HOME  | 書架  | 

当サイトは「魔法先生ネギま!」関連の二次創作投稿サイトです。ネギま!以外の作品の二次創作も随時受け付け中!

書架

[]

人修羅先生!(×真女神転生3) 投稿者:ナポリ 投稿日:04/20-22:08 No.346

side 人修羅

ぐぬぅ……何故朝っぱらから俺は闘気を浴びているのだろう?

今朝から今に至るまでを思い出してみよう。

朝起きて、昨日の事で未だに機嫌の悪かったキクリヒメに何とか頼み込んで朝飯を出してもらって、学校へ行く準備して

今日はピクシーは外で人に見られないように遊んでろって指示して……うん、そこまでは良い

それから……道中で古に出会って……

「今日は正式に闘いを申し込むアルヨ!」

とか言われて、現在に至るわけか……

俺の仲魔に不幸の女神か何か居た?

眼前の古は臨戦態勢、いつでも掛かってこいと言わんばかりだ。

「あの……何がしたいんだ?」

俺に挑戦して来る意味が分からないんだが……

「昨日の約束を覚えているアルか?」

「はい!?」

ああ……そういえば何か言ったような……一日、主に夜の体験が濃すぎて色々記憶が薄れてるな

って思い出したけど俺の秘密をコイツに明かしたら俺首じゃん。

「藤堂先生に一撃入れて、その強さの秘密を教えてもらうアルヨ!」

……教えてもお前には真似できません。

何故ならマガタマを植え込むような真似は俺には出来ないからです。

と、俺と古のやり取りの間に周りにはギャラリーの輪が出来ていた。

「おい! あのヤクザと古部長どっちが勝つと思う?」

「当然古部長に決まってるだろ!!」

「……でもあのヤクザ昨日古部長を投げたって噂だぜ?」

……この学園は何なんだよ、なんで野試合が普通に許容されてんだよ。

つーか、俺完璧ヤクザ扱いか! 一人くらい教師だって認識してくれたっていいじゃないか!

「さぁ……勝負アル!」

そんな事言われてもなあ……

「スマンが、もう遅刻寸前なんでな、また後日って事で……」

もちろん嘘、時間はまだ割りと余裕はある。

だがもう厄介ごとはご免だ。

俺がそう言った瞬間周りのギャラリーからブーイングが巻き起こった。

……潰すよオマエラ?

何ゆえに戦闘を期待しているのだ貴様らは。

「逃げようとしても無駄アルヨ!」

凄まじい勢いの拳を俺に放ってくる古

俺は慌てて脚でブロックする。

それからは昨日とはまた一味違ったパターンでの攻撃を繰り広げてくるが……

「……付き合ってられるか!!」

古が呼吸をするために生じた一瞬の隙にバックステップで大きく距離を取る

そして、足を持ち上げ、俺はそれを思いっきり振り下ろした。

――ドゴン

俺の足下に大きなクレーターができ、砂煙が舞い上がり周囲を覆う。

当然それは視界を奪う。

「フハハハハ! また(学校で)会おう明智君!」

俺は周囲のギャラリーを軽やかに飛び越し捨て台詞を残して、校舎へ向かってひたすらに走った。

捨て台詞は漢のロマン! 言わなければならんのです。






職員室に着いたらネギ君が昨日の俺に負けず劣らず焦燥していた。

ネギ君は俺に気づくと

「……藤堂せんせー」

まるですがりつく様に話し掛けてきた。

……ちょっぴりうざったいと感じた。

「ううっっ……聞いて下さいよ……」

ネギ君は昨日の晩に有った事を話し始めた。

どうやらエヴァンジェリンと交戦し、敗れて血を吸われかけた所を神楽坂の乱入で何とかなったらしい。

「へー……エヴァンジェリンにそんな目的がねぇ」

マッタリとお茶を飲みながら相づちを打つ。

……あっ! 茶柱立った!! と思ったら何故かしら砕け散った……何故だ、そんなに俺は幸福になっちゃいかんのか?

「何でそんなに和んでるんですか……」

ネギ君はそう言ってくるが……

「いや、所詮他人事だし?」

「ひっ酷いじゃないですか!! 僕の命がかかってるんですよ!?」

命ねぇ……

「アイツも流石に命までは取らないだろう…………多分」

今まで会話した感触から言って少なくとも無用な殺しはしないと思ったが……というよりもヘタレっぽかったが

「人の命を多分で済ませないで下さい!!」

顔を真っ赤にして叫ぶネギ君

ネギ君止めなよ……職員室中の目がこっちに向いてるよ……

「で……俺に何をして欲しいんだ?」

俺の言葉にネギ君はパッと顔を明るくした。

「協力してくれるんですか!?」

「ああ……時と場合によるがな」

エヴァンジェリンにも正当な理由がある訳だしネギ君が本気で殺されるような事態にならない限り積極的には介入しないけどね。

そう言うとネギ君は即座に

「じゃあとりあえず今日の朝礼一人でお願いできますか?」

そう言ってくるが……

「さっそくだがそいつはできない相談だ……」

「なっ何でですか!?」

「俺の机の上を見てご覧……」

ネギ君がの視界に映ったのは俺の机の上にうず高く積み上がった紙の山

資源の無駄遣いじゃないのか? データ化することを希望する。

「……何ですかそれ?」

「フッ……始末書とそれに類する物どもだよ」

唖然とした表情のネギ君

うう……昨日森の一角を燃やしたのがまさかここまでに成るとは……しかも、確認したらさっき道を踏み砕いた分もしっかりプラスされてるし……

始末書達の高さは1メートル近く、紙の塔となっている

「俺はコイツ等と闘わなきゃならんのだよ……」

親指で指し示してそう言ったらネギ君は

「ハハ……頑張って下さい……」

引きつった笑いを残して去って行った。




「さてと……それじゃやりますか!」

ネギ君がやって来た神楽坂に引きずられて朝礼に向かったのを見届けてから俺は作業に入った。

フオオォォッッ!! 燃え上がれ! 俺の小宇宙!!

俺は自身の小宇宙を黄金聖闘士の位まで高め光速を超えるペン捌きで始末書達を処理していった。

……何枚か摩擦熱で燃えたのは秘密だ

そんな俺の涙ぐましい努力によってあれほど有った始末書を俺の授業のある4時間目までに終わらせる、という偉業を成し遂げた。

しかし……

「つっ疲れた……」

俺は小宇宙を黄金聖闘士の位まで高めた事と慣れない書類処理で疲労困憊

何しろ始末書を処理してる途中『別にもう森ぐらい燃やしたって良いじゃん』なんて全く持って地球環境に優しくない事を思っちゃった位だ

疲れ果てた俺が机に突っ伏していると驚いた声が耳に入った。

「もっもう終わったんですか!?」

「ああ……ネギ君か……」

声の主はネギ君だった。

「藤堂先生……死んだ魚みたいな目をしてますよ……」

「仕方ないだろう……俺は持てる力を出し尽したんだ」

「もっとそういう力は別の場面で使いましょうよ……」

うん、俺もその通りだと思う。

しかし……給料も減棒食らっちゃったし、今後の生活どうしようか

嗚呼……キクリヒメの怒った顔が目に浮かぶ

キリキリと胃も痛むし、世の中のお父さん達の気持ちが良く分かるよ。

「それで、ネギ君。エヴァンジェリンはどうだった?」

「幸いにもサボってました……」

「ほう……」

次の授業は3-Aでの授業だが、エヴァンジェリンが居ないのならば少しでも厄介事が少なくなる。

だが……教師としてサボっている生徒を見逃していいのか? いや良い訳が無い!!

俺のあの苦痛の教育中で植え付けられた教師根性がメラメラと燃え上がる。


「ネギ君……エヴァンジェリンがどこでサボってるか分かる?」

「えと……茶々丸さんなら知ってると思いますけど……ってまさか?」

ネギ君の台詞を最後まで聞かずに俺は駆け出していた。

何故なら休み時間はあと5分しかないのだ。




「絡繰ィィーーー!!」

教室のドアを思いっきり開ける。

「「「「ウヒイイイイィィィ」」」」

教室内部が一気に恐怖の渦に巻き込まれるが知ったこっちゃない

「なんでしょうか?」

むう……全く動じないとは中々にやるな。

「エヴァンジェリンはどこに居る!?」

「マスターなら屋上に……」

「よしっっ! 屋上だな?」

俺は入った勢いのまま教室を出て行った。

残された生徒たちのポカンとした表情が印象的だった。







「えーーー。じゃあこの問題をエヴァンジェリン! 前に出て解いてみろ。」

俺は屋上から嫌がるエヴァンジェリンを無理やり教室の席まで引きずって来て、授業を開始した。

……別にストレスが溜まってたからとか、こいつが居なければもうちょっと平穏な生活が過ごせたのにとか思った訳じゃないですよ?

昨日の事と今日の事で、生徒たちの顔は恐怖で真っ青で、今にも気絶しそうな奴まで居る。

ちょっと鬱になりそうだ。

それにしても……古がやたら俺の事を見つめてくるし、突き刺さるような視線とはこの事を言うのだろう。

桜咲はやっぱり「ししょー!!」って感じだし……今度「この馬鹿弟子がぁーーー!」って東方で不敗の人のように言ってみようかな?

長瀬と龍宮は何か微妙な暖かさの目だし、何かクラスの雰囲気が混沌としてるような……全部俺のせいか

「……書き終わったぞ」

そんな思考をしつつ、ふと気づいたら黒板には問題の答えがしっかりと書かれていた。

「ああ……正解だ、席に戻っていいぞ」

席に向かうエヴァンジェリンとすれ違う一瞬

「気づいたか? さっき何かが結界を超えたぞ」

そう囁かれた。

驚愕の表情を出しかけたが、何とか出さずにすんだ。

まあ外で遊んでるピクシーが気づいて何とかするだろ。

そう判断して俺はその事を頭の片隅に追いやった。






―――キーンコーンカーンコーン―――

「それじゃあ今日はここまで!! 宿題は忘れないように」

終了のチャイムがなった瞬間安堵の溜息を漏らしたのが数名

俺の授業はそんなに苦痛かちくしょう!!

いささか傷つきつつも教室を去ろうとした時。

「藤堂先生! 待って欲しいアル」

背後からの声に俺は逃げ出した。

背後からは古が走って追ってくる。

『廊下を走るな』なんて標語は完全無視

休み時間の10分間、超高速での鬼ごっこを開始……したかと思ったら生徒指導の新田先生、通称『鬼の新田』に止められて散々職員室で説教された。

「藤堂先生!! 生徒と一緒になって校内で遊ぶとは何事ですか!?」

本物の鬼には余裕で勝てるけどこの人には何故か逆らえる気がしません……









「アハハハハハ……パトラッシューー」

「とっ藤堂先生!? 気を確かに持ってください!!」

頬をペシペシと叩かれる感触

ん? ……ここは?

「……やあネギ君」

「一体どうしたんですか? もう放課後ですよ?」

「マジで?」

俺はどうやら、職員室で怒られまくってる途中で昨日のトラウマやらなんやらが影響して意識が何処かへ飛んでいっていたようだ。

天使が輪になって降りてきて死の安らぎは……とか言ってたような?

ひょっとして俺、魂抜けてた?

「ハァ……僕はもう帰りますけど……藤堂先生、頭大丈夫ですか?」

ネギ君はさらりと毒舌を吐いてきた。

「大丈夫だ……って言うか酷いなネギ君、人のことをちょっとアレな人みたいに」

「さっきまでの藤堂先生を見てた人ならみんな、そう言いますよ……」

むう……俺は何をしてたんだろう?

周りを見ると確かに教師陣が俺を見る目はどこか一歩引いた目だ。

これで俺には教室にも職員室にも居場所は無くなったか……悲しいなぁ

「それじゃあお先に失礼しますね?」

「それじゃあまた明日な、ネギ君」

ネギ君はペコリと一礼して去っていった。

「やれやれ……それじゃあ俺も見回りと行きますか……」

俺が職員室を出た後職員室内で

「藤堂先生を精神病院に運ばなくていいのか!?」

とか

「あの顔は明らかに犯罪者だったぞ!?」

とか聞こえて怒りのあまり『ゼロス・ビート』を発動しそうになっちゃったよ……

人修羅先生! 人修羅先生! 十二話

  HOME  | 書架top  | 

Copyright (C) 2006 投稿図書, All rights reserved.