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Task1:眩き副担任 投稿者:wey 投稿日:07/25-01:24 No.982
早朝の麻帆良に、映士は降り立った。アシュの監視者時代の黒服に身を包み、サガスナイパーを背中に背負い、サガスナイパーには荷物を入れた袋を担いでいた。
「ふ~・・・ここが麻帆良って学園か・・・・にしても、でけえな」
映士はそう言いながら歩いていると、朝飯を食い忘れたのを思い出し、腹をぐ~と鳴らした。
「おっと、俺様としたことが飯を食い忘れてたぜ。さて、どっかで腹ごしらえ・・・・お、いいにおいがするぜ」
映士がそう言って匂いのする見ると、移動型屋台【超包子】が店を広げていたのである。映士は適当なテーブルを見つけると、椅子に腰掛けた。
「さて・・・どんなメニューが「どうぞ」・・・ん?」
映士の目の前に突如出されたメニューを見て、映士が顔を上げるとそこには緑色の髪をした少女・・・・・いや、ロボ少女が立っていた。映士は一瞬驚いたが、とりあえず飯を食べたかったので素直に受け取った。
「あ~・・・頼みたいんだが」
「どうぞ」
「実はな・・・・・あんま中華に詳しくないんだ。だから、なんか適当に持ってきてくれねえか?」
「そうですか。では、この店のお勧めメニューでもよろしいでしょうか?」
「ああ、それで頼む」
そう言うと、少女は厨房へと向った。そして、コック姿の少女にそれを伝える。すると、凄ざまじい勢いで調理が行なわれ、料理が完成した。それを見ていた映士が唖然とする中、今度は別の少女がその料理を持ってきた。ミニツインテールに、アジアンちっくな容姿に中国系だと映士は悟った。
「お待たせアル。当店のお勧めメニューアルよ」
「おう、さんきゅ」
テーブルに置かれた料理は、どれも美味しそうに見え、どうやったら短時間で出来るのかが不思議なくらいだった。映士はほかほかの肉まんを手に取ると、思い切ってガブリと齧った。その瞬間、肉まんの生地の隙間から肉汁がこぼれ、口の中でとろける。その瞬間、映士は思わず叫んでいた。
「うめえええええええええええええええええええええええええええええ!!」
その叫びに、周りの客や少女たちが驚く中、映士はバクバクとその料理を平らげてった。その様子は、本当にうまいものに出会ったというのをとてもよく表現していた。そんな中、そんな映士に近づく一人の少女がいた。映士がそれに気づいてみてみると、先ほど映士の料理を作っていたコックの少女だったのを思い出し、映士は話しかけた。
「お前か?この料理を作ったのは?」
―――はい。
「マジで天才だぜ。こんなうまい料理、今まで食ったことがねえ!!」
―――喜んでくれて、何よりです。
「あ~、飯でこんなにいい気分なったのは初めてだ。ありがとな」
映士はそう言うと、その少女の頭を優しく撫でた。すると、少女は頬を赤く染め、嬉しそうな表情を見せた。すると、それを見ていたロボっ娘とチャイナが声を上げる。
「おおーーーーー!五月が赤くなってるアル」
「五月さん・・・・・とても嬉しそうです」
そんな中、突如ガシャーンと響く音がした。皆が振り向くと、そこには頭をモヒカンにしたゴツイ男が、ぶつかっただろう客にケンカを売っていたのである。
「痛~なこのやろう。どーしてくれるんだ?」
「ご、ごめんなさい!!」
「ごめんなさいで済むなら、警察もいらんわ!!」
明らかな恐喝に、チャイナと五月と呼ばれた少女が前に出ようとするが、それを映士が手を出して制した。
「何するアル!!」
「ここは、俺様に任せておきな」
映士はそれだけ言うと席を立った。そして、モヒカン男に近づく。すると、それに気づいたモヒカンが映士を見据えた。
「あ~ん?なんだテメエ?」
「うっせえぞモヒカン野郎。折角のうまい飯が台無しじゃねえか」
「じゃかしいわ!!」
モヒカンはそう言うと、拳を振り上げて映士めがけて放った。しかし、映士はそれを軽がると避け、その拳を掴む。
「な!?」
「おっせえな。見てて欠伸がでるぜ」
そう言うと、映士は軽くモヒカンを投げ飛ばした。投げ飛ばされたモヒカンはぎゃーと叫びながら、噴水に着水した。そして、なんとか這い上がったと同時に、気絶してしまったのである。
「全く。うめえ飯の邪魔しやがって・・・・ってやべ!!もう時間じゃねえか!!」
映士が慌てて代金を払おうとするが、五月は首を横に振った。
―――お店とお客さんを助けてくれた事が、今回の代金です。あと・・・これはおまけです♪
五月はそう言うと、暖かいあんまんを映士に渡した。映士は笑顔で受け取ると、そのまま一気に走り去るのだった・・・。
「さって、ここが学園長室って奴か・・・・・さて、いくか」
映士は覚悟を決めて、ドアを開いた。すると、そこには学園長が座っていた。それを見た瞬間・・・。
「テメエ!!どこのアシュだ!!」
サガスナイパーを手に取ろうとした。
「誰がアシュじゃーーーーーーーー!!よく見ろ!!ワシは人間じゃーーーーーーーー!!」
学園長の必死な答えに、映士は微妙に疑いを残しつつ伸ばしていた手を戻した。すると、一つ疑問に思った問いを投げかけた。
「じいさん?何故アシュを知っている?今の口ぶりだと、まるでアシュと会った事があるように見えるが?」
「ふむ・・・その事じゃが・・・・お主、高岡溝人の息子かの?」
「っ!!・・・・・・親父を知ってるのか!?」
「うむ・・・・・・実はの、十数年ほど前、お主の父親である溝人はこの学園に侵入したアシュを倒してくれた事があっての」
「そうだったのか・・・・・・親父が」
そう言って、昔を懐かしむ映士。すると、学園長が映士に話しかけた。
「ようこそ高岡映士君。麻帆良学園へ」
「サージェス財団所属、高岡映士だ」
「・・・“もう一つ”、名があるじゃろ?」
「・・・・眩き冒険者だ」
「ふむ・・・・・事情は牧野君から伺っておるよ。君にはね、二つほど依頼したい事があるんじゃ」
「依頼?」
「そうじゃ。一つは、この学園内に存在する・・・・ぷれしゃす・・・じゃったかの。それをネガティブシンジゲートから護る事。そしてもう一つは、この学園の生徒を護ってもらいたいんじゃ?」
「護るって・・・・何かあるのか?」
「この学園には、まぁ色々と特殊な生徒もおるんじゃ。そういう人物を狙って、他所からの敵が侵入する事も多々ある。じゃから、お主にまぁ非常時での警備員もしてもらいたいんじゃ」
「なるほどな・・・・・いいだろう、その依頼・・・受けてやるぜ」
「すまないの。・・・・そうじゃ、お主には今日から中等部3-Aの副担任をしてもらいたいんじゃ」
「副担任?んじゃ、担任は誰だ?」
「それを、今から紹介しよう・・・ネギ君、入ってきたまえ」
「はい!!」
元気な声と共に、ドアが開くとそこには赤茶髪の小さな少年が立っていた。スーツ姿だが、どうみてもただの子供。映士が疑問に思う中、学園長は言った。
「彼はネギ・スプリングフィールドと言っての。3-Aの担任じゃ」
色んな意味で、映士は固まったのだった・・・。
「へ~、お前が先生ってのは・・・・・すげえな」
「凄くないですよ。僕なんてまだまだです」
「はっはっは。謙遜すんな坊主。その年で先生をやれてるのは、すげえ事だぜ」
意外と話があったのか、ネギと映士はアッサリと仲良くなった。境遇が似ているせいなのだろうか。そんな中、二人は教室の前に着く。
「それじゃぁ、僕が呼んだら入ってきてください」
「おう」
ネギはそう言うと、教室へと入っていった。そして一分ほど騒いだ後、映士の名前が呼ばれた。
「・・・うし、んじゃいくか」
映士はそう言って、ドアを開いた。そして、そのまま教卓に着いたその時。
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!さっきの強い奴アル!!」
突如声が響いた。映士がその声の方向を見ると、先ほど超包子にいたチャイナ娘がいた。
「あ、お前はさっきのチャイナ娘」
もしやと思い、映士は周りを見渡した。すると、先ほど絶品の料理を出してくれた五月の姿があった。
「おう。さっきはありがとな、うまい飯を食わせてくれて」
―――いえ、私もあんなに美味しく食べてもらえて嬉しいです。
五月が微笑むのを見て、皆が騒ぐ中、ネギが皆をまとめる。
「え~では、映士さん。自己紹介をお願いします」
「おう・・・・うし、俺様は高岡映士。アシュのかん・・・・いや、本日よりこのクラスの副担任になったもんだ。まぁ、色々と宜しく頼むぜ」
アシュという単語を聞いた瞬間、クラスの何人かは微妙に表情を変化させた。しかし、それ以上に皆が俺様に反応したために気づかれる事はなかった。そして、そのまま質問タイムへと突入する。
「じゃぁ、今から映士先生への質問タイムに入ります。映士さんが手を挙げている人から選んでください」
「おう・・・・・・え~・・・・・・椎名桜子」
映士が最初に指名したのは、元気一杯に手を挙げる桜子だった。
「やった~♪それじゃ質問ね、先生の年は何歳?」
「俺か?俺は23歳だ(すいません公式HPに載ってなかったので一応この年齢にしておきます)」
「好きな食べ物は?」
「セロリ」
「うにゃ~変わってる~」
「誰がじゃ」
桜子の質問を終えると、次へと切り替える。
「次は・・・・・・んじゃ、四葉五月」
次に指名したのは、五月だった。
―――先生は、どんな料理が好きですか?
「料理か・・・・・基本的には嫌いなもんはなし!!あえていうなら、うまいもんが好きだ。ちなみに、四葉が作った飯は俺様的にはかなり好きだ」
―――じゃぁ、今日の夜も食べに来てくださいね。
「おう。行けたらいくからな」
そして、三人目を指名しようとしていると、突如視界に一人の少女が映った。皆とは違う制服を着ており、皆には見えないのか悲しそうな顔をした少女。映士はなんとなく、その少女を指名する事にした。
「え~と・・・・・相坂・・・・・さよ」
名前を呼んだ瞬間、さよはえ?と顔を上げた。しかし、皆は何事かと疑問を浮かべていた。
「高岡先生、このクラスには、相坂さよって娘はいないんだけど?」
報道部員の朝倉がそう答えるが、映士は逆に疑問を浮かべた。
「ん・・・・・お前ら見えないのか?・・・よっと」
映士はそう言うと、さよの頭に手を置いた。そして、我流で覚えた気の力を送り込む。すると、全く見えなかったさよの体が実体化したのである。
「え・・・・え!?私が見えているんですか?!」
少女がパニックになり、皆が呆然とする中、映士はさよに話しかけた。
「・・・・相坂」
「は、はい!!」
「一人で・・・・寂しかったんだよな?」
「は・・・・・はい」
「でも、もう心配すんな。これからは、お前も俺様の生徒だ」
「・・・は・・・・・・・はい♪」
そう言って、嬉しそうなさよの頭を撫でる映士。それを見て、皆の中から恐怖心は消え、暖かな気持ちになった。
「そんじゃま、これからよろしく頼むわ」
そんなこんなで、映士の3-A副担任生活が始まったのだった・・・。
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