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第4話「士郎とネギの出会い」 投稿者:偽・弓兵 投稿日:04/17-18:14 No.329

第4話「士郎とネギの出会い」

あの、鶴子との戦いから数日――――――

士郎は詠春に呼ばれ、屋敷にいた。


「やあ、士郎君。いらっしゃい」

そう言った詠春は、早速話をきりだした。

「実は士郎君に、麻帆良学園へ行ってもらいたいんだ」

「麻帆良…「関東魔法協会」にですか?」

そう返す士郎に、

「ええ…あちらには今、木乃香と刹那君が通っています。そして、今年は私の戦友である『ナギ・スプリングフィールド』の子である『ネギ・スプリングフィールド』君が麻帆良にやって来るそうなんです。……実は数年前、彼の故郷の村が悪魔の集団に襲われるという事件がありました」

重い口調で話す詠春。それに、

「な!? 悪魔がですか!? それでどうなったんです!?」

叫ぶ士郎。彼もこちらに来た数年で悪魔との交戦経験もある。普通の魔法使いが簡単に勝てる相手ではない。その恐ろしさは身にしみている。

「村人のほとんどが、石化して今なお石のままだと言う事です。生存者は2人…ネギ君とその姉である『ネカネ・スプリングフィールド』だけです」

「そんな事が…で、俺が麻帆良に行く理由は彼の護衛とかですか?」

「ええ、それもありますし、木乃香の護衛もお願いしたい。後、麻帆良には「世界樹」や「図書館」など、ある意味この京都よりも危険な物が存在します。近頃は、それを狙った賊なども増えているそうなので、人手が足りないそうなんですよ。それで義父…「近衛近右衛門」から、信頼できる者を派遣してくれないか…と、連絡が内密にあったんです」

その言葉に、

「『近衛近右衛門』…「関東魔法協会」の理事からですか…わかりました。俺も久しぶりに木乃香ちゃんや刹那ちゃんにも会いたいですしね。その仕事、引き受けます。…けど、なんで俺なんですか? 他にも信用できる人間はいるんじゃないですか?」

疑問に思った士郎が訪ねると、

「君は、私の個人的な知り合いの術者…という風になっているからね。「関西呪術協会」の人間ではないから派遣しやすいんだ。それに他の術者を派遣すると「過激派」の連中を刺激しかねないからね」

その答えに士郎は、

「なるほど…わかりました。ではすぐに出発の準備をしてきます」

そう答え、部屋を出ようとする。そこに、

「ああ、士郎君。とりあえず連絡役として誰かを定期的に麻帆良へやるから、その人物に私への報告はしてもらえるかな」

「ええ、わかりました」

そう返し出て行く士郎。

しかし、詠春も士郎もその話を近くで聞いていた人物に気付かなかった。







数日後、士郎は電車に乗り麻帆良へ到着した。

「ここが麻帆良か……しかし、本当に広いな」

そう呟く士郎。この学園の広さに驚いていた。

そんな彼の少し先で、一人の少年と、二人の少女が騒いでいた。

「あれは…木乃香ちゃん?」







一人の少女が、少年を掴みあげて叫んでいる。

「何だとこんガキャーーーーー!!!」

「あわわわわわわ」

そう叫びながら、中学生ぐらいの少女――「神楽坂明日菜」は、10歳くらいの少年――「ネギ・スプリングフィールド」の襟首を掴み上げていた。

そこに、

「あー、何してるか知らないけど、そろそろ手を離したほうが良いんじゃないかな? 彼、死にそうだし」

スーツを着た、一人の男性が二人の間に割ってはいる。

「は? 何よアンタ。ここは女子校よ男は「士郎さん!?」…ってこのか? 知り合い?」

明日菜の言葉を遮って、もう一人の少女――「近衛木乃香」が驚きの声を上げる。

「久しぶり、木乃香ちゃん。元気だった?」

苦笑を浮かべながら、木乃香に答える士郎。

「士郎さん、久しぶりやな~。会いたかったで~」

嬉しそうにそう言い、士郎に近づく木乃香。そこに、

「このか? この人、このかの知り合い?」

そう訪ねる明日菜。

「そうやで~。士郎さんはウチの家で働いてる人で、ウチもせっちゃんも色々御世話になったんや」

「まあ、たいした事はしてないけどね…って、君、いい加減にその子を離した方がよくないか!? な、なんか、魂抜けてるようだぞ!?」

「へ?」

士郎の言葉に、いまだに掴んでいた少年――ネギの方を見る明日菜。ネギの顔は白目を剥き、青ざめて、口から魂が抜き出ようとしていた。

「ってアンタ!! しっかりしなさいよ!!」

そう叫ぶ明日菜だが。ネギからの返事は無い。

「あ~明日菜。とうとう、殺ってしもうたな~、まあ、いつか殺るとは思うとったけど」

少し困った顔で恐ろしい事を言う木乃香。どうやら明日菜がこんな事をやらかすのは、日常茶飯事らしい。

「んなワケあるか~~~~~~~~~!!!!!!!!!!」

大声で反論する明日菜。その咆哮を聞いて、士郎は以前の世界で衛宮家に襲来する虎の事を思いだした。

(なんかこの子、藤ねえみたいな感じが…いや、まさかな。あんなケダモノがそうそう居るわきゃないだろ)

そんな明日菜に、木乃香は、

「いややなぁ~明日菜。冗談、冗談やないの」

笑って言った。

またもや放っておかれているネギを、

「仕方ないな…俺が手当てしよう」

士郎はそう言って、ネギの手当てをし始めた。





そのころネギは――――――

「あ、あれ? ここは一体…?」

なぜか、見た覚えもない広い部屋…いや、ネギは見たことが無いだろうが、日本の道場のような空間にいた。

「え…?僕、確か学園の道路で、女の人に…」

状況がわからないネギ。道路で少女に首を掴み上げられていた彼が、なぜこんなトコにいるのか――――混乱しているネギに、後ろから声がかかる。

「うむ!! ようこそ!! 我がタイガー道場へ!!」

「え…?」

その声に振り向いたネギが見たものは、竹刀を床に立てた道着姿の女性だった。

「あ、あなたは…?」

そう訪ねるネギに、

「私はこの道場の主! タイガー師範である!!……ってタイガーってゆ~なぁぁぁぁ!!!」

ガオォォォォォォォォォォォォンンンンンン!!!!!!!!

バックに虎が見えたかの様に吼えるタイガー。

「じ、自分で言ったのに……」

虎の音波攻撃を受け、耳を押さえながら反論するネギ。そこに、

「無理っすよ~。ししょーにそれ(タイガー)は禁句っす」

と声がし、振り向いた先には白い上着と紺色の下着…ぶっちゃけ体操服とブルマを着た、ネギと同じくらいの銀髪の少女がいた。

「え、えーと君は…?」

「おっす!! 私はそこで吼えている虎の弟子。弟子一号っす!!」

そう紹介する弟子一号。そこに、

「虎とよぶな~ぁぁぁぁぁ!!! このばかちん!!!」

ゲシッッッッッ!!!!!!!!

竹刀で弟子一号を殴る虎ことししょー。

「う~ししょ~、痛いっす」

「私を虎と呼ぶから悪いのだっ!! この馬鹿弟子!!」

涙目の弟子一号の呟きに、そう反論するししょー

そんな二人を見ながら、

「えっと…ホントにここ何処なんですか…?」

と質問するネギ。その額には大粒の汗が。突然こんな不思議空間に来たらそりゃ戸惑うだろう。

「うむ!! ここはバッドエンドを迎えた死せる魂に救いを与える場所!! ま、ぶっちゃけ選択肢を失敗した君を助けるってことなのだ~!!」

「え? 失敗って…何のことですか?」

そう疑問に思うネギに、

「こぉぉぉのド阿呆めぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

スパァァァァァァァァァァァン!!!!!

「うごぅけろおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!?」

変な叫び声を上げながらししょーに竹刀で吹き飛ばされるネギ。

「君の失敗は、女の子に『失恋の相がでてますよ』って言ったことよ!!! つか、女の子にそんな事言ったら怒られるのは当然!! 私だったらこの虎竹刀の十連コンボでその後蹴り穿って、最後に「斬刑に処す」とか言って17分割しちゃうわよぉぉぉ!!?」

「ししょー、メタな発言は禁止っす!!」

アブナイ発言のししょーを止める弟子一号。

「そ、そうなんですか…? 僕、そーゆー事まだわからなくて…」

あれだけの攻撃を受けながらも、もう復活したネギ。何気に不死身だ。

「ま~、まだまだ子供っすからしかたないっすけど、早くそんな事もわかっとかないとホントにバッドエンドまっしぐらっすよ?」

そう言う弟子一号。自分と同じくらいの女の子にそう言われるとへこみそうになるネギ。

「わ、わかりました…これから頑張ります…」

何を頑張ればいいのかもわからずに返事をするネギ。またこの道場にくる日はそう遠くはなさそうだ。

そんな様子のネギをみて、

「(ししょー、なんかこの子よくわかってないみたいっすよ? またここへ来そうっす)」

「(ふっふっふっ。それでいいのだ、弟子一号。この子がここに来るのが増えれば、私たちの出番も増える!!ってーことなのだよ!!)」

「(!? さすがはししょー!! せこい事考えさせたらいちばんっすね!!)」

小声で悪巧みをする二人。そこに、

「あのー、なんか僕の身体が透けてきたんですけど…」

ネギの声が。

「ん~? そろそろ元の世界に戻るみたいね~。ま、がんばって(また来るだろうけど)!!」

「んじゃ、戻ってもここの忠告は忘れないようにね~(無理だろうけど)」

そう言って手を振る二人。そんな二人の内なる声が聞こえるはずもなく、ネギの意識は遠くなっていった。




その頃士郎は、ネギを手当てして彼を起こしていた。

「うーん…」

そう呟きながら目を覚ますネギ。

「君、大丈夫かい?」

そうネギに訪ねる士郎。それに

「は、はい、大丈夫みたいです。なんか、ご迷惑をおかけしてしまったようで…ホントにありがとうございます!!」

士郎に頭を下げるネギ。どうやらあの不思議道場での出来事は記憶にないようだ。

「いや、俺は当たり前のことをしただけさ。…それよりそこに居る人。出てきたらどうです?」

「えっ!?」

そう言って振り返ったネギの目に、建物の影から一人のスーツを着た男性が歩いてきた。

「いや~、なんか出るタイミングを失ってね~」

そう言い、頭をかきながらでてきた男に、

「た、高畑せんせ「タカミチーーーーー!!!」…ってアンタ、知り合いなの!?」

明日菜が声を掛けるが、それをネギの声がかき消した。

「ネギ君、久しぶりだね」

「うん、タカミチも元気そうだね」

そう言ってネギは男性―――『高畑・T・タカミチ』にむかって話しかけた。

「いや、明日菜君。彼は僕の知り合いでね。実は今度僕の代わりに2‐Aの担任をしてもらう事になったんだ」

そんなタカミチの言葉に明日菜は、

「え…ええ~~~~~~~!?」

と驚きの声を上げる。そんな様子の明日菜に、

「この度、この学校で英語の教師をやることになりました……『ネギ・スプリングフィールド』です」

頭を下げるネギ。

「は!? 先生!? 君が!?」

その言葉に、士郎も驚く。

「いや、ありえないだろ!! それ!! ってか君何歳!?」

「じゅ、十歳ですけど」

そのネギの答えに、

「じゅ、十歳の先生…いくらなんでもマズイだろ…」

士郎が顔を引きつらせながらそう答える。そこに明日菜が、

「そ、そーですよ!! こんなガキンチョが先生なんて!!」

と、反論する。

「いや、彼は頭がいいんだ。安心したまえ。それより…えーと君が京都から来た…」

そう言って士郎の方を向くタカミチ。それに、

「あ、はい。俺が京都から派遣された『衛宮士郎』です」

頭を下げる士郎。

「うん。学園長から聞いてるよ。それじゃ衛宮君とネギ君は僕と一緒に学園長のところに来てもらえるかな? ああ、近衛さんと明日菜君も一緒に来てくれるかな」

そう言ったタカミチについて、一行は学園長室へと向かった。

第4話了

士郎とネギの麻帆良騒動記 第5話「副担任就任!?」

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