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人修羅先生!(×真女神転生3) 投稿者:ナポリ 投稿日:04/23-21:19 No.380

side 人修羅

「どうぞ藤堂先生……お茶です。」

「ああ、ありがとうネギ君」

俺の目の前には机を挟んでネギ君が座っていて、その肩には問題のオコジョが陣取っている。

しかし俺としては尋問以前にこの場を離れたい

その原因は

「……アンタなんでここにいるのよ」

俺に向けて凄まじい形相でガン飛ばしてる神楽坂

近衛は魔法関連の話をするという事で連れ出してもらったのだが……このピリピリとした雰囲気はどうした物か?

……本当は分かってるよ……此処が女子寮だから神楽坂は怒っているのだろうって事を

女子寮だって気づいた時点で俺は逃げようとしたのだが、龍宮、長瀬ペアに腕を引っ張られて無理やり引きずり込まれてしまったのだ。

明日は腹いせにあいつ等二人にやたらと難しい問題ばかりを解かせることを心に固く誓った。

おかげ様で寮内で出会った女生徒は例外無く叫び声を挙げてくれたものさ……何て言うか……消えて無くなりたい

そんな辛い思い出も飲み込んで目的を果たさなければ!

「おい!この小動物がお前の言ってた奴か?」

ポケットをポンと一つ叩くと中からピクシーがひょいと飛び出してきた。

「あーーーーっっ!! お前はオレッチを電撃で攻撃してきやがった奴だな!! 兄貴こいつをやっちゃってください!!」

……どうやら間違いないようだ。

白オコジョは逃げるようにネギ君の後に隠れてしまった。

ん?……なにやら神楽坂が口をパクパクさせているが金魚の真似か?

「なによこれーーーーーーっっ!!!!」

うおっっ!! これは『雄叫び』か? こっ鼓膜が破れるかと思った……

「人を『これ』扱いとは酷いわね。全くがさつな女は男にもてないわよ?」

ピクシーが叫ぶ神楽坂にいらない挑発をかける。

それからは激昂した神楽坂とピクシーは売り言葉に買い言葉、二人でギャ―ギャ―と罵り合い始めた。

……嗚呼、お茶が美味いなぁ

「ちょっちょっと藤堂先生どうなってるんですか?」

「あの羽の生えてるちっさくてうるさい俺の仲魔のピクシーが君の後で隠れてるオコジョを発見したそうなので警備員として本当かどうか聴きに来たんだが……その様子だと本当にネギ君の知り合いのようだな」

うむ……それならこの空間から早急に脱出しなければ俺はストレス疾患で死んでしまうかもしれん

こんな理由で死んでしまったらあの世で待ってるであろう俺が倒してきた方々も、呆れ果てて開いた顎が地下にめり込むだろう

「ネギの兄貴騙されちゃいけませんよ、そいつはオレッチの事を抹殺しに来たんだ! その証拠にオレッチはあのピクシーに殺されかけたんでさぁ大体こんな変質者っぽい格好の奴の言葉を信じるんですか?」

「黙れ、小動物。人には言ってはいけない台詞があるという事を知らんのか。それともお前を朱,白,黒の素敵な三色の肉塊に変えられたいか?」

ネギ君の首の後から僅かに出していた白オコジョの頭を掴んで、アイアンクロー(スキルに非ず)微妙な力加減で締め上げてやる。

「藤堂先生……カモ君には悪気無かったと思うので放してあげてください。カモ君もこの人は僕の同僚なんだから君を殺すような事なんて絶対に無いよ。」

ネギ君の訴えで俺はカモと言う名らしいガタブル状態のオコジョを放してやる。

「じゃっじゃあなんでオレッチは今日なんで殺されかかってんですか?」

カモの非常に妥当な質問。

俺だって人に会いに来ていきなり死の危険にさらされたら疑問に思うだろう。

それよりも逃げ出しそうな気もしないではないが……

「あーーーそれは……横で言い争ってる馬鹿二人の俺の連れてきた方が、暴走しちゃったからだ」

「「誰が馬鹿なのよーーーー」」

しっしまった!!!! てっきり聞いていないと思ったのに!!

しかし……あのですね神楽坂さん?

俺の顔面に接近中のこの世界も狙えそうな鋭い右拳はなんですか?

―――メメタァ

「うげろっっ」

神楽坂の拳がツェペリさんな音と共に俺の顔面に突き刺さる、というよりもめり込む。

「いったぁぁぁーーーーーーーっっ!!」

絶叫をあげて神楽坂が俺の顔から手を引き抜く。

キュポンと人の身体から出てはいけない音がその際に俺の顔から発せられるのを俺は確かに聞いた。

「アンタどんな顔面の硬さしてんのよ!?」

神楽坂は真っ赤な顔で俺に突っかかってくるが、そんな事言われても……俺だって痛いし

本当にこいつは女子中学生なのだろうか……それ以前にこの拳の威力は人類か?

そんな事を考えつつ鼻をさする。

「あのなぁ……大体お前が殴ってくるのが悪い!!」

「アンタが馬鹿って言ってくるのが悪いんでしょーー!!」

「そうよ、そうよ!!」

ピクシーまでもが俺を責めて来る。

ぐぅ……一対二は流石にキツイか

ちらりとネギ君を見るとオロオロとしている……この程度で動揺するとは、まだまだだな!

「あのぉ……喧嘩は止めたほうが……」

ネギ君の発言は馬鹿二人の睨みによって却下された。

カモは部屋の隅でガタガタと震えている。妥当な判断である。

「馬鹿を馬鹿といって何が悪い。神楽坂はバカレンジャーの一翼を担っているんだろう?」

その言葉をきっかけに俺達は史上稀に見る大舌戦を繰り広げた。

















「もういい加減にして下さい!!」

「「「ゴメンナサイ」」」

俺たちの舌戦はネギ君の逆ギレによって一応の終結を見せた。

「それで……結局カモ君は僕の昔の知り合いですけど……そのピクシーさんは一体?」

「そうよ! そういえば、その羽生えてるのはなんなのよ!?」

この間からこいつを見られるたびに説明しているような……

「こいつはピクシー、森の妖精だ。俺の仲魔……まぁ友人みたいなものだと考えてくれ」

机の上のピクシーの頭をポンポンと叩きつつ説明する。

「妖精ーー? こいつが本当に?」

怪訝そうな神楽坂

まぁ、普通は妖精云々言い出す人は精神病棟の人ぐらいだろう。

「どうやって出会ったんですか? 最近はピクシーのいる森も少なくなったって聞きましたけど」

ネギ君の質問

まさかシンジュク衛生病院です何て言える訳も無い。

実際にあんな所で妖精に出会えるなら、世界は妖精だらけという狂気に満ちた人の頭の中のような世界になっているだろう

「えっと……どっかで困ってたピクシーを助けてだな……」

嘘は言ってない。詳細を言わないだけだ。

「それで私が別れようとしたら、カズトがお願いだから俺の傍にいてくれって泣きついてきたのよ」

ぐっ! なまじ本当の事も混じっているだけに反論ができん

「へぇーーそうだったんですかぁ」

ネギ君は単純に聞いているが、神楽坂はこちらを見てニヤニヤとしている。

クッッ! 何とか話題を変えなければ。

「そっそうだ! ネギ君はイギリス出身だったよな?」

「はい。そうですけど?」

「それじゃあこいつの事も知ってるよな? 来い!」

光が集まり姿を創り上げる。

「……雪だるま?」

「紹介しよう。ジャックフロストのヒーホー君だ。……久しぶりだなヒーホー君よ」

「カズトとピクシー。久しぶりホー」

ぴょんと飛び跳ねる雪だるま……もといヒーホー君。

「こ……こいつ何処から出てきたのよ!?」

狼狽する神楽坂だが、隣ではネギ君が目を輝かせている。

「ぼっ僕初めてジャックフロスト見ましたよ! それに藤堂先生って凄かったんですね、無詠唱で召喚できるなんて!!」

そ……そんなに褒められると……俺調子に乗っちゃいそう

ネギ君は嬉しそうにヒーホー君と自己紹介を交わしピクシーを交え、戯れている。

その姿は普段とは違い、十歳らしいもので見ていてとても微笑ましい光景だった。

しかし、そんな暖かい感情を抱いている所を突然邪魔された。

「ちょっと!! あいつは一体何なのよ、それにどっから出てきたのか私に分かる様に説明しなさい!!」

掴みかからんばかりの勢いの神楽坂……つーか掴みかかっている。

「落ち着け神楽坂。今からバカレンジャーのお前にも分かるように親切かつ丁寧に説明してやるから……」

そう言ったら、歯をギリギリと噛み締めながら渋々俺を離してくれた。

「まずあの雪だるま状の物体だが、あいつはジャックフロストといってイングランドの雪の妖精で、どっから出てきたかというと、俺の魔法的な技で出てきたと思ってくれればいい。」

うむこれ以上無いって位単純明快な説明だ、これで分からなかったら俺にはお手上げだ。

「へぇ……雪の妖精か……ところでアンタ妖精とこれだけ縁があるって麻帆良に来る前は一体何処にいたのよ」

この神楽坂の質問は今までに何回もされてきたが、今が一番ピンチかも知れない。

何しろ、神楽坂の目は「言い逃れは出来ない」と物語っているからだ。

どうしようか……と俺が冷や汗だらだらの状況の時、玄関の外から救世主の声が

「アスナーー。藤堂先生と話し終わったーー?」

「待って、木乃香。まだ話してるから」

俺はこの機会に帰る事にした。

「じゃあネギ君、近衛も帰ってきたみたいだから、今日はもうお暇するよ。ほれピクシーにヒーホー君も帰るぞ」

「今日は楽しかったのでまた来て下さい。」

「ちょっ! あんた私の質問に答えなさいよ!」

神楽坂は無視してともかくさっさと出ないとな

玄関に向かって靴を取ってきて部屋の窓を開け、ピクシーを肩に乗せヒーホー君を背負う。

「あの……帰るんじゃ無いんですか?」

「帰るよ……窓から」

「「ハァ?」」

俺には女子寮を一人で突破出来る精神力の持ち合わせは無い。

それに久しぶりに呼び出したヒーホー君をさっさと帰してしまうのも嫌なのである。

「それじゃあお邪魔しましたっと」

ネギ君達の反応を無視して、窓に脚を掛け思い切って飛び出す。

脚に軽く魔力を込めたので結構な速度でネギ君の部屋が遠ざかる。







それから俺は人目を避けて家に帰り、久しぶりにヒーホー君と遊んだ。

やって来た相坂にはヒーホー君は好評で、楽しそうに遊んでいた。

今度はまた違った仲魔を紹介してみようかな……

そんな事を考えながら俺は眠りについた。

人修羅先生! 人修羅先生! 十四話

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