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EPISODE.11「魔書」 投稿者:偽・弓兵 投稿日:07/04-00:57 No.864
EPISODE.11「魔書」
SIDE:翔馬
さて…今、俺の目の前では、とある光景が繰り広げられている。
それは―――――――――――
「あたたたたたたたた」(明日菜)
「し、死ぬ~~~!! 死んじゃう~~~!!!」(まき絵)
「問題に作為を感じるです…」(夕映)
我らが2‐Aが誇るバカ5人組――――『綾瀬夕映』、『佐々木まき絵』、『長瀬楓』、『古菲』、そしてもちろん我らがヒロイン? 『神楽坂明日菜』――――通称バカレンジャーたちが、かの『ツイスターゲーム』をしているのだ!!!
いい感じにエロく絡み合う5人。
もちろん、オーガショットで撮影済みさっ!!!
さて…なんで彼女たちがこんな場所――――図書館島深部の特別安置室でツイスターゲームなんぞをやっているのかと言うと…。
『フォッフォッフォッフォッ~~~~!! 次の問題じゃ~~~!!』
もちろん、そんな事を叫ぶ石像――――の中の人…あのじじいの仕業であることは言うまでもない。
回想――――
「ところで翔馬よ」
「なんだ? じじい」
お茶を飲みながらじじい――――学園長に応える俺。
「もーすぐ、期末テストじゃな」
「そーだな。まー、あの5人の成績が上がらんかぎりまた2-Aが最下位だろうが」
ずずず、とお茶を飲む俺。
「それが、そーゆー訳にもいかん。今回はネギ君の最終課題として、2‐Aの最下位脱出をしてもらわねばならんのじゃ」
「はぁ?」
間抜けな声を出してしまった。
あのクラスが最下位脱出するなんて、幾ら学年トップが集まっているとはいえ、肝心のあの5人がマトモな点数を取らなければ無理である。
そこんとこ解かってんのか?
「うむ…彼女たち5人をどーにかしない限り、最下位脱出は無理じゃろう」
――――どーやら解かって言っているらしい。
ってことは――――
「5人にマトモな点数を取らせることが、ネギ君への最終課題と言う事か?」
「ま、結果的にはそうなるじゃろうなぁ…」
ニヤリと笑うじじい。
じじいがこーゆー笑い方をした場合、大抵ロクでもない事を企んでいるのだ。
「――――なに、企んでやがる?」
顔をしかめつつ訪ねる。
「フォッフォッフォッフォッ――――今、図書館島の深部に頭のよくなる魔法の本がある――――と言う、噂は知ってるかの?」
「んん? あーあれか。でもそんなのマユツバもんだろ? んな、便利な本があったら誰も苦労はしねーだろ」
「じゃが、彼女たちにとってはそれこそ藁にもすがる気持ちでそれを手に入れようとするじゃろう?」
――――確かに。あの5人が今更…テスト一週間前から慌てて勉強してもまともな点が取れるとは思えない。
それこそ、魔法の本でもないと無理だ。
――――いや、あそこに本を探しにいくくらいなら職員室に忍び込んで問題を盗み見た方が遥かにラクなんだけどね? 特に忍者の楓なら。まあ、さすがにそれはオススメしないが。
「うむ。そこで――――」
と言う経緯で、ここにおびき出されたバカレンジャー+ネギ君と木乃香ちゃん。そして、じじいに頼まれ、監視として俺がいる。
ネギ君の先生としての課題は、2‐Aの最下位脱出。
そして、マギステル・マギとしての課題は――――
魔法がバレないように気を付けながら皆を無事にここから脱出させる事。
そんな訳で、いくつものワナを潜り抜けこの図書館島深部の安置室にいる。
そこに納められているのは『メルキセデクの書』――――ネギ君が言うには本物の魔法の本で、マジで頭が良くなる効果があるそうだ。
――――マジ? ならこっそりパクって、どっかに売り払おうかな?
喜びいさんで本に駆け寄るバカレンジャー。
あー、だけど階段の前にはワナが仕掛けられているぞー。
「きゃー!?」
「いたー!?」
どしーん!! と落とし穴に落ちる皆。
落ちた先の床面には、ツイスターゲームが――――
そして動き出す石像IN学園長(笑)
『フォッフォッフォッフォッ~~~~!!!!! 本が欲しければ、ワシの出す問題にこたえるんじゃ~~~!!!』
――――ノッてるなぁ…じじい。
内心、じじいのはっちゃけ具合に呆れつつ、少し離れたところで見守る俺。
あらかじめ渡された通信用の魔法具を使って、念話でじじいと会話する。
(じじい、んじゃ手筈通りツイスターゲームで問題だすぞ?)
(うむ。コッチも準備は万全じゃ)
なんと、ビックリ!! このツイスターゲームを仕掛けたのは実は俺だったのです!!
な、なんだってーーーー!!!!
と、明日菜たちが聞いたらそう言いそうだ。
そして話は冒頭に戻る。
『では、次の問題じゃ~~~!!!』
石像――――じじいが、問題を続ける。
綾瀬、問題に作為を感じるのは当然だ。――――だって、俺が様子を見ながらエロくなるような問題をじじいに出させてるんだもん♪
明日菜が知ったら、今度はベノ○ラッシュをくらわせられそうな事をしながら問題をじじいに出させる。
そしてついに――――
『最後の問題じゃ~~~!!』
「やった、最後だって!!」
『“DISH”の日本語訳は?』
「え? ディッシュ…?」
「ホラ、食べるやつ!! 食器の!!」
そのネギ君のヒントに、
「解かった!! “おさら”ね!?」
おおっ!? 明日菜!! お前、わかったのか!?
――――って、あのヒントで解からなかったらマジでヤバイが(笑)
「“お”!」
と、佐々木が足で踏み、
「“さ”!」
明日菜が手をつける。
そして――――
「“ら”!」
明日菜と佐々木が“ら”を――――っておい。
「…おさる?」
ネギ君の唖然とした声が当たりに響く。
そう、あの二人――――バカピンクとバカレッドは“ら”ではなく、“る”を押してしまったのだ。
『フォッフォッフォッフォッ~~~!! ハズレじゃな~~!!』
「明日菜~~~!!!」
「まき絵~~~!!!」
そして、振り下ろされるじじいのハンマー。
それは、床を打ち砕き、彼女たちを闇深い奈落へと叩き落した。
「明日菜のおさる~~~!!!」
「いやぁぁぁぁぁぁ!?」
ひゅ~~~~~~と、落ちていった俺以外のメンバー。
「あ~あ、あんなので間違うのかね…?」
呆れた声を出す俺。
だが、それこそさすがは俺の認めた幼馴染。
答えが解かっていても間違える。それが明日菜クオリティ。
『むう。まさかあそこで間違うとはのう』
「ま、どっちみち全問正解したところで最後のワナが作動して下に落ちたんだが」
じじいと話す俺。
「まー、それじゃ、俺も下にいきますか」
そういいながら、穴に向かう。
『翔馬よ。もう一度言っておくが、彼女たちの勉強の手伝いは良いが、脱出はネギ君の判断にまかせるんじゃぞ?』
「解かってるよ。俺は今回は裏方に徹するから」
そう言いながら、俺もまた明日菜たちを追って穴に飛び降りた。
SIDE:夕映
「――――本に囲まれて、あったかくてホント楽園やな~♪」
「一生、ここに居てもいいです」
木乃香さんの言葉に、そう答えたです。
ここ――――『地底図書室』は、本好きにとってはまさに至福の楽園…。
本当にここに一生いてもいいのですが…
「おーい、お前ら~。これから俺の授業をやるぞ~」
――――翔馬先生の授業だけは勘弁してほしいです。
私たちが気付いたときには、ここ――――図書館島最深部、『地底図書室』にいたです。
地底深いはずなのに、なぜか明るい広大な空間――――
そして、なぜか用意してあった食料や勉強道具一式。
ここまでくると、妖しさ大爆発なのですが…。
「とにかく、ここで勉強するぞ~」
「そ、そうですね!! 折角勉強する環境が整っているんだし!!」
と、翔馬先生とネギ先生の鶴の一声で、ここで勉強する事が決定したです。
まあ、それはいいですが…。
翔馬先生の授業は困るです。
ネギ先生の授業は解かり易く、ちゃんとしているのですが…。
翔馬先生の授業――――ではないです。あれはもう拷問です。
「それじゃ、この問題を解けなかったヤツ――――最後に残った二人は罰ゲームとして――――」
ごそごそとどこからか取り出したカバンを漁る翔馬先生。
そして――――
「この二着の服を着て、プ○キュアってもらおうか?」
笑いながら取り出したのは、某日曜朝8時半にやっている女の子向け番組で主人公が着ていた、白と黒のフリフリが付いた服――――ぶっちゃければキュアホワ○トとキュア○ラックです。
とってもいい笑顔でその服をとりだした翔馬先生。
翔馬先生の授業はいつも罰ゲームとしてコスプレをさせられるので、皆必死で勉強します。さすがに、友人が見ている中でコスプレするのは皆、恥ずかしいのです。――――いや、たとえ一人だけだとしても恥ずかしいですが。
――――木乃香さんなどは、『ええな~、ウチも着てみたいわ~』とか呑気なことを言ってたですが。
そして、翔馬先生が服を取り出すと逃げ出す明日菜さん。
「いや~~~~~~~~!!!!」
ものすごい速さで走り去る明日菜さん。
正直、世界記録が狙える速さです。
しかし――――
「はっはっはっ、明日菜。逃がすわけないだろ?」
その明日菜さんを先回りして捕まえる翔馬先生。
――――いや、なぜ一瞬前まで私の隣にいたのに30メートル先まで走り去った明日菜さんを先回りする事ができるですか?
「いや~~~~~!? どうせ、私が着るハメになるに決まってるわ~~!?」
暴れる明日菜さんを笑顔で引きずって戻ってくる翔馬先生。
「はっはっはっ、明日菜。昔のエライ人はこう言った――――『嫌よ、嫌よも好きの内』――――名言だね?」
それは違うと思うです。
「い、嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
地底図書室に、明日菜さんの悲痛な叫び声が響き渡ったです。
――――結局、明日菜さんがキュ○ブラック、まき絵さんがキュアホワ○トになったです。
SIDE:翔馬
俺たちがそんな風にコスプレを楽しんで――――ゲフンゲフン!! 勉強している内に、数日が過ぎた。
――――明日はもう、テストの日だ。
「やれやれ…そろそろ楽しい時間は終わり――――現実の世界へ戻る時が来たか…」
ふっ、と苦笑を漏らす俺。
脳裏には、この数日の思い出が――――
キュアブ○ックのコスプレをする明日菜とキュアホワ○トのコスプレをするまき絵――――この数日でそう呼ぶようになった――――の姿。
楓に胸に“にねんえーぐみ かえで”とゼッケンをつけたスクール水着を着せてみたり――――そのあまりのパッツンパッツンぶりに、危うくル○ンダイブしかけそうになったり。
綾瀬に某外道の精霊が着る、白いゴスロリ服を着せてみたり――――木乃香ちゃんが羨ましそうにしていたので、黒い精霊のゴスロリ服を着せてみたり。
古菲には体操服にブルマとゆー、王道を着せて萌えたり――――
明日菜にはセーラー服を着せてみたり――――
明日菜にチアガールの服を着せてみたり――――
明日菜に巫女服を着せてみたり――――
まき絵にメイド服を着せてみたり――――
まき絵にナース服を着せてみたり――――
ツインテールつながりで明日菜に某魔法少女アニメのフェ○ト・テ○タロッサのバリアジャケットを着せてみたり――――
え? なんでそんなモノまでここにあるのか?
もちろん、前日にここに運び込んでおいたに決まってるじゃないか。
――――しかし、思い出せるのは彼女たちをコスプレさせただけとは…これは少々、先生として問題が――――
そして、しばらく考え――――
「――――何も問題ないな」
そう結論づける。
スバラシイ物が大量に手に入ったんだ。
じじいには、賄賂として木乃香ちゃんの写真を送っとけば問題ないだろ。
そんな事を考える俺の耳に、明日菜たちの悲鳴が――――
――――やっときたか。
じじいが、予定通りに俺たちを追い詰めて地上に帰させるために石像――――ゴーレムで襲ってきたのだ。
今、明日菜たちは水浴びをしているはずだ。
――――ん? なぜ、覗きにいかなかったのかって?
はははは、覗きは犯罪だよ? 優等生の俺がそんな犯罪じみた事をするわけないじゃないか。はははははは。
そして、俺は明日菜たちと合流した。
『ま、待たんか~~~~!!!!』
ゴーレム――――じじいが、焦った声で追ってくる。
その理由は――――
「キャーーーー!!!! 魔法の本、取ったよ~~~♪」
楓に抱えられているまき絵が手に持つ一冊の本――――『メルキセデクの書』
――――あのじじい…中学生に出し抜かれやがって…。
内心、舌打ちをする俺。
もちろん相手はじじい。油断したじじいには後でペナルティを課さなければなるまい。
具体的には、姉さんの説教という名の拷問――――いや、それはいくらなんでも酷すぎるか。いくらアンデッド並みの不死身さを誇るあのじじいでも死ぬかもしれん。
「おーい、コッチに出口っぽいヤツがあるぞー」
そう言って、明日菜たちを出口に誘導する。
「って、何よ!? これは!?」
そう、明日菜が叫んだ外にでる入り口には――――
「“read”の過去分詞の発音は?」
そんな問題があった。
これを解かないと先に進めないぞ~。
「そんな事、急にいわれても~!?」
泣き言を言うまき絵。
「いや、ワタシ、コレ解かるアルよ!!」
「ええっ!?」
「答えは“red”アルね!!」
そう答えたのは、本を持った古菲。
ピンポーン。
そんな音がして、扉が開いた。
「おおー!!」
「コレ、持ってるだけで頭が良くなたアル!!」
本を掲げながら言う古菲。
――――マジ?
そんな俺の内心の驚きに構わず先へと進む。
そこには――――
「ら、らせん階段!?」
そう、このらせん階段が地上へと続く唯一の道だ。
そして、らせん階段をひたすら上っていく俺たち。
そして、それを追うゴーレム。
ところどころにある問題も、本を持ったバカレンジャーが答えていく。
「す…すごいです!! バカレンジャーのみんな!!」
感動するネギ君。
「アスナとマキエまで答えられるなんて、これはホンモノアル!!」
「「悪かったわね!!」」
その後、転んだ綾瀬をネギ君が背負おうとしたり(結局は俺が背負った。――――さすがに女の子に背負わせるわけにはいかんだろ)、イベントがあったが遂に地上へとつづくエレベーターに辿り着いた。
「よーし、乗った!! これで地上にGOよ!」
そーはうまくいかないんだなぁ、コレが。
『ブーッ!!!! 定員OVERです』
「ええ~~~っ!?」
本を持っているかぎり、動かないんだよ。このエレベーター。
仕掛けを知っているが、それを言う訳にはいかない。
「ふ、服をぬいで~~~!!!」
次々と服を脱いで、外に放り投げる一同。
――――なかなかいい光景だが、意味ないぞ?
「食べ過ぎた――――」
「まき絵さん、今何キロ――――」
騒ぐ中、ネギ君が――――
「僕が残ります!!」
そう言って、外にでるネギ君。その目は、生徒を守ろうとする意志で溢れている。
――――うん、合格かな。
内心で、ここでのネギ君の合格を決める。
そして、明日菜も――――
「ガキの癖にかっこつけんじゃないわよ!!」
そう言って、エレベーターにネギ君を引っ張り込む。
「で、でも、誰か残らないと――――」
ネギ君の言葉を遮り――――
「なら、こーすんのよ!!」
魔法の本を振り上げ、投げようとする。
――――この辺でいいだろ。
明日菜の手から、本を取り上げてエレベーターの外に出る。
「しょ、翔馬!?」
「コレは俺が元のところに戻しとくから、お前らは先に戻ってろ」
その俺の言葉に、
「ちょっと!! 翔馬はどうするのよ!?」
明日菜が慌ててそう言った。
「生徒の責任は教師がとらなきゃいけないしな。――――そうだろ? ネギ君?」
「で、でも、翔馬さんは――――」
「大丈夫、大丈夫。――――明日菜は俺の逃げ足の速さを知ってるだろ?」
「――――解かったわよ」
「あ、明日菜さん!?」
「早く、帰ってくんのよ!? アンタは私達の副担任なんだからね!?」
「OKOK」
そう言って、手を振る俺の目の前で、明日菜たちを乗せたエレベーターは閉まり、地上へと向かっていった。
「じじい、今度からはもっと安全な場所に保管しとけよ?」
そう言いながら、ゴーレムに本を渡す俺。
『フォッフォッフォッ、そうじゃな。さすがに彼女たちがここまでやれるとは予想外じゃった。今度からはもっと厳重な場所に保管しておかねばのぅ』
そんな話をしながら、俺は隠されたもう一つの専用エレベーターで地上に帰っていった。
今回の話の結末としては、一旦は最下位だとされた2‐Aだったが、遅刻したバカレンジャーたちの答案を学園長が入れていなかったので、再計測されてなんと2‐Aがトップに躍り出た。――――無論、その後俺が学園長をボコったのは言うまでもない。
そして、無事に課題を達成し来年度から正式に先生となる俺とネギ君。
こうして、今回の騒動は終わりを告げたのだが――――
明日菜よ。今回の感想をどうぞ。
「確かに翔馬の授業は必死で頑張らないといけないから、成績は上がったけど――――」
そこで一旦、言葉を切り――――
「もー、コスプレはいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!?」
号泣する明日菜。
――――どうやら、軽いトラウマになってしまったようである。
――――To be contenued
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