョッコと物陰からその姿を現す近右衛門。

「つー訳だからネギの事、何とかなんねか?」

頭をポリポリとかきながらナルトは、苦笑を浮かべ「頼むわ」と軽く頭を下げる。
態度こそ何時もと変わらないが、その声には真剣さが感じと取れる。

「いや、その事なんじゃがな……」

「うん?」

「実はの、遅刻組みのワシがやっとってのう、うっかり2-A全体と合計するのを忘れとったんじゃよ。」

「……………はっ?」

ナルトの目が珍しく点となる。

「……つまり、どう言う事だってばよ?」

「いや、じゃから発表された2-Aの合計点には、8人分の点数が足りてなかったと言う事なんじゃ。いや~、すまんのう。」

軽い調子で、「スマン、スマン」っと謝る近右衛門。
今一に釈然としない態度、その軽さにまるで謝罪の意志が感じられない。


「……」


そんな態度にナルトは、無言で近右衛門を張り倒した。



その後も少々のトラブルは有ったものの、流れとしては問題無く事進んだ。

学園長のミスと言う事で、点数の発表はやり直し。
遅刻組み8人の点数を加えた2-A、努力の結果かバカレンジャー達の点数も相応に高く、その結果2-Aの順位は見事に学年TOPへと変貌。
当然に最下位脱出が課題であったネギはこれをクリアした事と見なされ、正式に麻帆良学園の教師となる事と相成った。


(んでまぁ、その二つのお祝いを兼ねて『学年トップおめでとうパーティー』とか言う物をやってた筈なんだが………)

場所は夜の麻帆良学園、僅かに街頭に照らされるだけの路地。
そこに立つのは薄暗がりでも一目で判る金糸の髪の男、うずまきナルトその人物。

(……それが、どーしてこうなるんだってばよ)

その彼は、呆然とそんな疑問を呟いた。
その顔に浮かぶのは、困惑と呆気の混じったような表情が浮かぶ。

たった今、現在においてこの場に居るのは彼を含めて四人。


ナルトに対して向かい合うように並んで立つ三人、右から出席番号15番・桜咲 刹那、20番・長瀬 楓、18番・龍宮 真名の順で並び立っている。


「ナルト殿、約束通り拙者達と手合わせしてもらうでござるよ。ニンニン♪」

三人の中心に立つ楓が、なにやら嬉しそうに告げてくる。

確かに約束した、テストが終われば戦うと約束した。
それは間違い無く、ナルトもその約束を反故にする積りは無かった。

「楓、一つ聞くぞ。」

しかし……。

「なんで、お前だけじゃ無くて刹那と真名まで居るんだってばよ?」

ナルトにとってそれは、“楓のみ”の積りだったのだ。
二人が居るのは、余りに予想外。

「?二人の事は、言った筈でござるよ?」

呆然と訪ねて来るナルトに、楓は少々惚けた感じで言葉を返す。

その言葉に当然ナルトは、その首を傾げ

「ちゃんと言ったでござるよ……“拙者達”と。」

「……………あっ。」

瞬間ナルトの脳裏に、その時の言葉がリフレインされる。

『ここから抜け出し、テストが終わった後に“拙者達”と戦って欲しいのでござるが……いいでござるか?』

『拙者達』と、拙者“達”と…………。

(確かにそんな事、言ってたってばよ………。)

確かに言っている。
何の事は無い、自分が勝手に勘違いしていただけである。

「あー……まぁいいか。」

腹を括りナルトは、三人の正面に目線を向きなおす。

(ま、一人が相手でも三人が相手でも、こいつ等のレベルだったら変わらねぇかな?)

刹那と真名の実力を大体の目測で図り、ナルトはそう結論付け、軽く構え(と言っても外見は自然体で心構えの話)を取る。

経験と直観から来るナルトの観察眼は、今では外れる事がまれな程に研ぎ澄まされている。
故にその立ち姿勢、放つ気配、身体などから真名と刹那それに楓の実力が予想できる。

「そろそろ、始めさせて貰ってもいいのかな?」

そのナルトの様子を見て取ったのか、それまで黙っていた真名が確認するように聞く。

「ん、ああ…………構わないってばよ。」

「それではナルト先生……その力、試させてもらいます。」

腰に持った太刀、『夕凪』に手をかけ、その雰囲気を戦闘の時のそれとし静かに刹那が告げる。
当然と、それに倣うように真名、楓の二人も各々の構えを取る


「……んじゃまっ」


今、ここに。


「しょーがねぇから」


その戦い。


「はじめるってばよ」


開幕ベルが鳴る。


TRY NEXT NEGI MAGI THE POWER OF "NARUTO"



後書き(そしていつもの謝罪……(汗))

非常に遅い執筆、そして更新のM・Tミゲです……(汗)
毎度毎度、本当に申し訳ない限りです。

次の話も、未だに半分ほどしか執筆できない状況ではあります、ひとまず更新させて頂きます。

次の投稿が何時になる事やら……申し訳なくも心配な所です。

未だに見捨てずに見ていて下さる方が居ました、真に嬉しくも申し訳ないしだいです。
もしご意見、ご感想、、ご要望、その他術や技のリクエスト等が御座いました是非にも申し付け下し。
皆さんの意見は、大変な励みと参考となっております。

それでは、また次の話にて。

麻帆良忍風帖だってばよ!! その8 『激突【うずまき ナルト】!!』

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