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EPISODE.13「音速」 投稿者:偽・弓兵 投稿日:07/17-00:14 No.926


EPISODE.13「音速」


SIDE:巧

オルフェノクが暴れている現場についた俺たちが見たのは、黒いライダーがオルフェノク達を倒していく光景だった。

「たっくん、あれって新しいライダーなのかな?」

「さーな。とにかく先にあいつらをどーにかしねーとな」

そう言って、俺はベルトとファイズフォンを手に車から降りる。

「たっくん!!」

「下がってろ!! 啓太郎!!」

運転席から降りてきた啓太郎にそう言って、俺はファイズフォンに変身コードを入力。

『555‐ENTER』

≪Standing-by≫

起動したファイズフォンを持ち上げ――――

「“変身”!!」

そう叫びながらベルトに装填。

≪Complete≫

その機械音声と共に、俺の体を赤いフォトンフレームが覆い、俺を『ファイズ』に変身させた。

軽く右手を振った後、正面にいるオルフェノクたちと、その向こう側で俺を見ている黒いライダーに目を向ける。

(あいつ、SBのヤツか…?)

そう思ったが、オルフェノクを倒していたのだから今は敵では無い…か?

(とりあえず、あいつらを倒してからだ!)

そう思い直した俺は、一気にカタをつけるためにファイズフォンのミッションメモリーを腰から取り外した『ファイズポインター』に装着。

≪Ready≫

それを右足に装着し、

≪Exceed-charge≫

ファイズポインターにフォトンブラッドが伝わる。

そして、左手首に装着していた腕時計型ツール『ファイズアクセル』から『アクセルメモリー』を外し、ファイズフォンに装着する。

≪Complete≫

その機械音声と共に、ファイズの胸のフルメタルラングが左右に展開しマスクの瞳が黄色から赤へと変化する。

そして、赤いフォトンストリームが銀色に変わり俺は超加速形態――――『ファイズアクセルフォーム』に変身した。

≪Start-up≫

辺りの光景が非常にゆっくり感じる。

俺が時間を支配し、10秒間だけ通常の千倍の速さで行動できる魔法のような力――――

そして、俺は全てのオルフェノクにポインターを合わせ、『アクセルクリムゾンスマッシュ』を奴らにくらわせた――――




SIDE:翔馬


――――何だ!? アレは!?

いや、頭では理解している。アレはファイズがフォームチェンジした姿――――『ファイズアクセルフォーム』だ。

だが――――

「「「「「――――――――!!」」」」」

ファイズがフォームチェンジした後その姿が突如掻き消え、次の瞬間、全てのオルフェノクに円錐状のポインターが出現した。

そして、それがオルフェノクたちを貫き一瞬にして全てのオルフェノクたちを灰化した。

――――コレが、アクセルフォーム…ファイズの力か…。

オルフェノクが灰化していく中、またもや突如出現したファイズ。

≪Time out≫

ベルトから何かを抜き出す。すると――――

≪Reformation≫

その機械音と共に、ファイズは通常形態に戻った。

(いや、ハカセとか超からアクセルフォームとかの話は聞いていたけどさ…)

内心、そのとんでもない力に呆れる。

(何? このク○ックアップもどき? いくらスペック上の力では勝っていても、勝てる気がしないんですけど…?)

反則じゃね? と思いつつも警戒は解かない。

噂だと、ファイズとデルタはSBから反逆したオルフェノクたちが持っているらしいが、いくらSBと敵対しているとはいえ、俺たちの味方になるとは限らない。

――――正直、味方になって欲しいが。

今の段階でファイズに勝てるとは思えないし、暴れるオルフェノクもどきを倒した時に俺にもポインターを合わせれば倒せたかもしれないのに、そうはしなかった。

(戦闘はとりあえず避けたいなぁ…)

そう思っている俺に、ファイズが声をかけた。

「お前――――SBのヤツか?」

――――どうやらアッチも俺を警戒しているらしい。

まあ、当然か。普通SBぐらいしか『ライダーズギア』を持っているわけないし。

「いや、どっちかと言うとSBとは敵対しているな」

「――――なんだと?」

俺の返答に疑問の声を上げるファイズ。

――――まずは俺から歩み寄らないといけないか…。

そう、思った俺はオーガフォンをベルトから外して変身を解く。

そして――――

「俺はアンタたちの敵じゃない。――――とりあえず、事情を話すから俺の上司みたいな人のところに一緒に来てくれないか?」

俺のその言葉に、多少戸惑いながらも彼ら――――ファイズである『乾巧』とその友人である『菊池啓太郎』は俺について、麻帆良についてきてくれた。

――――話はじじいにまかせよう…。

俺やSBとの因縁、魔法使いの話など話さなければいけない事がたくさんある。

その全てをじじいにまる投げするために、俺は彼らを麻帆良に案内した――――。




SIDE:巧

俺たちはソイツ――――『源翔馬』と名乗った少年に案内されて、麻帆良学園と言う場所にやって来た。

「うわー…すごいよ! たっくん!! 話には聞いていたけど、ホントに大きいねー」

はしゃぐ啓太郎。

いや、確かにデカいけどよ。

つか、あの大きな木はありえんだろ? 樹齢何年だ?

そんな話をしながら、案内されたのは『学園長室』と書かれた部屋。

ここにこいつの上司がいるのか――――?

そう思いながら、ドアを開け部屋の中に入る。

そこには――――

「フォッフォッフォッフォッ、ようこそ…というべきかの? 『乾巧』君――――いや、『仮面ライダーファイズ』よ」

そう言ったのは――――

「って、たっくん!? 何、いきなりファイズフォンを取り出してるの!?」

驚く啓太郎に、

「下がってろ!! 啓太郎!! コイツは――――オルフェノクだ!!」

あんな頭をしているやつが普通の人間なわけがない!

「――――そ、そう言われれば…そ、そうかな?」

「誰がじゃぁぁぁぁぁぁっっっっ!?」

叫びだすオルフェノク? らしき生物。

そんな俺たちに――――

「あー、乾さん、気持ちはスゴク――――ものスゴク解かりますが、アレはオルフェノクじゃありません」

と、源が言う。

「――――マジか?」

「マジです」

そう源は言い、さらに言葉を繋げる。

「いくらなんでも失礼ですよ? 乾さん。――――オルフェノクに」

――――いや、失礼なのはあのじーさんにじゃないのかよ?

「アレは、ア○デット…全てのヌラリヒョンの祖たる『ヌラリヒョンアン○ット』なんです。――――だから、ラウ○カードでしか封印できないんですよ」

いや、いくらなんでも、んな事信じるわけが――――

「ええっ!? ア○デットって、ホントにいたんだ!?――――じゃあ、ブレ○ドとかギャレ○とかカ○スとかレン○ルとかもホントにいるんだ!?」

信じるなって…啓太郎。

「誰が、アンデッ○じゃぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!!?」

――――いや、お前ら。俺たちをココに連れてきた訳を言えよ…。







それから俺たちは、落ち着いた謎の生物――――この麻帆良学園の学園長から、事情を聞いた。彼らは人間として生きたいと思うオルフェノクを保護していると言う事。そして、オルフェノクの事を俺たちも知っているSB前社長『花形』から聞いたと言う事。そいつから頼まれてSBの研究所から目の前のコイツ、『源翔馬』を『オーガギア』と一緒に保護したこと。――――そして、自分たちが『魔法使い』だと言う事。

「すごいねー、たっくん。魔法使いってホントにいたんだ…」

正直、俺は信じられなかったが、いくつかの魔法としか思えないものを見せられては信じるしかなかった。

そして、こいつらの話を信じた俺たちは、5年前に何が起こったのかを話す。

――――SBが作った3本のベルトの事。

――――人間を守ろうとして裏切られ、それでも人間を信じようとして死んだ『木場勇治』の事。

――――そして、オルフェノクの王である『アークオルフェノク』の事。



「なるほどのう…それで、こちらが調べられた断片的な情報が一つに繋がるのう…」

話を聞き終えた学園長――――もう、じじいでいいか…は、そう言ってその長いひげをいじる。


それから俺に、じじいから自分達への協力要請をしてきた。

――――正直迷う俺に、

「たっくん、ここは協力したほうがいいんじゃないかなぁ。5年間おとなしかったSBもこのごろ動き出してるみたいだし、もう三原君とかはデルタのベルトをたっくんに預けて保父さんになる勉強を阿部さんとしてるし、真理ちゃんも美容師として頑張ってるから巻き込めないし、海道君もどっかにいっちゃったし――――もう、草加さんも木場さんもいないんだし…」

啓太郎がそう言った。

――――そうだな。皆、『夢』を目指して頑張ってるんだ…俺に出来るのは、そんなヤツらの『夢』を守ることだけだよな…。

それに、今日みたいなオルフェノクもどきが現れる事件がこのごろ多発してるし…。

「――――わかった。アンタらに協力しよう」

「ふむ。そうか――――ありがとう」

頭を下げるじじい――――学園長を見て、この人たちを信じてみようと思った。



そうして、俺たちはこの麻帆良で生活する事になった。

まあ、急に啓太郎の店を閉めるわけにはいかないので、2ヶ月くらい先の事だが。

俺は警備員として、翔馬――――コイツからそう呼ぶよういわれた――――たち麻帆良のオルフェノクや魔法使いたちと警備の仕事をするように頼まれた。

何でも、ここにはオルフェノクだけでなく鬼や悪魔などのバケモノも襲ってくるらしく、そいつらからも生徒や一般人を守ってくれるように頼まれた。

――――マジでいんのか? 鬼とか悪魔が。

まあ、代わりに5年前に壊れた相棒――――『オートバジン』の修復(心臓部であるAIだけは俺が保管していた)を頼んだが。



啓太郎の方は、麻帆良学園で洗濯屋を開く事になった。

最初は店を一時的とは言え、移転する事を渋った啓太郎だったが、事情が事情なためやむなくこうなった。




そして俺たちは、色々な契約書にサインをして学園長室を後にした。

「じゃーな」

「それじゃあ、失礼しましたー」

そういいながら部屋をでる俺と啓太郎。


――――やれやれ、仕方無いとは言え、めんどくせー事になってきたな…。







SIDE:翔馬


「じゃーな」

「それじゃあ、失礼しましたー」

乾さんと菊池さんが部屋を出て行く。


そして、学園長が俺に話しはじめた。

「ふむ…まあ、そうじゃろうとは思っとったが、花形が死んだ事をはっきりと聞かされるとさすがにつらいのぉ…」

学園長は、目を閉じ死んだ友人の冥福を祈るかのように息を吐く。

そして、気を取り直しては話を変える。

「それで、乾君たちから聞いた話によると、SBの目的は――――」

「やっぱり、王を蘇らせてオルフェノクの世界を作るってことなんだろ?」

「そのようじゃな…が、そんな事を許すわけにはいかん」

その学園長の鋭い視線に、俺も答える。

「ああ…そんな世界にはさせない。――――そのために俺の力――――“仮面ライダーオーガ”の力はあるんだ」

そう呟きながら、新しく仲間となった『乾巧』――――『仮面ライダーファイズ』や、他の仲間と共に、戦い続けることを心の内で誓った。




――――To be contenued

MAGISTER MAGI&MASK’D RIDER 000 EPISODE.14「見合」

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