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あ てぃーちゃー いん ぱられるわーるど 第1話(ネギま×Fate) 投稿者:phase 投稿日:04/08-04:17 No.61

この世には理不尽な事が沢山ある。



 例えば虎のわがままだったり、

 例えばあかいあくまのうっかりだったり、

 例えば妹分の夜這いとかその他口には出せない諸々とそれにもれなく付いてくる騒動

だったり、

 例えば姉にして妹な少女の爆弾発言とこれまたもれなく付いてくる騒動だったり、

 例えば――



宝石剣持った魔法使いの爺さんに問答無用で異世界に吹っ飛ばされるなんて事態だった

り。



第一話 『ファーストコンタクトは深い森の中から』





 士郎はとりあえずさっきまでの事を回想する。

手紙が届いた一週間後に突然現れた第二魔法使い、ゼルレッチ。

いきなり振るわれる宝石剣。そこから迸る光の奔流。



 で、光が収まった直後目に飛び込んできたのが、

「この森、か……」

呟く士郎。ろくな説明も無しに吹っ飛ばされて、目を開けたらこれだ。

もう途方に暮れるしかない。



 とにかく、最後にゼルレッチから得た情報、



『向こうに着いたら、まず麻帆良の近衛近右衛門を訪ねるのじゃ』



を頼りに、まずは人を探そうと聴覚を強化する士郎。





 ――ちなみに、士郎は全身の強化は難しいが身体の一部なら楽に強化出来るぐらいには腕を上げている。――





 しばらく周りを探っていた士郎の耳に微かな水音が聞こえてくる。

右手の方向に一kmといったところだろうか。

 まあとにかくこうしていてもしょうがない、と考えて歩き出す士郎。

しばらく歩いているとひらけた場所が見える。

「やった、森を抜けられる」

そう口に出して走り出す士郎。その先には――



滝と、川と、テントがあった。



「テントがあるって事は誰か居るんだよな」



森から出られるかもしれない、と光明を見いだす士郎。と、不意に物音がした。

 普通であれば決して聴こえない程に微かな音。

しかし、士郎の強化された耳はそれを捉える。

「足音……だな」

呟く士郎の前にその足音の主が姿を現す。



「んー? どちらさまでござるかな?」



 現れたのはなんか変な言葉づかいの女の子だった。





「…………」

警戒する士郎。理由はさっきの足音である。

あの歩き方は戦いに身を置く者のそれだ。

油断する訳にはいかない、と警戒心を高める士郎に、しかし彼女は気楽に声をかける。



「むむ、そんなに警戒しないで欲しいでござるよ。というか、お主何者でござるか?」

「……む」

普通に考えれば、この状況で怪しいのは士郎の方である。というわけで信頼確保と質問の

答えを兼ねて自己紹介を始める士郎。

「えーと、名前は衛宮士郎。21歳だ。ここには……まあ、仕事で来た。君は?」

「長瀬楓。すぐそこの麻帆良中の学生でござるよ」

「中学生なのか? そうは見えないな」

「よく言われるでござる」

つつがなく進む自己紹介。

と、士郎はこの女性――楓――が麻帆良中、と言っていたのに気付く。

「君、さっき麻帆良って言ってたよね。じゃあ近衛近右衛門って知らないか?」

士郎が尋ねると楓は事もなげに答える。

「ウチの学校の学園長でござるが……知り合いでござるか?」

「知ってるのか!? ごめん、良かったら案内してくれないか?」

「んー、構わんでござるよ」

その答えに安心する士郎。

「助かった……。じゃあ早速」

「今すぐは無理でござる」

「え? なんでさ?」

「もう遅いでござるからな。今からでは日が暮れてしまうでござるよ」

その答えに今度はうなだれる士郎。

「はあ……結局野宿か。 あ、ありがとな、長瀬さん。じゃあまた明日」

そう言って立ち去ろうとする士郎に楓が声をかける。

「衛宮殿、良ければ拙者のテントを使うでござるか?風呂もあるでござるよ」

「え? それはありがたいけど、マズいんじゃないか? 俺も一応男だし」

ちょっと慌てる士郎。対して楓は平然としている。

「心配いらんでござるよ。拙者に何かしようとすれば――」

 ――瞬間、楓の姿がぶれて消える。

鍛え抜いた動体視力で後ろに廻られたのだけは見えたが、気付いた時には既に士郎の首筋

には刃が当てられていた。



「――その前に、お主の首が飛ぶでござるからな」



穏やかな声でこれ以上ないほどに剣呑な台詞を吐き出す楓。正直怖い。

だが士郎は別の理由で恐怖していた。幾度かの実戦も経ている士郎が為す術もなく後ろを

取られた、その事実に。

(魔術無しじゃ勝てないな。全力でいけば何とか……)

「で? どうするでござるか、衛宮殿」

「…………」

 結局。士郎は風呂だけ借りて野宿した。

理由? 怖いからに決まっている。

『何か寝ぼけて襲って来そう』とは似たような経験を持つ士郎の言葉である。





 ――翌朝。楓の案内で森を抜けた士郎が目にしたものは、西欧風の巨大な都市だった。

「これが……麻帆良学園か?」

思わず口に出す士郎。確かに初見の人間は驚かずにはいられないだろう。

それ程までに巨大な学園なのだ。



ちなみに士郎は、

(こっちの世界は凄いなー)

などと少しずれた事を考えていたりする。

「衛宮殿、行くでござるよ」

「え? ああ、悪い」

楓の言葉で我に返り、歩き出す士郎。しかしすぐにある異常に気付く。

(何か女の子ばっかりだな……)

そう、士郎はここに来てから一度も男の姿を見ていないのだ。

「なあ、長瀬さん。何かここ、女の子ばっかりじゃないか?」

さすがにおかしいと思い楓に尋ねる士郎。その問いに楓は、

「当然でござるよ。ここは女子中でござるからな」

と、何でもない風に返す。

「あ、そうなのか。それなら納得…………って、えぇっ!?」

当然驚く士郎。かなり慌てている。

「な、なんで女子中に?」

「なんでと言われても……ここに学園長がいるからでござるが」

そう返されては士郎も黙るしかない。

周りの好奇の視線を一身に受けながら歩き、10分後。

士郎はようやく学園長室に到着した。

「ありがとう、長瀬さん。助かったよ」

「あいあい。それでは拙者はこれで」

「うん、本当にありがとう……さて」

楓と別れた士郎は学園長室の扉を叩く。



――ここから、人生最大の受難が始まるとは思いもせずに。





続く。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



後書き



どうも、phaseと名乗る者です。

……話が進みません。

文章の構成とか、そういったものを全部忘れてます。

……人間、普段使わない知識は忘れていくものですよね。



こんな駄文ですが、最後までお付き合い下さい。

phaseでした。

あ てぃーちゃー いん ぱられるわーるど あ てぃーちゃー いん ぱられるわーるど 第2話

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