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第16話「麻帆良戦隊バカレンジャー!! EPISODE3『メルキセデクの書』」 投稿者:偽・弓兵 投稿日:06/04-15:12 No.668

第16話「麻帆良戦隊バカレンジャー!! EPISODE3『メルキセデクの書』」



学園長室――――

「ふむ…思った通り木乃香やネギ君たちが図書館島に向かったようじゃの」

そう呟く学園長に、ノックが。

コンコン。

「うむ。入ってきたまえ」

その返事を聞いて入ってきたのは、衛宮士郎であった。

「おお、衛宮くん。ご苦労様じゃたな」

「ははは…まあ、色々と大変でしたよ…」

虚ろに笑う士郎。その身体に、さきほど高音から受けた怪我のあとは無い。

「ふむ、そうかね…それで、帰ってきたところ悪いんじゃが、図書館島に行ってくれんかの?」

その言葉に、

「は? なんでですか?」

「うむ、実はネギ君や木乃香たちや明日菜ちゃんの2-Aの生徒が、図書館島にある頭のよくなる魔法の本のことを聞きつけてのぉ。それをとりに向かったんじゃよ」

「いや、頭がよくなるって…そんな物あるんですか?」

もっともな士郎の言葉に、

「『メルキセデクの書』といってな。最高位の魔法書で、まあ、ちょっと頭を良くするくらいは簡単にできるじゃろ」

あっさり答える学園長。

「マジですか? でも、そんな高位の本の事をなぜ生徒が知る事ができたんです? そこまでのモノなら、情報は完全に秘匿されているはずでは――――」

そう言いかけた士郎は、学園長の顔が悪戯っぽくニヤついているのを見てその訳を悟る。

「学園長がウワサを流したんですね…?」

「そうじゃよ。これをネギ君の試験にしようとおもっての」

「試験って…学園最下位脱出じゃないんですか?」

その士郎に疑問に、

「それは、先生としての試験じゃよ。これは『マギステル・マギ』になるための試験じゃ」

「はあ…それで俺は何をしたらいいんですか?」

「今からネギ君たちに合流して、ネギ君のフォローをおねがいするぞい」

「フォロー…ですか?」

「うむ。あくまでこれはネギ君の試験じゃからな。多少の助言は良いが、決断はネギ君に任せてほしいんじゃ」

確かに、士郎が全てを決断したらネギのためにはならないだろう。

「わかりました。しかし、生徒達に危険が迫ったら手を出しますよ?」

「それはかまわんぞい。当然じゃしの」

その言葉を聞いた士郎は、

「じゃあ、これから図書館島に向かいます」

そう言って、士郎は学園長室を出て行った。








一方そのころバカレンジャーと仲間達は――――

「って。ここホントに図書館なの~~~~~!?」

バカレッド…明日菜が喚いていた。

「本棚あるやん?」

そう言う木乃香の言葉に、

「いや、こんなトコの本なんて誰が読むのよ!?」

明日菜が指差すモノは足元の本棚の通路。明日菜達は本棚の上を歩いている。ぶっちゃけ高い。いくら暗いとはいえ、足元の本棚の底が見えないのである。おそらくその高さは10数メートルはあるだろう。――――どうやって本をとるのであろうか?

「しかも、なんか罠とか仕掛けてあるし!!」

地下5階――――ここまで来ると、シャレにならないレベルのワナが仕掛けられていた。

本棚から矢が飛び出してくるわ、シャレにならない深さの落とし穴がるわ…一般人ならば大怪我、もしくは下手すればご臨終してしまう。

――――まあ、実は見かけは派手だが、これらのワナには魔法が仕掛けられており、怪我レベルですんでしまうのだが、魔法を知らない生徒達と、まだ見習い魔法使いのうえに今は魔法を封じてあるネギは気付けなかった。


地下8階――――

ここまでくると、さらにワナが激しさを増してきている。

例えば――――

「うわ~~~!? この竜の銅像、火ぃ吹いたわよ!?」

道の両側の銅像の口から火が吹き出したり――――




ゴロゴロゴロゴロ!!!!!

「何で大きな石が転がってくるアルか~~~!?」

どこぞのイン○ィ・ジョー○ズのよーに通路を塞ぐような大石が転がってきたり―――



そして数々の試練を乗り越えた一行の前に現れたのは――――

「って、なんで図書館の中に池があんのよ~~~~~~!?」

そんな明日菜が叫ぶのも無理は無い。彼女達の目の前に現れたのは十数メートルの池と、そこに浮かぶいくつもの飛び石だった。

「あ~~、なんかこんなん見たことあるわ~~~。…確か筋肉○付とか言う番組の――――NA○UTO? やったか?」

どこぞの忍者マンガの題名を言う木乃香。

「ちがうでござる。確かSASU○Eでござるよ~」

木乃香の勘違いを訂正する楓。――――実は製作者のイメージしたのは昔TVでやっていた「風雲たけ○城!!」なのだが。

「ま~、ナル○だろーが、サ○ケだろーが、○カシだろーがどーでもい~わよ」

そう言って、明日菜は早速飛び石を渡っていく。

ひょいっ!! ひょいっ!!

足早に飛び石を渡っていく明日菜。

それに続く他のメンバー。

次々と飛び石を渡っていき、最後に木乃香が渡ろうとしていた。

ひょいっ…ひょいっ…。

明日菜達のように軽快にとはいかず、おっかなびっくりな様子で渡る木乃香。

そして、木乃香が中ごろに来た時、次の飛び石に渡ったその時――――

グラグラッッ!!

「あわわわ~~~~!?」

さっきまで普通に渡れた飛び石が、少しずつ沈み始める。――――どうやら時間差で飛び石が浮き沈みするらしい。…悪質である。

「木乃香っ!?」

明日菜が叫び、助けようと飛び出すが間に合わない!!!!


しかし、そこに木乃香を助けに入ったのは――――


「木乃香ちゃん!!」

その影は、木乃香の名前を叫びながらもの凄いスピードで木乃香の元に向かい、木乃香を抱き上げ、明日菜たちのいる対岸まで渡ってきた。

「ええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~~~~~~~~!?」

飛び出そうとした明日菜は、勢いが止まらずに池の中につっこんでしまった。

バシャーーーーン!!!

「あ、明日菜さ~~~~~ん!?」

ネギの声が池に響き渡る――――。



「ハックション!!!!!」

そんなくしゃみをしたのは、先ほど池に落ちてしまった明日菜。

彼女たちは、先ほどの池の端で明日菜の服が乾くのを待っていた。

「ところで、なんで士郎さんがここにいるんですか?」

そう言ったネギの視線の先には、先ほど木乃香を助けた人間――――彼女らの副担任である衛宮士郎がいた。

「ああ、君たちが寮を抜け出すのが見えたから追いかけてきたんだ。寮の管理人としても、警備員としても見逃すわけにはいかないだろう?――――それより、なんでこんなところにやって来たんだ?」

一応理由は知っているが、言うわけにはいかないので、ネギに聞いた。

「じ、実はかくかくしかじかというわけで――――」

ネギから理由を聞いた士郎は、

(やっぱり、そんな事か…)

学園長の思惑通りに行動したネギたちに、ため息をつく士郎。

「えっと…やっぱり帰らなきゃならないんでしょうか…?」

士郎を見ながらそう言ったネギの瞳はウルウルしていて、いいんちょが見たら『お、お持ち帰りぃぃぃぃぃぃぃ!?』とか叫びだすほどの威力を持っていた。

ショタ属性など微塵も無い士郎ではあったが、子供の泣き顔には弱かった。

「は~~~~~~。まあ、ここまできて帰れってのもアレだよなぁ…じゃあ、俺も付き添う事が条件だ」

まあ、最初からネギたちをこのまま帰らせる気はなかった。学園長の思惑を知った以上は。

「ええ!? じゃあ、一緒に来てくれるんですか!?」

パァァァッッ!! と笑顔になったネギ。

「じゃあ、先を急ごうか」

そして新たに士郎をメンバーに加えた一行は、魔法の本を目指してさきを急いだ。




そして、それからも数々のワナを、バカレンジャーと士郎の能力で乗り越えた彼女達は、ついにその場所へ辿り着いた。

「ここが魔法の本の安置室です」

そう夕映が呟いたその部屋は、まるでどこかのRPGのラスボスのような部屋だった。

「こ、こんなトコが学園の地下にあったなんて…」

あまりのバカバカしさに、明日菜が呆れた声をだした。

「学園長…趣味に走りやがったな…」

士郎もまた、この場所を作ったであろう学園長に呆れてしまう。

「いややわ~、おじいちゃん」

孫である木乃香でさえもあきれ返っていた。

そんな様子の士郎と木乃香をよそに、ネギの声が。

「あ、あれは――――『メルキセデクの書』!?」

部屋の祭壇のような場所、二つの石像に挟まれた所にある本を見て、ネギが叫んだ。

「な、なによ。アンタ、あれのこと知ってんの?」

そんな明日菜の疑問に、

「本物の魔法の本ですよ!? あれなら、ちょっと頭を良くするくらいカンタンかも…」

そのネギの言葉を聞いたバカレンジャーたちは、一斉に本のところへと走っていった。

「あ、みんな待って!! あんな貴重な本、絶対ワナがありますよ!!」

そんなネギの忠告も虚しく、

バカンッッ!!!

「「「「「へっ?」」」」」

祭壇へと続く階段の前の道が突然割れて、バカレンジャーたちは穴に落ちてしまった。

ドシーン!!!!

「あたたたた…」

「だ、大丈夫ですか~~~!?」

穴の中へ、ネギと士郎、木乃香が追ってきた。

「だ、大丈夫よ…って、ナニよ? コレ?」

明日菜たちが落ちた先には――――

「ツ、ツイスターゲーム…?」

昔懐かしい、ツイスターゲームが描かれていた。

(なに考えてんだ…? あの学園長…?)

内心、こんなモノを作ったであろう学園長に呆れる士郎。

そこに、

『フォッフォッフォッ――――!!!』

上の方から、不気味な笑い声が聞こえてきた。

「えええええええ~~~~~~!?」

上を振り仰いだ明日菜たちは、石像がいきなり動き出して喋り始めたのを見て、驚きの声を上げた。

『フォッフォッフォッフォッ~~~!! この本が欲しければ、問題にこたえるんじゃ~~~~~!!!!!』

ノリノリの石像――――いや、中の人。

(うあ。 学園長も遊びすぎだなぁ…)

士郎は、さすがに石像を操っているのが学園長だと気付いた。

一方、ネギも、

(ゴーレム!? …あれ? でも、あの声どこかで聞いた事があるよーな…?)

石像の声に疑問を持つが、続けて放たれた石像の言葉にその疑問を忘れてしまった。

『では、第一問!! 「DIFFICULT」の日本語訳は?』

「ええ~~~!?」

「ナニそれー!?」

突然出された英単語の問題に、パニくるバカレンジャー。

それに、

「皆さん、落ち着いて!!「DIFFICULT」の訳をツイスターゲームの要領で踏むんです!! 」

的確なネギのサポートが入った。

「そっか…って、その答えがわかんないのよ!?」

そんな情け無い言葉を吐くバカレッド。

『フォッフォッフォッ、直接答えを教えたら失格じゃぞい?』

「――――え~と、「簡単じゃない」って意味です!」
ヒントを出すネギ。それに答えて、

「OK!! 解かったわ!!」

まず、楓が『む』を。

そしてまき絵が『ず』を。

最後に明日菜が――――

「これね!! 『い』!!」

を押した。

『「むずい」…ま、まあいいじゃろ。 正解じゃ』

「やった~~!! これで魔法の本ゲットね!!」

そんな叫びを遮り、

『では、第2問!!』

続けて問題が出された。

「「「「「えええええ~~~~~!?」」」」」

そんなバカレンジャーの叫びを無視して、問題は続けられた。そして――――

「ちょ、ちょっと~~~~~~!?」

「も、問題に作為を感じるです」

「あたたたたたたたた」

問題が進むにつれ、いい感じにもつれ合うバカレンジャー。

『では、最後の問題じゃ!!』

「やった!! 最後の問題だって!!」

『「DISH」の日本語訳は!?』

その最後の問題に答えようとする我らが5人衆。

「『お』!」

「『さ』!」

そして、明日菜とまき絵が最後の『ら』を押すはずだった――――

のだが、

「「『ら』!」」

二人が押したのは、『ら』ではなく、『る』だった。

「…おさる?」

静まり返る空間に、ネギの唖然とした声が響き渡った。

そして、

『フォッフォッフォッフォッ~~~~!!! ハズレじゃな~~~~!!』

ブオンッッ!!!

と、石像が手に持っていたハンマーを振り下ろして床を砕く!!

バゴンッッ!!!

そして、深い穴に落ちていくバカレンジャーとネギと木乃香と士郎。

「明日菜のおさる~~~~~!!!!」

「まき絵~~~~~~~~!?」

「ごめんなさい~~~~!?」

そんな事を叫びながら、彼らは闇の奥に消えていった。



第16話了

士郎とネギの麻帆良騒動記 第17話「麻帆良戦隊バカレンジャー!! EPISODE4『100円の魔導書(笑)』」

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