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EPISODE.21「吸血鬼6」 投稿者:偽・弓兵 投稿日:08/06-01:05 No.1041

EPISODE.21「吸血鬼6」


SIDE:翔馬



斬! 斬!! 斬!!!

俺の振るうオーガストランザーで鬼の群れを切り捨てる。

「はあっっっ!!!!」

乾さん――――ファイズもまた、手にもつ『ファイズエッジ』を振るって鬼を切り裂く。

赤い斬光と、黄金を放つ光の刃が、鬼の群れを引き裂く。

が――――

「おい!! こいつら全然減らねーぞ!?」

乾さんが俺に向かって叫ぶ。

「やっぱり、せめてあと一人同じくらいの力を持つヤツがいれば…!!」

乾さんが来て少しは事態が好転したが――――決定的な事態を遅らせる事が精一杯だ。

このままでは、鬼の群れを通してしまう…!!

例え俺たち自身が無事だとしても、そんな事態になれば俺たちの負けである。





SIDE:明日菜

「ちょ、ちょっと!? 何かやばいんじゃないの!?」

私の疑問に、

「ああ…いくらあいつらが強くても、数で押されるとマズイな…あいつら自身が無事だとしても、鬼の群れがここを突破するのは時間の問題だな…」

忌々しげに呟くエヴァちゃん。

「そ、そんな…!!」

その言葉に絶句するネギ。

「まずいぜ…!! あの兄さんたちでも、この数で押されたら…!!」

エロオコジョもそう呟く。

「もし――――鬼の群れが翔馬たちを突破したら…どうなるの…?」

「――――あいつらはただ暴れているにすぎん…この場合は術者にコントロールされていないだけ、なおさら性質が悪い…死人が出なければ幸運――――と、思っていたほうがいいぞ」

そのエヴァちゃんの言葉に――――

「そ――――そんな事はさせません!!――――もう二度とあんな…六年前のようなことにはさせません…!!」

なぜか、熱に浮かされたような様子のネギ。

「ネギ…? アンタ…?」

私がネギの様子がおかしいのに気付き、その事を問いただそうとしたが――――

「とにかく、今ぼうやと私は戦力外だ…もう今日は魔法は使えんしな…あとは茶々丸と――――神楽坂明日菜。貴様しかいないわけなんだが…」

エヴァちゃんの言葉に、遮られる。

今、そんな場合じゃないか…!!

「私に何かできる事ってあるの!?」

翔馬だけを戦わせてなんかいられない!!

何か出来ることがあるのなら…!!

「さっきも言ったとおり、ぼうやの魔力供給がなければ、貴様はただ運動神経がいいだけの素人に過ぎん」

「そうっすよ!? 姐さん!! いくらんでも無理っすよ!?」

エヴァちゃんの言葉に、エロオコジョもまた同意する。

「けど…!!」

言い返そうとした私の目に、さっき茶々丸さんが後から現れた男の人――――翔馬が『乾さん』とか言った人が乗ってきたバイク――――ロボットが茶々丸さんに渡したケースが。

「――――茶々丸さん…それって何…?」

私の言葉に――――

「これは先ほどオートバジン兄さんから預けられた、『デルタギア』が入ったケースです」

コッチを振り返らずに、茶々丸さんがそう言った。

「『デルタギア』…?」

「はい。翔馬さんが持つ『オーガギア』――――あちらの『乾巧』さんが持つ『ファイズギア』――――それらと同じ種類の『ライダーズギア』です」

それは――――

「って、事はそれを使えば翔馬みたいに変身できるって事!?」

「はい。『デルタギア』の『デルタフォン』をベルト――――『デルタドライバー』に装着すれば――――」

「私がやるわ!!!」

茶々丸さんの言葉を途中で遮り、そう叫ぶ。

「ええっ!? 明日菜さん!?」

「姐さん!?」

そのネギとエロオコジョの声を遮り――――

「――――神楽坂明日菜…本気か…? アレを使うということは、ぼうやの従者になる事よりもさらに厄介な事に巻き込まれかねんのだぞ?」

そのエヴァちゃんの言葉に――――

「マジよ! アイツが――――翔馬が戦っているのに、自分だけが見ているだけなんてのはゴメンよ!!」

アイツは――――翔馬はいつもそうだった。

私たちをからかってばかりいたけど――――いつも私たちを守ってくれていた。

けど――――

「アイツと一緒に戦える力があるなら――――私は戦う!!」

そう、私はエヴァちゃんの目を見つめながらそう言った。

「――――ふん、どうやら止めても無駄のようだな…」

「エ、エヴァンジェリンさん!?」

「ぼうやは黙っていろ…これはコイツ自身の意思で決めたことだ――――茶々丸!! その『デルタギア』とやらをもってこい!!」

茶々丸さんは、そのケースをこちらに持ってきながら――――

「マスター…しかし、『デルタギア』は確かにオルフェノクでは無い方でも装着できますが…適合者でないと、凶暴化してしまう危険性が――――」

茶々丸さんがそう言う。

「だ、そうだがどうする? 神楽坂明日菜? ここで止めるか?」

エヴァちゃんが挑戦的な視線を向けるが――――

「何とかなるわよ!!」

多少のリスクは覚悟している。

それより――――翔馬を助けたい!!

そんな気持ちの私は、茶々丸さんから『デルタギア』の説明を受ける。

「――――わかりました。神楽坂さん、この『デルタドライバー』を腰に――――」

ベルトを腰に装着した私に、

「この『デルタフォン』は音声認識になっていますから――――」

茶々丸さんの説明をうける。

音声認識か――――これなら、機械が苦手な私にも使えるかも…。


一通りの説明を受けた私に、

「もう一度聞いておくぞ? 神楽坂明日菜。それを使って変身したら、お前は魔法の世界以上に厄介な世界に足を踏み入れる事になる。――――その覚悟はあるか?」

それには――――

「翔馬のヤツはもう、関わってるんでしょ?――――なら、幼馴染の私が放っておけるわけないでしょうが!?」

その私の答えに――――

「――――どうやら、覚悟はとうに出来ていたようだな…なら、私から言う事は何も無い」

そう言ったエヴァちゃん。

「明日菜さん!? 明日菜さんがそんな事をするくらいなら僕が――――!!」

そのネギの言葉に、

「――――ネギ。確かに、今日巻き込まれたのは私だけど…アンタを助けると決めたのは私自身。そして、これを使うと決めたのも私自身よ――――だから…止めても無駄よ」

そう言って、私は右手に持った『デルタフォン』を口元に持って行き――――

「“変身”!!」

そう口にした。

≪Standing-by≫

その機械音声と共に――――

腰の『デルタムーバー』にそれを装着。

≪Complete≫

その音と共に、私の体を白い光が包み込み――――


次の瞬間、私は黒を基調とした仮面の騎士――――『仮面ライダーデルタ』に変身していた…。




「神楽坂さん、体にどこか異変はありませんか?」

茶々丸さんの言葉に、

「え?――――うん、別に何とも無いみたい」

手をわきわきと開いたり閉じたりしながら、そう答える。


「そうですか――――どうやら、神楽坂さんは適合者みたいですね」

とにかく、大丈夫ってことよね?

「じゃ、いくわよ!!」

デルタを纏った私は、手に『デルタムーバー』――――銃を構えながら走り出す。








「――――!? デルタ…!? 一体誰が――――まさか…明日菜か!?」

翔馬――――『仮面ライダーオーガ』(デルタを装着した私のメットの中に、そのデータが送り込まれた)――――に襲いかかる鬼に、私が撃ったフォトンブラッドの弾丸が当たる。

「お、お前……!!!! 何やってんだよ!?」

動揺した翔馬に、

「うっさいわよ!! 今は人手がいるんでしょ!? 話なら後で聞くわ!!」

次々に襲ってくる鬼を、再び撃つ。

「~~~~~!!! 仕方ねぇ…!! 後でこの話はつけるぞ!?」

そう言いながら手に持った剣で数匹を纏めて切り捨てる翔馬。

そして私も――――

「えいっ!!!」

デルタのパワーでキックをして、鬼を倒していく。

――――ホント、すごいわ…これ…。





SIDE:翔馬


何で、明日菜がデルタに変身しているんだよ!?

――――まあ、デルタはオルフェノクでなくても装着できるけど、適合者――――内部にある、『デモンズスレート』…闘争本能を活性化させる装置に適合しなけりゃ、理性を失って暴走するんじゃなかったけ?

――――まさか、明日菜がバカだから効かないってオチじゃねーだろーな…?

そんなバカげた事を考えながら、俺はこの事態を収拾する方法を考え付く。

あのボスみたいなやつを倒せれば、この群れの統制も崩れて増援がくるまでの時間が稼げる…!!

俺と乾さんだけでは、ここを出来る限り通さないようにする事が限界だったが――――

明日菜――――デルタがいれば…!!

「乾さん!! アクセルフォーム使って、奥のデカイのまでの道を作ってください!! その隙に俺と明日菜――――デルタでヤツを倒します!!」

「――――よし、わかった!! 任せろ!!」

俺の言葉に、乾さんが答えてくれた。

そして――――

「明日菜!! とにかく、俺と一緒に突っ込んであのデカイヤツをブッ倒すぞ!!」

「わかったわよ!!」

明日菜が返事をした時には既に乾さん――――ファイズが、腕の『ファイズアクセル』から『アクセルメモリー』をファイズフォンに装着。

≪Complete≫

その機械音声と共に、ファイズの胸のフルメタルラングが展開し――――

瞳のアルティメットファインダーが黄色から赤に変色する。

そして、体を包むフォトンストリームが通常状態の赤から、銀色へと変化――――

『仮面ライダーファイズアクセルフォーム』になった乾さんは、

ピッ!!

≪Start-up≫

腕のファイズアクセルを押して、超音速の世界に突入していった…。




「はぁっ!!!!!!!」

乾さん――――ファイズは、瞬く間にボスの間を塞ぐように立ちはだかる鬼の群れに突入し――――

斬! 斬!! 斬!!! 斬!!!! 斬!!!!!

手に持ったファイズエッジを使い、十数体の鬼を『アクセルスパークルカット』で切り裂いていった…。




「す…凄い…!! 何よ!? あのク○ックアップもどき!?」

「やっぱ、そう思うよなぁ…」

アレをみた明日菜の感想も、俺と同じらしい。


けど、今はそれより――――

「明日菜!! アイツに突っ込むぞ!!」

そう言って走り出す。

「わ、わかったわよ!!」

それに続く明日菜――――デルタ。

ファイズが作った道を、俺と明日菜が突き進む。

「明日菜!! お前はキックだ!! 同時にやるぞ!!」

俺の言葉に――――

「OK!!」

そう言った明日菜は、

「えーと…“ちぇっく”!!」

――――お前…もーちょっと発音の練習をしろよ…。

だが、明日菜のいい加減な発音も――――

≪Exceed-charge≫

どうにか認識できたようだ。さすがSB製。

ベルトからデルタムーバーに向かって白いフォトンブラッドが流れている。


「んじゃ、俺も――――」

オーガフォンのエンターを押す。

≪Exceed-charge≫

俺の金色のフォトンブラッドが、俺の手を伝わりオーガストランザーに流れる。

今こそ、あの“ヂゴクの特訓”の成果を見せるとき!!

気を扱う要領で、フォトンブラッドのコントロールを身に着けた俺は、威力が大きすぎて使いにくい『オーガストラッシュ』に代わる新しい必殺技を思いついた。

参考にしたのは、乾さんから聞かされた『仮面ライダーカイザ』の技――――

「はあっ!!」

数メートル先のボス敵――――『狂骨鬼』の前で俺はオーガストランザーを地面に突き刺す!!

バシュッッッ!!

地面に突き刺さった剣先から、黄金のフォトンブラッドが俺の意思に従って狂骨鬼目掛けて突き進む。

そして――――

「GAAAAAAAAAA!?」

狂骨鬼の体を、地面から放たれたフォトンブラッドできた鎖が拘束する。

俺は地面から剣を抜き取る。

これが、『カイザスラッシュ』を参考にした俺のオリジナル技――――

「“オーガ――――ストライカァァァッッッッッッーーーーーー”!!!!!!」

俺の前に、フォトンブラッドで出来た円錐が現れ、俺は体ごとそれに突っ込む。

そして俺は一条の黄金の矢と化し――――

狂骨鬼に向かって突き進む!!




一方、明日菜もまた――――

バシュッッ!!!!

デルタムーバーから狂骨鬼に向かってポインターが放たれた。その光は薄紫の円錐となって現れる。

そして明日菜は、それに向かってジャンプ――――!!!!

「“るしふぁぁぁぁず――――――――はんまぁぁぁぁぁぁぁーーーーー”!!!!!」

ネギ君――――どうやら、明日菜には、発音の勉強をさせたほうがいいみたいだよ…?

――――まあ、とにかく――――

俺の『オーガストライカー』と、明日菜の『ルシファーズハンマー』が鬼のボスを貫き――――

「――――――――――――!!!!!!!?」

“Ω”と“Δ”の文字を浮かべながら、声無き断末魔をあげて灰化していった…。




その後、統制を失った鬼の群れを俺たちと、増援の刹那や真名たちと共に殲滅していった…。


こうして、エヴァとネギ君の戦いから始まった長い夜は、このような結末を迎えることになった……。


――――To be contenued

MAGISTER MAGI&MASK’D RIDER 000 EPISODE.22「幕間」

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