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エピソード1:ガイア、再び 投稿者:wey 投稿日:04/02-01:58 No.2206  






とある世界で、少年は願った。ウルトラマンに会いたい、ただそれだけの願いを。



すると、願いに答えるように赤い玉が出現し、少年の願いをかなえた。



しかし、その玉の負の部分によって出現した怪獣により、少年の世界は滅びかけた。



少年は、その玉との因果を断ち切るため、玉の消滅を願った。それは、少年の憧れだったウルトラマンとの別れ。



そして、日常へと戻った世界。しかし、その世界は再び、光の再来を望んでいた。



破滅なる意志との・・・戦いのために。










エピソード1 ガイア、再び










「え~と、この駅かな」


電車に乗っていた少年が駅に降り立った。そこには、巨大都市【麻帆良】が存在していた。


「こんな広いところなんだ、麻帆良って・・・・って驚いてる場合じゃないな。学生寮の方にいって明日の準備もしたいし、街の散策もしないと」


そう言うと、少年は抱えた荷物を持ちながら歩き出そうとした。すると、一冊の本が地面に落ちてしまった。それを見て、少年は慌てて拾う。


「ふぅ・・・大切な思い出の本だから気をつけないと」


少年は鞄の奥底に本を入れ直すと、そのまま麻帆良へと繰り出していくのだった・・・。










場所は変わり、麻帆良都市にある保育園。そこでは薄茶色の髪の女性・・・いや、少女がボランティアに来ていた。


「ちづるおねーちゃーん」
「あそぼ、あそぼー」
「はいはい♪」


ちづると呼ばれた少女は、慕ってくる子供たちの世話をしていた。その様子は、聖母マリアを思わせるほど、純粋で美しい光景。しかし、空が夕焼けに染まりかけてきたと同時に、彼女と園児たちとの時間は終わってしまう。


「それじゃ、そろそろ私は帰るわ」
「え~!!もっと遊ぼうよー」
「ねーねー」
「だーめ。もうすぐ、お母さんが迎えにくるでしょ?それに、私の大切な友達が待ってるから、帰らなきゃ」
「うー・・・・わかった。ちづるおねーちゃん」
「はい、いい子ね♪」


そう言って、園児たちをやさしく撫でるちづる。そして、ちづるが園児たち別れようとした・・・・その時・・・。






―――ドゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン






麻帆良の街に、破滅の下僕が舞い降りた。










「な、なんで!?」


突如降り立った破滅に、少年は驚愕していた。そう、少年が見ている光景の先には【巨大異形獣サタンビゾー】・・・・そう、かつて願いを叶える赤い玉によって召喚された怪獣が目の前に立っていたのである。


「そんな!!あの赤い玉がないのに、なんで!?」


少年はパニックに陥っていた。怪獣とかのいない世界を望んだはず。元の平穏を望んだはずだった。しかし、今現実に目の前にいる怪獣は、街を破壊していた。


「ど・・・・どうしよ・・・・え?」


少年の視線の先には、保育園があった。そして、そこに着実に近づく怪獣。


「な、なんとかしないと・・・・なんとか」


そう言いながらも、一歩が踏み出せない少年。しかし、少年の視線の先では、園児たちを避難させる少女の姿があった。それがキッカケか、少年は走りだした。そしてそのまま、少女がいる保育園に辿り着く。


「な、何してるんですか!?早く逃げないと」
「でも、この子が怪我をしちゃって」
「それじゃ、僕も手伝います」
「でも、もう目の前に来て・・・」


少女が空を見上げると、怪獣がビルを踏みつぶすのが見えた。そしてその瓦礫の一角が、少女とその園児に襲いかかる。




「危ない!!」




少年は咄嗟に、少女と園児を突き飛ばした。それが功を奏したのか、二人は瓦礫の落ちてこない場所まで吹っ飛ばされた。しかし・・・。






―――ズガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン






無常にも、少年のもとに瓦礫が降り注いだ・・・。










「学園長、あれは!?」
「まさか、関西呪術協会では?」
「いや、関西呪術協会にあのような魔物を召喚するほどの術者はおらんじゃろう」
「では、学園長はあれが悪魔だと?」
「この麻帆良を狙った魔族が召喚した魔獣ならまだ納得がいくじゃろう・・・・高畑君、すぐに魔法先生と生徒たちを招集するのじゃ」
「しかし!!もし公の場で魔法を使えば、魔法使いの存在がバレてしまいます。そうなれば、世界規模の混乱になりかねません」
「それに、あの規格外の相手にどうやって挑めば・・・」
「うむ・・・」


麻帆良学園の学園長室では、学園長、高畑・T・タカミチ、葛葉刀子の三人が集まり、相談をし合っていた。


「よりにもよって新学期前日にこれとは・・・・・やむをえん!!魔法生徒には待機、魔法先生を招集するのじゃ!!ただし、魔法先生達には認知阻害の魔法をかけるよう指示。せいぜい、戦闘機に見えるようにして対処を行うのじゃ!!」
「分りました!!」


そう言って指示を出す学園長。しかし、その顔には焦りが見えていた・・・。










その頃、少年の瓦礫の中でなんとか生きていた。しかし、光すら見えないほどに瓦礫が積み重なってるため、脱出は不可能だった。


「僕は・・・・・こんな所で・・・・死んじゃうのかな」


少年の心は、絶望に満ちていた。もう助からない、諦めろ、もう終わり・・・そんな言葉が頭の中に響く。しかし、何故か少年の頭の中には、絶対に諦めず戦った憧れの人の顔が浮かんだ。


「我夢・・・・僕・・・・僕・・・・・やっぱり諦めきれないよ。僕はもう、皆が泣く世界が嫌なんだ!!だから・・・・・我夢、僕に力を!!」


少年はただ、希望を込めて叫ぶ。すると、少年の持っていた鞄から、光が漏れ始めたのだ。少年が中をガサガサ漁ると、そこには・・・・・・光を放つ思い出の本があった。


「これは・・・?」


少年はその本を手にした。すると、枯れかけていた彼の勇気が、再び湧きあがったのだ。




「僕に・・・・僕に・・・・・光を!!」




少年は、あの時と同じ・・・・そう、ガイアがピンチだったあの時、ウルトラマンティガ、ダイナを呼んだあの言葉を必死に叫んだ。すると、本は更に輝きを増した。そしてそれは、眩しいくらいの光になる。そして、光が収まった少年の手にはあの思い出の本は存在しなかった。そしてその代わりに手には・・・・・・・【エスプレンダー】が存在していたのだ。


「これは・・・・・エスプレンダー!!なんで・・・」


少年が驚きの声を上げる中、突如彼の頭の中に「がんばれ」という言葉が響いた。それはまさしく、少年の憧れ・・・・高山我夢の声。少年は身を奮い立たせると、エスプレンダーを握りしめた。そして・・・。










「ガイアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」










大地の女神の名を持つ巨人の名を叫んだ。










「大丈夫・・・・お姉ちゃんがついてるから」


その頃、ちづるはなんとか近くの公園に身をひそめていた。瓦礫に埋もれた少年も気になるが、今はまずこの子を助ける。今のちづるには、それが限界だった。


「・・・・ひっく」
「大丈夫・・・・きっと大丈夫だから」
「こわいけど・・・・ぼくたちだいじょうぶ」
「え?」
「おかあさんがいってた。もしかいじゅうがあらわれたら、ウルトラマンがぼくたちをたすけてくれるって」


園児の無垢なる願い。ちづるも信じたかったが、悔しそうな顔をしていた。ウルトラマンとはテレビのヒーロー。実在しない英雄。しかし、園児はそれをまっすぐに信じていた。そんな中、怪獣が進路を変え、こちらへと迫ってきたのだ。


「大変!逃げないと」
「ぼく、もうにげない」
「え?」
「ウルトラマンが・・・・・きっと助けてくれるもん!!」


そう言うと、子供はちづるの前にたった。


「だから、ちづるおねえちゃんはぼくが守るもん!!」


勇気を振り絞った子供に向けて、怪獣は手から光線を放とうとした。ちづるが駆け寄るが、もう逃げられない。そんな時、ちづるは心の中で願った。






(助けて・・・・・・ウルトラマン!!)






そう言って、ちづるは目を瞑った。しかし、何故が衝撃が何も来ない。ちづるが目をあけるとそこには・・・赤い光の柱が出現し、怪獣の光線を防いでいたのだ。


「何が・・・?」


驚きで何も言えないちづる。そして次の瞬間!!










「・・・・・・・・・・・・・・・・・ジュワ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」










地面を震わせ、一人の銀色の巨人が舞いおりた。


「・・・え?」


ちづるは目の前の存在を理解できなかった。しかし、そばにいた園児は迷わず、こう呼んだ・・・。






「ウルトラマン・・・・・・・・・・ガイアだ!!」






今、地球の守護者が麻帆良に降り立った。
麻帆良に降り立つ地球の守護者 エピソード2:我夢を継ぐ者

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