HOME  | 書架  | 

当サイトは「魔法先生ネギま!」関連の二次創作投稿サイトです。ネギま!以外の作品の二次創作も随時受け付け中!

書架

[]

エピソード3:宇宙忍者、現る 投稿者:wey 投稿日:04/05-02:57 No.2216  






「え~と、新星勉です。今日からこのクラスで皆さんと勉強させていただきます。どうか、よろしくお願いします」


そう言って、ぺこりと頭を下げる勉。そんな中、クラス委員長のあやかが勉に尋ねた。


「あの、ひとつお聞きしたいのですが・・・・新星さんは男子生徒ですね。何故、女子中等部に?」


あやかの言葉を受けた瞬間、勉はピシッと半石化状態になってしまった。それを見てあやかが慌てる中、勉が魂抜け気味に答える。




「ははは・・・・昨日現れたサタンビゾーに泊まる部屋と搬入予定の机とかをぶっ壊されてね(涙)」




もう泣くしかない状態の勉。


「も、申し訳ありませんでしたわ」
「いいよ・・・・まぁしょうがないわけだし」


かなり凹み気味の勉を復活させるのに、数分かかってしまったのだった・・・。










エピソード3 宇宙忍者、現る










「えっと、新星さんに質問がある人は手を「はーいはーいはーい!!」」


ネギが言い終える前に、多くの手が上がった。ネギはその中から、まず一人・・・いや、一組を指名した。


「はい、風香さんと史伽さん」
「はーい!えっと、勉っちが好きなウルトラマンは何ーー?」
「ウルトラマンか・・・・それは昭和でも平成でもいいの?」
「うーん。できれば平成でお願いしたいな」
「平成なら・・・・・やっぱりガイアかな」
「やっぱりガイアなんだ~。まぁ、エスプレンダー持ってたもんねー♪」


そう言って笑みを浮かべる風香に照れてしまう勉。そうしているうちに、今度は史伽が質問してきた。


「え・・えとえと、ガイアの必殺技では何が好きですか?」
「必殺技なら・・・・・・・やっぱりフォトンエッジかな。V2のフォトンストリームも結構好きだけど、やっぱりガイアの基本はフォトンエッジだし」
「なるほど~」
「ちなみに、君が好きなウルトラマンは?」
「わ、私は個人的にティガが好きです。最終話のティガが蘇る場面は何度見ても泣いちゃいます~」


そう言って盛り上がっている間に、ネギは次の生徒を指名していた。




「え・・・え~と、では次に・・・・・那波さん」




ネギの声の先を、勉は見た。そこには、勉が助けた少女・・・千鶴がいた。


「あ、君は!」
「あの時、助けてくださって・・・ありがとうございます」
「い、いや。無事でよかったです」


その会話を聞き、後方にいるアンテナ娘ハルナがラブ臭などを口走っていた。


「じゃぁ最後に・・・「はいはーい!!」はい、朝倉さん」
「さんきゅ、ネギくん」


ネギが最後の一人を選ぼうとした時、突如手を上げて自分をアピールする少女がいた。そしてネギはそのまま、朝倉と呼んだ少女を選ぶ。


「それじゃ質問ね。このクラスの中で・・・・・・気になる人いる?」


それを聞き、勉は一瞬思考が停止した。そしてしばらくして・・・。






「え・・・・えええええええええええええええええええええええええ!?」






勉は絶叫を上げた。


「い、いやそういうのはこういう場では・・・」
「でもさ、このクラスは結構レベル高い娘揃いだからね~。そこらへんは調べておきたくてさ。あ、別に見た目だけでもいいよ」
「そ、それって言わないとダメ?」
「ダメ♪」


満面な笑顔を浮かべる朝倉に冷や汗をかきつつ、勉は皆を見た。見た限り、朝倉の言葉通りかわいい娘は多い。


「ほら、早く早く♪」


小悪魔的な表情の朝倉に促され、勉は覚悟を決めた。


「・・・えっと、言うのは一人でいいんだよね?」
「ん~・・・出来れば何人か言ってほしいかな」


勉はそれを聞き、ネギから名簿を借り、口を開いた。




「えっと・・・・・・神楽・・・坂・・・・明日菜さん」




それを聞き、クラスから驚きの声が上がった。


「え、明日菜っち!?」
「まさか、このおさるさんに!?」
「何言うのよいいんちょーーーーー!!」


金髪のロングヘアーの少女と、明日菜と呼ばれた少女がケンカになりそうになったが、なんとかおさまり、朝倉はあえて勉に尋ねた。




「えっと・・・ちなみに明日菜っちを選んだ訳は?」
「それは・・・・・神楽坂さんから、輝きを忘れない太陽ってイメージを感じたから」




それを聞き、おおーと驚きの声を上げるクラス。それに対し明日菜は・・・


「あ・・・・ありがと」


照れながら、髪止めの鈴をイジっていた。


「あと・・・・・・・大河内アキラさん」


これには、運動部の仲間たちがおおーと声を上げた。そして、再び朝倉は理由を尋ねる。


「アキラっちを選んだ理由は?やっぱスタイルいいし、クールそうだから?」


朝倉が悪戯心全開の笑みで言った。それを聞き、アキラはどことなく不安そうだった。




「いや・・・・・なんていうか・・・・・・動物好きっぽいような・・・・・凄く優しい感じがする」




それを聞き、朝倉は固まり、クラスは静まりかえった。それに対し、アキラは頬を赤くしつつも嬉しそうだった。


「そ・・・・・そう・・・・・それじゃ、最後に一人お願いするね」


朝倉の言葉を受け、勉は名簿を見る。そして、勉は一人の少女の方を見た。


「えっと・・・絡繰・・・茶々丸さん」


これには、皆が一番驚いた。




「え・・・・えっと、絡繰のどこがいいのかな?」
「うーん・・・いまいち説明できないんだけど・・・一言でいうなら、聖母?」




それを聞き、茶々丸は驚くと同時に内部のジェネレーターやら駆動部分が熱くなるのを感じていた。そんなこんなで、勉への質問タイムは終わった。


「え~と、じゃぁ新星さんは・・・・エヴァンジェリンさんの隣でお願いします」


ネギに促され、勉はブロンドの髪が綺麗な少女【エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル】の隣に座った。


「よろしく、エヴァンジェリンさん」
「・・・ふん」


プイっと顔を横に向けるエヴァ。その様子に苦笑する勉。そしてそのまま、授業は開始された・・・。










放課後、線目の少女【長瀬楓】は翌日からの修行のために麻帆良の森へ向かおうと歩いていた。


「さてさて、修行もかねて食料調達でござるかな」


そう言いながら歩いていると、楓はふと自分の影がおかしいと感じた。よく見ると、そこには自分の影ではなく、何やら異形の影が存在したのである。




「・・・何者でござるか!!」




周囲に人がいないのを確認した楓は、跳躍し振り返ると同時に手裏剣を影に投げつけた。






―――・・・カカカン!!!






数枚の手裏剣が突き刺さる。すると、影はゆっくりと起き上がった。そしてそこから現れたのは、ハサミのような両手に蝉の外見をした異形の者。


「・・・何奴?」
「フォッフォッフォッフォッフォッフォ」


異形は何も言わず、ただ楓に襲いかかった。










「ふ~、大変な一日だったな」


あの後、自分の歓迎会をしてもらった勉は、割と早くクラスに馴染めそうだと感じていた。そんな中、突如破壊音が聞こえた。


「な、なんだ!?」


勉が音のしたほうを見ると、何かが高速で動いているようだった。


「とりあえず・・・・行ってみよう」


そう言って、駆け出す勉。そしてその現場に辿り着くと、そこにはクナイを片手に応戦する楓と・・・・。




「な、なんでバルタン星人が!?」





楓と戦う異形・・・・バルタン星人が存在したのだ。




―――バルタン星人。ウルトラマン第2話に現れた宇宙忍者。その存在はウルトラマンを知ってる人なら誰でも知っている宇宙人。帰マンや80にも出現し、しまいにはハリウッド版バルタンが生まれたほどだ。そんな中、勉の声を聞いたバルタンが、勉のほうを向いた。


「フォッフォッフォ・・・・まさか、まだ我をバルタンと呼ぶ輩がいるとはな」


バルタンの視線を受けながらも、逃げる気配を見せない勉。そんな中、勉の横に楓が降り立った。


「な、長瀬さん!?」
「勉殿、この者を知ってるのでござるか?」
「う、うん。ウルトラマンの宿敵の代名詞、バルタン星人だよ」


それを聞き、驚く楓。しかし、それに対しバルタンが答えた。


「正確には違うな。私は、バルタン星人の魂を触媒とし誕生した・・・・・魔人バル」
「魔人・・・バルだと」
「そうだ・・・・我は我が主の命を受け、この麻帆良の破壊にやってきた。姿を見られた以上、貴様たち二人には死んでもらうぞ」
「・・・あいにく、死ぬ気は全くないよ」
「ほぅ・・・地球人風情が何を言うか。我らを倒せる存在は、M78星雲のウルトラ警備隊以外にはおらんぞ」


それを聞き、勉は懐にあるエスプレンダーを取り出そうとする。しかし、使うべきか迷っていた。


(ここで変身したら・・・・僕がウルトラマンだってバレてしまう。どうすれば・・・)
「こないのなら・・・・こちらからいくぞ!!」


そう言って、バルタンが襲いかかる。しかし、それをバカでかい手裏剣が防いだ。


「な、長瀬さん!?」
「勉殿!!こやつに弱点はないでござるか!?」
「バルタンに弱点・・・・・あるにはあるけど、楓さんじゃ無理だ!!」
「何故でござる!?」
「バルタンの弱点はたった一つ、スペシウム光線だけなんだ!!」


―――そう、バルタン星人が唯一苦手とするのはスペシウム。そしてそのスペシウムの力を使えるウルトラマンこそ、最大の弱点なのだ。


「く、厄介でござる」


そう言いつつも、楓は四つ身分身を行った。そしてそのまま、同時にバルタンを切り裂く。それにより、バルタンは地面に伏した。


「・・・やったでござるか?」
「いや、まだだ!!」


勉の言葉通り、バルタンはまるで脱皮をするかのように立ち上がった。


「面妖な!!」
「甘いな」


ゾクっとした気配に楓は震えた。後ろから聞こえるのは、バルの声。


「くっ!!」
「遅い」


容赦なく、バルタンの腕が楓は腹部を捉えた。そしてそのまま、楓は地面に転がり、倒れた。


「長瀬さん!!」


勉はすぐに駆け寄った。幸い、受け身をとったおかげか大したダメージではなかった。


「・・・勉殿、すぐに逃げるでござる。ここは・・・」
「分かってる、僕が戦う」


そう言って、楓の前に立つ勉。


「な、何を言ってるでござるか!!勉殿は普通の人間、立ち向かうには無謀すぎるでござるよ!!」
「でも・・・・・僕は、傷ついてる女の子を見捨てたくないんだ!!」


そう言い、勉は覚悟を決めた。そして、懐からエスプレンダーを取り出す。


「勉・・・・殿?」
「長瀬さん・・・・僕も厳密には人間じゃないかもしれない。でも、これだけは信じて・・・僕は・・・君を守る!!」


そう言って、勉はエスプレンダーを前に突き出した。そして・・・・。










「ガイアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」










再び、大地の巨人の名を叫んだ。そして、その場を光が包む。


「な、何が!?」
「フォフォ」


驚く楓と愉快そうなバルタン。そして光が収まるとそこには・・・・銀に赤のラインが入った光の巨人【ウルトラマンガイア(人間サイズ)】が姿を見せた。


「つ、勉殿?」
「フォッフォッフォ。貴様も光の一族の一人か・・・・いいだろう、かかってこい!!」


バルの声を聞き、走り出すガイア。そして、バルと組合いになる。


「ジュワ!!」
「くく・・・・さすがは光の一族。こうでなくては、倒しがいがないわ!!」


バルはガイアを振りほどくと、ハサミの腕から光弾を発射した。ガイアはギリギリでバリアを形成するが、衝撃に耐えきれず吹っ飛ばされてしまう。




「ジュワアアア!!」
(く、迂闊だった。バルタンのあのハサミからは、熱光弾が発射されるんだった)




ガイアは立ち上がると、一気に決めようとフォトンエッジの体勢に入る。すると、突如バルタンは分身をし始めたのだ。それにより、本物のバルタンの見分けがつかなくなってしまうという窮地に立たされたのだ。


(くそ・・・・フォトンエッジは連射できないし、使ったらエネルギーの消耗が激しくなる。どうすれば・・・)


困惑するガイアをニタニタと眺めるバルタン。しかし、それが仇となった。




―――ズバババババ




(え!?)
「な、何!?」


突如、十文字の手裏剣が投擲され、分身のバルタンは消滅されたのである。そして、そのまま手裏剣を投げた楓が叫ぶ。




「今でござる!!勉殿!!」




この最高のタイミングに答え、ガイアはバル目がけてフォトンエッジを放った。それを受け、苦しみながら消滅しているバル。


「く・・・・くくく・・・・」
「ジュワ(何がおかしい!?)」
「我はせいぜい先兵にすぎん・・・・・これから来るのは、途轍もない驚異だぞ」
「ゼア(でも・・・僕は、必ずこの麻帆良を・・・地球を守ってみせる)」
「そうか・・・・ふふふ・・・はっはっはっは!!」


笑い声とともに、バルは消滅した。そして、変身を解いた勉に楓が近づく。


「勉殿・・・・」
「ははは・・・・長瀬さんにバレちゃった」
「いや、他言無用にするでござる。心配なさるな・・・それより、すまなかったでござる」
「え?」


予想外の言葉に、勉は疑問の声をあげた。


「拙者が油断したばっかりに、勉殿を変身させてしまった・・・・申し訳ないでござる」


そう言ってしょんぼりする楓。そんな楓を、背伸びしながら勉は撫でた。


「長瀬さん・・・・僕は、僕の意志で変身したんだ。悔いはないよ。それに・・・」
「それに・・・・なんでござるか?」


楓の問いに、勉は恥ずかしそうな顔で答えた。






「楓さんは女の子なんだから・・・・男の僕に、頼って欲しい・・・・かっこつけてるかな?」






そう言って顔を赤くしながら笑う勉。しかし、楓にはクリティカルヒットだった。楓の普段開かれない目は完全に開き、顔は真っ赤。頭からは煙が出てきていた。そしてそのまま、パタリと倒れてしまった。


「ちょ、楓さん!?」


倒れた楓に慌てる勉。仕方なく、お姫様抱っこで楓を抱き上げると、女子寮まで運んでいったのだった。ちなみに、楓の同室の双子姉妹のところに送り届ける途中に起きた楓がパニックになり、それを聞きつけた3-Aにからかわれてしまった(笑)。ただ、その時の楓の顔は実に嬉しそうだったと、双子姉妹は語る。
麻帆良に降り立つ地球の守護者 エピソード4:キンザの涙、ガイアの使命

  HOME  | 書架top  | 

Copyright (C) 2006 投稿図書, All rights reserved.