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人修羅先生!(×真女神転生3) 投稿者:ナポリ 投稿日:04/09-03:33 No.126

この光景を見た者は恐怖と共に目を疑うだろう。



それほどにこの光景は異常だった。



一人の男に幾多の異形が殺到する。



しかし、男が拳を振るい、脚を振るう度拳を受けた異形は弾け飛び、千切れ飛びその血肉を大地へと撒き散らした。



そしてまた、その開いた空間に異形が殺到する。



それは、果てしない戦いのように思われた。








side 人修羅



(ちっ……数が多いな。)



戦い始めてから五分



一向に減らない異形たちを見て俺はそう感じていた。





(このままだときりがないな、……使うか)



このままの消耗戦になっても勝てる自信はあるが、背後に居る少女から早く情報を聞き出したい。



「はあっ! 」



俺は裂帛の気合いと共に回し蹴りを繰り出す。



異形共が重なり合って吹き飛び、一瞬の空白が生まれる。



その一瞬で俺は両手を目の前でクロスさせ、大きく息を吸い込む。



そして、両手を下ろすと同時に勢いよく息を吐き出す。








―――アイスブレス―――








俺の口から生じた極寒の冷気が異形共に襲いかかる。



逃れることも出来ず、異形共はなすすべも無く凍っていく。



俺は全てが凍ったのを確認すると右手に魔力を集中させ、剣を作り出した。








―――ヒートウェーブ―――








右手を横なぎに振るう。



生じた剣圧が凍った彫像に襲いかかる。





――パキン――





そんな澄んだ音と共に彫像は砕け散った。



砕け散るその光景はもともとが異形だとは思えないほど幻想的で綺麗なものだった。



(これで全部片づいたかな?)



周りに何の気配もなくなったことを確認してから、少女の方へ向き直る。



少女は警戒した眼でこちらを見ている。



突然現れた相手に対しては当然の反応であろう。



俺は警戒心を解くために両手を上げて降参のポーズをとって言った。



「ねえ、君。ここってどこ?」











side 刹那



この男は何者だろう。



死を覚悟した私を助け、今目の前で戦っているこの男。



感じられる気は人のそれではなく、魔の気配、それも圧倒的なまでの気配。



その男の圧倒的な強さに私は恐怖を覚える。



男が無造作に振るう腕の一振りで多くの魔が滅びる。



そして、男が回し蹴りを放ち、包囲網との間合いを離す。



男が手をクロスさせ下ろした瞬間、男の口から凍りつくような冷気が生じる。



(なにっっ!?)



私の顔は驚愕の表情が浮かんでいるだろう。



なにしろ、男の発した氷の息、ただそれだけで魔が全て凍り付いたのだから。



さらに、驚くことに男の右手に魔力が集まったかと思うと、剣を作り出したのだ。



男はその剣を振るい衝撃波によって凍った魔を全て砕いた。



月明かりの中、キラキラと宙に舞う氷の欠片と共に佇む男の姿は、まるで絵画の中から抜け出したかのようだった…………










男がこちらを向く。



その眼で見られている、ただそれだけで私は本能的な恐怖を感じ身を堅くする。



しかし、そんな私の警戒心は



「ねえ、君ここってどこ?」



男の言葉と共に霧散した。










side 人修羅



目の前の少女が呆けたような目でこちらを見ている。



「ここってどこ? まさかボルテクス界って訳じゃないよな? 」



伝わらなかったのだと思い、もう一度疑問を口にする。



「えっと……どこといってもここは麻帆良学園の敷地内ですけど……」



その言葉に俺は歓喜する。



(ボルテクス界じゃない! じゃあ俺は元の世界に戻ってこれたのか!?)



その歓喜に震えている俺に少女が口を開く



「あの……助けていただいてありがとうございます。あのままでは私は死ぬところでした。その事には感謝します。……しかしあなたは何者ですか? 」



さてなんて答えようか?



そう思った時ふと脳裏に浮かんだ疑問。



(東京ってどうなってるんだ? )



「質問を質問で返す様で悪いが、今東京ってどうなってる? 」



俺はその疑問をそのまま少女にぶつける。



「東京ですか? 特に最近は何事も起こっていないいないですけど?」



(何も起こっていないだと!? )



嫌な予感がする。



「じゃあサイバースって会社の氷川っていう男に聞き覚えある? ]



これを否定されたら行き着く答えは一つ



あの男は有名だった筈だ。



「サイバースという名前の会社すら聞いたことないですけど……」



俺はその言葉と同時に地面に両膝をついた。



「だ、だいじょうぶですか!? さっきの戦いでどこか怪我でも? 」



「ああ……怪我なんかしていないけど」



そう肉体的にはなんの怪我もしていない。



「じゃあ、どうしたんですか? 」



「俺って異世界からきたって言ったら信じられる?」



その事実に打ちのめされただけだから。













「はあ?」



やっぱりそういう反応が返ってくるよな……



「異世界から来た? 嘘は……言う場面でもないですよね」



おお! 信じてくれるとはなんていい子なんだ。



「ふむ……どうやら込み入った事情がありそうですね、命も助けてもらった訳ですし、学園長の所に案内しますから、今後のあなたへの判断は学園長に任せます。」



「学園長って……ここは学校の敷地内なのか?」



「さきほど言ったはずですけど……まあそう言う事です」



学校の中に森が在ってしかも中に異形が進入してきてるってどんな学校だよ。



しかもよく考えたらこの子もあの異形をみた筈なのに何でこんなに落ち着いてるんだろう?



そんな疑問もその学園長とやらに聞いてみるか。



「では、案内しますので付いてきてください、……それと、私の名前は桜咲刹那といいます、あなたは?



俺の人間だった頃に呼ばれた名。



ボルテクス界では仲魔以外では数えるほどのものからしか、呼ばれなかった『人修羅』とは違うその名



「俺は……藤堂、藤堂カズトだ」



俺はそう答えた。

人修羅先生! 人修羅先生! 三話

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