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人修羅先生!(×真女神転生3) 投稿者:ナポリ 投稿日:04/20-22:05 No.344

side 人修羅

俺は後からかかる声を振り切って何とか職員室に到達する事ができた。

そんなんで、職員室でゆったりしている俺に無精髭にくたびれたスーツを着た高畑先生が話し掛けてきた。

「やあ、藤堂君。初めての3―Aはどうだった?」

「いやはやなんと言うか…………凄まじいとしか言いようがありませんよ。」

昨日一日でその事をいやって言うほど味あわさせられた俺はため息と共にそう答えた。

「ハハ……その様子だとあのクラスの洗礼をうけたようだね。あのクラスの子達は基本的にいい子達なんだけど、少し個性が強いからね……」

苦笑しながらそう言ってくるナイスミドル高畑

あいつらが少し個性が強いんだったら世界中の大半の人間は無個性だろう

そんな事を思っても口にださない

「はあ……」

そんな気の抜けた返事だけをする。

「まあ……一年間付き合う事になるんだから、大変だろうけどがんばって」

俺の焦燥具合に同情してくれたのか、ねぎらいの言葉を残してナイスミドル高畑は去っていった。

今度は代わりに机の向こうからネギ君がやってきた。

「藤堂先生、そろそろ朝礼の時間です。さあ教室に行きましょう!!」

急かすように手をパタパタと振るネギ君

ああ、もうそんな時間か……俺、登校拒否になりそうだよ。

それに引き換えネギ君は元気でいいなぁ

若さって怖いなぁ……いや、俺も世間的には若いか……色んな体験したから精神年齢高めだと思うけど

情けない事を考えつつ俺は腰を上げる。

「じゃあ……行こうか。」

やる気のイマイチでない俺はネギ君に引きずられる様に連れられていった。






――ガラリ――

小気味いい音と共にドアが開く

今日は罠が無い所を見るとあれは新任にだけ行われるもののようだ。

担任であるネギ君の後について俺は教室内に入った。

ざっと見渡したところ欠席は無し。

古の視線が非常に怖いが意図的に意識から外す。

正担任であるネギ君がその事を確認するために出席を取ろうとした時

「あっ! 藤堂センセー」

明るい調子の声が聞こえた。

「どうした? 佐々木」

声を発した生徒の顔を見たとき何の用件で声をかけたか大体予想がついた。

「えっと……聞いたんですけど、桜通りで何故か寝ていた私を寮まで運んでくれたそうで。」

「気にするな、生徒を助けるのは教師として当然の事だ。部活で疲れていたのかは分からんが今後は気をつけろよ」

実際はエヴァンジェリンに襲われてたんだがな。

そう言ってやると

「ありがとうございました!」

丁寧に頭を下げてきた。

うん……いい生徒じゃないか……

ちょっと教師としての感動に浸ってしまった。

「藤堂先生! 質問があるんですけど!」

その感動の余韻を打ち砕く様にまたも質問の声が挙がる。

声の主は昨日自己紹介で自分の事をパパラッチとか称していた少女、朝倉。

「えっとですね。今『桜通りの吸血鬼』って噂があるんですけど、まき絵が寝てた所に何か居ませんでしたか?」

そんな噂があったのか……何やってんだアイツ?

その恐らく噂の『桜通りの吸血鬼』殿は後の方の席で俺に敵意剥き出しの視線を送ってきている。

「いや、俺が見たときには誰も居なかったけど?」

エヴァンジェリンから鬼の形相……いや、これは鬼というよりもはや邪神。『言うな』と言うオーラが瘴気混じりで漂っているので俺はそう答えた。

その答えを聞いた朝倉は納得いかない様にようにブツブツと小声で何かをつぶやきつつ椅子に再び腰掛けた。

その後はネギ君が身体測定の事を伝える際のセクハラ発言以外は順調に朝礼は終わった。

しかし……もしネギ君以外の男性教諭が『今すぐ脱いでください』何ていったら下手すりゃ解雇されるよなぁ









「えーーこの問題はこの方程式のyにここの答えのxを代入して……」

それから時は過ぎて3-Aは俺の担当する数学の時間

俺は例題の解法を説明しながら、黒板に書き込んでいっているのだが……

「ねぇ……やっぱり……」

「あんな格好してるんだもん……可能性高いよ……」

どうにもクラスに落ち着きがなくざわめいている。

ふむ……何かあるのかな?

「おいどうした? 全然授業に集中していないじゃないか、何かあったのか?」

俺がそう言った途端、場の雰囲気が一気におかしくなった。

「な……何だ!? 何か俺に関係した事で何かあったのか?」

まさか、今朝のピクシーが見られたのか?

俺が内心動揺している時クラスの何処かから声が挙がった。

「……ほんとは先生が昨日の晩まき絵を襲ったんじゃないですか?」

俺は一瞬何を言われたか理解できなかった。

その結果反応が遅れたのが拙かったのだろう。

「反応がないってことはやっぱり……」

再びクラスがざわめきだす。

「そんな事ある訳がないだろう? 俺は教師だぞ?」

俺は内心の怒りを押し隠し、誤解を解こうと冷静に言葉を発する。

そんな俺の怒りを抑えようとする理性は

「だって……第一発見者を疑えっていう言葉もあるし……何ていっても見た目怪しいし?」

一瞬で水泡と消えた

―――ブチン―――

俺の中で切れてはいけないモノが切れる音がした。

「へぇーー。そんな事いうんだお前等……」

手に持っていた鉄製の指示棒を両手ではさむ様にして縮めていく。

「でも……」

本来限界の短さにまで縮まった指示棒にさらに力を込めていく。

鉄の擦れる音と共にだんだんと歪みを生じさせて縮まっていく指示棒

―――パン―――

俺の手が合わさり指示棒は既に数センチの長さになっている。

「あんまりそんな事ばっかり言ってると……」

数センチの長さとなった指示棒を今度は右手で握りこむ。

俺の右手の握力により掌の中で形状が変化していく。

「……先生怒っちゃうぞ?」

満面の笑顔で笑いかけている俺。

しかし恐らく頭には青筋が立っているだろうし、背後には黒いオーラが立ち上っているだろう。

そして、生徒に見せるように広げている掌の中には、無残にも1センチ程度の歪な鉄球となった元指示棒

クラスのほとんどの生徒は青ざめた顔をしている……中には警戒している奴も居るが

「分かったなら返事は?」

「「「「「「「「「ハイ!!!! 分かりました!!!!」」」」」」」」」

ふっ、人を犯罪者扱いしなければこんな事はしなかったんだよ。

ポケットが震えていたのでピクシーは俺のポケットの中で大爆笑してたのだろう。

ちなみに少し変わった反応の生徒の名前を上げておくと

相坂とザジは大道芸だとでも思ったのか何故か拍手していて

桜咲は……何て言うか……『流石です! ししょー』って感じで目をきらきらさせてた……今度パワーが俺の事をどんな風に言ってたか聞いておこう。

エヴァンジェリンは感心してた。あとは、長瀬、龍宮辺りが俺の事を警戒していた

その後の授業は非常に静かで実にやりやすかったが

問題を当てようと名前を呼んだ瞬間に『ヒッ』と叫ばれる事となった。

…………ちょっとやりすぎたかな?







そんな授業後に今度はエヴァンジェリンに呼び出され俺は貴重な休息の時間である昼休みに屋上に来ている。

俺が着いた頃には既にエヴァンジェリンは屋上に居て仁王立ちで俺を待ち構えていた。

「で……何の用だ? 昼飯をさっさと食いたいんだが……」

今日の俺の昼飯は昨日の学食と違って、なんと! キクリヒメの手作り弁当なのだ。

腹もぐーぐーと自己主張している。

「今日の授業で貴様の力を垣間見させてもらった……何の『気』も『魔力』も使わずあれだけの力を持つ貴様を私の従者にしてやろうと思ってな」

うげっ! やっぱりやりすぎたか……しかし! ここは俺の平穏無事な生活のためにも全力を持って誤魔化さなければ

いまこそ俺の今まで鍛え上げた交渉術の見せ所だ!

「いや……俺以外にもあの位の力を持ってる奴なら色々居ると思うぞ」

「ほう、例えば?」

「……………………範馬さんとこの親子とか、ビスケット・オリ○とか花山組の組長とか……」

「誰だそいつらは…………」

呆れたようにため息と共にそう漏らすエヴァンジェリン

はい! 全く誤魔化せませんでした……よく考えたら俺の交渉って基本的に物で釣ってたもんな……当然か

「それで返事はどうなんだ? 今日は昨日のように変な行動で誤魔化す事は出来んぞ?」

そうエヴァンジェリンが言った瞬間

「昨日の事って何なのよーーーーー!!!!」

ポケットの中から勢い良くピクシーが飛び出してきた。

「ほお……そいつはお前の使い魔か? またピクシーとは珍しいものを……ますますお前が欲しくなってきた。」

感心したようにエヴァンジェリンは言ってくるがそんな言葉は完全に無視!

そんな事より、目の前に再臨した鬼女への対応が先だ。

「まさか……昨日私がいなくなった後でこの子にあんな事やこんな事を……キャーーー! カズトの鬼畜! ロリコン! こんな可愛い私に手を出してこないと思ったらやっぱりそんな趣味があったのねーーーー!!」

「勝手に納得して人聞きの悪い事言ってんじゃねーーーー!!!! 大体お前なんで出て来てんだよ! 朝も言ったけど人目を気にしろ!!」

盛大に叫びあう俺たち

さっきのピクシーの言葉を誰かに聞かれたら俺は何処か遠くへ逃げなくてはならない。

「ここは人払いの結界が張ってあるっぽいから大丈夫よ……それより否定しないって事は色々「おい」したんでしょ!!」

「誰がそんな事「おい!」してたまるか! 俺は今は教師だぞ」

ん? さっきから何か聞こえるような……

「つい最近まで教師じゃなかったんだから、そんな「おい! お前ら!!」の信用できる訳ないじゃない!!」

「だいたい俺はこのエヴァンジェリンに手をだすようなょぅι゛ょ趣味は無い!!」

俗に言うロリコンな方々とは一緒な扱いとは人のことを何だと思ってやがる。

「お前ら人の話を聞けーーーーーー!! それに誰がょぅι゛ょだーーーーー!!」

「「煩い!!!! 黙ってろ!!!!」」

ピクシーと声を合わせて言った後俺たちはまた言い争いを再開する。

その最中に

「おっ覚えてろーーーー!! うわぁぁぁぁーーーーん!!」

なんて子悪党っぽい捨て台詞を残して涙目でエヴァンジェリンが走り去っていったのは気のせいだと信じたい

人修羅先生! 人修羅先生! 十話

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