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第二話『お子ちゃま先生との出会い』 投稿者:疾風 投稿日:08/19-17:37 No.1131  




第二話『お子ちゃま先生との出会い』



警備員の仕事を学園長より引き受けた俺はその後、今までの疲れを癒す為に学園長の部屋で寝泊まりをさせてもらった。そして、この世界に来てから俺は初めての朝を迎えた。

「おはようガロン君。良い朝じゃな」

「おはようございます。学園長」

朝の挨拶を学園長と交わした後、俺は地図を渡された。どうやらこの学園の地図らしく、見てみると凄く広かった。

「広いですね……。これは迷うな」

「今日は休みじゃ、生徒も部活動をしている者以外は登校してこない。地図を持って一通りこの学園を見てきたらどうじゃ?」

「確かに。警備員として、警備する所を覚えておかなければ話になりませんからね」

学園長の言う事を聞き、部屋を出た俺は地図を持ってこの広い学園を回ってみる事にした。くれぐれも迷わない様にしなくては……。



「まずいな」

そう、あれだけ自分に言い聞かせたのに。俺は今……。

「迷った……」

迷ってしまった。やはり地図を見ても迷う者は迷うのか、それとも俺の地図の見方が下手なのか解らないが、とにかく迷った。

「とりあえず学園長の所に戻ろう」

学園長の元に戻ろとする俺だが、運命の神様と言うのはかなり残酷らしい。どんな偶然かは知らないが、道中俺は誰とも会う事が無く、帰るのに四時間以上も掛かってしまった。そして俺は学園長の元に帰って来て只一言言ってやった。

「地図じゃなくて案内人をお願いします!!」

「地図じゃダメじゃったか……」

学園長は仕方ないとばかりに誰かに連絡をしていた。連絡がし終わって数十分経っただろうか、部屋の扉が開いて子供が入ってきた。

「スマンな、ネギ君。急に呼び出してしまって」

「いいえ、気にしてません。それより、何のご用ですか?」

このぐらいの子供にしてはなかなか礼儀が正しい。俺が感心していると学園長がこの子に学園の案内を頼んでいた。さすがに子供に案内をしてもらうと言うのは俺は気が引けた。

「学園長、こんな子供に頼まなくても……」

「大丈夫じゃ。ネギ君はれっきとしたここの教師じゃ」

はい? 今何と仰いました? この子が教師? おいおい、いいのか学園長。俺が呆気に取られているとネギと言う子が自己紹介してきた。

「こんにちわ。この麻帆良学園で英語を担当しているネギ・スプリングフィールドと言います」

ネギ君か……。礼儀正しく自己紹介をしてくれたので俺も自己紹介する事にした。

「ここの新しい警備員になったガロンだ。よろしく、ネギ君」

互いに挨拶を交わした後、ネギ君は学園長に頼まれた通りに学園を案内してくれるらしい。
扉を開けて準備万端の様子だ。

「宜しく頼むぞ。ネギ君」

「はい。じゃあ行きましょう、ガロンさん」

ああ、と返事を返して俺はネギ君に付いていった。後ろでは学園長のバル○ン笑いが聞こえたが、あえて聞こえなかった事にした。



「ここが食堂棟で、あそこが……」

「ふむふむ……」

ネギ君の案内は丁寧で解りやすく、スラスラと覚えられた。さすがは子供先生と言った所だろう、人に教えるのは得意らしい。歩きながら俺はネギ君とは色々な話をした。俺も君と同じ関係者だとか、俺は人狼だとか(この話にネギ君はかなり驚き、泣いた)、君は何で先生をしているんだとか、たわいもない話だ。

「ありがとう。大方道は覚えられたよ」

「お役に立てて良かったです」

ソッと俺は頭を撫でてやるとネギ君は照れくさそうに笑った。いくら先生と言ってもまだ十歳で、遊び盛りの子供だ。それが教師をしているとは……父親に対する憧れが生半可な物ではないと感じた。

「ネギ君も自分の夢に向けて頑張っているんだな。その歳で偉いな」

「そんな事は……」

「いや、夢に向けて頑張っているのは偉い事だよ」

「はい。ありがとうございます」

やっぱりまだこの歳ぐらいの子供には笑顔が一番似合う。俺は昔に山奥で出会った兄弟の事をふと思い出した。あの二人は見ず知らずの俺を父親の様に慕ってくれた、しかもその弟がネギ君と同じくらいの年頃だった。

「よし、ネギ君。そろそろ学園長の元へ戻ろう」

「はい」

道もネギ君の解りやすい教え方で大体の所は頭の中に入った。周りは暗くなってきたし、これ以上子供のネギ君を連れ回すのは俺としても嫌なのでキリの良い所で戻る事にした。



「今日は色々とありがとうな。ネギ君」

「いいえ。困った時に、僕で良かったらいつでも呼んでください。さよなら」

またも礼儀正しいお辞儀をして部屋を後にしたネギ君。俺は弟でも出来た様な感じになっていたが、そんな和やかなムードは長く続かなかった。



「どうやら侵入者の様じゃな。ガロン君、さっそく仕事じゃ」

「警備員になっての初仕事ですね」

俺が立ち上がり、仕事に赴く準備を進めていると部屋に三人の女の子が入ってきた。一人は長い竹刀袋を持った女の子、もう一人は褐色の肌にギターケースを持った長身の女の子、さらにもう一人は細目で長身、そして忍者の服を着ている女の子だった。

「学園長、彼女達は?」

「君と同じで警備員の仕事をしておる中等部3-A所属の子達じゃ。新人警備員と言う事でしばらくは彼女達と一緒に侵入者を撃退する仕事をしてもらう」

「桜咲刹那です。よろしくお願いします」

「龍宮真名だ。よろしく頼む」

「長瀬楓。よろしくお願いするでござる」

3-Aと言えばネギ君が担当しているクラスだ。この三人、中学生なのにあなどれない実力を持っている。まぁ長身の二人はおよそ中学生とは言い難いんだが……。

「ガロンだ。新人警備員だが、足手まといにはならない様に気を付けるよ」

お互いに自己紹介を済ませ、侵入者の撃退へと赴く。さて、初仕事だが、上手く出来るかな?

魔界から来た人狼 第三話『初仕事』

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